「ウマソウルってうるさいよね」「えっ」「えっ」 作:バクシサクランオー
感想、誤字脱字報告もありがとうございます。
U U U
特設ライブ会場。
聖蹄祭に合わせトレセン学園のグラウンドを丸ごと一つ占領して仮設されるという、なかなか一般家庭出身の感覚からすれば怯みそうな規模の舞台。
まあ中央が保有するグラウンドは一つや二つじゃないんだけど。それも改めて考えてみればなかなかに恐ろしい話である。ここ北海道とかじゃなくて東京府中だぞ。
聖蹄祭中にここを使用するのは別に私だけではないが、今年の演目は私がメインディッシュ。それは客観的な事実。
だからまあ、学園の行事とはいえ。ここが中央トレセン学園で、私はトゥインクル・シリーズが誇る新進気鋭のスターウマ娘。だったら客入りも相応の規模になるっていうのは実に順当な話なんだ。
……埋まってるなあ。普段は走っているグラウンドと同じ敷地面積あるはずなんだけどなあ。
私が二人いて本当によかった。独りでこれに対処しろとか本当に無理。
「大儀である」
ステージ上に登場し、開口一声がそれ。
まさに傲岸不遜。
普通に考えればふざけている。友達同士の気安いやり取りで王様だか皇帝だか身分の高い誰かを演じている、そんなシチュエーションで聞く言葉だ。
しかし何人たりとも聞き逃すことを許さない声色の響きが、込められたビリビリと肌を震わせる覇気が印象を日常から乖離させる。
自分たちは彼女の臣下であり、この場に馳せ参じたことを当然の忠義として労われたのではないか。そんな錯覚に陥りそうになる。たった一言で。
同じ身体を使っているはずなんだけどねえ。空間の染め方とでもいうのか。言葉を介して場の空気を支配するテクニックはやはりテンちゃんの独壇場だ。
「なーんちゃって。今日はテンプレオリシュの『世代征服ライブ』に来てくれてありがとー!」
ふにゃりと空気が弛緩する。
呑みかけた固唾が喉の手前で迷子になる。
いつものニヤニヤとした営業スマイルを浮かべ、テンちゃんはトロッとやわらかくなった空気を巧みに手繰り寄せてみせた。
「みてみてー、勝負服リニューアルしたんだよー。ぐっと威圧感がアップしたでしょ!」
くるくるとテンちゃんは改変されたデザインをアピールするように回った。
そういえば、何気にここが公の場での初お披露目か。グリーブとガントレットに覆われた四肢が硬質な音を鳴らす。
「スプリンターズSは大激戦だったからね。これまでの勝負服じゃあ耐えられなくなっちゃったんだよねえ。あのとき来てくれた人はぼくが勝負服のブーツごとレース場を踏み砕いちゃったとこの目撃者となったはず。
ごめんねー、いつもレース場整備してくださる方々。ほんとうに感謝してまーす!」
笑い声がさざめく会場。
でも『反省しています』とか『二度としません』とは言えないんだよね。必要になったらまた、レース場の芝を穴だらけにすることになっても全力を出すと思う。
ただまあ、身体が育ちきっていないうちにあんなことを繰り返していればぶっ壊れる。しばらくは控えたいところだが……。
本当にどうしようかな、菊花賞。マヤノ対策がいまだに思い浮かばない。
出走する私たち以外の十七人も全員勝ちに来ているわけではあるが、その中でもマヤノは抑えなきゃ絶対にやられる。そう確信できるほど彼女は恐ろしい。
「安全性に関わることだからURAが一晩で……とは流石にいかなかったけど、かなり手早いお仕事をしてくれました。これでもう全力を出してもブーツがはじけ飛ぶようなことはないから、後続のウマ娘たちも安心だね!」
冷静に考えると、全力を出せばブーツが内側からはじけ飛ぶって私たちはいったい何なんだろうね。それもそこらの量産品じゃない、不思議パワーに守られた勝負服の一部だというのに。
心なしか、再び上がった笑い声も乾いたものが多い気がする。
「菊花賞はこのリニューアルした勝負服で走りまーす。ぶっちぎりで勝つとか、絶対に一着になるとか、そんなありふれた煽り文句は必要ないよね? 見に来るなら損はさせないよ」
無敗。
単純明快なその戦果が装飾過多な百の言葉に勝る。
でもさ、たまに思うんだ。負けなかったというのはただの結果に過ぎないのに、こんなに尊ばれるなんておかしいよね。
それが私たちの不利益にならないうちはいいけどさ。
「うーん、喋ること無くなってきちゃったなあ……」
そう言いながらそっぽを向く。途方に暮れたような言葉と仕草に反し、色の異なる双眸は自信に満ちて爛々と光っていた。
観客に横顔を向けたまま、赤い瞳がすっと細められる。
「だって語るのはぼくの仕事じゃない、そうだろ? 語るのは
その一言は不思議と、マイクを通したとは思えないほど透き通って響いた。
特設ステージに設置されたカラービジョンに映像が流れる。映し出されたのはこれまで私が走ってきたレースのダイジェスト。勝利の連なり。
ちなみに映像担当はデジタル先生である。私たちはお願いしただけで他は何もしていない。
ウマ娘箱推しのアクティブオタクの肩書に恥じぬ編集であり、実際に走った私でさえつい見入ってしまうほど
「ぼくは走る。ぼくらにとっての当たり前の在り方で走り続ける。その結果を好き勝手に語ればいいさ。止めやしない。忘れるなとも言わない。どうせ一度見れば忘れられなくなる。
ぼくらが紡ぎ、きみたちが語る。これまでもそういう約束でやってきたじゃないか。これからもよろしく頼むよ」
いや、そんな約束したおぼえは無いけども。
根拠のない説得力を持たせるのがテンちゃんはやたら上手い。そんな自信満々に言われたら『そうかな? そうかも……』と納得してしまいたくなる。
そして、自分以外の誰にも届きやしないが胸を張って自慢したくなる。
数は力で、感情も力だ。大小さまざまな感情を遠慮なく浴びせてくるこれだけの大観衆を前にして、まるで掌の上で弄ぶかのような軽妙な立ち振る舞い。
こんなことができる者がいったいどれだけいるだろう。私の半身はこれだけのチートスペック持ってるんだからこのくらい余裕だよー、なんて謙遜するけど。同じものを持っている私は絶対に真似できない。
どうだ、これがテンちゃんなんだぞ。
《ただ単純に視界の違い、あるいは経験値とモチベーションの差だと思うんだけどねぇ……》
苦笑交じりの内心が聞こえた。
脳内会議がどうあれトークは順調に進んでいく。そろそろ頃合いだろうか。
「でもまあ、見ていないものは語りようがないよね。一度見て忘れられないほど鮮烈だったとしても、いやそれが色鮮やかであるほどに何度でも見たくなるものだよね。
そんなきみたちのために、今日は特別なライブを用意したよ。ひとつひとつは小さな破片に過ぎないものだとしても、寄せ集めればまた新たな趣があるものさ。存分に堪能していくがいい」
カラービジョンの映像が切り替わる。
私の【領域】をイメージしたという黒と白の長剣が画面内を飛び交い、切り裂かれた部分に文字が浮かび上がる。
『競うということは、そこに敵を見るということ』
『あらゆる戦場に適応できる彼女にとっては、きっと世界のすべてが敵のようなもの』
『ゆえに――彼女は世界のすべてに勝利した』
誇大広告気味でそこはかとなく香ばしさ漂うこのキャッチコピーは、デジタルとウオッカがあーでもないこーでもないと話し合って練り上げたものだったりする。
感想? ウマ娘相手には完全イエスマンのイメージがあったデジタルだったけど、意外と自分の得意分野ではノーと言えることに感心したよ、うん。
でもまあ、考えてみればそうだよね。デジタルは勝てるウマ娘だもの。
たしかに大外からスパッと勝負を決めることのできる鋭い差し脚がデジタルの持ち味。だが、位置取り争いと完全に無縁なのは大逃げくらいだ。『どけよぶっとばすぞ』とすごまれたときに『はいよろこんでー!』と譲っていたら勝てるものも勝てない。
『いいえ、ここはゆずれません』とたとえ推し相手であろうとぐっと踏みとどまり競り合うことができるから、デジタルは世代を代表するウマ娘の一角になったのだ。
ちなみに私たちの場合なら『は? ころすぞ』なのでデジタルの対応はとても優しいと言える。私たちのガラが悪いだけかもしれない。
さーて、いよいよライブ本番。今回のイベントで数少ない私の担当だ。
がんばらないと。
本当に今回、私ほとんど何もしていないから。このくらいはね。
届け ゴールまで
輝く未来を君と見たいから
きらきらと光が零れ落ちるようなイントロダクション。
うっすら漂う朝靄へ差し込む日光のように温かく力強いファンファーレ。
芝だろうとダートだろうと、短距離だろうと長距離だろうと、どこを主戦場にしていようと中央のウマ娘である限りこの曲を知らぬ者はいない。
だってこれはメイクデビューで誰もが最初に経験するライブ曲なんだから。
私の独唱に惹かれるように舞台袖から淡いブルーのライブ衣装に身を包んだウマ娘たちが登場する。自然な足取りで彼女たちはサイドやバックダンサーの配置に付き、当然のような顔で私はセンターに居座った。
ま、そもそも本来であればこの『Make debut!』の導入は三人のコーラス。それが独唱アレンジになっているのだから、このライブの主役が誰なのかは一目瞭然というやつで。
いつでも近くにあるから
1番目指してlet’s challenge 加速していこう
彼女たちは主にファンクラブメンバーで構成された、テンプレオリシュ個人イベントの有志者である。
いつぞや、〈パンスペルミア〉公式ファンクラブの公認をテンちゃんがおこなったという話は聞いていた。
テンちゃんはあの性格だ。途中で飽きて放り出すかとも思ったが、意外とちゃんと今日まで関係が続いていたらしい。
一声かければそれはもうワラワラとバックダンサー志願者が集まってくれた。
あくまで学園行事。給料が出るわけでもない無償ボランティアではあるのだが、向こうは『むしろご褒美です。なんなら参加費払いたいくらい』とギラギラと欲望に目を滾らせて積極的に取り組んでくれた。
ただ、やりがい搾取は絶対にNGとテンちゃんに念押しされている。終わったら打ち上げでも開いて感謝をかたちにせねばなるまい。
はぁ……ただでさえテンちゃんがその場のノリでキャスケット帽を紛失したからその分の出費があるというのに。今月のおこづかいはだいぶ厳しいことになりそうだ。
スターウマ娘と持て囃されても一皮むけばこんなもんである。しょせんは中等部の女子に過ぎないのよ。
《ごめんって。怒らないでよ》
怒ってないよ。すねてるだけ。
スペシャルな明日へ繋がる
Make debut!
ある程度歌って踊ったところで間奏が入り、曲調が変わる。
これまでが朝焼けが拝める早朝なら、青空と芝の匂いがする休日の公園のようなスローテンポへ。
それと同時に私以外のバックダンサーも退場していく。入れ替わりに入ってくるのは、レモンイエローのライブ衣装に身を包んだ新たなメンバー。
わっと観客席が沸いたのはこのライブの趣旨を理解したからか。それとも新たに入ってきたメンバーの中に新進気鋭のジュニア級ウマ娘、トウカイテイオーがいたからか。
テイオーは忘れそうになるがこんなんでもかなり良家のお嬢様で、デビュー前からレース関係者からの評価はかなり高かった。
今年メイクデビューを果たし、しっかり周囲と隔絶した実力を示し一着をもぎ取った彼女。その華は玄人のみならずライト層からも多くのファン獲得に成功しており、登場だけで歓声が上がるほどだ。
今は私のバックダンサーだけどね。
自分の“らしさ”を 自分がいちばん
信じてあげなくちゃね
心なしか不満そうな表情をしているテイオーを鼻で笑ってやる。
私と同じライブに上がってセンターを踊りたいのなら、実力で勝ち取るんだね。
テイオーはさらにむっとしたようだったが、お互いに観客の前。我ながら子供っぽいやり取りはライブ用営業スマイルの裏で、気づかれない程度の刹那の交差で終わるのだった。
私がこれまで行ってきたウイニングライブのメドレー、それが今日のライブの正体だ。
幅広い適性ゆえのライブ曲の多さ。トレーニングのときは泣き所だったそれを逆手に取る。
曲が変わるごとに周囲は入れ替わるが、私だけはずっとセンターに立ち続ける。それにより常に一着だった戦績を何よりも雄弁にアピールするわけだね。
かなり挑発的というか、ぶっちゃけ性格が悪いというか。本当にこんなものを観客にお見せしていいものなのだろうか。
《いいんだよ。こいつらはテンプレオリシュのファンなんだから。テンプレオリシュがカッコよければそれでいいんだ》
いいらしい。
人心の機微に疎い方という自覚はあるので、テンちゃんがそう言うのならそういうことにしておこう。
それはそれとしてファンの方々をこいつら呼ばわりはちょっとよろしくないと思う。
《はいはい、気を付けるよぉ》
口調は軽いけど素直。ならそれでいいや。
このメドレーライブ、あまりお上品な感性の催しではないかもしれないけど。
私のタスク削減という面ではかなり効果的だ。
なにせ一度覚えた歌と振り付けをそのまま流用すればいいだけなのだから。同じメンバーとポジション固定で何度もリハーサルが出来る分、本番のウイニングライブより楽まである。
ただ、漠然とした不安もある。
企画を立ち上げ、人を集めたのはテンちゃん。
全体を監修しつつ、メドレーへの編曲や振り付けの改変など重要な部分を担ったのは桐生院トレーナー。
特設ライブ会場を用意したのは学園で、ライブの背景で流れる映像を担当してくれたのはデジタル。
今回、私ほとんど何もしてないんだよ。
何なら入れ替わり等で本来のウイニングライブと異なるパートがある分、ゲスト枠のバックダンサーの子たちの方が大変かもしれないくらい。
センターの振り付けは本来のものとほとんど変わっていないから。新規に覚えたのは編曲部分と、あとはせいぜい全体を通した流れの確認くらいだ。
名目としてはテンプレオリシュ主催のイベントなのに、私の負担がこんなに少なくていいのだろうか。何か悪いことをしているような気がする。
《いーんだよ。リーダーが組織の誰よりも多くの仕事を率先してこなすっつーのは美徳ではあるけど、模範ではない。優れたリーダーは有能な怠け者であるべきなのさ。
気取った顔で指示だけ出すホワイトカラーが高給取りで、汗水たらして働くブルーカラーが貧窮するのがこの世の摂理ってもんだ。いつだって権利を持っている者が一番偉くて強い。
企画を立ち上げて人材を揃えた時点で
さすがにテンちゃんの言葉は極論だと思うけど……。
さりとて反論の持ち合わせがあるわけでもなし。スプリンターズSや菊花賞という特大の案件を抱えて、聖蹄祭に回せるリソースがごくごく限られていたのも純然たる事実。
ならば飲み下すのが筋というものだろう。というより、代案も無く恩恵だけあずかっておいてぐちぐち零すのは筋違いというべきか。
歓声と 地響きと 光るしぶきと
愛とロマンがここにある
見よう! 一緒にENDLESS DREAM!!
いちおう心苦しさの反映というか、人材の割り振りには気を遣っている。
たとえば今歌っている『ENDLESS DREAM!!』だが、これはジュニア級のGⅠレースで使われるライブ曲であり、現在のトゥインクル・シリーズでは十二月前半の阪神JFと朝日杯FS、十二月後半のホープフルステークスと全日本ジュニア優駿の計四レースにしか使用されていないものだったりする。
御覧の通りレース日程が年末に集中しているため全てのレースに出走するのは事実上不可能。多くてもせいぜい二回、たいていのウマ娘は一回でも本番のウイニングライブで踊る機会があれば上等だろう。
走る側の視点だとクラシック三冠にすべて挑戦すればしっかり三回使う『winning the soul』よりも使用頻度の低いライブ曲なのだ。
だからこそジュニア級のウマ娘の憧憬であるゆえに、きっとただ一度しか使わないそのライブ曲の練習を厭うという話はあまり聞いたことが無いのが救いか。
しかし、クラシック級以上のウマ娘にとってはもう使う機会のない曲だ。
私たちのように習得済みならともかく、これから使う予定もないライブ曲をわざわざ今回のためだけに練習させるのはあまりにも心苦しい。
だから『ENDLESS DREAM!!』でバックダンサーとして登場したウマ娘はジュニア級以下の子たちからチョイスさせてもらった。
ちなみに『以下』とはデビュー前のウマ娘が過半数を占めるということを意味している。
私たちが最短デビューを果たしたので失念されているかもしれないが、本来デビューとは本格化が絡んでくるシロモノ。本人の意欲だけではどうにもならず、高等部になってもまだデビューを迎えられていない者だっているのだ。
……それにしたって冷静に考えると、このバックダンサーの使い方でえり好みができるだけの数が用意できるってすごいよね。
有志の全員がファンクラブメンバーってわけじゃ無いとは言え。テイオーとかは私たち個人の友誼を理由に参加してくれたクチである。
《今回はテンプレオリシュ公式ファンクラブから優先して集めたけど、パンスペルミアの方まで枠を広げたらこの三倍は余裕だぞぉ》
なにそれ初耳。
そっかー、いつのまにか私たち個人の公式ファンクラブが立ち上がっていて、さらにその中から募集しただけで数十人のバックダンサーを用意できるほどの規模になっていたのか。
トゥインクル・シリーズの規模から逆算すればまあ妥当だよねーと客観視する自分と、なんじゃそりゃああああと絶叫したくなる自分が見事に入り交じっている。
ただ、どれだけ内心が荒れ狂っていようとも身体に刻み込んだ技術は澱みなく。
歌って踊って笑顔を振りまいているうちにメドレーは次なる間奏へと入る。
戦績で言うのなら本来ここには弥生賞で勝利した際のライブ曲が入るのだが、間奏の旋律でその色を暗示するのみに留まった。
今回はあくまで聖蹄祭の催し物の一環。枠でいえばトークを含めて三十分しか用意されていないミニライブであり、取捨選択は必要なのだ。
別に弥生賞で打ち負かした面々を軽視しているつもりはないのだけど……うーん、これはやっぱり勝者の傲慢な言い訳でしかないかな。
間奏は移り変わっていく。
新緑の青々しさが過ぎ去り、やってくるのは火花と煙を漂わせたエレキのイントロ。
生涯に一度きりしか経験できない、過酷で鮮烈な三つの戦い。
会場のボルテージが高まっていくのを肌で感じる。やっぱりクラシック三冠というのはここにいるファンにとって特別なものなのだろう。
決して栄光ばかりではないことを暗示するような暗い紺色の衣装に身を包んだバックダンサーたち。
その中にマヤノトップガンの姿を見て、ついに観客は大歓声を上げた。
菊花賞において攻略法の見つかっていない難敵ではあるけど、それ以外の時であればマウントを取ったり取られたりできる貴重な友人である。ゆえにこんな風に協力してもらうこともあるわけで。
まったく、彼女だって自分用のイベントがあるトゥインクル・シリーズ有数の看板ウマ娘なのに友達甲斐のあるやつばかりだよ。
代わりと言ってはなんだが、私も彼女たちのイベントに顔を出すことになったけど。そのことに関しちゃ後悔はない。
友人であり続けることのできる相手というのは貴重なのだ。関係性の継続のために生じる多少の面倒にも目を瞑ろうと思えるくらいには。
歌詞部分に『キミ』と『君』、『一番』と『1番』、『ストーリー』と『story』などの表記ゆれが発生しておりますが、誤字ではなくアプリのライブ機能から確認できる歌詞をそのまま表記した仕様です。