目覚めるとそこは廃墟 作:海砂
頭が痛いなんてモンじゃない、頭痛が痛い。それくらい痛い痛い痛い痛いたいたいたイター!!
のうみそまるっととりだして生理食塩水でバシャバシャ丸洗いしたいくらい痛い。
俺の体は、ジルとの戦闘に敗れて逃げ出した。よかった、最低限の生存本能くらいはあるみたいだ。
そして一定距離逃げて、ようやく俺は自由を取り戻した。と、同時に、激しい頭痛に襲われる。
こいつぁ二日酔いの頭痛なんて目じゃないぜ……マグナムで頭カチ割られたほうがなんぼかましだって位の頭痛。
ネメシスって、脳卒中で死んだりするのかなぁ……なんて果てしなくどうでもいい事を考えながら、俺の視界はブラックアウトした。
「xxxxx xx xxx xxxxx xxx xx xxx xxxxx?」
男の声がする。複数だ。
目覚めた俺は起き上がろうとして気付いた。
額、首、胸、腹、肩、手首、腿、足首……いたる所を拘束されて、全く身動きが取れない。首を動かすことすらできない。
頭痛は、倒れる前に比べれば幾分か落ち着いていた。
ひとまず視界に入ってきた情報を確認する。
近未来的建物……の、中にある、近未来的カプセル……の中の、俺。
とりあえずラクーンシティの廃墟じゃないことだけは確かだ。
「xxx xxx xxxxxx?」
男が声をかけてきた。っつってもこの角度じゃ服装くらいしか見えんぞ。多分白衣……のヤツが俺に声をかける。
だが残念ながら俺に英語は通用しないぞコンニャロ! 純国産日本人なめんな!!
「xxx xxxxx xxxx xxxxx.」
別の声が聞こえる。今この場にいるのは白衣のヤツとコイツの二人みたいだ。……で、ソイツの服装を見て唖然とした。えっこれってs.t.a.r.s.の制服ぢゃん!! でも俺暴走しないな。あるぇー?
「xx xx x xxxxxxxx xxxxx x xxxxxxxxx xxxx / xxxxx xxxxx xxxx.」
英語わかんねっつの! ニポンゴしゃべれよコンチクショー。
「xxx xxxxx xxx xxxxxxxx?」
制服のヤツが俺に向かって声をかける。だから日本語でry。
ああ、あと少し首が斜めにかたむけられれば二人の顔もじっくり見れるってのによう。ちょうど胸元の辺りまでしか見ることができない。
思い切って力入れて拘束を解こうとしてみたが無駄だった。俺の力でも破壊できないってナニコレ。つかココドコ?
「xxxxxx xxxx xxxxxxxxxxxx.……xxx xxxxxx xxxxx x xxxxxx xxxx.」
制服野郎が何か俺に話しかけると、手元にあるキーボード、かな? をカタカタといじくる。すると俺の意識は再度深く沈んでいった。
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「まだ目は覚めないのか?」
ジルとの交戦ののち、原因不明で動かなくなったネメシスを回収した私は、厳重に拘束した上で、サンプルとなる細胞数種を採取させた。
ネメシスはまだ目覚めない。確かに傷は負っているが、この程度で行動不能になるほど柔な身体でもないはずだ。
ネメシスを寄生させた弊害なのか、それともそのほかに理由があるのか……今は、研究者に調べさせるしか方法はない。
ガコリと音がして、ネメシスが起動したことを知らせる。データ上の脳波も覚醒を記していた。
「気付いたか。様子はどうだ?」
「心拍数・脳波・いずれも基準値です」
異常は見られないようだ。だが、コレはここに戻るまでの間に『異常な行動』を見せている。
生存者の救出、そして、その生存者をわざわざジルの元へと運ぶ様子がしっかりと、記録されている。そのようなことは、当初のネメシスのプログラムには無論ない内容だ。
「気分はどうだ?」
通じるわけがないと思いながら、横たわっているネメシスに声をかける。拘束を解こうとしているようだが、ネメシスの力でジュラルミンを破壊することができないのは、すでに以前のレポートから把握できている。
「引き続きデータを採取しろ。……お前はもう少し眠っているといい」
手元のパネルを操作して、ネメシスに大量の(象を三頭即座に昏睡させることのできる量の)麻酔薬を注入する。……ネメシスは、すぐに静かになった。
「データの採取が終了次第、改めてラクーンシティに降下させろ。場所は……そうだな、奴らが脱出を狙っている『路面電車』の辺りが良いだろう」
研究者の返事を確認して、私は部屋を出た。採取したサンプルの結果が届くまで……もうしばらくは、ジル・バレンタインを監視することにしようか。できれば今しばらく生き残って、ネメシスの更なる戦闘データの収集に協力してもらいたいところだ。