ワンサマーハーレムを一人も崩せなかった腹いせに一夏とイチャイチャ()してヒロインの脳を破壊する話(迫真) 作:鹿頭
───ね、眠れねぇ。
妙に冴え渡る眼を擦って、ベッドから起き上がる。
途中で起きたし喉も乾いた。
水を呑みつつ考える。
───結局、あの外出で脳を破壊できたであろうヒロインは三人だけだった。
だが焦ってはいけない。
何も一日で脳を破壊し尽くせるなどと思ってはいけない。
俺の脳は長期間にわたって破壊され続けていたのだから、その分彼女達も同じ目に遭ってもらわねば割りに合わない。*1
ここで残りのヒロインについてプランを考えよう。
まずは楯無会長だ。
年上姉属性、しかも対暗部用暗部という対魔忍組織の党首だ。
ちょっとやそっとで脳破壊は出来ないだろう。
その上ワンサマーは年上で巨乳が好きらしい、確かに楯無相手に赤面していた描写があった様な気がする。*2
あとはタッパが高くてハキハキした奴が好みらしいけど……本当かどうか。
アレだな、今度一夏をめくるめく猥談の世界に誘うとしよう。
次点で簪ちゃんがなかなか困る。
確か一夏にアニメのDVDを渡して布教するタイプのオタクだからな。
確かロボット系とかだった気がする。
どっかの社長みたいなスーツのアニメだったし。
なら先にワンサマーをオタクの道に引きずり込んで、その上ジャンル違いで先に染め上げる……のはなんか違うなぁ。
こう、一人だけ疎外感喰らうのは良くない。ちょっとイジメっぽい。
俺は脳を破壊したいだけで虐めたい訳じゃないんだ。*3
となると正攻法でイチャついてる様に見せた方が良さそうだ。
モッピー達と同じ方法に頼ろう。
ラウラは良くわからないんだよな。
俺って彼女に割と避けられてる感はあるし。
例えば嫁の意味を懇切丁寧に説明するなりした方が良いか?
だがそれで止まる脳味噌はしていない。
或いは一夏の旦那はこの俺だと宣言か?
いや何言ってんだ俺。
脳の破壊されすぎでおかしくなったかな?
しかし、最大にして最あざとい敵、シャルロット・デュノアが立ち塞がっている。
さて、あざといキャラクターの脳を破壊するにはどうすれば良いのだろうか。
と言うのも、世の中にはサブヒロインノホウガニンキデルという法則が存在する。
幼馴染系ヒロインに対し圧倒的な勝率を誇るミーツ系ヒロインが唯一敗北を喫するのが後から人気を掻っ攫うサブヒロインだ。*4
そしてそのヒロインは大抵あざといのだ*5。その上あざといヒロインはちょっとやそっとじゃ脳が破壊されない。
特にあざとかわいいシャルは後から掻っ攫う事だって想定しているだろう。*6それにある程度男ウケのいい仕草なんかも当初のハニトラ*7の予定からするに学んでいるだろう、多分。
つまりは彼女よりもより可愛く、あざといキャラでないとシャルに勝てないのだ。
きっとワンサマーと仲良くイチャイチャしても持ち前のあざとさで間に割り込んで俺に背を向けてワンサマーとイチャつこうとして俺の脳を破壊することだろう。
つまりだ、つまり理論上はこのあざとさを上回る最かわヒロインを用意してやれば良いって事だが、そんなものIS学園にいるのだろうか?
いや何言ってんだ、なんでワンサマーのヒロインを探す事になってるんだ、バカらしい。
「ふむ」
そんな事を考えていたら完全に頭が覚醒している。
もはや再び寝つくなんて考えにくい。
「夜風にでも当たるかな」
こういう時だけ妙な感知機能を持つワンサマーセンサーに引っかからない様に細心の注意を払いつつ、滑る様に外に出た。
バルコニーに向かっていると、その先にはちんちくりんな人影があった。
「おや。先客とは」
「ひゃぁ!?って……なーんだ、アンタか」
そこにいたのはお鈴りんだった。
彼女の事だ、大方ちっふーとでもおもったのだろう。
安心してほしい、ちっふーだったら今頃強制的に君は眠りにつく事だろう。
「何。少し目が覚めてしまったから、夜風にでもあたろうと思ってね」
「ふーん。アンタみたいなのでも、そう言う時ってあるのね」
「あるとも。人間だからね」
そう言って微笑み、縁に腰掛け、夜空を見上げる。
そこに広がるのは、満天の星空。*8
こういう日には、持ってこいの光景だった。
「………ねぇ」
「何かな」
「聞かないの? その…あたしがこんな時間に、ここで何してるのか…って」
で、でた〜!!!死ぬほどめんどくさいイベント〜!
しかもこの子の恋愛フラグはワンサマーに立ってますからね!!!
こっちになんのメリットもないどころかデメリットだらけですわよ!!!
ここで下手打つと彼女の心が折れてしまいます。そうなれば脳を破壊する事は出来ません。おしまいです。
俺は脳を破壊したいだけで心を折りたいわけじゃないんだ!!!*9
「さてね。一夏なら今も部屋で寝ているよ」
「バッ…!!! そうじゃないわよ! あ、いや、一夏の事も、あるんだけど……」
シュンとしていく鈴音を見ずに、星々を眺め続ける。
だって俺のヒロインじゃないんだぞ。
ワンサマーのなんだぞ。
「織斑一夏、彼は、良い男だ」
「……え?」
「キミたちが熱を上げるのも解るとも。ま、自分で自覚していないのは、彼の良くない所だがね」
「あ、アンタ、もしかして───」
おや?かしこい鈴ちゃんは何かに気づいた様です。いいですねぇ。
ここは少しからかってあげましょう。
「も、もしかしてっ、アイツのこと、す、すす好きなんじゃないでしょうね!?」
「一夏の事かい?もちろんだとも」
「なっ!!!!」
学園中に響き渡るんじゃないかって位の衝撃を伴った、それはそれは見事なダミ声だった。
「コラ。声が大きいぞ、鈴音」
「すすすすすすすすっ、すきって…すきってあ、アンタっ、や、やっぱりっ!」
「おやおや、そんなに驚く事かな。彼は好ましい人物だろう?」
「それなら…そ、それなら……あたしに、勝ち目、なんて……」
「やれやれ、何を勘違いしているのかね。我愛你じゃなくて、喜欢你の方だとも」
「へ? あああああー!!わ、わかってたわよそんなの!!!」
「ははは、失礼したね。ついつい揶揄ってしまった」
「もっ、もぉぉ!」
ある程度好きにさせてから、口を開いた。
「気は楽になったかい?」
「え、ええ!!アンタのおかげでね!………あ、ありがと」
見事なツンデレです!!!
でも俺のヒロインじゃないっ!!!
クソがよっっっっ!!!!
「浮かない顔はキミに似合わないからね」
「そ、褒め言葉として受け取っとくわ」
普段の落ち着きを取り戻した鈴音は、いつもの様に振る舞う。
「その位、一夏に対して素直になれれば良いと思うんだけどね」
「なっ!!!そんなの今は関係ないじゃないっ!!!」
「ははは。さて、私はもう少し夜風に当たってから寝るが。君は眠れそうかな?」
「ええ!お陰様で良くね!」
そう言って足取り軽く消えていくお鈴りんを見送り、思った。
───虚しっ。
何してるんだ、俺。
前のなんだっけ、酢豚事件*12の時もそうだし、すぐ泣きそうになるからつい親身になってしまう。
あーいいやもう寝よ寝よ。
そう思うと、気配と足音を消して滑る様に部屋に戻っていった。*13
───だが、次の日。
事件は起こった。
「な、なぁ!鈴がお前に告ったってマジか!!?」
「なんて?????」
拝啓、カミサマ。
どうやら俺は、やらかしたようです。
撃滅のセカンド幼馴染
酢豚の件で泣き腫らしているのを慰められた。
なお自分より一夏の事を理解している様な言い草に腹が立って復活した。当然フラグは立たなかった。
それはそれとして感謝はしている。
でも空気砲見てから余裕ですはどうかと思う。
ヒロインズの中では一番好感度が高い。
なお。