紡がれる『帝』の血脈   作:シントウ

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今回は前・中・後の構成で行こうと考えています。


帝の有馬/黄金の旅路 前編

有馬記念

 

それは年末の中山でファンによって選ばれた16頭によって行われる夢の祭典

 

神に愛された葦毛の怪物

『オグリキャップ』

 

祭典を制した老雄

『スピードシンボリ』

 

閉ざされた道をこじ開けた覇王

『テイエムオペラオー』

 

三度の栄光と三度の挫折を味わい奇跡の栄冠を手にした帝王

『トウカイテイオー』

 

年末の最後の大一番

さあ、盛り上がろう

 

枠番馬番馬名人気
1枠1番アンライバルド10番人気
1枠2番ブエナビスタ2番人気
2枠3番ミヤビランベリ9番人気
2枠4番マイネルキッツ13番人気
3枠5番コスモバルク16番人気
3枠6番エアシェイディ12番人気
4枠7番マツリダゴッホ4番人気
4枠8番リーチザクラウン7番人気
5枠9番ドリームジャーニー3番人気
5枠10番ノゾミミカド1番人気
6枠11番イコピコ11番人気
6枠12番テイエムプリキュア15番人気
7枠13番スリーロールス8番人気
7枠14番セイウンワンダー5番人気
8枠15番ネヴァブション14番人気
8枠16番フォゲッタブル6番人気

 

 


 

 

俺ノゾミミカドは現在、中山競馬場のパドックに来ている。理由は勿論、有馬記念に出走する為だ。

 

『ミカド〜!!一緒に頑張ろうね〜!!』

 

うん、ブエナ。俺と一緒に走れて嬉しいっていうのは分かるけどね。君2番だから君が進まないとパドック渋滞しちゃうから。他の奴らに迷惑かけちゃうから。

 

 

『2番、ブエナビスタ。かなり興奮していますね』

『恐らく、周りの強力なライバルたちの闘気に当てられたからだと思われます。これをレースで活かせればいい走りが期待できます』

 

 

実況と解説の兄ちゃん達にも言われてんぞ。肯定的なものだけど。

 

(そんで…俺の目の前にいるのが…)

 

目の前にいる一頭の競走馬。小柄な馬体に鹿毛の毛色。後の時代にも大きな影響を与える一族、ステイゴールドと母父メジロマックイーンの『ステマ配合』によって生まれた一頭。

 

夢への旅路・ドリームジャーニー

 

俺の前世ではこの有馬でブエナを抑えて一着を取り、春秋グランプリを制したグランプリホース。そして、主戦騎手が「他の馬はあくまで戯れているのに対し、ドリームジャーニーは本気で殺しに来る」と言われた程に気性難に気性難を重ねた様な奴だ。

 

(絶対絡まれるだろうなぁ…穏便に過ごしたいけど…そうはならないよなぁ)

 

取り敢えずなる様になれだ。俺は俺でレースに集中しなくちゃな。

 

『オイコラテメェら!!何歩かせとんじゃ、さっさとコースの方に行かせろゴォルゥラァ!!!』

 

「おわっとと!暴れんなコラ!!」

 

 

『9番、ドリームジャーニーは、かなり興奮していますね』

『宝塚記念で勝利を掴み、この有馬でも好走が期待されています。何より今回はノゾミミカドとの対決が注目されていますからね』

『ドリームジャーニーの母父は名優と呼ばれたメジロマックイーン。そしてノゾミミカドの父はこの有馬記念で奇跡の復活を遂げたトウカイテイオー。92年の天皇賞・春から17年の時をえて、その血を受け継いだ仔たちが戦うというロマンがありますね』

 

 

………見てたら集中力削がれそうだし、見ないようにしよ。

 

「ミカド?どうした?」

 

『何でもないっすよ真司さん』

 

 

『ロマンと言えば、この2頭もそうです。ブエナビスタとセイウンワンダーの2頭』

『それぞれの父は黄金世代を彩った日本総大将スペシャルウィークと不死鳥グラスワンダーですからね。ブエナビスタは父が取れなかったタイトルを取れるのか?セイウンワンダーは父が取ったこのレースで初のG1タイトルを勝ち取ることができるのか?今年の有馬記念は目が離せませんね』

 

 

あっそうか。確かに血統から見たら今回の有力馬になっている奴らって親や祖父とかがライバルだったり当時の最強対決をしたりで関わりが濃い。

 

俺ならドリームジャーニーで、無敗と連覇で盛り上がったTM対決の再来。ブエナとワンダーは最強対最強で接戦を演じたあの2頭の有馬。

 

『今回の有馬、前世よりも大白熱のレースになりそうだ』

 

まあ、勝つのは俺だ。

 

 


 

 

パドックからコースに出て、返し馬を始める。少し走って、脚が馬場に馴染んだ頃、2頭の馬が俺に近づいて来た。

 

『ミカド〜!』

『ミカド。少しいいかい?』

 

『『ん?』』

 

全く同時にやってきたブエナとワンダーの2頭。互いに顔を合わせる。

 

『君誰?私ミカドに用があるんだけど?』

『君こそ誰だい?名前を聞くならまず自分からとよくいうだろう?』

『私はブエナビスタ。ミカドと同じ厩舎で牝馬二冠の馬よ!!』

 

誇らしげに少しオーバーな感じで自己紹介するブエナに対してワンダーはそれを淡々と返す。

 

『そうか。僕はセイウンワンダー。ミカドのライバルだ。よろしく』

『ライバル?何いっているの?ミカドのライバルはこの私よ!!』

『君こそ何いっているんだい?僕は今まで何度もレースで彼と凌ぎを削ってきた。君は見たところレースで彼と走ったことはないだろう?』

『併せとかで何回も走ったことがあります〜。走った量は絶対私の方が上です〜』

『調教とレースの走りは全く違う。レースで共に競った回数は僕の方が圧倒的に上だ』

『何よ!』

『何さ!』

 

……なんかよく分かんないけど俺のことでマウント取るんじゃなくて自分の何かで争えよ。火花のちらし方それでいいの?

 

 

『2番ブエナビスタと14番セイウンワンダーが睨み合っています。』

『脅威となるライバルを見つけたのでしょう。父たちに続きその仔たちもライバルになる。血統から来るロマンですね』

 

 

違います。俺に対してのマウントを取り合っています。その意味ではライバル……なのかな?

 

『ミカドのライバルを自称するのなら、私に勝ってみなさい!!勝負よ、セイウンワンダー!!』

『その勝負、受けてたとうブエナビスタ!!』

『本当なんだこれ?』

 

二頭のよく分からん謎のライバル関係が構築された。同期の変な行動に呆れながらも俺はそろそろゲートの方に向かおうとした。

 

『オイオイオイオイ!そこの白い流星の黒鹿毛野郎!』

 

白い流星?黒鹿毛?そんな特徴のある馬なんて……

 

『おい無視すんじゃねぇぞゴルゥラァ!!!お前だよ!!黄色のゼッケン着ているお前だゴォルゥラァ!!!』

 

黄色のゼッケン……あっ、俺か。

 

『はいはい、どちら様…です……か………』

 

そこにいたのは…

 

『おいテメェ……このドリームジャーニー様を無視するとはいい身分だなぁ…あぁ!!?』

 

小さい鹿毛の馬、ドリームジャーニーだった。

 

『うぇぇ……俺になんか用すか…?』

『何露骨に嫌な顔してんじゃてめぇ!?舐めてんのか!?あ”あ”!!?』

 

だって正直一番関わりたくないタイプの性格の奴だし……にしても……

 

『あ”あ”!?何ジロジロと俺のこと見てんだテメェ!!?』

 

…ちっさぁ……

 

ノゾミミカド:馬体重488kg ドリームジャーニー:馬体重426kg

 

この小ささでよくパワー負けしなかったな…今まで。

 

『まあいい。おいテメェがノゾミミカドだよな?お前のことはウチの組でも有名だ。何でも無敗の三冠馬何だろう?』

『ああ。一応な…それで?わざわざ宣戦布告しにきたわけで?』

『いや違う。俺様が今回しにきたのはな…』

 

『テメェら新人共は俺様に完膚無きまで叩きのめされるっていう俺様の勝利前言を言いにきたのさ!!』

 

『っ!?』

『ウエっ!?』

『くっ!?』

 

その時放たれたのはとてつもないオーラ。俺や後ろにいたブエナとワンダーもそのオーラに呑まれる。

 

『まあ勝つのは俺様に決まっているっていうことだ!そこの牝馬とG1未勝利はまず相手にならねぇだろうし、無敗のお前はこんなボケっとしているんじゃな!!』

『なっ!?私たちのことを馬鹿にしているの!?』

『過去G1未勝利馬があらゆる猛者たちが集うG1の舞台で勝利を掴んできている。貴様の様な奴に僕は負けない!』

『言うじゃねぇか!?でも俺の気迫に一瞬呑まれたテメェらが俺を超えられんのか!?』

 

二頭はそれを言われ、押し黙ってしまった。確かに相手の気迫に呑まれてしまった自分たちが何をいってもこいつは訂正はしないだろう。

 

 

だがな…

 

 

 

『おい…』

 

『あっ!?なんだよテ』

 

『俺らをあまり舐めるなよ?』

 

少し、お痛が過ぎるぞ?

 

『なっ!?』

 

『確かに貴様は強い。だがこの先ずっと強いと思うな。世代交代っていう言葉があるんだ。お前にとっちゃそれが今日だ。覚悟しろよドリームジャーニー』

 

 

『お前に勝つのは俺たちだ!!』

 

俺の言葉に続く様にブエナとワンダーもそれぞれの言葉を出す。

 

『調子にのんなよ?お前は私がぶっ潰す!』

 

『精神一到何事か成らざらん……僕は僕の走りでこのレースに勝つ!僕らを甘く見るな!!』

 

俺らの啖呵に奴は少したじろいだがメンチを切って返す。

 

『へっ…そこまで言うんだったら見せてみろよ!!テメェらの走りをな!!』

 

そう言い放った奴は先にゲートの方へと向かった。

 

『ああ〜スッキリした!ミカド、カッコよかったよ!』

『あの様な輩は相手しないのが一番なのですが…やれやれ僕もまだまだです』

『でもこれで負けられない理由がもう一つできたな?』

 

そうい言うと二頭は頷いた。

 

『馬鹿にされたままじゃ終われない。俺らの実力、古馬の先輩たちに見せつけてやろうぜ!!』

 

『『応!!!』』

 

 




ドリームジャーニーとの対面。
血統から見ると親同士が当時のライバルとかでそこで盛り上がる人ってそれなりにいますよね。
ジャーニーの性格は人間嫌いで唯我独尊。自分んが一番強い奴じゃなければ気が済まない性格。三頭の気迫をくらい直ぐに評価を改めたので決して嫌な奴ではありません。言動が荒くて素行も悪くて相手を見下して入るが、強い奴と認めればある程度改善される。

次回からいよいよレースに入ります。お楽しみに!!

ウマ娘編で見たいものは?

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  • 育成でのストーリー
  • 現在の日常編
  • 競走馬とウマ娘の対面
  • ノゾミミカドがアプリに実装されたら?
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