紡がれる『帝』の血脈   作:シントウ

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アルトシュさん、鳳飛鳥さん、なかてさん、評価ありがとうございます!

今回は弥生賞のおまけの様な話なので短いです。

この物語はフィクションです。登場する人物・団体名は架空のものであり実在するものとは関係ありません。


帝の弥生/その後の一幕

福長雄一side

 

『ノゾミミカドだ!!ノゾミミカドが今ゴールイン!!!!!最後に見事差し切りました!帝が遥か先にいた宇宙を捕らえました!!勝ち時計は2:02.6!!上がりは35.2!!素晴らしい走りを見せてくれました!!』

 

血統から不安視されながらも1番人気で走り終えることがこの2000の距離。ミカドは息絶え絶え…まではとは言わないがかなり息が上がっていた。

 

「大丈夫かミカド?よく頑張ってくれたな」

『ブルルッ』

 

やって見せたぞ、と言っているかの様に反応した。

そう。こいつは見事に2000を走り切り、中距離への適正を見せてくれた。

 

「雄一。今回も出し抜かれたな」

「石田さん。いえ、俺は走れる道を見つけてやっただけです。石田さんを出し抜いたのはこいつ自身ですよ」

 

当の本馬はレース前の様にセイウンワンダーと話しているが。

 

「雄一、今回はお前たちにしてやられたな。お前、狙っていただろ?」

「横谷さん…狙っていた、とは?」

 

今回接戦を繰り広げたロジユニヴァースの騎手である横谷さんが俺たちの会話に割って入る。

 

「そのまんまの意味だよ。その馬の真価である末脚が出せるタイミングをお前はギリギリまで狙っていたんだろ?」

 

横谷さんは続けて話し出す。

 

「お前らはスタートから3〜4番手を維持していた。元々はそこでレースを観察する気だったんだろうが俺たちの行動でお前は作戦を変えた。お前はなるべく馬のスタミナを消費しないで俺たちを見れる位置に移動。そして最終コーナーから直線にかけて、お前たちは前の馬たちが広がったとしても邪魔されないタイミングでスパートした。あの順位なら前から塞がれる可能性も低いからずっと維持し続けたんだろう?…違うか?」

 

横谷さんは笑いながら俺に問いかけてくる。しかしその目は真剣な目つきそのものだ。

 

「………はい。ミカドの一番の武器は末脚の爆発力です。だから前を塞がれると突破しづらくなる。特に今回、後方は大混戦でしたからね。もし差しで行っていたらこうはならなかったと思います」

 

実際、5着〜8着はクビ差で決まっている。あの混戦は集中力が持続しにくいミカドには非常にアウェイな状況だ。

 

「……やっぱりな。雄一、次は俺たちが勝つからな」

「…次も俺たちが勝たせてもらいますよ」

 

俺たちはその後、お互い健闘し合いながらその場は解散した。

 

 


 

 

弥生賞着順

着順枠番馬番馬名タイム着差
ノゾミミカド2:02,6
10ロジユニヴァース2:02,9アタマ
ミッキーペトラ2:03,92・1/2
モエレエキスパート2:04,01/2
キタサンアミーゴ2:04,1クビ
セイウンワンダー2:04,1クビ
ケイアイライジン2:04,2クビ
ハイローラー2:04,2クビ
リアライズナッシュ2:05,57
10レオウィザード2:06,3

 

 


 

 

「え〜それでは、今年の弥生賞を見事に勝ち取ったノゾミミカドの鞍上、福長雄一ジョッキーに勝利インタビューしていきたいと思います。先ずは福長ジョッキー、おめでとうございます!」

「ありがとうございます」

 

勝利ジョッキーインタビューでインタビュアーの言葉に軽く答える。

 

「今回の弥生賞は序盤からロジユニヴァースが逃げるという、誰も予想がつかない展開になりましたがロジユニヴァースが前に出たときどんな心境でしたか?」

「先ず最初に思ったのは、えっ、て思いましたね。でも同時にヤネが横谷さんだしこの人ならやるって思い、直ぐに思考を切り替えてレースに集中しました」

「そうですか…今回ノゾミミカドはずっと3〜4番手を維持し、最後の直線に入った瞬間、自慢の末脚で差し切りましたがどの様にレースを運ぼうとしていました?」

「そうですね…ノゾミミカドは中距離が今回初めてだったのでスタミナをなるべく消費しない様にしていました。以前から後方の馬が近づくと少し掛かっちゃうクセがあったんですが今回はその掛かりも少なくて集中していたので良い騎乗が出来た気がします」

 

ミカドに落ち着く様話しかけた時、掛かりかけていたアイツは落ち着きを取り戻し、最後までレースに集中していた。トレセンに帰ってきた時から掛かり難くなっていたが今回は今までに無いぐらい集中していた。

 

「最後、ロジユニヴァースを交わした時、何を思っていましたか?」

「もう、いける!!って思いました。アイツならやってくれるって信じていましたし」

「次走はいよいよクラシック最初の一冠、『皐月賞』が始まりますが、どうでしょうか?」

「今回のレースでミカドも一皮剥けた気がしますし、全力で取りに行こうと思います!」

「ありがとうございます。以上勝利ジョッキー福長ジョッキーでした!」

 

インタビューが終わり、俺は一度控室に戻り、椅子に座る。

 

(皐月賞は今回と殆ど同じ条件で挑む。ミカドは他より頭が良いし、今日のレースと同じ感覚で行けば不安要素は無い。あるとすれば…)

 

「出走の枠と相手次第……だな」

 

ミカドは先行と逃げが得意な馬だ。今までは特に枠順を気にはしなかったがクラシックとなるとそれら全てを入れて綿密な作戦を立てなくてはいけない。

 

「出走馬には間違いなくあの2頭もいる。セイウンワンダーは大丈夫だがロジユニヴァースはまだ本来の戦い方を見ていない」

 

幾らか不安なところがあるが、一ヶ月ぐらい先のレースのことをここでグダグダと一人で考えたところで解決策が浮かぶわけでも無い。

 

「出来る限りの情報を集めて、テキと相談しながら作戦を立てよう」

 

彼らを勝利に導くジョッキーとして、気合いを入れ直し、俺は控室を後にした。




次回はウマ娘編を投稿しようと思っています。

アンケートで募集したナイスネイチャ産駒ですが、現在も考え中です。設定としては中〜長距離(3000ギリギリ)を走れる馬にしようと考えています。
そこでまたアンケートなのですが、
引退しているかまだ現役かどちらが良いか募集します。
期限はこの話が投稿されてから1週間です。
他にもこんな設定はどうかなど、意見がある方はコメントなどで言って下さい。

評価やコメント、お気に入り登録を是非。それでは。

ナイスネイチャ産駒は引退or現役?

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