「ウマソウルってうるさいよね」「えっ」「えっ」   作:バクシサクランオー

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間に合ったな!
イベント期間を一サイクル勘違いしていて、ひしみーのガチャ終了後に間に合うようラストスパートをかけていたのは内緒だ!
ちなみにお嬢以降、ピックアップは一人も引けていません。どんどんバクシサクランパワーが溜まっていくぜ!

長かったクラシック級もついに最終章です。
盛り上がってまいりましょー。

お気に入り登録、評価、ここすき
感想、誤字脱字報告もありがとうございます。


きみの隣
マヤノとギンピカ☆配信!


 

 

U U U

 

 

 人格の有無は『嘘を吐けるか』で判別されるらしい。

 

 

U U U

 

 

「こんにちマヤヤー☆ みんなのココロにランディーング! マヤちんチャンネルのはじまりだよ~♪」

「はいはい大儀大儀。今日もゲストのテンプレオリシュです」

 

『こんにちマヤヤー☆』

『マヤちゃん今日もかわいいー!』

『本日も謁見の栄誉に与り恐悦至極に存じます』

『魔王様だいぶこなれてきた感じ』

 

 ただいま、ネットの生配信中。

 マヤノの配信にお邪魔するのはこれで三回目だ。個人でやろうとはまったく思わないが、誰かのチャンネルにお邪魔するだけなら案外悪くない。

 

《こだわれば天井知らずだけど、スマホひとつあれば本当に最低限の環境は整うもんな。いやー、時代の流れに取り残されそうですわ》

 

 テンちゃんが何やらしみじみと年寄り臭いことを言っている。

 

 菊花賞のダメージが抜けるまでトレーニングは調整メインの最低限のものだ。

 日本ダービーの後も休養の期間はあったが、何だか今回はやたらそわそわする。以前とさほど状況は変わっていないというのに焦燥というか、何と言うか。

 私がこうやって一回休みしている間にも、他の子たちはガンガン走ってバリバリ実力を高めているのかと思うと、こう。

 いやな感じだ。

 

 ただ不幸中のさいわいというべきか、今回は道連れがいた。

 私と同じく雨の京都3000mをハイペースで逃げ切ったマヤノである。

 お互いに故障こそしなかったが被害は甚大。しばらくはしっかり身体を休めなければならない。

 トレーニングが出来ないことによって生じた余白に、こうして二人でつるむことが多くなっていた。

 レース中は殺意にも似た感情をぶつけ合う強敵でも、レースの外では普通に友達。トレセン学園特有の空気かもしれない。いや、勝負の世界ではままあることかな。

 誰かと一緒にいた方が気が紛れて心が安らぐなんて、トレセン学園に来る前の私が聞いたら驚くだろうなぁ。

 

「今日はリシュちゃんと一緒にゲーム実況をやってくよー!」

 

 マヤノのチャンネルは具体的に何をやるかはその時の気分次第だ。

 歌を歌ったり、ダンスをしてみたり、ゲーセンでハイスコアにチャレンジしてみたり等々。

 マヤノトップガンという一人の魅力的な女の子の姿をありのままさらけ出すことで多くのファン獲得に成功している。

 そんな配信の性質を反映した結果なのだろうか。きっと女性もいるのだろうけど、ざらざらと画面を流れていくコメントを見る限り若い男性的な印象を受けるものが多い。

 それゆえにちょっと困ったこともあって、以前の配信のときには(あくまで全体からすれば一部ではあるのだけども)マヤノの担当トレーナーにヘイトが向く傾向があったのだ。

 

――有史以前から生物の主な死因として、縄張り争いが挙げられる。

 

 そしてテンちゃんのガチ説教講演会と相成った。

 

――ウマ娘にとって自分の担当と言うのはかけがえのないパートナーであり、日常の一部を構成する立派な縄張り(テリトリー)なんだ。それを無遠慮に踏みにじろうっていうんだから……キミタチさぁ、覚悟できてんの?

 

 同時接続数はまったく減っていないのに、コメント欄がぴくりとも動かない奇妙な時間だった。

 萎えて別のチャンネルに移動してしまったのではなく、みんながみんな揃って画面の前に神妙な表情で正座してテンちゃんの説教を聞いている。そんな光景が何故だか容易に想像できてしまった。

 バカはどうしてもいるものだから、それ以降もマヤノのトレーナーにヘイトをあらわにしたコメントが根絶されたわけではないけど。

 その数は目に見えて大きく減った。

 何よりあの一件から、無節操に感情を吐き出していたコメント欄に一定の規律が生まれたように思える。

 

 私にはできなかったことだ。

 自分のペースで接した結果相手の感情を逆撫でしてしまったことは多々あるけども、実は自分から事を荒立てようとしたことってあまり無いんだよね。

 たとえ自分に大義名分があったとしても。事を荒立ててまで事態を改善しようとする積極性はテンちゃんだけが持つ一面。私には無いもの。

 まあ叱られて初めて自重を覚えるなんて、お前らは子供かと文句の一つも言いたくなるけど。

 

《むしろ説教一回で劇的な改変が見られたあたり、ぼくはこの世界のネットの民度の高さに感動しているぞ》

 

 テンちゃんはやけに高評価だった。

 いや、人類全般に期待していないからこその合格ラインと考えると逆にこれは低評価の表れなのか?

 

《ううん、あいつらは人間じゃないから》

 

 悲報。コメント欄の住人、人間扱いされていなかった。

 ……でも詳しく聞くと、ただの悪口ってわけでもなさそうで。

 

《たとえばコンビニ店員がレジ打ちしているところに、イヤホンつけてスマホ覗き込んだまま会計する客っているじゃない? でも常識的に考えれば『人と話すときにイヤホンつけっぱなし』って無礼千万だよね。

 あれはコンビニ店員が人間じゃないから発生する現象なんだよ。客をやってる彼らにとって、コンビニ店員っていうのはサービスの一環であって同朋ではないのさ》

 

 そんな態度をとる客が礼儀知らずのチンピラ揃いなのではなく。

 彼らだって家に帰れば思いやりのある母であり、厳格な父であり、あるいは純真な子をやっている。会社に行けば有能な社員かもしれない。

 ただ同種と思っていないだけ。

 感性のカテゴライズが対人ではなく対物になっている。

 それが善とか悪とか批判したいわけではなく、ただそういうものなのだと。テンちゃんは淡々と語った。

 

《動画配信者だって同じ。あれは言ってしまえば現代版の道化師。王様に暴言を吐いても許されるヒエラルキー外の弱者。自分たちと同じ存在ではないからどんな扱いをしたって道徳に反さないのさ》

 

 たびたび炎上している配信者たちを見る限り、社会秩序から切り離された特権階級だと断じてしまうのはさすがに極論だと思うけども。

 テンちゃんが動画配信というネット上の関係性について『視聴者は配信者を人間扱いしていない』『同時に配信者も視聴者のコメントを人間の言葉だと認識する必要はない』って考えているのは伝わってきたよ。

 うーん。まー娯楽として消費されるコンテンツというのはファンから呼び捨てにされるURA所属のウマ娘(私たち)にも通じるところがあるか。

 

「前にコメントで教えてもらったホームランダービー? っていうのを今日はやっていきたいと思いまーす! 拍手~パチパチパチパチ~」

 

『プニキのホームランダービー?』

『おいばかやめろ』

『どこのどいつだそんなもん薦めたの!?』

『いや俺たちのマヤちゃんと、魔王様ならあるいはやってくれるかもしれん』

 

 楽しそうにコメント欄とお喋りしているマヤノが、テンちゃんと同じ考えを持って配信しているとは到底思えない。

 でもテンちゃんの相手を人間とも思わないガチ説教が効いたからこそ、いまマヤノが屈託のない笑みを浮かべて活動を続けていられるのも事実だ。

 

 あのままマヤノの担当トレーナーへの心無いコメントが増えていっていたのなら、きっとマヤノは耐えきれずに配信を投げ出していたことだろう。

 今の彼女がトレーナーとの契約を打ち切って走る方を投げ出すことはあり得ないのだから。

 

 そう思うと不思議なものだ。

 価値観も考え方もまるで違うのに仲良くできる。さらには異なる者同士が一緒にいるからこそ生じるメリットがある。

 人付き合いって複雑怪奇だな。みんな同じなら楽なのに。

 でも違うからこそ楽しいのかもしれない。楽じゃないけど。すごく面倒だけど。

 

「でもこれ二人プレイができないんだよねー。ねえねえリシュちゃん、どうしよう?」

「……コメント見る限り難易度がえげつないみたいだし、ゲームオーバーになるたび交代でいいんじゃない?」

 

「アイ・コピー! じゃあさっそくマヤからテイクオーフするねー!」

 

 ゲーム画面の中では黄色いクマが尋常でないスピードでバットをフルスイングしている。

 快音と共に球場の外へ飛んでいく白球。

 求めるのはただホームランのみ。ストライクもファールも、ヒットでさえ等しく無価値。

 可愛らしいキャラクターやファンシーなBGMに対し、何とも硬派なゲーム性だ。

 

「よくもこんな碌な加工もされていない棒切れでホームランが打てるもんだ。プレイヤーからアニキ呼ばわりされるのは伊達じゃないってことか」

「あはは、いま足でボール投げたよっ」

 

 きゃらきゃらと笑いながらあっさりファーストステージをクリアしたマヤノへ、次々と個性豊かな森のお友達が立ちはだかる。

 鼻を使った幻惑するフォームでタイミングを狂わせるゾウ。

 ジャンプを利用してバレーのアタックのようなフォームで剛速球を繰り出すブタ。

 

「薄々わかっていたけどもう野球じゃないね、これ。ボークやりたい放題じゃん」

「ボークって?」

 

「ざっくり言えば投げたふりする反則のこと」

「へー、リシュちゃんって物知りなんだねえ」

 

『いいなー、オレもボーク知っててマヤちんに褒められたい』

『俺インフィールドフライ説明できるんだけどマヤちゃんほめてくれるかな?』

『気心の知れた相手だと微妙にガラが悪くなる魔王様すき』

『わかる。なんか尊いよね・・・』

 

 鬼畜難易度と聞いていたが、今のところコメント欄を見ながら雑談する余裕すらあった。

 ここまでは一発クリア。たぶんマヤノじゃなくて私がプレイしていても同じ結果だっただろう。

 っていうか私、気心の知れた相手だと微妙にガラ悪くなってるの?

 ……なってるかもしれない。あまり自覚はしていなかったけど。

 スカーレットに向けた対応と、知り合ったばかりの頃のマヤノやデジタル相手の対応だと、前者の方がかなり雑だ。露骨に煽るようなことも言うし。

 テンちゃんの影響かな。はたまた親しい相手以外の前では露骨に猫を被るスカーレットの影響かしら。

 

 物思いに沈む間にもゲームは着々と進行していく。

 フォークなんて目じゃない上下に波打つ変化球を繰り出すカンガルー。

 途中から異様に伸びるストレートを放つウサギ。

 

「そろそろジャンルがスポーツから異能バトルになってきてないかコレ?」

「そうだねー。ちょっとリシュちゃんとのレースに似た感じになってきたよ」

 

「マヤノは私を何だと思ってるんだ?」

「リシュちゃん」

 

『即答wwww』

『即答は芝』

『魔王様とのレースってこんな感じなのかー』

『何という説得力。皐月賞と菊花賞をバチバチに争ったウマ娘の証言は重みが違いますよ』

 

 マヤノのチャンネルのメインはマヤノ自身だ。

 彼女の画面内でのスーパープレイより、彼女の声や表情を拝みに視聴者は集まっている。

 マヤノはそれをどこまで自覚しているのか、プレイ中も私とのおしゃべりはよどみなく続けられていた。

 コメント欄もおおいに盛り上がっている。

 なんというか、私へのコメントとマヤノへのコメントで傾向がはっきり分かれているような気がするね。

 マヤノのコメントはノリが軽いというか、まさにネットのやり取りと言った感じなんだけど。

 私のはどう表現すればいいんだろう。うやうやしいというか、へりくだっているというか。コメント欄曰く彼らは魔王軍を自称しているらしいし、そういうロールプレイなのかしらん。

 

 縦が打たれたのなら今度は横だと左右にジグザク変化する球を放つフクロウ。

 ここで初めてマヤノが躓いた。

 

「うわーん、くやしいー! いまので『わかった』からもう一回やればクリアできると思うのにー」

「はいはい、交代ね」

 

『さすがのマヤちんでも初見クリアは難しかったかー』

『むしろここも初見突破されたらどうしようかと思った』

『初心者狩りカンガルーが門番としてまったく機能していなかったからな』

『さーて、魔王様の出番だー』

『わくわく』

 

 横から茶々を入れる係になっていた私とようやく交代である。

 マヤノの体温でほんのりあったかくなったマウスを握って、フクロウに挑戦。

 まあ特にドラマもなく一発でクリアした。

 

『瞬☆殺』

『は?』

『あれ? このステージって実質運ゲーじゃなかったっけ???』

『もしかして知らないうちに難易度調整入ったりしました?』

 

 視聴者の困惑を示すように数多の疑問符が飛び交うコメント欄。

 んー、だってさ。

 マヤノの一打席(というにはいささか球数が多いけど)をしっかり横から観察していたから情報収集は十分。もともと身体コントロールの精度はマヤノより私の方が高い。負ける理由が無いよね。

 

「目で追えない球速じゃないし、左右の小刻みな変化でミートゾーンがズラされると言ってもこのゲームってボール球が無いじゃん。ストライクゾーンには必ず入ってくるんだから、変化に合わせて手元で微調整すれば打てるよ」

 

 『それができるのはあなただけです』という旨のコメントで埋め尽くされた。

 まあ平均的な他人に同じことが出来ないってことは理解しているよ。でもマヤノなら二回目のチャレンジで似たようなことはしていたと思うな。

 

 次なるステージで登場したトラも一発クリア。

 コイツは消える魔球という、シンプルながらここまででダントツの物理法則を無視した魔球を扱うやつだったが。

 球が見えなくなる以外はタイミング、軌道ともにストレートと変わりない。微調整を必要としない分、むしろフクロウよりも楽な相手だったかもしれない。

 

『あっさりクリアしちゃったよ』

『すごく簡単そうに見えたよね』

『おっかしいなー。俺このトラに散々ボコられて心折れたんだけどなー』

 

 さて、いちおうこれでゲームクリアなんだけど。

 全クリアした後のエクストラステージが解放され、一般的には先ほどのトラではなくこちらがラスボスと見なされているらしい。

 配信時間にはまだまだ余裕があるし、私も挑戦しない理由は無かった。

 

《さすがのリシュでも初見は無理だったかー。うーん、貫禄のロビカスだな……》

 

 そして負けた。

 いやなんだこれ。

 交代したマヤノでも突破できなかった。

 本当に何なんだコイツ。

 

『よかった。いくら何でもこの二人でも初見突破は無理だったか』

『露骨な人間アピールですね』

『魔王でもルシファーの得意分野で一発勝利は難しかったかー』

 

 コメント欄もまあそうなるわな、という納得で満ちている。たまに揶揄するような内容も見られるが。

 

 最後に立ち塞がったのはこれまでに登場した球種をすべて使いこなす、最強にして究極のウマ娘。

 しかもその球速は大幅に上昇しており、ここまでのステージで身体に覚え込ませたタイミングを流用できない。

 

「あーんもー! いまの打てたのにー!!」

「変化球の後に速球が来るとなかなか身体がついていかないな。定石だけど有効だ」

 

 各球種を使い分けられるというのが単純に難易度を跳ね上げている。

 速い球が尊ばれるのは、要するにタイミングが合いづらいからだ。変化球だってそう。基本的にバットの届く範疇でなければストライクは取られないのだから、乱暴に要約してしまえば相手のタイミングを狂わせるために用いられているわけで。

 

《昔の野球漫画ではギャグ描写的に扱われていた『相手の意表を突く遅いボール』も、最近では『チェンジアップ』というれっきとした変化球の一種だもんねー》

 

 同じ球でさえ緩急とコースの違いがあるのに、球種によって速度とタイミングがバラバラであるためこちらの感覚が振り回される。

 最終ステージは『ぼくの考えた最強のピッチャー』を体現したような実力の持ち主だった。

 

 なんでも世界観設定的に、これまで登場した動物たちはぬいぐるみであり、その持ち主がこの幼いウマ娘なんだとか。

 つまり動物たちを動かす夢と空想は彼女が源泉であり、その力の上位互換を使えるのは何の破綻も無い理論であるわけで……。

 いやバカだろ、このゲームの難易度設定したやつ。

 

「まさか本当にリシュちゃんみたいな子が現れるなんて……」

「いや、私もここまでじゃないから」

 

『ええーほんとうでござるかー?』

『お前がそう言うならそうなんだろうよ、お前の中ではな』

『はははご冗談を』

 

 いっきに流れ出した挑発的なコメントの数々をじろりと横目でにらみつける。

 ネットのノリってやつは本当にさ。ここまで露骨に無茶苦茶はしていない……はずだよね?

 

《まー客観的に言って無敗の三冠にシンボリルドルフに並ぶGⅠ七勝に、全距離GⅠ制覇。メイクデビューから数えて無敗の十一連勝、重賞だけでも九連勝。次の有記念を勝てばクラシック級にしてルドルフのGⅠ勝利数を超えるのに加え、何気に中央の重賞連勝記録まで更新するからなあ。傍目には似たようなもんじゃね?》

 

 ……そうなのか。私って傍目にはこんな感じなのか……そうなんだ……。

 

 それはともかく。

 まあとにかく、目標数も厳しい。

 三割打てば褒められるのが野球の打者というものではなかったのか。

 このゲームはファーストステージの時点で既にノルマが三割。投球数は十。

 これ以降、ノルマも球数も共に増えることはあっても減ることはない。ステージが後半になればなるほど数は増え、何十とホームランを打つことを要求される。

 実際の野球ならタイムが認められているのにこのゲームにポーズは無い。体力と集中力の消耗が無視できないレベルの足枷となって成果を引っ張る。

 このファイナルステージに至っては投球数が五十、ノルマは四十だ。八割打てとおっしゃる。

 本当にバカだろ、難易度設定したやつ。

 中央の平地レースは最長でも五分かからないんだぞ。どれだけ長時間集中力を維持する前提なんだよ。

 

 加えてマヤノのライブ配信中という現状において、一番つらいのが五十球という頭のおかしい球数。

 一回のチャレンジでごっそり時間を持っていかれる。配信時間を深刻に圧迫している。

 私たちは学生だ。それも中央トレセン学園というかなり特殊な環境の生徒。

 普段より暇になっているのは事実だが自堕落が許されているわけではない。

 だからクリアするまで耐久配信などという贅沢な時間の使い方はできない。各方面から怒られてしまう。

 円満に配信を終わらせるのなら残りチャレンジはあと一回が限度だろう。

 

 これで失敗したら『私たちはこのゲームに敗北した』と視聴者たちから認識されるんだよな。

 一日も練習すればクリアできる自信はある。マヤノもそうだろう。でも仮にそれでクリアした場面を配信したとしても、あくまで『リベンジに成功した』という判定を下されるんだ。

 

 ……それは気に食わないなあ、激しく。

 

 ちらりとマヤノに目をやる。目と目が合った。

 うん、だよねー。

 以心伝心。通じ合う思惑。

 

「マヤ、読むほうやるね。ユー・コピー?」

「アイ・コピー。じゃあ私が打つ方か」

 

 妥当な役割分担だね。

 




この前、普段はやっていないツイッターの捨て垢を作る機会がありまして。
どうせなら捨てる前にといろいろやっていたら、なんとテンプレオリシュのイラストを見つけました。
『あ、これリシュだな』と一目でわかるクオリティ。捨て垢ゆえコメントなどはしませんでしたが、すごく嬉しかったです。
ここで言って届くかわかりませんが、いちおうこの場でお礼を言っておきます。
ありがとうございました。
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