はかいしん こうりん   作:海砂

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第六章 たたかうおまわりさん

 掘るの、飽きた。

 もーやだ。掘っても掘っても勇者退治できないじゃん、魔王俺がいなくてもなんだかんだ何とかなってるじゃん、もーやだ!

 とはいえだ。世界を征服しなくちゃ元の世界には戻れないらしい。

 ちょくちょく修行もしているが(PSPで)、ドラゴン一匹生み出すのがやっとのレベルの俺に勇者を倒せる気がしない。

 

 よーし、こんな時は酒盛りだ! 酒を飲んで嫌なことは忘れるに限るのだ!

 

「あっ破壊神様! それ魔王とっときの芋焼酎『魔界への(いざな)い』じゃないですか! しかも貴重な焼き芋焼酎! やめてくださいよダンジョンで飲んだくれるのは!」

 

 おkおk魔王よく来た。ちょっとそこに座れ。コラ誰が座っていいといった! 正座しろ正座!

 そもそも何だこれは、クソゲーにもほどがある! PSPのゲームはほどよく楽しくゲームバランスもよく、メタりようも実にいい。

 一方この世界は何だ! 魔王はクサイしムスメはなまいきだしダンジョン掘ってたら腰が痛くなってくるし、なんだこのクソゲーはフザケンナ!

 

「知りませんよ、ていうかクサイって何ですかクサイって。魔王これでも体臭には気を使ってシャンプーもボディーソープもDEOCO使ってるんですよ!?」

 

「オッサンが使ってJKの香りを堪能するって噂の例のアレか」

 

 あっ魔王がそっぽむいて口笛吹いてる。図星か。

 ムスメがこないだ『パパのどこに洗う髪が残ってるんだ』とか言ってたから多分あの被り物の下はなかなかのマルハゲなんだろうけどそこには触れないでおく。俺も他人事じゃないからな……抜け毛が気になるお年頃なのですよ俺だって。ダンジョンは土だから髪の毛落ちてても目立たないからいいねえ。いや良くないねえ、危機感が薄れる。自宅の枕にゴッソリ抜け毛が付着していた時の感情と言ったらああああああ!

 

「とにかくですね! 破壊神様はもうちょっと……あああああ! とっときの北斗の拳コラボ焼酎まで開封してるじゃないですか! なんてことするんですか! 勇者が来る前に魔王昇天しちゃいますよ! 北斗の拳だけに! 我が生涯に一片の悔いありですよまったく!」

 

 そう言いながら魔王も飲んでるじゃねえか。自分じゃもったいなくて開封できなかったけど飲みたかったんだろ? ほれほれほれ。

 

「酔っ払いの破壊神様、今魔王サーチに勇者が引っ掛かりました。正義の味方オーラがひしひしとします。やばいです。飲んでる暇があったら掘ってください働いてください!」

 

 ヨレヨレとツルハシをふるうものの何か縦横ナナメと縦横無尽に掘ってしまっただけだった。随分酔いが回ってるな。

 

「ほらもう来ちゃいますぞ! 魔王どこに行けばいいんですかこれもうあああ!」

 

 知らん、その辺にいればいいよ。俺はここで酒を飲む。

 魔王はどこかへ行ってしまった。多分最深部にいるだろう。

 

 

 

 ハコチョー いがさき LV20

 

「僕もう帰ってもいいかなあ? 後は任せても大丈夫だよね」

 

 ミスパーフェクトメスゴリラ ふじ LV15

 

「川合、アレ」

 

 おとめなルーキーチンパンジー かわい LV5

 

「はい藤さん、赤ワインですよね?」

 

 

 

 唯一の男性は帰ってしまいました。

 二番目に強そうな美人のマウンテンメスゴリラは俺の持っていた焼き芋焼酎を取り上げて飲んでいます。ウホッ、いい女……。

 三番目のペーペーと思われるチンパンジーは俺にペコペコと頭を下げながらマウンテンメスゴリラを引きずって帰っていきました……あれ、もしかしてまたこのままステージクリアっていうパターン?

 

「魔王の焼き芋焼酎……」

 

 背後で魔王が泣いてるけど気にしない。飲みかけの焼き芋焼酎は持っていかれちゃったけどキニシナイ。ステージクリアだよくやった、褒美に北斗の焼酎を飲んだくれるぞ俺!

 てめえらの酒は…なに味だーーーーーっ!




魔界への誘い、おいしいです。
クロス先:ハコヅメ
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