因みにミカドの丈夫さと回復力の高さから獣医からは全治2ヶ月弱と診断されました。
俺ノゾミミカドは骨折をして獣医の先生に手術をしてもらった。全身麻酔で寝ている間に終わっちまったぜ。結果は大成功。簡単な手術だから直ぐに終わったらしい。
麻酔切れたらクソ痛かったけど…
そんで今現在俺は療養という名目で故郷の北山牧場に向かっている。
獣医の先生曰く…
「彼は落ち着いた環境にいれば無茶はしないだろうから暫くはゆっくり故郷で休みを取らせたらいい」
らしい。
『まあ、トレセンにずっと居るよりはゆっくりできるだろうし。久しぶりにのんびりしますか』
そんなこんなで車に揺らされ数時間後…
北山牧場
「ミカド…お前、無茶しやがって…!」
「北山さん、落ち着いて下さい。幸い軽いものだったらしいんですから」
ついて早々、北山さんに怒られました。まあ、俺が無茶したことが1番の原因だから甘んじてお叱りを受ける。
「馬鹿野郎!小さかろうが大きかろうが骨折は馬にとっては命取りなんだよ!!動けなくなればその場で命を失うことになる!特にサラブレッドは身体構造がポニーや野生馬なんかよりも脆いんだ!動けなくなって安楽死になった馬を何頭も見ている。お前もそうなってほしくはねぇんだ…」
『北山さん……本当にごめんなさい…』
俺は頭を下げた。今回のことは本当に色んな人に迷惑をかけた。雄一さんも、俺に何度も何度も謝っていた。せっかくの初ダービーをこんな風にしてしまった。
「頭を下げる…か…お前は昔から頭が良い。それが人間が謝る時の仕草ってことを知っていてやっているんだろう。ならミカド、もうまた無茶をするな。何事もなくまたここに帰ってきてくれ。俺がいうのはそれだけだ…」
『はい…』
「そういえばミカド、お前にビックニュースがあるんだ」
『ニュース?』
あの後、北山さんは卓也さんに俺のことを任せて早々に事務所の方に引っ込んでいった。俺は卓也さんにに連れられ、自分の馬房に向かっている。
「なんと、シエルが子供を産んだんだよ!つまりお前の弟だ!」
『マジで!?俺の弟!?』
つまり俺は知らない内にお兄ちゃんになっていたのか?うわ〜なんか会うのが凄い楽しみになってきた!
どんなやつなんだ?正直、オーラ先輩とブエナみたいな兄妹関係って憧れがあったんだよな〜。
「今は放牧中で居ないが、多分明日あたりはもしかしたら見れるかもしれないぞ」
『へー。そいつは楽しみだな!』
『で、無茶をして骨折。そして療養を兼ねてここに帰ってきたと…ミカド君、何をしているんだ君は?』
『いやほんと返す言葉がございません』
『この大一番の時に故障って…暫く期間が空くから良かったけど…お前運が良いんだか悪いんだか…』
ライン先輩たちにも合流して、ことの顛末を話して若干呆れられながらも先輩方は俺を労ってくれた。
『そういえば、先輩方はもう俺の弟には会っているんですよね?どんなやつでした?』
『君の弟?……ああ。シエルさんのところに生まれた新しい仔のことか。そうだね…一言で言うなら『変わっている』かな』
『変わっている?』
『ああ、それ俺も思ったわ。何ていうかな…何となく
馬っぽくない?それって一体?
『なんというか君に似ているんだがどこか違う。凄い賢い仔ではあるんだけどね』
『まあ、明日ぐらいには会えるとだろうからそん時に見ればいい。多分直ぐに分かる』
『はあ……』
先輩たちの話はそれで終わった。馬っぽくない。俺に似ている。まさかな……
翌日…
「ミカド〜放牧行くぞ〜」
『う〜っす』
卓矢さんに連れられて、俺は放牧地に移動する。因みに俺は治療中という感じなので他の引退馬たちとはまた違うところに放たれている。ここの牧場は面積だけは広く。全ての放牧地、私有地を含めると大体東京ドーム最低でも10個分くらいあると思う。俺も細かい面積は知らないし、これは俺の推測です。*1
因みに俺の居る放牧地に放たれているのは俺を含めて3頭しか居ない。全頭治療中という馬たちだ。
『さてと…ここからでも母さんたちが放たれている放牧地は見えるし、何処にいるかな?』
早速俺は当歳馬と母馬たちが放たれている放牧地を観察する。
『母さんを見つけられれば後は自ずと…と。お?あれか?』
母さんを直ぐに見つけて、その近くにいる栗毛の様な鹿毛の様な仔馬を見つけた。しかし、その馬からは…
『違う!走る時の姿勢はこう!それでは悪戯に脚を痛める!ほらもう一回!!』
『イ、イエス・マム…!』
『声が小さい!!』
『イエス・マムっ!!!』
………なんか母さんに滅茶苦茶しごかれていた…
いやそうじゃないそうじゃない。
『なんであいつから…『
もしかして…いやまさか…
『あいつも…『転生者』なのか……!?』
さて今回最後に出てきたミカド弟は一体何者なのか…
次回に続きます。