はかいしん こうりん   作:海砂

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第五章 現住所は立川ですが何か?

「破壊神さまっ! 破壊神さまったら破壊神さーま!」

 

 ウザい。

 

「もーっ、破壊神さまってばー! 破壊神さま破壊神さまはかひぎっ!」

 

 あ、舌噛んだ。

 両手で顔を覆ってシクシク泣いている。

 ホントにウザい。

 

「どーしてシカトするんですか……破壊神様と魔王の間には切っても切れない強い絆があるんじゃないんですか、小指と小指をつなぐ赤色のアレが」

 

 そんなものはない。絶対にないったらないのだ。ないに決まってる。あったら自殺しそうな勢いだ。

 

「わかった、あれですね、破壊神様ってばツンデレってヤツなんでしょ! きっと『ま、魔王のことなんか好きでもなんでもないんだから! で、でも……勇者に取られるくらいならいっそのこと……』ってそれじゃヤンデレですよ! ヤンデレな破壊神様も意外と悪くはありませんが。でもツルハシで後頭部を殴打するのは勘弁してくださいね。死にはしませんけど、あれはあれで結構痛いんですから」

 

 だめだ、この上なくウザい。

 何だろう、この魔王のウザ気持ち悪いテンションの高さは。

 

「あれー? 破壊神さま、なにか魔王に聞きたそうなカオをしてますね。いいですとも、何でも聞いちゃってください!」

 

「こないだムスメが『パパがつくづくウザいんだ』って相談に来たぞ」

 

 あっ、また泣いてる。そういうところがウザイんだよ、いい加減理解してくれ。

 

 

 

「ツルハシ、パパをいじめてるのか?」

 

 うわぁびっくりした。いつの間にか背後でムスメがぽちぽちとケータイをいじっていた。

 

「ムスメよ! パパはそんなにウザいのか?」

 

「うん」

 

 ムスメの即答で魔王は立ち直れないほどのダメージを受けたようだ、主に精神的に。

 

「コレが親父ってのも大変だよなぁ」

 

「キライじゃないんだけどウザイものはウザいんだ。もっとクールでスタイリッシュクレイジーなパパがよかったんだ」

 

 ……あれがパパだとそれはそれで苦労しそうな気もするけどな。つかダンテにお前さんくらいのムスメがいたら、カプコンファンもそりゃビックリだよ。

 

「ところでツルハシ、お前ケータイ持ってる?」

 

 ケータイ……うん、自分の世界では持ってたんだけど、この世界には持ってきてないよ。寝てる時に魔王に呼び出されたからね。

 

「なんだ、使えないんだ。まぁいいや。アタシ、トモダチとここで待ち合わせしてるから、しばらくお邪魔するんだ」

 

 こんなところで待ち合わせなんかしなくてもいいと思うんだけど、なんか目印としてこのダンジョンがちょうどよかったらしい。どんなトモダチだよ。

 魔王はまだ凹んでいる。別にムスメのお相手をする義理もないので俺はもくもくとダンジョンを掘る事にした。

 

「なんかここ、汗臭いんだ。これきっと、ツルハシのニオイなんだ」

 

 ムスメの呟きが俺のグラスハートを抉り出す! 285のダメージ!

 続けてムスメはケータイを取り出した!

 

「あ、もしもしー? 場所わかった? うんそう、塔のそばのダンジョンなんだ! 変なキノコちょー生えてるってば! あ、もしかしたら変なヤツがいるかもしれないけど気にしないで~」

 

 変なヤツ言われました。俺も魔王と一緒にいじけていてもいいですか? つか電話なのに声でけーよムスメ。もうちょっと静かにしゃべりなさいよ。あ、切った。

 お願いだから少しはおとなしくしてて……あっこら、せっかく生まれたガジガジムシをつついちゃいけません! ストレスでピュア種になったらどうすんの!

 

「だってトモダチが来るまでヒマなんだ」

 

 じゃあお兄さんがお話し相手になってあげるとしよう。しばらくは勇者も来ないみたいだしね。

 

「来ますぞ」

 

 うわぁびっくりした。魔王が突然復活して俺の背後でぼそっとつぶやいた。え? 勇者くんの?

 

「はい。もう、すぐそこまで近付いております。結構強いですし、どうやら二人組のようで、しかも片方は回復呪文を使えるみたいです」

 

 回復呪文は面倒だなー。なんだっけ、やる気なくさせればいいんだっけ? それか回復する間もなくやっつけてしまうか……今の戦闘力じゃ無理だな。つか今回も全滅コースかもしかして。俺は自分が助かればそれでいいんだけどさ。

 

「え、勇者くんの? じゃあツルハシ、ちゃんとアタシのことも守るんだ! 守れなかったらノロッテヤル!!」

 

 え、俺が守るの? パパいるんだからそっちにお願いしなよ。

 

「パパは使えないんだ」

 

 あーもう、あっちではシクシク泣いてるしこっちではガジガジムシがついにピュア化しちゃったしムスメはワガママだし……もとの世界にカエリタイ。

 

「シクシク……来ましたぞ……シクシク……」

 

「ほら、早く安全でケータイの電波がちゃんと入るところに案内するんだ!」

 

 カエリタイ。

 

 

 

めざめたひと ブッダ LV1

 

「ぴぃあ0」

 

かみのこ イエス LV43

 

「くいあらためよ!」

 

 

 

 激しく(゚∀゚)神のヨカーン

 うん、そりゃ回復魔法も使えるよね。てかネトゲ聖人って書いてあるんだけどアレ……ここネトゲ? 違うよなぁ。黙々とダンジョンを掘るネトゲなんて誰がやるんだ。

 

「うわぁ、珍しいキノコがいっぱい~!」

 

「じゃt25a」

 

 うわぁ、ブッダの人、会話できてない……えっここデモハンの世界じゃないよ? ど、どうしよう……しかも、モンスターガン無視してキノコばっか漁ってるし……。

 

「あっ、いえっさー!」

 

「おお発見! いやぁ、ココいいねー。あ、ブッダはキーボードが苦手だから直接語りかけてもらうから!」

 

『こんにちは、初めまして……』

 

 おお、神の声。てかネ申々とムスメ、知り合い?

 

「うん、ネトゲ仲間」

 

 ……魔王のムスメと神様が友達でいいんでしょうか……あっ、魔王がブッダとイエスにご挨拶してる。そしてムスメには日が暮れる前に帰ってきなさいよとか言ってる。

 そしてムスメは神々とともにヴィラスーラへと旅立ってゆきました。

 今回、俺がダンジョン掘った意味ってなんだったんだろう?

 そしてやっぱりこれでもステージクリア扱い。ムスメ連れて行かれたのにねぇ。

 

 

 

 

 

 ブッダがお土産にくれた天界サブレは美味しかったです。




クロス先:聖☆おにいさん
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