紡がれる『帝』の血脈   作:シントウ

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今回は前回予告した通りウマ娘編です。

ミカドのチームが判明します。

この物語はフィクションです。登場する人物・団体名は架空のものであり実在するものとは関係ありません。

※2024/04/13に内容を一部追加しました。


帝の仲間/不屈の頑固者たち

私はノゾミミカド。前々世では人間の一般男性、前世はサラブレットの競走馬、そして今世では『ウマ娘』と呼ばれる生き物に転生し、現在はここトレセン学園の生徒だ。結構壮大な経験をしてきている様な字面だがそんなことはなく。『そういうことがあった』ということしか覚えていない。

 

「ブエナ、起きなさい。今日はチームの朝練あるんでしょう?」

「ZZZZZZZZZZZzzz……」

 

この子はブエナビスタ。寮で私と同室の娘で、前世でも深い関わりを持つ娘だ。ご覧の通りマイペースで、ここは前世と全然変わらない。

 

「……あんたの人参ハンバーグ貰うわよ」

「それだけは絶対にやめて本当にお願いなんでもしますからそれだけは」

 

※ミカドが言い終わってからブエナが起きるまでこの間、0.0001秒。

 

「はい、おはよう。なんでもするって言ったよね。さっさと着替えて朝練行きなさい」

「えっ?………え、もうこんな時間!?」

 

ブエナの朝練開始まであと15分。

 

「うわ〜ん!!なんでもっと早く起こしてくれなかったのぉぉ!??」

「少しは痛い目みろということで」

「鬼、悪魔、ウマでなし!!!」

「文句言う暇あったらサッサっと準備しなさい。着替えとか私が準備できることはしておいたから、ギリギリ間に合うかもね♪それじゃあ、私も朝のミーティングに行ってくるね」

「覚えてろぉぉぉ〜!!」

 

後で聞いたらギリギリ間に合いはしたらしいが短いお説教があったらしい。

 

 

 

 

 

私が通うトレセン学園は、多くのウマ娘にとって夢の舞台である『トゥインクルシリーズ』、更にその先にある『ドリームシリーズ』に出走するために日夜トレーニングに励んでいる。しかし、レースに出走するためには学園に所属するトレーナーと契約し、その指導を受ける必要がある。

 

トレーナーの形態は大きく分けて二つある。一つはトレーナーとウマ娘が一対一の二人三脚で行う『個人契約』。これは新人トレーナーが大半を占めるがベテランにもこのウマ娘一人を育てる!っていう人もそれなりにいる。二つ目は学園内で設立されたトレーナーのチームの一つに複数のウマ娘が所属する『チーム契約』。こっちはある程度の実績を出したトレーナーに対してURAからチーム設立の許可が降りると初めてチーム建てられる。

 

かく言う私も、ある一つのチームに所属している。

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます」

 

チームに用意された一つの部屋。大きさは一般的な学校の教室ぐらいかそれより少し狭い程度。

既にある一人のウマ娘が来ていた。

 

「あら、ノゾミミカドさん。御機嫌よう」

「早いですね。キングヘイローさん」

 

前世では『不屈の塊』と言われ、『黄金世代』と言われた最強世代を彩った名馬『キングヘイロー』の魂を受け継いだのが彼女。

少し高飛車で上から目線な口調だけど、根は真面目で努力家、そしてお節介。『チームのオカン』みたいな娘である。

 

「ええ、一流のウマ娘たるもの、指定された時間より早く居るのは当然ですわ」

「ふふ、流石ですね。私も見習わなくては」

 

私が部屋に入ると同時にまた部屋の扉が開かれる。

 

「おはようございま〜す」

「おはようございます。今日は早いんですね『エイシンプレストン』さん」

 

現れたのは少し小柄な鹿毛のウマ娘。彼女はエイシンプレストン。前世では香港で行われた『QE2世C』を2連勝し、『香港魔王』と言う異名を付けられた。

当の彼女はそんな物々しい異名とは反対で人懐っこくのんびりした性格な娘だ。

 

「少し早く目が覚めたんだぁ〜キング〜偉いでしょ〜」

「ええ!このキングのチームメイトに相応しい行動力だわ!でもプレストンさん少し寝癖があるわ。だからキングが貴女の髪を整える権利をあげるわよ」

「ホント?じゃあお願いしま〜す」

 

朝から本当に微笑ましい光景が見える。どこか遠くから『うひゃあ〜!!!?なにこの尊い景色はぁぁぁ〜!!!しゅきぃ……』というよく分からないけど取り敢えずほっといても良い断末魔が聞こえた気がしたが、それと同時に早足で近づく2つの足音が聞こえた。

 

「遅れてすみません!クラフトが寝坊してその準備に手間取ってしまって!」

「本当にごめんシーザリオ!皆さんもすみません!」

「『シーザリオ』、『ラインクラフト』、大丈夫ですよ。まだ少し時間がありますから。ギリギリセーフです。」

「そうですか…よかったです…」

「ああ〜焦ったぁ〜…」

 

ショートカットの青毛のウマ娘の彼女はシーザリオ。名トレーナーの父と教育熱心な母の影響かとても真面目な娘である。彼女も『日本オークス』と『アメリカンオークス』二つの国のオークスを勝ち取った実力者だ。そしてオンオフの差が激しくて初見の人は大体スペキャ状態になる。

隣でへなへなと座り込んだ鹿毛のウマ娘はラインクラフト。ティアラ路線をその持ち前のスピードで駆け抜け、明るく少し抜けた性格でチームを和ませるムードメーカーのような娘だ。

 

「シーちゃんは優しいもんね〜でも遅れちゃったらダメだよ〜」

「プレストン、そうはいってもクラフトは目を離すとすぐに動きが止まってしまうんだ。心配にもなる。」

「でもそれでミーティングに遅れるとなると問題になります。貴女のその優しさは美点ですがクラフトにも自分でできるようにさせることも必要ですよ」

「……すみません…」

「ああっ!シーザリオが謝る必要はないよ!私が悪かったんだから!みなさんほんとすみませんでした!」

 

ルームメイトでも二人は常に一緒にいることが多いためお互いに助け合っている。

 

「さて…」

 

私は部屋の窓に近づき、その一つを開ける。あと一人もそろそろ来るだろうしその為に先に換気をしておこう。

 

 

「………ぁぁぁあああああああああああああああ!!!???」

 

 

ドォォォッゴォォォォンンン!!!!

 

 

窓を開けた瞬間絶叫と共に何かが部屋の中に突っ込んで来た。

こんな素っ頓狂な入り方をしてくる、もといされたのは誰かはすぐ分かる。

全員驚いてはいるが騒ぎはしない。分かっているからだ、これが誰か。

 

「おはようございます、『ジャスタウェイ』。今日は窓からの入室ですか?」

「何普通に話しかけてんですか!!??普通はポカーンってするか、ええええっ!?って絶叫するところでしょう!?いつもキレのいいツッコミはどうしたんですか!?」

 

窓から吹っ飛んで来たのはジャスタウェイ。前世では文字通り世界一の称号を手にした名馬でもある。私に負けない末脚の爆発力を持つ優等生なウマ娘。ある二つの点を除いて…

 

「ジャスタウェイさん?今日はどういう風に『ゴールドシップ』さんに吹き飛ばされたの?」

「いきなりシップが私を抱え込み『ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロングゴルシちゃん砲』なるものの砲身にセットされ吹き飛ばされてきました」

「いや何その完成度高そうなもの?」

 

一つがトレセン学園1の問題児でハジケリスト、ゴールドシップの大親友ということ。

そしてもう一つが…

 

「ジャスちゃんはなんでそんなことされたの?」

「わかりません。シップと共に歩いていてちょうどそこに美しい芦毛を持つメジロマックイーンさんに会って、彼女の美しいその芦毛の髪に触れただけなのに」

「完全にそれが原因だな。分かりきっていたことではあるが…」

「ジャスさん、芦毛大好きだもんね…」

「ジャスタウェイのフェチ知っている奴なら誰でも分かるわ、そんなの」

 

そう、こいつは重度な芦毛フェチなのだ。芦毛の事になると普段の優等生ぶりが消えて無くなりひたすらナンパしまくる変質者にシフトチェンジする。

 

「さて、取り敢えずは全員集まりましたかね?」

「あとはトレーナーだけね」

「あっ、多分来たよ〜」

 

コンコン。

 

ノックの後に扉が開く。入って来たのは人間の男性。服の襟にはトレーナーである事を示すバッジが付けられている。

 

「皆んな、おはよう」

『『おはようございます、トレーナー』』

 

そう、この人が私たちのチームのトレーナー、『福流(ふくなが)トレーナー』。偉大な父と同じ道を進んだ、真面目で、頑固者で、我慢強くて、努力家な人だ。

 

「キング、今日も調子は良さそうだな」

「健康管理は基本よ!一流なら当たり前よ!」

「だな。プレストンはどうだ?」

「元気いっぱ〜い!」

「なら良い。リオ、少し髪が乱れているが大丈夫か?」

「大丈夫です。導くものたる器を見せてみみせます!」

「なら今日は少しキツいメニューで行くか。クラフトはどうだ?」

「はい!いつでも大丈夫です!!」

「よし、今日も元気で何よりだ。ジャス、色々大丈夫か?」

「ええ、少々アレな感じですが体には異常はありません」

「そうかキツくなったら、直ぐ言えよ。それで、ミカド?」

「はい」

「今日もいけるな?」

「はい。『チームヘルクリス』、今日も問題なく行けます」

 

『不屈の王者』キングヘイロー

『香港魔王』エイシンプレストン

『スーパースター』シーザリオ

『開拓者』ラインクラフト

『世界一の爆発力』ジャスタウェイ

『希望の帝』ノゾミミカド

 

これが私のチーム、理想を目指す頑固者たちのチームだ。

 

 




人物紹介

キングヘイロー
中等部
『チームヘルクリス』に所属し、副リーダーのウマ娘。どんなに負けても決して下を向かない不屈の魂を持つ。
誰が言ったか『雨と泥が一番似合うウマ娘』。チーム内ではキングと呼ばれている。

エイシンプレストン
中等部
『チームヘルクリス』に所属するウマ娘。のんびりしているがレースでは『魔王』と言われるほどの覇気を出す。
見た目は黒く長い髪、身長はウララぐらい。いつもは目は半分しか開いていない。レースで本気になったり、怒ると完全に開く。一番怒らせてはいけない。チーム内ではプレストンと呼ばれている。

シーザリオ
中等部
『チームヘルクリス』に所属するウマ娘。ミカドに負けず劣らずのお節介焼き。教えるのが上手く、時間がある時はチームの副トレーナーみたいなこともしていたりする。
身長はミカドと同じくらいで黒のショートカット。スレンダー。チーム内ではリオと呼ばれている。

ラインクラフト
中等部
『チームヘルクリス』に所属するウマ娘。日向ぼっこが大好きで周りを明るくさせるムードメーカー。頑固さと行動力で努力を惜しまない頑張り屋。チーム内ではクラフトと呼ばれている。

ジャスタウェイ
???
『チームヘルクリス』に所属するウマ娘。優等生で多くの人から信頼されており、大親友ゴールドシップの奇行と暴走についていけ、止められる人物。しかし芦毛のことになると立場が逆転する。
見た目は茶がかった黒の髪を肩まで伸ばしている。身長はゴルシよりも少し低い。チーム内ではジャス、またはジャスタと呼ばれている。

福流トレーナー
某F氏にそっくりなチームヘルクリスのトレーナー。真面目で責任感が強く、チームメンバーからとても信頼されている。既婚者でもある。

チーム名は60・ヘルクリスを調べれば、理由がわかると思います。

今回登場したオリジナルウマ娘たちの詳しいプロフィールは近いうちに出そうと思います。

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