紡がれる『帝』の血脈   作:シントウ

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ウマ娘編でのノゾミ軍団です。
それではどうぞ…


帝の家/ノゾミの一族 前編

「実家に暫く帰る?」

「そう。家の事情でこの連休中に顔を出さなくちゃいけなくなったの」

 

私ノゾミミカドの実家である『ノゾミ家』は『メジロ』、『シンボリ』、『サトノ』と言ったウマ娘のレース業界に多くの影響を与えている一族の一つ。他のところとは違ってそこまで大きくないが、それでもそこそこ大きな一族だ。

 

「何をするの?」

「ん?ん〜…例えば、近況報告に親戚との顔合わせ、あとは食事会とか…」

「食事会!?」

「反応すると思ったわ」

 

食べ物の事になるとこの子は目の色を帰るからなぁ…

 

「……一緒に行「いいの!?」……顔近い…」

 

そんな目をフクキタルさんの如く輝かせていればね…

 

「一応、堅苦しいものじゃないし、両親も『友達連れてきても大丈夫』って言っていたからね」

「わーい!やったぁ〜!」

「ただし、食事会とかはそこそこな規模のものだからフォーマルな格好なものを用意して、あとは騒がない、料理にがっつかない、挨拶はちゃんと返す、マナーは守る!これが守れたら参加していいわよ」

「うん、分かった!でもミカド」

「何?」

「私ドレスみたいなもの持っていないよ」

「………家の貸すからそれを着て…」

 

 


 

 

帰郷当日

 

「ミカド、ここで待っていればいいの?」

「ええ、迎えがそろそろ来るはずだから」

 

トレセン学園の正門で迎えを二人で待っていると校門に近づいてくる聞き慣れた車の音。音が近づくにつれて、一台の車が私たちの前に止まる。

 

「・・・ミカド…これって……リムジン?」

「ええ、よくテレビとかで見るでしょう?」

「テレビではあるけどこうして実物はないよ!?」

 

ブエナが驚いている内にリムジンから一人の男性が降りてくる。見た目は20〜30代ぐらいで、背はそこそこ高い。

 

「ミカドお嬢様、ブエナビスタ様、お迎えに上がりました」

「ありがとう、ユウスケ。ブエナ、紹介するわ。彼が私の執事の北山ユウスケよ。小さい頃から私の使用人として働いているわ」

「お初目にかかります。北山ユウスケと申します」

「あ、えと、ブ、ブエナビスタです…よろしくお願い済ます…」

 

ブエナがかここまで戸惑っている姿を初めて見た。ちょっと可愛い。

 

「ユウスケ、荷物をお願い。ブエナの分もね」

「承知致しました。お嬢様方は先にお車の方へどうぞ」

 

荷物をユウスケに任せて私たちはリムジンの中に入る。

 

「す、スゴイ豪華…車の中とは思えない…」

「まあね。普通だったら乗ることなんてないだろうし」

「………忘れがちだけどミカドってお嬢様なんだね…」

「メジロやシンボリには負けるわよ。あそこに比べたらノゾミ家はまだ歴史が浅いから」

 

ノゾミ家のレースの歴史は、メジロに比べたら半分ぐらいのものだ。元々はレース事業に手を出してはいなかったが、当時の当主がレース事業に力を入れ始め、ノゾミの名を持つウマ娘たちが現れ始めた。

 

「力をつけてきたのは本当にここ最近。レース業界の中じゃ、まだまだ新参ものよ」

「ほへ〜」

「そしてそれを後押ししているのがお嬢様方なんですよ」

 

荷物を入れ終わって乗り込んできたユウスケが会話に参加する。

 

「お嬢様やその上の方々が現れるまで、ノゾミ家は目立たない存在でした。しかし、最近の方で言えばラインお嬢様がシンザンの連対記録を塗り替え、フェニックスお嬢様やナチュラルお嬢様と言った話題性で知名度を広げ、そして、ミカドお嬢様がノゾミ家史上初のクラシックの冠を手にしたことでノゾミの一族は大きくなっていきました」

「ミカド凄い!」

「ユウスケ、大袈裟。それにノゾミ家はレースに手を出すのが遅かっただけでそこそこ大きな家ではあったでしょう。私の力は微々たるものよ。それより早く車を出して」

「承知致しましたよお嬢様」

 

全く…そもそも確かにクラシックは私が初めて取ったけど、私の前にも『G1ウマ娘』はいるでしょう。ノゾミの家にも…

 

 


 

 

車に揺らされながら進むにつれて数時間。私たちはノゾミ家本家の館に到着した。館はかなり大きく、庭の面積も東京ドームが何個か入るぐらいの広さを持つ。

 

「……デッカァァ………」

「ブエナボーッとしてないで行くわよ」

「あっ、置いてかないでぇ!」

 

館の扉を開けると使用人たちが出迎えてくれた。

 

『『お帰りなさいませ。ミカドお嬢様』』

 

「ええ、ただいま。出迎えご苦労様」

「ほぇ〜……」

 

色々なものに圧倒されているブエナをつれて、私は使用人とブエナとともに自室に移動した。

 

「では、何かありましたらお呼び下さい」

「ありがとう」

 

自室に入って、一息ついたことでブエナがようやく調子を取り戻してきた。

 

「ブエナ、どうだった?ここまで?」

「ずっ……と色々なものに圧倒されていて言葉にできましぇん…」

 

まあ、こうなるか。

 

「でもブエナここからが本番よ」

「ほぇ?」

「食事会ではさっき見たものよりももっと豪華なものが出てくるし、著名人とかも来ることがあるから気をつけてね」

「………ご飯、喉通るかな…」

 

心配するところはそこかい。

少し、呆れつつも食事に関して何か言えるぐらいには心にまだ余裕があるのに安心していると、扉からノックが聞こえた。

 

「ミカド、いるんでしょう?入ってもいい?」

「大丈夫ですよ。ライン先輩」

 

そういうと、扉から何人かウマ娘が入ってきた。正面に芦毛のウマ娘、その左右には栗毛のウマ娘が2人。

 

「ライン先輩、フェニックス先輩、ナチュラルさん。皆さんもうきていたんですね」

「貴女よりも先に到着していましたからね」

「ミカド、久しぶりだな!学園じゃ、お前さんは忙しそうだから中々会えなかったしな」

「私はそこそこ会っていたけどね」

 

前世でも今世でも先輩にあたるノゾミのウマ娘。ノゾミライン、ノゾミフェニックスの2人と何故か年下になっているノゾミナチュラル(デビュー自体は向こうが先)。私を含めた4人は血縁上の関わりはあまりない。ノゾミ家は分家の数が多く、才能があれば本家にてレースに関するトレーニングを幼少期から受けることが出来る。3人は分家で、私は本家。幼い頃、トレーニングを受けていた3人と一緒に私はトレーニングに励んでいた。

 

「おや、貴女も友人をつれてきたのですか?」

「はい、ブエナが来たそうにしていたので。その口ぶりだと先輩方も?」

「おう、俺は暇そうにしていたスペシャルウィークを誘ったぜ」

「ええ!スペさんもきてるの!?」

 

調理室、大丈夫かな…料理長は多分大丈夫だと思うけど…

 

「私はカノープスメンバーを連れてきた。話したら連れてけ連れてけってターボが…」

「大変そうですね…」

 

因みに、ナチュラルはカノープスに入っている。

 

「ライン先輩は誰を?」

「……………オグリキャップ先輩です…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

今、聞き捨てならない名前が聞こえてきた。

 

「今、誰と?」

「オグリキャップ先輩です」

 

思わず他の二人の方を見る。

静かに頷く2人を見て確信した。

 

このままだと調理室が…

 

戦場と化す!

 

「ユウスケ!」

「お呼びですか、お嬢様」

 

私はすかさず、ユウスケを呼び出す。

 

「直ぐに調理室にいる料理長に緊急連絡!今作っている量の三倍…いえ五倍追加!手の空いている従業員で料理ができるやつにも応援を要請!相手はトレセン学園の『暴食(芦毛)の怪物』に『大食い(日本)総大将』だ!この2人がこの家の食料という食料を全て食い尽くす!菜園の方にも連絡して出せるものは全てこちらに回すように!足りなくなったら近隣の農家にも協力を仰いで!」

「承知致しました」

 

音もなく、部屋を出ていくユウスケ。

 

「すまない…この話をうっかりしてしまい。断るにも断りきれず…」

「今は悔やんでいる暇はありません。他の使用人に連絡してオグリ先輩に優先的に菓子類を運ばせましょう。焼け石に水ですが、やらないよりはマシです」

「本当にすまない…」

 

落ち込むライン先輩を慰めながら、私は対オグリキャップ・スペシャルウィークの対策を考えた。

 

 

「大変そうだし…私は程々にしておこう」

 

ブエナは流石に空気を読んで控えめにすることにしたらしい。




今回はミカドの家がどれほどのものなのかの紹介をメインにして、次回に続きます。

ノゾミ軍団(ウマ娘)のステータスは次回に回します。
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