はかいしん こうりん   作:海砂

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第四章 やる夫がゆうしゃになるようです

 魔王が寝る間も惜しんで特訓しろとPSPをくれた。

 3Dをダウンロードして今までずっと遊んでいた。

 ずっと魔王が俺の周囲でウロウロしていた。ウザかった。

 

 そしてついに、3D全クリ! 俺よくやった。コレで魔王も満足するだろう。

 攻略のキーポイントは魔水だ! 蓮の花をわらわらと増やして一箇所に集めて蜘蛛の子を撒き散らせばたいていの勇者には負ける気がしないぜ!!

 

「あっ、ちなみにこの辺のダンジョンでは魔水が湧き出ませんのであらかじめご了承下さい」

 

 なんてこったー!!1! えっもしかして俺のこの数ヶ月、ムダだった? マジデ??

 

 

 そんなわけで俺、魔王に洗脳されています、着実に。

 破壊神もまぁ悪くないかと思い始めた昨今。ゲームの中のお話ならね。

 はい、魔王ここ重要よ?

 

  ゲ ー ム の 中 の お 話 な ら ね !!

  

「そうですねぇ。ゲームの中の私はさらわれてもリセットできますしね、本当うらやましいですよ。それに引き換え現実のこの世界ときたら保険にも入れないし、さらわれたらその場でジエンドだし……本当世知辛いです……」

 

 魔王の愚痴スイッチが入ったようなので俺は脱兎のごとく逃げだした。

 

 

 

 しかしまわりこまれた!

 

 

 

「ちょっと破壊神様、少し冷たいんじゃありませんか? 魔王と破壊神様とはいわば戦友! と書いて『とも』と読み! 一心同体の運命共同体! ある意味では私とヨメよりも深く熱く激しい関係とも言えるのですぞ!」

 

 言えんでいい。俺に絡むな。触るな、寄るな、頬擦りするな!!

 

「……そんなクールな破壊神様に朗報。ただいま魔王サーチに勇者が二匹引っかかりました、もうすぐここにやってくるような気がいたします。レベルは最弱、でも放置していたらグングン成長しそうな予感がヒシヒシしますので、早めに芽を摘み取ってしまいましょう。ちゅーわけで破壊神様の出番です。雑魚ですから倒せますよね? お茶の子サイサイですよね? 破壊神様なら出来ます! やれば出来る子なんですから!」

 

 そんな魔王の手元には『褒めて伸ばそう! パパとムスメのコミュニケーション術』という本が……。ムスメの前に俺で試してやがるなコノヤロー。

 だがまあいい。俺だって伊達に何ヶ月も引きこもって3Dやりこんでたわけじゃない。魔水がなくたって華麗に勇者を撃退して見せようじゃないか!

 

「その意気です破壊神様! 無事勝てたアカツキには『BAR魔界』でスレッジハン魔ーご馳走しますよ! 一杯だけ!」

 

 問答無用で5杯はおごらせることを心に誓い、俺は魔物を増やす旅に出た。主に地下に向かって。

 

 

 

 

 

ニート ときどき ゆうしゃ やるお LV3

 

「ニシシ やるおなら せかいせいふくも ゆめじゃないお!」

 

えいえんの にばんておとこ やらないお LV5

 

「やるおには どうかんがえても むりだろ jk」

 

 

「来ましたよ破壊神様、私はどこに居ればよろしいですかな?」

 

 ちょっwwwwまだ俺ほとんど掘ってないwwwww

 つかまだ 4 ブ ロ ッ ク し か 掘 っ て な いwwwwww

 魔物とかwwwアメリカニジリゴケ一匹wwwwwうぇっwwwww

 

 とりあえず最下層に居て下さい、4ブロック下です。俺は地上に逃げます。サラバ!

 脱兎のごとく逃げ出した。

 逃げ出す途中でつぶれた白饅頭と縦に伸ばした白饅頭を見かけた。声はかけなかった。

 

「まおう どこにいるお! やるおが おあいてするお!」

 

「とりあえず その きたないモノを しまえ しろうとどうていが」

 

 ……こいつら相手だったら俺でも勝てそうな気がする。

 つか俺のレベルはいくつくらいなんだろう。今度魔王に聞いてみよう、さらわれなかったらだけどな。

 

 俺はこそこそと白饅頭ズについていくことにした。ていうかさっきから完全にスルーされている。

 

「まおうを みつけたお!」

 

 つぶれた白饅頭がニジリゴケを亀甲縛りにしています。

 

「それは ニジリゴケだろ jk」

 

 面長の白饅頭が、つぶれた白饅頭にケリくれています。

 

「うるさいお! やるおが まおうだっていったら これがまおうなんだお!」

 

「いいかげん こいつとつきあうの やめたくなってきたな……」

 

 

 ……なんか、俺と魔王のコンビよりもさらに輪をかけてグダグダです、この勇者コンビ。

 こんなんでも勇者になれるんだな。やっぱ俺も勇者に転職するべきか……。

 

「そこにいるのは だれだお!?」

 

 げっ、白饅頭が俺に気付いた!! 逃げろ!!!

 

「おいかけるのは めんどくさいお あれは まおうじゃないお」

 

「おまえは ほんとうに ばかだな」

 

 追ってこない。つかやっぱスルーされてるのか俺。

 ちょっとだけ鬱になった。

 

「おい またきたぞ つかまえなくていいのか?」

 

「いいんだお。かまってちゃんは ガンむしに かぎるお」

 

 きゃわゆいオネーチャンだったらコッチからお願いするんだお……そう言ってつぶれた白饅頭はニシシと笑う。だめだこいつ、早く何とかしないと……

 

「さあ まおうもつかまえたし かえるお。 これでやるおも モテモテだお!」

 

「どこから つっこんでいいのか わからないだろ jk」

 

 亀甲縛りにしたオレンジの物体を抱えて、潰れた方は意気揚々と、縦長い方は呆れながら、それぞれに地上へと戻って行きました……ってそれでいいのかよ!?

 ホンモノの魔王は完全に放置プレイです。つかさ、俺と魔王とニジリゴケの三択で迷うことなくニジリゴケを選ぶ勇者ってどうなのよ? この国の勇者認定はちょっと甘すぎないか? やっぱ自称か、自称なのか!?

 

「あの……」

 

 自称でいいなら俺だって勇者だ! 今から勇者だ!

 

「破壊神様……」

 

 よし俺勇者決定。とりあえず魔王をふんじばって王様んとこに突き出すか。それで俺の身は安泰。

 

「ところが破壊神様。破壊神様の先々先代の破壊神様がソレやってですね。一緒に捕まって火あぶりになってしまったんですよご愁傷様です。ちなみに魔王はこの服のおかげで無事でした」

 

 ……うん、そんな気はしてたんだぁ。やっぱり破壊神っていうネーミングがアンニュイな気分になるよね……そっかぁ、俺はもうこの地下のダンジョンでニジリゴケ食べながら暮らしていくしかないのかなぁってそんなのヤダー!!

 

「世界を征服したら元の世界に戻して差し上げることも可能なんですが……」

 

 今何つった。

 

「ですから、元の世界に……」

 

 よし! 目指せ世界征服。俺はやるぞ! こんな世界は二度とゴメンだ! ちゃっちゃっと勇者倒して世界滅ぼして元の平和なニポンに戻るんだ!!

 

「おお! すばらしい! やっとやる気を出して下さいましたな、破壊神様。それではお祝いに先日もぐろさんからいただいた呪われた邪竜像をプレゼント……」

 

 いらん。

 

 

 つーかさ……俺がこの世界に来てからまだ一人も勇者倒せてないんだが、これでいいのだろうか……。

 

 ま、いっか。

 

 

 

 

 

 

 

追伸、その後のやる夫

 

 

         ,.-、       ,..-‐-- 、、

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   ,.-",   /......:::::i::l /:::::::::::::::;;;;;;;;iii彡" ::ヤi、

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 i、 ヘ  :\:::::::キ;:::::::(:::j::):...) `‐-‐"^{"^ヾノ"

  ヤ、 \:::::\,::::\:;;;:iゞ:-:;ィ     ,.,li`~~i

.,;iiλ\.,,ィ^-‐'`ー",::::|:;X'::7、   ・=-_、, .:/   < これはどう見てもニジリゴケでは……

";ii::i`ゝ、::;;;:、-‐-;;;;i‐''''|  〉'.ヘ    ''  .:/\

.;ill;;:\::::::::::::::::;ノノl} ,.ィ|、/ー-`=‐-、、ノ

iilllllli;;:::`:‐-‐'":;ノ'i'::i.(♀)マ=‐-、.,,_`l, ,.へ

llllllllllllii;;,,___;;;iill|||'::|i,. 王 ,ノ\ー=、7^ヾ'‐-、、

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AAずれてると思いますごめんなさい手直し面倒です
クロス先:やる夫スレ
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