Fate/AIのべりすと 冠位時間神殿編 作:AIのべりすと
佐々木小次郎は冠位時間神殿の中心部で、ゲーティアと対峙していた。
カルデアのサーヴァント達は既に敗れ、この場から消え去っていた。
魔神柱たちは、佐々木小次郎にも迫りつつあったが――しかし、彼は一歩も退くことはなかった。
「…………ふむ」
大太刀を鞘に納めたまま構えた佐々木小次郎の周囲に、青白い光が浮かび上がる。
それは『燕返し』と呼ばれる秘剣だった。
彼の宝具である三振りの大刀と一振りの小刀を同時に放つことで、空間的に連続する斬撃を生み出す技だ。
「なるほど、これがお主らの切り札というわけか。だが――私には届かんよ」
そう言って微笑んだ瞬間――ゲーティアの姿が消失した。
否、消滅したわけではない。
高速移動によって回避されたのだ。
ゲーティアの動きを視認できた者はいなかっただろう。
佐々木小次郎以外の誰にも、その動きを追うことは不可能だった。
「ぬうっ!?」
背後に気配を感じて振り返る。
そこにゲーティアがいた。
いつの間にか背後に回り込まれていたようだ。
「…………さすがはソロモン王といったところかな? 神の領域にまで足を踏み入れた存在ならば、魔術による肉体強化が可能だとは思っていたが――まさかこれほどとはな」
ゲーティアは無傷であった。
今の攻撃を回避したのは、彼の方ではなかったのか。
「何が起こった?」
「私の愛刀・物干し竿に触れたものは、どんなものであれ切断される。それがたとえ、空間であろうとも同じこと」
「空間すら斬り裂くか。恐ろしい魔剣だな」
「これこそが我が秘剣『燕返し』よ。お主には見切れまい」
「…………いや、そうでもないぞ?」
ゲーティアの口元に浮かべられた笑みを見て、佐々木小次郎は初めて動揺の色を見せた。
「貴様――何をするつもりだ」
「こうするのだよ」
ゲーティアが右手を振り上げる。
すると、周囲の空間が歪んでいった。
「これは――!」佐々木小次郎の顔色が変わる。
ゲーティアが行ったことは単純明快。
魔力放出により自らの身体能力を強化しているだけに過ぎない。
ただし、それは通常の魔術師が行えばの話だ。
今のゲーティアは違う。
ソロモン王の権能を行使したことで、彼の力は神の領域に達していた。
もはや人間の魔術師など比較にならないレベルにある。
その彼が魔力を放出しただけで空間が歪み始めた。
それだけではない。
ゲーティアを中心として、空間そのものが捻じれ始めていた。
「空間ごと捩じり切るつもりか!?」
「いかにも。このまま押し潰す」
「なんと無茶苦茶な…………」
ゲーティアの言葉通り、空間そのものを押し潰そうとしているらしい。
それでは逃げ場がないではないか。
「ふむ、この辺り一帯を吹き飛ばすつもりだったのだが…………どうやらうまく制御できないようだな」
「制御できていない? まさか――」
「ああそうだとも。私はこの力を使いこなせていない。だがまあ、それでも十分に過ぎるだろう」
「ぬうっ!!」
佐々木小次郎は咄嵯に地面を蹴った。
次の瞬間、それまで立っていた場所に巨大な穴が開いた。
一瞬でも反応が遅れていれば、間違いなく巻き込まれていただろう。
「――ふうっ! 危ないところであったわ」
「ほう、よく避けたものだな」
「お主こそ、このような大技を何度も放てると思ってもらっては困るぞ」
「ふむ、それもそうか…………ならば次はこれでいこう」
ゲーティアは左手を掲げると、そこから無数の光弾を放った。
「今度は銃撃か…………!」
佐々木小次郎は素早く身を屈めながら疾走した。
弾丸の雨の中を、まるで踊るように走り抜ける。
「無駄なことをしているな」
ゲーティアは再び左腕を振り上げた。
再び空間が歪み始める。
「同じ手が通じると思うたか?」
しかし、佐々木小次郎の反応もまた迅速だった。
彼は迫りくる空間の歪みに対し、一振りの大刀を突き出した。
「何――!?」
ゲーティアが驚愕の声を上げる。
大刀に触れた部分から光が消え失せた。
「馬鹿な!?物質だけでなく概念までも切り裂くというのか!?」
「如何にも。そしてこれが、我が秘剣『燕返し』の第二秘剣――」
ゲーティアは咄嵯に身構える。
しかし、それよりも早く佐々木小次郎は動いた。
「――『燕返し』ッ!!」
振り抜かれた刃がゲーティアの首筋に食い込んだ。
「ぐ…………おお…………ッ!?」
ゲーティアが苦悶に顔を歪める。
首筋に傷はない。
ただ、そこを中心にして身体が二つに分かたれただけだ。
「…………ふぅ」
ゲーティアの首に刀を突き立てたまま、佐々木小次郎は息を吐いた。
「…………なるほど、これは確かに一対多用に適した秘剣だ」
「…………お主ほどの剣士にそう言ってもらえるとは、光栄だな」
「だが、私には通じぬ」
ゲーティアは不敵に笑みを浮かべた。
「私の肉体はすでに神の領域に達している。人如きが、私を滅ぼすことなどできはしない」
「……………………」
「…………さて、そろそろ終わりにしようか」
ゲーティアは両手を広げ、その周囲に膨大な魔力を集めた。「――虚数空間」
その瞬間、空間が闇に染まった。
「なんだ、これは…………?」
佐々木小次郎は周囲を見回しながら呟く。
周囲の景色が塗りつぶされ、完全に別の空間へと転移していた。
「固有結界の一種だ。もっとも、規模はまったく違うがね」
「…………そうか。お主はソロモン王だからな」
「そういうことだ。この空間内では、私の力が十全に発揮される」
「…………ふむ」
佐々木小次郎は目を細めた。
「お主の宝具か…………」
「ああ、そうだとも。ソロモン王の権能で、私はあらゆる魔術を使うことができる。それがこの空間内における絶対のルールだ」
「…………」
「…………もうわかっているだろう? 貴様の敗北だ」
「…………」
「諦めるのだな。貴様に勝ち目などない」
「……………………ふっ」
佐々木小次郎は笑みを浮かべた。
「何かおかしいことでもあるか?」
「いやいや、おかしくはない。ただ――」
「?」
「お主に一つだけ教えておくことがある」
「…………何だ?」
「私がここに立っている意味だ」
「なんの話だ? 負け惜しみを言うつもりか?」
「いいや、お主にとっては取るに足らぬことだろうよ。だが、私にとっては何よりも大切なことだ」
「…………?」
ゲーティアは怪しげな表情を浮かべた。
「…………まあいい。ならば、ここで死ね」
ゲーティアは右手を持ち上げる。
すると、彼の頭上に巨大な火球が現れた。
「…………ふむ」
「貴様の言う通り、私の魔術は万能だ。たとえサーヴァントであろうとも、私の魔術から逃れることはできない」
「…………」
「貴様の肉体は原初の地獄によって焼き尽くされる。骨の欠片すら残さずにな」
「…………」
「さあ、滅びるがいい。それが貴様に相応しい末路だ」
ゲーティアは高らかに笑う。
「…………」
佐々木小次郎は黙ってゲーティアを見上げている。
「――さらばだ、佐々木小次郎」ゲーティアが右手を振り下ろす。
すると、炎の塊が佐々木小次郎に向かって落下していった。
「――燕返し!!」
だが、佐々木小次郎は動じなかった。
彼は静かに『燕返し』を放つ。
空間すら斬り裂く斬撃が、ゲーティアが放った炎を真っ二つに斬り裂いた。
「なに…………!?」
ゲーティアは驚愕する。
今の一撃は、明らかに自分を狙って放たれたもの――防御する余裕などあるはずがない。
にもかかわらず、目の前の男は易々と自分の攻撃を凌いで見せた。
「…………なぜだ?」
ゲーティアは理解できなかった。
今の攻撃は、佐々木小次郎にとって回避不可能なはずのものだった。
だというのに、彼はそれを容易く打ち破った。
「貴様――いったい何をした!?」
「…………」
「答えよ!」
「…………ふむ、やはりお主にはまだわかるまい」
佐々木小次郎は淡々と言った。
「燕返しがどのような技なのか、お主はわかっていない」
「…………どういうことだ」
「お主が使った魔術は、ソロモン王が編み出した究極の秘術の一つ――」
「…………」
「すなわち、未来予知の魔術だ」
「…………!?」
ゲーティアは愕然とした。
「馬鹿な!? そんなことが可能なわけがないだろう! 私は、ありとあらゆるものを視ることができる。その私が、貴様の動きを捉えられなかっただと!?」「否、お主が見たのは、ほんの少し先の未来の光景にすぎない」
「…………」
「たとえば、お主の背後から斬りかかるとしよう。しかし、それはお主が視た通りの結果になるわけではない。お主の意識の死角から斬りかかったところで、必ず避けられてしまうからだ」
「…………」
「つまり、私が見ているのは、これから先起こる事実ではなく、起こりうる可能性の最も高い未来ということだ」
「…………」
「もし、お主が私の動きを完全に把握しているのであれば、私の攻撃を避けることはそう難しいことではあるまい」
「…………」
「だが、私はお主の思考を完璧に読むことができない。だからこそ、私は燕返しを放った」
「…………」
「燕返しは、空間を斬り裂く秘剣だ。そして、私の眼は空間を斬り裂くことによって、お主が次にどう動くのかを予測することができる」
「…………」
「お主がいくら速く動けようとも、空間を斬り裂いてしまえば問題ない。あとは、お主が避けることのできない場所へ逃げればいいだけの話だからな」
「…………」
「これが『燕返し』の正体だよ。お主は、ただ単に視界の外に逃げたというだけで、私の攻撃を防げた気になっていたようだが――」
「…………」
「お主の慢心による隙を突かせてもらった」
「…………」
ゲーティアは沈黙した。もはや彼に打つ手はない。
「…………なるほど、貴様の言いたいことはわかった」
「…………」
「だが、それを知ったからといって、貴様に勝ち目があるとは思えないが?」
「…………」
「…………まあいい。どのみち、貴様はここで死ぬのだ」
ゲーティアは再び両手を掲げる。
「虚数空間――」
だが、その瞬間だった。
「――燕返し!」
再び佐々木小次郎の刃がゲーティアを襲う。
しかし、彼は冷静に『燕返し』の軌道を読み、難なくかわしてしまう。
「無駄だと言っている!」
ゲーティアは両腕を振り下ろした。
すると、再び虚数空間が発動し、周囲の空間が歪み始める。
「これで終わりだ!」
ゲーティアは勝利を確信していた。
「…………」
しかし、佐々木小次郎もまた、己の勝利を信じていた。
(…………ふむ)
小次郎の『燕返し』が空間を切断した。
その結果として生じた空白に身を隠すようにして、佐々木小次郎は彼の懐に入り込む。
そして一閃。
ゲーティアの首筋に刀を突き刺す。
「ばかな…………」
ゲーティアは呆然となる。
「…………お主は、まだわからないと言うか」
佐々木小次郎はゲーティアに問いかけた。
「お主は、この勝負に勝つつもりでいるらしいが――そのようなことは不可能だ」
「…………」
「なぜなら、私には勝てぬからだ」
佐々木小次郎の言葉に、ゲーティアは何も言わず立ち尽くすだけだった。
ちなみに、このまま出力を続けると
いつの間にか例の山門で戦ってた事になってる
小次郎と山門が、虞美人と項羽並に関連付けられてるためと思われる