次回はウマ娘編を投稿しようと考えています。
それではどうぞ…
『また、また“3着”…』
「あ〜惜しかったな、ナチュラル。でもこれでお前が完全にステイヤーであることが証明された。これからは長距離メインの調教をしていくからな」
『はい…』
私はノゾミナチュラル。栗東トレーニングセンターの松流厩舎に所属する競走馬です。
私はここ最近、微妙な成績が多い。
先ずはこれを見てほしい。
成績:10戦4勝一着・4 二着・0 三着・6
三着・6
三着・6
『なんで1着と3着しかないんじゃぁぁぁ!!普通は2着とか4着とかあるでしょう!!1着はともかくあとは全部3着って何!?て言うか作者ぁぁ!!いくら私がナイスネイチャ産駒だからって3着強調すればいいってもんじゃねぇぞぉ!!ていうか、パパの3着は有馬記念3回連続3着ってだけで3着ばっかとっていたわけじゃねぇからな!!』
『ナチュ、落ち着いて。色々メタいよ』
色々な不満を出しまくっている私に『マルカフェニックス』が話しかけて来た。
『だってまただよ!もう呪いがかかっているのかってくらいだよ!重賞連続3着って泣きたくなってくるわ!!』
今までの成績↓
新馬戦 1着
芙蓉S 1着
すみれS 3着
チューリップ賞 1着
桜花賞 3着
優駿牝馬オークス 3着
小倉記念 1着
菊花賞 3着
有馬記念 3着
阪神大賞典 3着
『ほら見てこれ!ちゃっかり小倉は勝てているんだよ!?』
『3着以内に入れるだけ凄いと思うんだけど…僕なんか勝てても成績落ち込む時はひどいし…』
『あっ…えと……その…ごめん』
『ナチュが悪いわけじゃないよ。ごめんね気使わせちゃって』
一つ上の世代だけど馬房が近くて、気さくな性格のフェニはいつもの愚痴を聞いてくれる。そのフェニもこの間あったレースで下から数えた方が早い順位になってしまった。
『短距離ってやっぱりすごいの?』
『凄い。あそこで最強を続けるのは難しいと思う。一回勝ってもすぐに負ける。入れ替わりが激しいっていった方がいいかな?』
今度は私がフェニの愚痴に付き合い、そうやって過ごしていた。
すると……
「併せ馬…ですか…!?あのノゾミミカドと!?」
松流さんの驚いた声が向こうから聞こえた。何かあったのかな?
「確かにウチのナチュラルはステイヤーですし、周りに合わせることは上手い子です。けど…」
聞き取りにくいけど併せ馬って言葉が聞こえた。それって他の子と一緒に走ることだよね?別のところの子と走るのかな?
「……わかりました。お受けします。はい、はい、それでは…ふぅ…少し面倒なことになったな」
「テキ?どうしたんですか?」
「ナチュラルが話題のノゾミミカドの併せ馬の相手をすることになった」
「えっ!?あの今無敗三冠を狙っている!?」
「そうだ。なんでも向こうの管理馬でノゾミミカドの並走が出来る馬が色々と事情があって無理になったらしい」
「でもなんでウチなんですかね?ナチュラルは馬主一緒くらいしか関わりないですよ」
「なんでも、アイツの『パワー』を体験させて欲しいらしい。確かにノゾミミカドの周りにはナチュラルのような馬はあまりいないからな」
ノゾミミカド…さっきから聞こえるこの言葉。名前かな?私と同じ『ノゾミ』の冠名を持つ馬…
『どんな子なんだろう?』
「松流。すまんな。忙しい時に」
「いえ、こちらとしても今話題のノゾミミカドには興味がありましたから」
あれから少しして、『ノゾミミカド』という馬と並走する日がやって来た。
『はじめまして。私はノゾミナチュラル。よろしくね』
『はじめまして!自分はノゾミミカドです!よろしくお願いします!』
第一印象は礼儀正しいけど声が大きい子だなと思った。
『そんなにかしこまらなくていいよ。1個しか歳違わないんだし』
『え、でもこっちの厩舎の『ダイシングロウ』先輩がアイツはヤバイ奴だから気を付けろっていっていたんで…』
『おい、いますぐそいつここに呼び出せ。雄としての象徴潰してやるからよ』
『呼び出す方法がないんで無理です』
誰だか知らないがレディに向かってヤバイ奴とか失礼すぎる。
「相性は…悪くなさそうだな」
「ですね…しかし、奇跡の復活を果たしたトウカイテイオーの子と、その栄光の影にいても自分の輝きを魅せたナイスネイチャの子が同じ冠名を持ち、こうして並んでいると少し感慨深いところがありますね…」
「…そういえばお前はナイスネイチャの主戦だったもんな」
「ええ、あの有馬も後方から見ていましたよ。テイオーがビワハヤヒデに並んで追い抜いたのも…」
『何がヤバイ奴よ。私がヤバイ奴判定なら私に勝っている奴らはバケモノ判定でしょうが』
『多分、そういう言い方が誤解を招いているのでは…』
『あ、なんかいった?』
『いえ何も』
「あの時のネイチャの末脚もすごかったんですよ。ナチュラルはそれを見事に引き継いでいます。同時に親よりも酷い三着地獄を味わっていますが」
「ノゾミの馬はそういうの多いからな…美穂にいたノゾミラインなんかもシンザンの連対記録を塗り替えたしな」
「極端というかなんというか、血統、成績、性格全てがクセだらけですからね」
『とにかく、自然体でいいよ。こっちが疲れるし』
『え〜と、はい。でも俺基本年上には敬語なんで自然体がこれです』
『あ、そうなんだ』
『はい、先輩の前で
『・・・・・』
『あれ?先輩?自分でもつまんねぇなって思っていましたけどそんなにつまんなかったんですか?今の低レベルなギャグ?』
『……ちょ、ブフっ…まって……お、お腹……クフフ…痛い…ブフォ…!』
『……(今のウケる要素あったか!?)』
「そろそろ始めるか」
「そうですね。騎手の方ももう来ますし…なんかナチュラルが何か堪えているような顔しているんですがあれって…」
『ごめんなさい犯人俺です』
後輩の不意打ちのギャグを受けて少し落ち着いてから騎手の人も来て調教を開始。
最初は軽い運動をして体を温めてから、メインの併せ馬が始まる。
「じゃあ、今日はよろしく頼むぞ龍二(りゅうじ)」
「こっちこそ頼むぞ雄一。こいつはパワーが牝馬とは思えないくらい強いからな」
私の主戦騎手であるリュウジ(倭田龍二)さんがミカドの騎手さんと話している。レースじゃないし本気で走らなくていいよね。
「ナチュラル、今日は歳下だけど相手は無敗で皐月賞を制した相手だ。しっかり頼むぞ」
『無敗…』
無敗
今まで負けたことがない。
へぇ…そうなんだ……じゃあ
『ちょっと本気出すか…』
ミカドside
併せ馬をする相手であるノゾミナチュラル先輩(長いからナチュラル先輩で…)は、キツい言い方をすることもあるけど話しやすい馬だった。ダイシングロウ先輩はなんでヤバイ奴って言ったんだろうな?怖い感じはするけどそこまでって感じはするし…
「ミカド、相手は牝馬だが牡馬相手でも勝利をもぎ取ろうとする相手だ。併せだからって油断するなよ」
『わかりました』
まあなんであれ、ダービーにむけて古馬戦線に立つ先輩の走りを見ておいて損はない。
そう考えながら、併せ馬の調教が始まった。
内は俺が走り、外は先輩が走る。先輩の脚質は差し。俺より少しだけ後ろにいる。
『いつもの走りをしていれば大丈夫だ』
そう考えていた。
ズン
『……えっ?』
後ろにいたはずの先輩が急に横を通り過ぎた。俺を追い越して行ったのだ。
『えっ、は、はあ!?』
あまりのことで俺は理解出来なかった。だって先輩は俺の後脚ぐらいのところにいた。そこから俺の横を通り過ぎるのが一瞬だったんだ。
慌ててスピードを上げて、俺は追いつこうとする。しかし…
ギロッ
『…っ!?』ビクッ!!
相手から放たれる威圧でうまくスピードを出せない。
『俺は、一体何と走ってんだ……?』
先輩が言っていたヤバイ奴って意味が分かったよ。確かにこの馬は…
『ヤバイ奴だ……!』
ナチュラルside
『………』
………やっちゃったぁぁぁぁぁぁ!!!!!
私一体何してんの!?相手歳下!私歳上!並走でガチの威圧かますとか大人気ない!!これ相手トラウマになってない!?大丈夫!?大丈夫だよね!?
『えっえっと…そのミカド?大丈夫?』
『……』
あっだめだこれ…やらかしました。将来有望な子の馬生潰しました。
『先輩……』
『ひゃあい!!』
『いやなんで先輩の方が驚いてんですか?』
急に話しかけられたから声が裏返った。
『ご、ごめん。その大人気なかったよね?併せであんな風に相手潰す勢いで走るなんて…』
『いえ、大丈夫です。そもそもレースではそれが普通ですし』
取り敢えず、大丈夫なのかな?
『めっちゃ心折れかけましたけど』
大丈夫じゃなかった……!!
『でも…』
『…?』
『まだ折れていません…!』
『……!』
『もう一回やるみたいですし、さっきみたいな奴、頼みます!!』
………眩しいねぇ……ギラギラと燃える太陽みたいに…
『……お姉さん、また少しだけ本気出すけど、行ける?』
『望むところです!』
この子と本当のレースで会える日が楽しみだ。
ナチュラルは『無敗』など勝ち続けている相手に対しては容赦無く本気を出します。
今回はミカドの無敗記録に反応しました。それさえなければ、普段は面倒見の良い姐さんです。
因みに強キャラ感のある彼女が何故三着なのかというと威圧でスタミナを失って垂れて来た馬に囲まれることが多いからです。それでも抜け出して三着とるんですよね…
主戦は世紀末覇王の主戦だった方です。
この併せがミカドにどう影響を与えるのかはまだわかりません。
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