目覚めるとそこは廃墟 作:海砂
先頭に真っ白な猫ちゃん。続いて、平々凡々な女子高生である私、片岡よし子。そしてシンガリがイケメンザンス軍人ことカルロスさん。
うーん、どう好意的に見ても不審な三人組です。あ、みるくちゃんをちゃんと人数に数えてあげないと、彼はガチでブチ切れますヨ。
そんな不審者達の愉快な珍道中です。時々ゾンビさんがヴァーっと飛び出してくるのを除けば、ですけどね。……って、もしかしてそれも含めての珍道中なんでしょうか。私にはよくわかりません。
それはともかく。しばらくの間私達は街中をウロウロしていたのですが、残念ながら一人の生存者ともお会いすることができませんでした。
亡くなられた方ならたくさん……その中には、カルロスさんの同僚だったというジョージさんとリチャードさんもいらっしゃいました。お一人発見するたびに、カルロスさんの口数が少なくなっていきました。こころなしか、みるくちゃんの足取りもとぼとぼしています。自然と私もしょんぼりしてしまいました……空気がとても重いです。あんなに青かった空も、いつの間にか曇り空へと変わっていました。
「カルロスさん!」
私は意を決してカルロスさんに話しかけました。カルロスさんには(もちろん私にもですけど)目的があるんです。こんな所でおちんこ出る場合じゃないんです!!
「え? おち……何だって?」
カルロスさんが怪訝な顔をしています。何も変なことは言ってませんよ? こんな所でおちんこ出られないって言っただけです!!
「おちこんで……おちんこでて……いや、ねーだろそれはwwwwwwww」
何故かカルロスさんは突然吹き出すと、そのまましばらくおなかを抱えて笑い転げていました。何だかよくわかりませんが、カルロスさんに元気が出たのであれば、きっとよいこと言ったんですよ、うん!
「ははっ、確かにお嬢ちゃんの言うとおりだ。悲しむのはいつだってできるが、オレ達にゃ、今やらなきゃいけないことがある。そうそう落ち込んでなんか……ブフッ……」
また思い出したように大爆笑しています。何がそんなにおかしいんでしょうね、みるくちゃん?
みるくちゃんにもよくわからないようで、何だか白い目でカルロスさんを見ていました。
カルロスさんの大爆笑がひと段落ついたところで、思い出したようにゾンビさん達が襲ってきました。そうでした、ここはゾンビあふれるラクーンシティでした。それにしても、実に空気の読めるゾンビさん達です。どこかのムラカミさんとは大違いですね。今頃あの人、どこで何やってんでしょーか。
とか考えている間に、カルロスさんが全部やっつけてくれちゃいました。さすがです。
「お嬢ちゃん、ケガないか?」
なーんて、とっても爽やかな笑顔で言われた日にゃ、本当メロメロになってしまいますヨ(ただしイケメンに限る)
「Carlos!? Carlos=Oliveira!?」
その時です。私でもカルロスさんでも、勿論みるくちゃんでもない声が聞こえてきました。ゾンビさんは言葉をしゃべれないのでハナから対象外です。
私達は、声のした方を振り返りました。すると、……ひええええ、ち、血まみれの、ガタイのいいオッサンがこっちに向かって突進していますー!!!!?!
私とみるくちゃんは、一目散に逃げました。ですが、カルロスさんは顔見知りだったようで、駆け寄ってきたオッサンと、何故かガシーンと抱き合っています。
カルロスさんも、イケメンの割には細マッチョではなく太マッチョの範疇に入ります。オッサンはどう見てもガッツリマッチョです。抱き合ってます。あれですね、さぶと薔薇ですね。よく知りませんけど。
「xxxx!xxxxxxxxxxxxxxx!」
「xxxxx! xxx xxxxxxx!」
うりゅー……早口の英語は全く聞き取れないんですが……。ムサいオッサン二人(もうこの際、カルロスさんもオッサンでいいと思います)がハイテンションで抱き合ったり肩を叩いたりしているのを、私とみるくちゃんは遠巻きに見ていることにしました。だって近付きたくないですもん。汗臭そうだし。