目覚めるとそこは廃墟   作:海砂

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第二十五話

 大変です。ゾンビさんを追いかけていたら迷子になってしまいました。

 みるくちゃんがそばにいてくれるのだけが幸いですが、もちろんカルロスさんともはぐれてしまったのです。

 

「みるくちゃん、どうしましょう」

 

 ニャア、とだけ鳴いて鼻をフンカフンカならしています。

 もしかして、わんちゃんのようにカルロスさんのニオイをたどることなんて……できませんよね、猫だし。

 周囲のゾンビはあらかた片付けました。ので、とりあえずの危険はなさそうです。行けるところをウロウロしてみたいと思います。

 開く扉と開かない扉とありますしね。あと、どこかから警報のような音が鳴り響いています。

 この音はすごく心を不安にさせてきやがります。困りました。でも止まらないんでしょうね、多分核ミサイルの警報なんでしょうし。

 

 ひとまず私はここにくるまでにドアをみっつ開けた気がするので、戻りつつドアをみっつ開けて、違ったら別の道を探してみようと思います。

 ゾンビを追いかけてて、来た道なんて一ミリも覚えていませんからね!

 

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 一人と一匹が行方不明になったことに気付くのとほぼ同時と言っていいだろう、ジルが俺のいた通信室に飛び込んできた。

 

「カルロス! この警報の音は何!?」

 

「くそったれどもが、この街ごと核兵器で焼き尽くすつもりらしい! ついさっきまでヨシコも一緒だったんだがあの女、ゾンビを追いかけてどっかに行っちまった!」

 

 ジルの顔が青くなる。さっき見つけた核兵器のレーダー受信機をジルに手渡すと、再び無線機に通信が入った。

 

『生きているとはしぶといものだ』

 

 ニコライ!てめぇまだしぶとく生きてやがったか、こっちのセリフだ!!

 

『悪いがもう君たちに脱出する術はない』

 

 広く前方に張りめぐらされた通信室の窓、その向こうに現れたのは……ニコライの乗ったヘリだった。

 

「危ない!」

 

 ヘリからマシンガンが乱射される、ジルと俺はそれぞれにそれを避けて物陰へと隠れる。

 

「畜生、あの野郎……何とかあのヘリを奪い取れねぇか……いや、そうか、さっきあんたの同僚から連絡があった。迎えは来る!」

 

 軽くバリーと名乗ったおっさんとのやり取りを掻い摘んでジルに伝えた。

 

「OK、じゃああのヘリはもう邪魔なだけね」

 

 ガチャリ、大きな音を立ててジルが肩に担いだのはロケットランチャー……おいおいお前さん、どこにそんな物騒なブツ隠し持ってやがったんだ。

 勢いよく放たれたミサイルはヘリに直撃し、ニコライはヘリもろともなす術もなく墜落していった……。

 

「あとはヨシコを見つけ出してヘリの着陸できる場所を探すだけね! ヨシコはあなたに任せるわよ」

 

 ……こいつ、絶対女じゃねえ。間違いない。しゃべるマウンテンメスゴリラだ。

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