紡がれる『帝』の血脈   作:シントウ

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今回は前回の続きです。それではどうぞ…


帝の家/ノゾミの一族 後編

この日、ノゾミ家邸宅の厨房は、正に戦場と化していた。

 

「料理長!ローストビーフ新たに30人前の用意ができました!」

「よし!それを直ぐに運び出せ!たった今、茶碗蒸し50人前が全滅した!他の料理が全滅する前に急げ!」

「料理長!寿司類がそろそろなくなります!」

「大丈夫だ!既に用意して先ほど運ばせた!手巻きで具沢山のアレなら腹持ちもいいはずだ!」

「料理長!なんなんですかあの2人は!?某ゲーム会社のピンクの悪魔と我儘大王並ですよ!」

「文句を言う暇があれば手を動かせ!今ここはそのアニメで迷台詞を出したコックの手すら借りたいほどなんだ!」

「料理長、『死んだんじゃないの〜』のコックだけはやめて下さい!僕らも料理人の端くれ!お客様たちには美味しい料理を食べて欲しいと言う自負があります!あんな普通からまずいレベルの料理しか作れないコックが出てくるくらいなら、僕は例えここで死んだとしても、地縛霊になってここで料理を作り続けます!」

「そうか!なら行くぞ新人!食糧の貯蔵は十分か!?」

「勿論です!」

 

 


 

 

「ここの料理、本当に美味しいですね〜。スズカさんやグラスちゃんたちも誘えば良かったかもな〜」

「ああ、タマたちも連れてくればよかった」

 

(多分ウマ娘がこれ以上来たら厨房の人たちが過労死します)

 

パーティ会場にて思わず2度見してしまうぐらいの量を食べている2人のウマ娘。

 

『チームスピカ』の一等星の一つ『スペシャルウィーク』と『チームシリウス』の不滅のエース『オグリキャップ』。

この2人により、用意されていた料理が次々消えて行く。

 

「あの2人の状態から見て、まだまだ入りますね。ユウスケ、在庫はあとどれほど?」

「現在、近隣農家などから売れ残ったり、商品として売り出せない見た目の野菜類を取り寄せています。野菜類はおそらく持ちますが…」

「代わりに肉や魚類が全滅しそうか…」

「はい、しかしご安心を。各地から取り寄せたものが今到着しました。まだ持つ可能性があります」

「こちらもパーティー終了まで時間を稼ぐ。頼むぞ」

 

ユウスケに裏方の指揮を任せ、私は現状を整理する。

今はパーティー開始から30分。参加者の多くは会話に夢中になる者が多く、料理に手をつける人は少ない。今はそれが少し幸いだ。何せ……

 

「もう元々用意していた料理は殆ど食い尽くされたんだからな……」

 

テーブルに乗り切らないくらいの量を追加したがそれがものの数分で消えかけた時はマジで驚いた。今回の食事会は堅苦しいものではないためバイキング形式になっている。

元々はビュッフェ形式だったんだが、あの2人はその辺りのマナーを守れるか怪しいためバイキング形式にした。

 

因みにビュッフェのマナーは主に、

コース料理と同様に前菜、メイン、デザートの順に何回かに分けて料理を取る。

立食形式では皿やグラスなどを一度に持ち過ぎず、両手にお皿を持って歩かない。

冷たい料理と暖かい料理は混ざらないように別の皿を使う。ソースが混ざりそうな料理も同様。

など…

 

バイキングはこの辺りのマナーはないため、取り放題のせ放題。

 

「あ〜ミカド、マジでごめん。俺がウッカリ誘ったばかりに…」

「私もです。今回は弁解の余地もありません…」

 

この怪物2人を連れてきた先輩方はガチで落ち込んでいる。まあ、戦犯だから仕方ないけど…

 

「謝るなら裏方の方々にして下さい。それよりも行きますよ先輩方。少しでも時間を稼ぎましょう」

 

 

「スペシャルウィークさん、オグリ先輩。お久しぶりです」

「あっ、ミカドさん!お久しぶりです!」

「む?ミカドか。久しぶりだな」

 

2人の下に行くと未だに皿いっぱいの料理を食べていた。今更だけどビュッフェならもしかしてここまでひどいことにならなかった節がある。

 

「そういえば、ブエナちゃんも来ているんだよね?今どこにいるの?」

「ブエナは今向こうで料理を食べていますよ。確かあそこ……にぃ!?」

 

「あ〜ん。(モグモグ)ん〜美味しい〜」

「相変わらず良く食べるねぇ。ネイチャさんもびっくりですよ」

「はい、推定で通常のウマ娘の2〜2.7倍ほどの量を既に食べています」

「ホェ〜料理が乗っていたところが全部なくなって行くよ〜」

「すごいなブエナ!ターボも負けてられないぞ!」

 

カノープスメンバーに囲まれながらこの2人に負けないぐらいの量を食べるブエナの姿があった。

 

「………」

 

どうやら私も戦犯だったようです…

 

料理長、本当にすみません。今度お父様にお願いして、特別ボーナスと休暇をあげるので許してください。

 

 

調理室

 

「料理長!新たに大食漢ウマ娘が現れました!!」

 

バッタッーン!!!

 

「り、料理長〜〜!!!」

「料理長が死んだ!!」

「「この人でなし!!」」

 

悲報:料理長・過労及び精神的負担によりリタイア

 

ちゅうぼう の せんりょく は 60 さがった !

 

 

「そういえば、ミカドさんのチームって確かキングちゃんがいるチームですよね?」

「え?ええ、キングさんは確かにうちのチームに在籍していますが」

 

少しの間私が黄昏ているとスペさんが話をかけてきた。

 

「この間、キングちゃんが『ミカドさんが作ったクッキーが凄い美味しかった』って言っていたんですけど今度作ってくれませんか?」

「何!?そんな美味しそうなものがあるのか!私も食べてみたい!」

「ああ、アレですか。別に大丈夫ですよ。よかったらチームの方たちの分まで作りますよ?」

「いいんですか!?ありがとうございます!!」

「ありがとう。ベルノもきっと喜ぶ」

 

喜ぶ2人を見て少し荒んだ心が癒された気がする。この2人って純心の塊みたいな存在だから心を許しちゃう部分があるんだよな…

さて、私も地獄に脚を踏み込みますか…

 

 


 

 

食事会も後半に差し掛かり、スペシャルウィークさんはブエナと料理を食べながら談笑。しかしそのスピードは喋りながらなのか少し落ちた。

オグリキャップ先輩は、ライン先輩が何とか気をそらしながら食べるスピードを落とさせている。

 

先ほど料理長がリタイアしたと聞いた時は倒れそうになったが3分で復活して、なんとか持ち直したらしい。

 

そして私はと言うと…

 

「ああ…疲れたぁ」

「ミカドさん、だらしない声出さない方がいいですよ」

 

ナチュラルさんと一緒にバルコニーで休憩していた。

 

「だって…トレセン学園の食堂泣かせ3人衆(オグリ・スペ・ライス)の内2人とそれ程ではないけど食べるブエナの対応ですよ?これなら3000m大逃げして勝てって言われた方が全然マシです…」

「比較対象がおかしい」

 

半分冗談を言いながら、愚痴をナチュラルさんにこぼす。

 

「ミカドさんは聖蹄祭の出し物どうするんですか?」

「ウチのチームはレースの資料展みたいなものに決まった。もう準備を進めている。カノープスは?」

「ターボさんが『妥当打倒、スピカ!!』って言って飲食の出店に決まりました」

「確かにあの子ならそう言うわね」

 

ツインターボは向上心と好奇心の塊だ。カノープスはそれを否定することなく彼女の案を採用し、実行する。

 

「テイオーさんのライブジャック事件は本当に驚きましたよ。貴女も一緒にやっていたのも」

「その節はご迷惑かけました。トレーナーも乗り気でしたし、私もターボが泣きながらお願いしてきたことを突っぱねることは出来ませんから」

「あの後、私と会長の温情がなければ、反省文だけでは済まされませんでしたからね。少なくとも罰当番は追加されましたよ」

「反省文10枚で済んだと思ったらそう言うことでしたか…」

「エアグルーヴ副会長も怒っていましたけど、事情が事情ですからあれで済ませたんです」

 

お互いに笑い合っていると、ブエナたちがやってきた。

 

「ミカド〜ナチュラルさ〜ん!そこにいないでこっちで皆んなと話そうよ〜」

 

騒がしくしないって約束なのに、大きな声出して…全く。

 

「行きましょうか。少しは休めましたし…話に付き合ってくれてありがとうございます」

「いえいえ、今度並走に付き合ってくれればチャラにしますよ?」

「ちゃっかりしてるわね。いいですよ」

「よし、言質取りましたからね?」

 

会場の中に戻り、皆んなで騒がしくも楽しいひと時を堪能した。

 

そして次の日…

 

 

「…………」(°д°)

「ブエナ?どうしたの、体重計に乗ったまま固まって」

 

体重計に乗ったまま石のように動かないブエナ。その体重計に映し出された数値を見る。

 

<見せられないよ>kg←少なくとも悲鳴を上げたいぐらいのもの

 

「…………ブエナ」

 

彼女の肩に手を乗せる。

 

「み、ミカド……」

 

脂汗をだらだら垂らしながら焦り顔でこちらを見てくるバカ(ブエナ)に満面な笑みでこう答える。

 

「ノゾミ家専属の超厳しいダイエットのインストラクターがいるから、そこに行こうか」

「NOOoooOOOooooOOoooooooOOOoo!!!!!!!!」

 

ついでに同じく食べ過ぎたスペさんとオグリ先輩も一緒に連れて行った。

 

因みに厨房組は特別ボーナスと特別休暇を全員に与えた。




ウマ娘紹介

名前:ノゾミフェニックス
キャッチコピー:不死鳥の羽ばたき!!
誕生日:5月16日
身長:169cm
体重:増減なし
スリーサイズ:B 82・W 58・H80
靴のサイズ:左右ともに24.5
学年:高等部
所属寮:栗東
得意なこと:ボルダリング
苦手なこと:数字などの計算
耳のこと:都合が悪いことは聞こえない
尻尾のこと:ラインに張り合うために綺麗にしている
家族のこと:母親には頭が上がらない
ヒミツ:実は文系で、その文才は賞を取れるレベル
バ場:芝A・ダートG
距離:短G マイルG 中B 長A
脚質:逃げC 先行A 差しD 追込みG
自己紹介
「俺はノゾミフェニックス!どんなに長い距離でも垂れずに走り切ってやるぜ!ライバルのラインには絶対負けないからよろしくな!!」

ノゾミのウマ娘の中で一番と言っていいほどの問題児。走り出したら止まらない猪突猛進が長所であり短所。
一度負けても直ぐに復活し、次勝つために努力する。同門でライバルのノゾミラインには負けられない。
後輩の面倒見はよく、理系科目以外なら教えている姉御肌。

名前:ノゾミライン
キャッチコピー:完全連対!まだ見ぬ路線に出発進行!
誕生日:6月3日
身長:168cm
体重:微増偶にあり
スリーサイズ:B 84・W 57・H 83
靴のサイズ:左右ともに25.0cm
学年:高等部
所属寮:美浦
得意なこと:寸分違わずあらゆるものを測ること
苦手なこと:騒がしいもの
耳のこと:あらゆる音を聞き分けれる
尻尾のこと:常に最高の状態を保つために手入れは欠かさない
家族のこと:家族そろって旅行好き
ヒミツ:全国の駅に現れて撮り鉄をしている(マナーはしっかり守って)
バ場:芝A・ダートC
距離:短B マイルB 中A 長B
脚質:逃げG 先行C 差しA 追込みA
自己紹介
「ノゾミラインです。あらゆる距離に挑戦し、誰も見たことない、私だけの終着駅に向けて私は走ります。ライバルであるフェニックスにだけは負けたくありませんのでそこは了承してください。それでは行きましょう、出発進行!!」

ノゾミのウマ娘であり、文武両道な完璧ウマ娘。しかし偶にどこか抜けている。
善戦するがギリギリで勝てないことが多い。しかし、それをバネに次に挑むネバーギブアップ精神の持ち主。
同門のノゾミフェニックスには負けられない。
鉄道好きで、部屋には様々な車両の写真が貼ってある。

名前:ノゾミナチュラル
キャッチコピー:ノゾミは一着!クールなパワフルガール
誕生日:5月18日
身長:157cm
体重:増減なし
スリーサイズ:B 77・W 55・H 76
靴のサイズ:左右ともに22.0cm
学年:中等部
所属寮:栗東
得意なこと:自然の知識
苦手なこと:都会の空気
耳のこと:三着に過剰に反応してしまう
尻尾のこと:自然由来のオイルでサラサラでいい匂い
家族のこと:環境に優しい商品を出しているノゾミの子会社の社長。娘が勝ったら社員一同で喜ぶぐらいのアットホーム
ヒミツ:アウトドア能力が高い
バ場:芝A・ダートD
距離:短G マイルB 中A 長A
脚質:逃げG 先行A 差しA 追込みB
自己紹介
「ノゾミナチュラルです…私は素質があるとは自信を持っていえません。けど、レースで一着になりたいという思いは誰にも負けませんよ。自分らしく、一歩ずつ目指して行くのでよろしくね?」

ノゾミのウマ娘だが、少し庶民ぽい部分がある。周りに素質があるものがいる中で少し自信がないが、しっかりとした芯を持っている。
見た目と裏腹にとんでもないパワーで前に進む様はまさに自然の力。
仲間思いで優しいが怒らせたら相手を射殺すほどの眼光で黙って近づいてくる。


ノゾミ系のウマ娘はこんな感じです。

次回は競走馬編でダービーにそろそろ入っていきます。

アンケートに協力してくださりありがとうございました!
全部で678件もの回答がありました!
その結果は、
一位トウカイテイオー
二位シンボリルドルフ
三位ナイスネイチャ

となりました!

ここでも3着なナイスネイチャ…
いずれ、アンケートのウマたちとも関わらせますのでお楽しみに!

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