人間がウマ娘に負けるわけないだろ!いい加減にしろ!! 作:なちょす
独身兄貴たちホヤ好きすぎじゃない?
お気に入り1000件突破したからガチャ自慢させて!(唐突)
こりゃ良いやってんで景気づけにサポカガチャ回したの。
10連でSSR出たの。
賢さシャカールだったの!クソがッ!!!!!!
兄貴たちも引いて♡引け⋯っ(唇を噛みながら)
シャカールとライアンどっちが良いか言って♡
言えよッ!ほらッ!!(枕を濡らしながら)
静まり返った控え室。
遠くから聞こえてくる、人のざわつき声。
レース前のこのピリピリした雰囲気は、いつだって不思議な緊張感に包まれてる。
ビッグネームのG1レースや中・長距離路線に比べると、まだまだ人の少ない
その為に、まずはいつものように自撮りしてうまスタにアップしなきゃ。
「#レース前⋯⋯#緊張するけど⋯#頑張ります♡」
「カレンはいつも通りだな。」
「心配?」
「まさか。安心したよ。」
後ろで見ていたお兄ちゃんはそう言った。
だっていつも通りのカレンじゃなくちゃ、お兄ちゃんは気にしちゃうでしょ?それに⋯⋯今日は、なんだか負ける気がしない。
緊張のドキドキとは違う胸の高鳴りが、じんわり身体に熱を広げていくこの感じ。最高の状態───だと思う。
「カレンさん、僭越ながらゼッケンをお持ちしました!」
「ありがとうデジタルちゃん。後ろ、お願いしていいかな?」
「ひぇえっ!?ア、アタ、アタシで良いんですか!?」
「デジタルちゃんにやってもらったら、力を貰えそうだもん。お願い♡」
「かヒュっ⋯⋯。」
不思議な声を出した後、デジタルちゃんは泣きながらゼッケンを付けてくれた。後ろからちっちゃな声で『ありがとうございます⋯』って聴こえるのが、少し恥ずかしい。お礼を言いたいのはカレンの方なのに。でもそこがこの子の良いところだし、原動力なのが凄く分かる。
そう言えば、前にファル子さんが話してたっけ。
『デジタルちゃんは、いつも他の人の事を考えてくれるの。ファル子のファンの事、ウマ娘の子達の事⋯⋯あの子は自分を低く見ているかもだけど、本当は優しくて凄く気配り上手な子だと思うな。』
ふと顔を上げると、鏡にはいつもの光景が映る。
「徳積めましたよね⋯ありがてぇ⋯⋯ありがてぇ⋯⋯ッ!!」
「マジ泣きするほど?⋯⋯ほれ、ハンカチ。涙拭きな。」
「ぢーーーーーーんッ!!!!」
「涙拭けっつったろが!!」
2人のそんなやり取りに思わず笑っちゃう。うん、このゆるい雰囲気が緊張感を消してくれる。鏡越しにこっちを見たお兄ちゃんは、困ったように笑っていた。
会場に来る途中や学園内でも、お兄ちゃんはカレンの調子を聞いてくれた。トレーニング中は、デジタルちゃんが他の子達の面倒を見ながらカレンの事を気にかけてくれた。
レースが近づいた子には、2人はいつもそうして支えてくれている。だから皆、このチームで頑張ろうって思えてる。
今日はいつもと違うレース。いつもと違う状況。
だって⋯⋯お兄ちゃんが居る。
それだけで今日のカレンは無敵だけれど、折角ならお兄ちゃんからも元気を貰いたいな。
「ねぇ、お兄ちゃん。カレンを仕上げてくれる?♪︎」
「ん、良いぞ。じゃあ座ってくれ。」
「えっ?うん⋯⋯。」
お兄ちゃんに言われるがまま椅子に座る。
その時───。
「あっ───!」
デジタルちゃんの小さな驚きと同時で、カレンの尻尾にサラリとした感触が通った。キュッと身体が強ばる。
手櫛。
う〜〜〜〜ん⋯⋯これはちょっと予想外。
「ん⋯⋯カレン、尻尾をあまり振られると整えるのが難しいぞ。」
「えっ?あ、うん⋯⋯。」
そんな事言われても、カレンの意思じゃどうする事も出来ないよ。ウマ娘の子達は滅多に尻尾のケアを人に任せたりはしない。その子によってこだわりがあったり、単純に触られるのが苦手な子だっているもん。
カレンはその⋯⋯いつもみたいに、"カワイイ"って言ってもらえればそれで良かったんだけど⋯⋯どうしよう。
ちょっと⋯⋯頬が緩みそう⋯かも。
「大事なレースがある時、誰かさんにもこうやってたんだ。」
「そうなの?」
「あぁ⋯⋯俺の想いも一緒にゴールまで運んで欲しいって、ただの我儘なんだけどな。結果的にこれをやってた時は負け知らずだったんだが。」
「へぇ〜⋯⋯?」
チラリと目をやれば、その"誰かさん"の顔が下から徐々に紅くなっていった。あはっ、カワイイ♡。
⋯⋯うん。嫌じゃない。寧ろ、どこか安心してくる。デジタルちゃんがそんな風になるのも分かる気がするな。
手の感触とお兄ちゃんの体温が、ゆっくりカレンの中で混じっていくみたいに⋯⋯でもなんだろう?この感じ⋯ずっと昔にもあったような⋯⋯。
「カレン?どうした?」
「えっ?」
「随分楽しそうだけど⋯⋯。」
もう一度鏡を見ると、そこに映った自分の顔は今まで見た事もない表情をしていた。緩んでしまった口元。少しだけ紅くなったほっぺ。お兄ちゃんは楽しそうって言ってたけど⋯⋯これ、自分でも分かるくらいに嬉しいんだ。
「なーいしょ♡」
あっ、デジタルちゃんが見てる。
う〜⋯⋯お兄ちゃんは気付いてないけど⋯⋯どうかお兄ちゃんには隠していて欲しい。
内緒にしてねって意味を込めて人差し指で"しーっ"ってすると、デジタルちゃんは笑ったままどんどん色が薄くなって⋯⋯えっ、薄く?
「よしっ!頑張ってこい。今日のお前は最高に"カワイイ"ぞ。」
「う、うん!じゃあ1番いい所で、カレンを見ててね♪︎」
「勿論。じゃあ行くぞ、デジタル⋯⋯何で気失ってんの?」
「あははっ、何でだろうね」
深い溜息をついて、デジタルちゃんを引き摺りながらお兄ちゃんは部屋を後にした。
2人が部屋を出ていってすぐ、もう1人お客さんが来てくれた。
恥ずかしそうに⋯⋯ううん、申し訳なさそうに、かな?扉の影から青色の薔薇が顔を出している。
「あの⋯⋯カ、カレン⋯さん?」
「あっ!ライスさん!!」
「ご、ごめんね⋯⋯?レース前なのに押しかけちゃって⋯⋯。」
「大丈夫ですよ〜♪︎ブルボンさんも来てるんですか?」
「うん。ブルボンさんは、先に観客席に行くって言ってたよ。トレーナーさんに用事があるんだって。」
「あ〜⋯⋯なるほどぉ⋯。」
マヤちゃんじゃないけれど、ブルボンさんが何をしたいかは何となく分かったかも。お兄ちゃん、頑張れ!!
ライスシャワーさん。長距離路線で活躍している
ブルボンさんは"坂路の申し子"に相違無いくらい厳しかった。でもカレンの状態を逐一確認してくれたし、無理な事は絶対しない人。
ライスさんは、いつだってカレンを鼓舞し続けてくれた。休憩中は差し入れを持ってきてくれたりしてくれたお姉ちゃんみたいな人。
ここだけの話⋯⋯ブルボンさんの坂路トレーニングよりもライスさんとの併走の方が、カレン的にはちょっと怖かったかな。プレッシャーが。
「それでどうしたんですか??あっ、もしかして差し入れを持ってきてくれたとか!」
「ふふっ⋯⋯うん。その、いつもみたいにお菓子とかじゃないけれど⋯⋯。」
ライスさんが鞄から取り出したのは、一輪の青薔薇が入ったガラス瓶。
「これね⋯プリザーブドフラワーって言うの。お花がいつまでも綺麗なまま残せるように加工したんだよ。青薔薇の意味は⋯⋯"祝福"に"夢が叶う"。カレンさんの夢が、必ず叶いますようにって⋯⋯。」
そう言ってカレンの手を取ったライスさんは、とってもカワイイに満ちていた。
この人の事は、デジタルちゃんやお兄ちゃんから聞いていたんだ。
今のチームに入るまでのこと。
世間からは"
そして、今もこうして走り続けていること。
強い人だなって思う。名は体をあらわすって良く言うけれど、間違いじゃないのかも。
歓喜と祝福を───いつも言っていた、ライスさんの口癖。
その祝福は形を変えて、今確かにカレンの手の中にある。
それなら───。
「カレン、負けないよ。絶対勝ってくる。だから⋯⋯見ていてね、ライスお姉ちゃん♡」
「うん!えっ、お姉ちゃん?ラ、ライスが⋯⋯ふぇえっ!?」
「それじゃ、行ってきまーす♪︎」
ギュッとハグして地下バ道へと走る。
「あっ、あのねっ、
振り返ってピース。ライスお姉ちゃんは、手を振って見送ってくれた。
うん、やっぱり絶好調かも!
絶対絶対、誰にも負ける気がしない。
今日のカレンは、最っ高にカワイイ!!
ライスシャワー(お姉ちゃん) : ウマ娘が誇るヒール(癒し)枠。何人のお兄様とお姉様を生み出したッ!言えッ!何リットルの涙を搾り取ってきたッ!言えッ!ブルボンミホノと同じチームになってからは若干気持ちが前向き。でもドリンクボトルは全部ぶちまけるし、鬼が宿れば短刀を抜くのも厭わない。『ライス、あっちの遊園地も好きだよ?』で掛かった兄貴たちは自首して。自首してきます。
2章のヒロインは独身兄貴たちと決めたいですわ。
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分かっちゃった系天才ウマ娘
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クソガキ系魔女っ子ウマ娘
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とりあえず勇者とホヤ遊ばせ