紡がれる『帝』の血脈   作:シントウ

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GWは忙しくもゆっくり過ごしていました。
さて、競走馬編のミカドのレースが始まります。

お気に入り数が3000を超えました!!!!
こんな小説をここまで見てくれて本当にありがとうございます!!
これからも頑張って投稿していきますので応援よろしくお願いします!


今更ながらRttt最終回を見ました。早くトプロを育成したいのになんでヒシミラクル先に出したサイゲぇぇぇぇ!!


まあ、可愛いからいいけど!!


帝のグランプリ/波乱のオールスター戦 前編 宝塚記念(GⅠ)

松戸厩舎

 

 

「今後のミカドのレースだが……俺は場合によっては今年は国外で走らせないことを考えている」

 

松戸が言ったことに真司は驚愕した。

松戸厩舎では今、ノゾミミカド号の次走についての話し合いをしており、調教師の松戸と厩務員である真司の他に、オーナーである駒澤とヤネの雄一が揃っていた。その中で松戸が言い放った言葉が

 

『ミカドは海外レースに出走させない』

 

だったのだ。

 

「松戸さん、何でですか!?確かにミカドは検疫で滅茶苦茶暴れますけど注射さえなければまだなんとかなります!なのに…」

「真司、落ち着け」

 

叫ぶ真司を宥めようと雄一は口を開く。

 

「何も考えなし松戸さんはそう言っているんじゃない。それに『場合によっては』と言っていたじゃないか。あと、駒沢さんの前だから。座りなさい」

 

すぐそばにオーナーがいる事を忘れていた真司は慌てて謝り椅子に座り直した。それを見た松戸は話を再開する。

 

「雄一が言った通り駒沢さん、場合によっては海外…『凱旋門』も視野に入れています。しかしまずは次走の結果を見てから最終決定をしたいと考えています。」

「理由を聞かせてもらっても?」

「理由は主に三つ。一つは、ミカドの検疫での暴走。あいつは父親ほどではないですが獣医が苦手です。以前の手術の際も一悶着ありましたからね」

 

 

※その回想シーンがこちら。

 

獣医*1「よーしよしよし。大丈夫だからねぇ。怖くないからねぇ。」

 

ミ『これは脚を治すためこれは脚を治すためこれは脚を治すためこれは脚を治すためこれは脚を治すため…やっぱり無理!!注射だけは勘弁してぇ!!!!』

 

真司「あっ!?ミカド暴れるなこrブケファラス!!??」

モブ厩務員「真司がミカドに蹴り飛ばされた!!??」

動物看護師A「軽く5メートルは飛んで行ったぞ!?」

動物看護師B「あっでも大丈夫っぽい、なんかサムズアップしてる!!」

 

獣医「こうなるかぁ…仕方ない。よろしく頼むよ。」

モブ厩務員「えっと先生彼は?」

獣医「こういう馬に注射を打つのがすごく上手い私の同僚の…」

 

獣医()「獣医です。では行きます。」

 

ミ『えっ』

 

ブスッ!!

 

『ホンギャァぁぁ!!!???』

 

 

 

「あの時も…大変だった…」

「真司はいつもそんな目に合っているな。前も僕が予防接種の現場に来た時も…」

 

 

ミ『それだけは勘弁してくれぇ!!!』

 

真司「だから暴れんなっtセントサイモン!!!???」

 

厩務員A「真司がまたミカドに吹き飛ばされたぞ!!」

厩務員B「しかも今度はボロ取りに頭から突っ込んでる!!??」

厩務員C「あっでもなんかジェスチャーで伝えようとしている?何々…『辛い』『苦しい』『痛い』『なんか川が目の前に』ってそれ渡っちゃダメなヤツぅぅぅ!!!」

 

雄一「何これ…」

 

 

「……みたいな感じだったもんな」

「……松戸さん…有給申請していいですか?」

「ちゃんとやるから今は置いとけ話が進まん。とまあこんな感じで、ミカドはとにかく検疫というか注射を異常に怖がります。だからなるべく負担を掛けない為にも海外行きは慎重に考えなくてはいけません」

「……はい」

 

正直自分の馬のとんでも回想を聞かされて少し頭を抱えた駒沢だが、それも馬の個性と無理矢理結論づけて残る理由を聞く。

 

「二つ目は、馬場。ミカドは日本とドバイの芝しか知りません。日本馬が凱旋門で入着も難しいのは一重にこの馬場の違いが理由に挙げられます。ドバイはまだ日本と近い芝なのでまだなんとかなりましたがヨーロッパとなると話が変わってきます」

「確かに向こうの芝はこちらに比べて非常に重いんですよね?向こうの良馬場判定は日本で言うならば重馬場レベルだとか…」

「そう言う場合もあります。そしてこれが三つ目に繋がります。ミカドの脚への負荷です。」

 

ミカドの脚。これを聞いた瞬間駒沢は固唾を飲んだ。ミカドの脚は親のテイオー譲りの柔軟性を持ち、それは最大の武器にして諸刃の剣だ。

 

「現段階ではミカドの脚は重いヨーロッパの芝に耐えられるか分かりません。ドバイで海外移動に対しては問題ないことはわかりましたが、気候や水、飼いの違いで体調を崩す可能性もまだあります。」

「だから次走で?」

「次走で問題なければ海外も視野に入れ直してスケジュールを立てましょう。先ずは眼前に迫るグランプリレース『宝塚記念』で見定めます」

 

 


 

宝塚記念

春を締め括る最後のGⅠの幕が上がる

芝の上で激闘を演じた優駿たち

大井から出ずるアイドルホース ハイセイコー

駆ける姿は天馬の如く トウショウボーイ

三冠馬がいない?なら俺を見ろ カツラギエース

主役は名優じゃない最強の投手だ メジロライアン

覇王伝説第二幕は大胆に テイエムオペラオー

栄光意地逆襲伝説

彼らは何を背負い走るのか

人々はその走りに何を観るのか

さあ、貴方は彼らに何を重ねる?

 

 

阪神競馬場

 

 

枠番馬番馬名人気
1枠1番イコピコ13番人気
1枠2番アーネストリー5番人気
2枠3番ネヴァプション14番人気
2枠4番スマートギア16番人気
3枠5番ナムラクレッセント11番人気
3枠6番セイウンワンダー9番人気
4枠7番マイネルアンサー17番人気
4枠8番ブエナビスタ2番人気
5枠9番ロジユニヴァース7番人気
5枠10番ジャガーメイル3番人気
6枠11番ノゾミナチュラル4番人気
6枠12番メイショウベルーガ15番人気
7枠13番フォゲッタブル8番人気
7枠14番ノゾミミカド1番人気
7枠15番コパノシングー出走取り消し
8枠16番アクシオン12番人気
8枠17番ナカヤマフェスタ10番人気
8枠18番ドリームジャーニー6番人気

 

 

『今年も阪神で競馬前半期を締めくくるレースが始まろうとしています。ファン投票によって選ばれたスターホースたちによるグランプリ、宝塚記念!人々の夢を乗せた名馬たちが一堂に集い走り抜きます!』

 

 

俺、ノゾミミカドは現在、春のグランプリレース『宝塚記念』に出走するためにブエナと一緒に阪神競馬場のパドックにいる。

 

『お〜ねえねえミカド!人間が沢山いるよ!すごいよ!』

『わかったからちゃんと前見ろ!列が詰まる!』

 

あいも変わらずアイツは能天気。心配で余計にこっちが緊張する。

 

『それに…このレースが俺の運命を大きく左右するから余計に力が入っちまう…』

 

今回のレースの結果次第で俺は今後半年は海外を目標に走ることになる。

イギリスやフランスといったヨーロッパのレースに出走…正直どうなるか分からない。日本やドバイとも環境がまるで違うところで万全のレースができるとは限らないからな…

 

『……まあ、今はやめよう。今日のレースで勝たないことには決まらないしな』

 

俺が気合いを入れ直したのと同時に雄一さんを始めとした騎手の人たちが現れ、それぞれの馬に乗ってコースに向かっていく。

 

「雄一さん。今日も頼みます」

「任せてくれ真司。ミカド、行くぞ」

 

『はい』

 

コースに出て軽く走るが少し重い感じがした。稍重か?

 

「少しスピードが乗らないか?お前にとっては初めてかもなこの状態の馬場は…」

 

『確かに俺今まで稍重の馬場走ったこと無いですね。不安要素増えんなぁ…』

 

文句を言っても仕方ないが取り敢えず問題なく走ることは出来るし、俺自身の調子も良い。不安はあるが大丈夫だろう。

 

『ミカド。』

『おっ、ワンダー。久しぶりだな。元気にしていたか?』

『ああ。君も元気そうで何よりだ。あと…』

 

『ヒヒっ…クラシック以来だな…ミカドさんよぉ』

『……久しぶり…』

『ナカヤマフェスタに…ロジユニヴァース…!久しぶりだな!』

 

ワンダーの後ろから現れたのはクラシックの間、激闘を演じた同期二頭だった。

 

『お前らも居るとなんか去年を思い出すな』

『もう一年経ったんですね…』

『ワンダーさん言い方がじじ臭いぜぇ?』

『……僕、最近レース…あんまり……なかったから……君らと走るの……楽しみ……!』

 

『ねえねえミカド!なんでこっちこないのぉ!?って…ゲッ…』

 

そこにブエナが来たが開幕早々ワンダーを見るや否や耳を絞った。前回会ったときからお互いの印象が最悪のままだったのをこの時まで俺は忘れていた。

 

『またアンタ?ミカドになんの用?』

『久しぶりのミカドとのレースだから話をしていただけだが?にしても君は随分と呑気だね。これからレースが始まると言うのに。』

『別にレース前にどうしようと私の勝手でしょ?アンタに言われる筋合いは無いわ』

 

睨み合う二頭を見てため息を吐く。こいつら本当に馬が合わないんだなぁ…

 

『あれ?そういえばドリジャとナチュラル先輩はどこだ?あの二頭も居るはずだけど………えっ』

 

俺が周りを見回して探しているとある光景が目に入った。それは……

 

『オイコラ。テメェ誰に喧嘩売ってんだコラ?しばくぞ?』

『やれるもんならやってみな!テメェみたいな雌に負けるジャーニー様じゃねぇんだよ!』

『三下らしいセリフ吐くアンタみたいな奴に負ける私でも無いけどね。取り敢えず黙っていろチビ』

『今ここでブッ潰してやろうかぁ!?あぁんんっ!!』

 

ヤンキーVSスケバン……?

 

『・・・うん。見なかったことにしよう』

『ミカドさんよぉ、どうした?まるで放牧の瞬間に豪雨が降ってきて結局放牧できなかったみたいな顔して?』

『大丈夫だナカヤマフェスタ。それと他の馬に命が惜しければ『アソコ』に近付かないように言っといて』

 

巻き込まれたら絶対タダじゃすまない。

 

『何言って…………ok、何言いたいか分かった』

『理解力があって助かるよ…』

 

その後、一触即発であったあの二頭は無理矢理引き離すことで人間サイドはことなきを得た。

 

 


 

ファンファーレが鳴り、各競走馬は己のゲートへと入っていく。ノゾミミカドもゲートに入り、準備を整える。そして…

 

ガゴンッ!

 

ゲートが開き、大歓声と共にレースが始まった。

 

 

『始まりました!全頭綺麗なスタートを決めました。さあ最初にハナを取ったのは現役最強無敗の王者ノゾミミカド。今日も快調に進みます。その後ろに付いたのはナムラクレセント。三番手の位置にアーネストリー。続いてロジユニヴァース、その内にはセイウンワンダーが入ります。スタンド前は大歓声と拍手に包まれました阪神競馬場。先頭を進むノゾミミカド。今回も逃げ切るのでしょうか?』

 

 

スタンド前を通る競走馬たちを見守る観客の中に一真と翔一、そしてスレの4人の姿があった。

 

「おお〜今日も飛ばすねぇノゾミミカド。」

「よかったぁ今日もちゃんと出てくれて…」

「新人君はすっかりダービーがトラウマになっているね…」

 

スレの一文無しネキこと『麻生奏』(あそうかなで)。新人こと『常盤明』(ときわあきら)。五徹ニキこと『森仁志』(もりひとし)の三人が順に話し出す。

 

「なあ一真、今回お前はどう見る?」

「……分からない。ミカドの末脚で追いつける馬はこの宝塚にはブエナビスタ、ドリームジャーニー、セイウンワンダー、ノゾミナチュラルなど多い。元々馬群が苦手なミカドがそんな馬たちにラストで追いつかれてしまえば焦ったミカドはペースを崩す可能性が出てくる。」

「いつも以上に後ろに気を付けないといけないってことか……」

「だろうな……それより俺たちは…」

 

「うぉぉぉおおお!!!!いけぇぇぇ!!ノゾミナチュラルぅぅ!!倭田さぁぁん!!」

↑推しの騎手が天皇賞で勝ってから運が付きまくりで今回のレースも勝ってほしいと大興奮しているイッチこと『藤上良』(ふじかみりょう)。

 

「この人を落ち着かせないと…他の方々に迷惑がかかる」

「それなら大丈夫」

 

「リョウくん、一回落ち着こうか?」

「すみません大人気なく興奮していましただから三角絞めを解いてください……!」

 

「ああなるから」

「よし、何もみなかった事にしよう今はレースだレース」

 

 

『第1コーナーに入りました。それぞれの走りでコーナーを17頭が進みます。1コーナーから2コーナーに入ります。先頭は依然ノゾミミカド。アーネストリー、ロジユニヴァースが続き、ブエナビスタ、セイウンワンダー、その内にアクシオン。向正面に入りました。一馬身離れてネヴァプションとジャガーメイル。続いてナカヤマフェスタ、内にいるのはイコピコ、前回覇者のドリームジャーニーがここにいて、後ろに付いたのは天皇賞馬ノゾミナチュラル、メイショウベルーガがその半馬身ほど後ろ、続いてフォゲッタブル、マイネルアンサーとスマートギアが最後方にいます。』

 

 

ハナを突き進むノゾミミカド。阪神競馬場は他の中山や京都といった競馬場よりも起伏が緩やかであり、右回りの競馬場としては一周の長差が日本最大を誇る。更にコースの特徴によるものなのか有力馬が実力を発揮しにくいとされている。

そんなコースを走っているミカドは…

 

『なげぇ〜こりゃあ将来走るあの『三冠馬』が間違えるかもなぁ……ハァ…現実逃避している場合じゃねぇんだよなぁ』

 

余裕を保とうとしていた。普段は最終局面でなければ焦りを見せることが多い彼だが、今回はスタート直後から少し焦りを出していた。なぜなら…

 

『ナチュラル先輩が後方にいるのがなぁ…怖…』

 

同じ冠名の先輩馬ノゾミナチュラルが後方に陣取っているからだ。ミカドにとって彼女こそがこのレースで最も警戒しなくてはいけない相手であるからだ。

彼女の走りは周りに囲まれても無理矢理抜け出すことができるパワーと淀の坂をゴリ押しで登り降りしても切れないスタミナ、そして周りを萎縮させるほどのプレッシャー。なんでついこの前までGⅠ取れなかったんだよと思うほどノゾミナチュラルはハイスペックな馬なのだ。そして有力馬の中でミカドは唯一レースで相手したことがない。このことからノゾミナチュラルはミカドにとって未知の敵となっているのだ。

 

『今はまだ後ろの方だけど多分第3コーナー辺りで仕掛けてくる。そこで上手く動ければ…!』

 

(……少しミカドの様子がおかしい…?普段よりも落ち着きがない。何を焦っているんだ、ミカド…?)

 

ミカドの焦りは雄一にも僅かに伝わっていた。

 

 

『さあ、先頭を悠々と進むノゾミミカド。1000mの通過タイムは58秒9!?早いペースで進んでいます!』

*1
以前登場した競馬ガチの獣医さん。詳しくは『帝の状態/三冠の障害』をチェック。




作者は基本、GⅠではあんな感じの厨二臭い文を書きます。そしてレースの歴史を一から全部調べ上げて作っています。
皆さんならどんな風に表現しますか?
因みにここまで見てくれている古参の方々ならわかると思いますが私は…

『レースの名前』

『厨二っぽい説明』

『過去の優勝馬』

『厨二その2』

みたいな構成で考えています。

それでは次回も楽しみにしていてください。
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番外編で見たいオリキャラたちな過去編はどれ?

  • 先輩のノゾミフェニックス
  • 先輩のノゾミライン
  • 先輩のノゾミカンパネラ
  • スレのイッチ
  • スレの新人ニキ
  • スレの五徹ニキ
  • スレの一文無しネキ
  • 厩務員の真司
  • 観客の翔一&一真
  • 北山牧場従業員の卓也
  • ミカドの母のルイシエル
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