目覚めるとそこは廃墟   作:海砂

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第十九話

 そうして、俺は再び投下されたのであった。何度目かの、目覚めるとそこは廃墟。

 どうでもいいけどさ、毎回毎回上空数千メートルからカプセル投下すんのガチでやめてほしいんですけど。いくら多少の衝撃は吸収してくれるといってもそこはただの金属カプセル。痛いもんは痛いんだっつーの!

 あれか、原爆とかと一緒で投下する人の安全確保のためなんでしょうかね。ちょwwww俺原爆と同じ扱いとかwwwぅぇっwwwwww

 

 ところでここはドコでしょう。廃墟ってどこも同じに見えるよね。そりゃランドマークだってボロボロですよ。周囲を見渡したところでガレキか雑魚ゾンビだけ。とりあえずウロウロしてみますかね、ジルたんやよし子たんに出会わないように細心の注意を払いつつ。ジルたんの場合は暴走しちゃうからどうしようもないけど、よし子ちゃんとの遭遇だけは避けねばならない。また面倒なことになりかねないからな。っていうかなる。ダメ、絶対!!

 

 というわけで。俺はめっちゃキョロキョロソワソワしながら街を闊歩しているのであった。ちょwwwなにこの挙動不審なネメシスwww嫌wすwぐwるwwwww

 正直に言う。俺はいつもの俺じゃなかった(ネメシス的な意味ではなく)

 妙なハイテンションはただの誤魔化しだ。だって、少しでも冷静になってしまえば、きっと気が狂うんだろう。狂ったネメシスなんて、いろんな意味で手に負えない。

 三十歳童貞、気付けば魔法使いで産業廃棄物なこの俺だけど、せめて最期まで人様に迷惑はかけたくない。少しくらいは、世の中の役に立ったという自負を持ってあの世に行きたいんだ。底辺乙。

 そんなことはどうでも良くて、俺はウロウーロしてみることにした。ゾンビっぽく両手を挙げてヴァーってしてみたり、無駄にスーパースライディングローリング土下座してみたり。撮影隊がいたらようつべにうpしたいほどの出来だったと自負している。見ていたのは雑魚ゾンビだけ。彼らにすらガン無視されていた。せつなくなった。

 銃の音とか、叫び声とか、その、生存者の気配は微塵も感じられない。この街がバイオハザード状態になって随分経つし、さすがにもう生き残っている人はいないんだろう、ジル達を除いては。

 ……ということはですよ。僕ちゃんヒキコモっといた方がいいのかもしんない、ウロついてたら出くわす可能性が高くね? じゃね?

 

 ひとまず、目に付いたマンホールのフタをこじ開けて中にダイブしてみた。肩が引っかかって入れなかった。何とかして外に這い出る途中でコート引っ掛けた。泣いた。

 別の場所で、かなり大きな排水溝を発見したので、改めて突入してみた。……ウン、止めときゃよかったネ。冷静に考えても見たまえ。今まさにバイオハザードなう。人間がうじゃうじゃしていた地上は人型ゾンビの楽園。ということはだ。下水道で人間の代わりに生息している奴ら……ネズミとかゴキブリとかハエとかワニとか片っ端から巨大化しーの変異しーので恐ろしい状態となっているのです。……あれ? 今、俺の思考というか視界に入ったアレは変ですよ? 普通、下水道にワニは生息していないと思います。だがしかし、今オイラの目前に三匹のワニさんがいるですヨ?

 

 逃げろ!!

 

 下水道をひたすら右往左往。ペットのワニは捨てちゃダメ、ゼッタイ!

 右に曲がればボウフラのゾンビに足を引っ張られ、左に入ればトーフのお兄さんにマシンガンで蜂の巣に……トーフ?

 やばい、俺ついに脳までTウイルスにやられたくさい。四角い豆腐がごついナイフ持ってオイラに襲い掛かってくるとです。

 刺身も煮付けもゴメンなので逃げるか、それとも酢醤油でおいしくイタダキマスするか……ネギ! 刻みネギはないのか!! 

 

「○×△××△○○△○××!!!」

 トーフが何か叫んでいるヨ、英語で。

 ハウアーユーハウアーユー、アイムファインセンキュウ。なんて言えないけどな、ネメシスですから。ニュアンス感じれ。

 そしたら通じた。主にボディランゲージで。さすがだ豆腐。

 お互い言葉はわからないけども妙に意気投合して肩なんて組んでみたり。なんだこのカオス。トーフさんてばとっても強くてワニでも綺麗に三枚おろし。何者だ! トーフか。

『HAHAHA!もう怖いものなんて何もねーぜベイベー! おっとお前さんはベイベーってガラじゃあねぇよなヒャッハー!』

 トーフさんのボディランゲージは意外と秀逸です。この人、その内に火炎放射器持ち出して汚物は消毒とか言いそうなテンションなんですが。意外に似合うか? トーフのモヒカン。

 だが、俺の記憶が確かならこのトーフさんは、確かイケメン達と同じ外人部隊の生き残りだったはず。トーフに見えるけど。外人部隊はトーフでも実力があれば入隊できるとです。って、そんな馬鹿な。

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