紡がれる『帝』の血脈   作:シントウ

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遅くなると言ったな。あれはウソだ。

ダービー大負けだよ、こんちくしょう!?でも武豊騎手とドウデュースおめでとうございます!!
ダービー六勝ってマジで凄いですよね…


帝の先立ち/眠りの獅子

チームヘルクリス部室

 

「ミカドぉ〜お客さん〜」

「お客さん?誰でしょうか?」

 

私ノゾミミカドは聖蹄祭の展示会に向けて、資料を集めていた。そんな時にプレストンさんから私にお客さんが来ていると言われ、入り口に向かう。

 

「は〜い。ってオグリキャップ先輩?どうしたんですか?」

「ああ、すまないミカド。少し聞きたいことがあって…」

 

扉の向こう側にいたのはオグリキャップ先輩。この間のパーティーで約束したクッキー200袋(中に30枚)は既に渡したはず…

 

「実はレオを探しているんだが知らないか?『レグルス』の方に行ったんだがそこに居なくて…」

「レオししょ…ンンっ…レオさんですか?この時間帯なら、確か道場の方にヤエノさんと一緒に居ると思いますけど…」

 

レオとは『ノゾミレオ』のこと。前世で『俺』に長距離の走りを教えてくれた馬の魂を受け継ぐウマ娘。非常にストイックなことで有名で偶にブルボンさんと一緒にいる所を見たことがある。根性トレーニングで使う巨大タイヤ2個を引きずっているところを…

 

「そうか…分かった。ありがとう道場の方に行ってみる」

「オグリ先輩、場所分かります?よかったら案内しますけど」

「そうか?ならお願いしてもいいか?」

「分かりました。では行きましょう。プレストンさん、チームの皆んなには少し外すと行っておいてください」

「い〜よ〜」

 

 


 

トレセン学園武道場

 

オグリ先輩と一緒に武道場に着いた時、ちょうどレオ師匠とヤエノムテキさんが組み手をしていた。

 

「やぁぁぁぁぁっ!!セイッ!!!」 シュッ!!

 

ヤエノさんが師匠に向かって正拳突きを繰り出す。ウマ娘のパワーがあるとは言え、その拳のスピードはかなり早い。

 

「…っ」 パシッ!

 

けど師匠はそれを右手で受け止める。ヤエノさんも振り払おうとするが掴まれた手が全く動かない。

 

「ハァっ!」 ビュオっ!!

 

振り払えないと理解したヤエノさんはすぐさま蹴り技で応戦。

 

「ふっ!!…ぐっ…」ガッ!!

 

しかし、それすら手でガード。しかし、衝撃を吸収しきれず、師匠の顔が僅かに歪む。同時にヤエノさんは僅かに笑い、追撃をしようと体勢を整えようとする。

 

「………セイヤッ!!」 ゴオウっ!!

 

しかし、師匠は掴んでいた腕を思いっきり振り払い、それでバランスを崩したヤエノさんに向かって蹴りを放つ。

 

「きゃっ!?」 ドンッ…!!

 

蹴りをもろに喰らったヤエノさんは吹き飛ばされ、床に倒れ込んだ。勝負あり、かな。

 

「………ふぅ、勝負有りだなヤエノ」

「くっ……参りました。完敗です…」

「攻撃が少し直線的だ。躱して、受け流して下さいと言っているようなものだぞ」

「まだまだ修行が足りませんね…」

 

お互い武術を極めるもの同士、お互いの改善点などを話し合っている。師匠は『獅子厳流(ししげんりゅう)』と言われる拳法の担い手。その技は拳、蹴、投と多岐に渡る。

2人は偶にこうして組み手をしている。ちなみに現在の勝敗は、35戦18勝17敗らしい。ほぼ僅差。

 

「ん?ミカド、それに………オグリ……。きていたのか?」

「おや?珍しい組み合わせですね…何か用ですか?」

 

2人が私たちに気づいて声を掛けてきた。師匠はオグリ先輩を見た瞬間苦い顔をしたが直ぐに元に戻る。この世界でも師匠はオグリ先輩が苦手らしい。嫌いではないらしい。

 

「私は付き添いです。オグリキャップ先輩がししxy……ん"ん"…レオ先輩に用があるようで…」

「……そうかい。で?何の用だい、怪物様?」

 

オグリ先輩に向けてガンを飛ばす師匠。私とヤエノさんはその気迫に一瞬圧倒された。その姿はまるで怪物をも喰らおうとする獅子。

 

「……………いや、大した用じゃない。今度タマやクリーク、イナリたちと一緒に映画の先行上映のものを観に行くんだが一緒にどうかなと…」

 

そんな気迫をあっさりスルーしてオグリ先輩は話し出した。

 

「ああ?何で私何だよ?ていうか何だよ先行上映って?」

「クリークが福引で当てて最大5人まで観れるらしくてな。最初はトレーナーと行こうとしたらしいが予定が合わなかったらしくて、私たちを誘ったんだ。それでせっかくだからと…」

「いやだよ。面倒くさい。第一、何の映画かも分からねぇのに行く奴がいるか」

 

そう言って、帰ろうとする師匠。しゅんとした顔のオグリ先輩におろおろしているヤエノさん。空気が悪い。そしてその空気を作ったのは師匠。……ここは弟子である私が師匠の尻拭いをしなくては。

 

「オグリ先輩、因みに何の映画なのですか?」

「え、ああ、確かCMで今話題の特撮映画らしい…」

 

ピクッ

 

師匠の耳が反応し、動きが止まる。

 

「それってもしかして『シ◯・ウル◯ラマン』じゃないですか?」

「ああ、そうそうそんな名前だった」

 

ピクピクッ!!

 

「すごいじゃないですか!あの映画、前の怪獣王が評判がよかったからすごい期待されていて、先行上映のチケットは10分もしないうちに売り切れたんですよ!」

「そうなのか?私はこの手の映画はあまり観たことないからよく知らないんだ」

 

プルプルプルプル……

 

「私も気になっていたんですけど今回は諦めたんですよね。私が行ってもいいですか?」

「えっ、タマたちが大丈夫なら行けると思うが」

「なら行きま「ちょっと待て」」

 

はい、かかった。

 

「オグリ、私が行く」

「えっでもさっき行かないって「行くからタマに連絡しておけ、いいな」…わ、分かった」

 

実はレオ師匠は大の特撮好きで、あのシリーズは番外作品から漫画、ゲームまで全て網羅している、いわゆる特撮オタクなのだ。これを知っているのは学園ではノゾミのウマ娘たちと(何故か)アグネスデジタルさんぐらいしかいない。

 

「先輩が行くなら、私は下がりますね。(小声)良かったですね、先輩♪」

「(小声)うるせぇ……」

 

これにて一件落着。いや〜良かった良かった。

 

「そう言えば、さっきから気になっていたんだが」

「?」

「ミカドは何でさっきからレオのことを師匠と言い掛けているんだ?」

「あっ、それ私も気になっていました。何故でしょうか、ミカドさん?」

「あっ、え〜と、その〜」

 

「そりゃあ、私がコイツに小さい頃から色々と教えているからだよ」

 

師匠がなんかいい笑顔で話し出す。

 

「こいつがまだまだチビだった時に私の自主稽古をみてな。それでかっこいいとか色々言ってきたから、教えてやったんだよ」

「ちょっ、先輩もうその辺で…」

「それで私のことを師匠と呼べって言ってな。それでずっと師匠で通していたんだけど」

「あの師匠…」

「それで暫くしてからトレセンにコイツが入ってきて、私がいることを知らなかったみたいなんだよ。その理由がな」

「師匠マジでその辺に…」

「コイツ、私の名前のことも『シショウ』だと思っていたんだよww」

「師匠ぉぉぉぉぉ!!!???」

 

人の恥ずかしい黒歴史を喋んじゃねぇ!!そん時はまだ前世の記憶を思い出せきれていなかったし、師匠もずっと名乗らなかったのが悪いでしょうが!!

 

「それが恥ずかしくて、人前では師匠って呼ばなくなったもんな」ニヤニヤ

「ミカドもそんな間違いをするんだな」

「微笑ましいですね」

 

ヤメて!そんな生暖かい目で私を見ないで!私のライフはもうゼロです!

 

「あの時のお前の慌てよう、スッゲェ可愛かったぞ」

「………」

 

フラフラと私は武道場の片隅に置いてあった木刀を2本持ち、構える。

 

「ミカド、なんで木刀持ってこっちに向かっているんだ?」

「……」

「しゃべってくれないと分からないんだけど」

「………」

「ミカドさん、その謝るから、ごめんね」

 

「絶許」

 

「あ、ヤバい。あれマジだ。オグリ、ヤエノ逃げるぞ…ってもういねぇえ!?あいつら先に逃げやがったな!?あっまってミカド本当にごめん謝るからその殺意の波動みたいなオーラ纏いながら来ないで、お願いなんでもしますから許しt……」

 

 

 

 

 

この日、トレセン学園に謎の悲鳴と破壊音が響き渡り、『学園ができるよりも昔、事故で亡くなったものの叫び声が時折聞こえて来る』という都市伝説ができた。

 

 

 




名前:ノゾミレオ
キャッチコピー:獅子の瞳に映るは勝利のみ
誕生日:4月15日
身長:169cm
体重:増減無し
スリーサイズ:B85・W55・H80
靴のサイズ:左右共に24
学年:高等部
所属寮:美浦
得意なこと:武術・特撮
苦手なこと:野菜・ガチギレしたミカド
耳のこと:好きなもののことはよく聞こえる
尻尾のこと:身だしなみには一応気をつけているから手入れバッチリ
家族のこと:師として、親として両親のことを慕っている。
ヒミツ:実はクラゲが大の苦手
バ場:芝A・ダートD
距離:短G マイルC 中A 長A
脚質:逃げC 先行A 差しA 追込みG
自己紹介
「私はノゾミレオ。己の限界を超えて、いつかあの怪物を倒すことが私の目標だ。私の瞳に映るのはゴールと勝利だけだ。頼むぞ、トレーナー」

ノゾミのウマ娘で向上心が非常に高い。オグリキャップをライバル視しており、いつか彼女を超えるために、日々鍛錬に励んでいる。
鍛え抜かれた肉体と精神、百獣の王の名に恥じぬ走りで全てを喰らう。
身内にはめっぽう甘く、ノゾミのウマ娘たちに慕われている。
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