「…………」
輪の都、全ての時間と場所が流れ着く吹き溜まり
そしてその終焉の地である砂漠で、私は膝をついていた
苦しい旅と戦いだったが、得る物は多かった
人という種を呪い続けたデーモンとその王子
神の命により闇を食らい続けた竜 ミディール
そして絵画世界の顔料を作るためにダークソウルを求め、食らった人間 ゲール
それぞれのソウル、数々の指輪、残り火、楔石の塊や原板
そして、今私が身に着けている、鉄塊のような鎧
あのハイエナのような、小憎らしい、それでもどこか憎めない不屈の、私の友達
彼の残した鎧と、今やメインウェポンとなった半葉の太刀、どれも貴重な品だ
「………」
だが、違う
私が求めていたものは――――ー
「アアアアアアアアッ!!!!!!」
半狂乱になりながら半葉の太刀を振り回す
なにか、なにかもっと、素晴らしいものが
私の知らない場所や時間から来た、なにかが
私のすり減った、人間性とでも呼ぶべきものを癒すなにかが
きっとあるはずだと、そう信じていたのに
それから、どれだけ私は暴れ回っていたのかいたのか
時間の概念が曖昧にとなったこの地で考えることも不毛なことだが、とにかく私が冷静になった時には、そこらじゅうにいくつもの大穴が開いていた
すべてが風化して積もった砂が、重い半葉の太刀を振り回した事で起きた風によって、吹き飛ばされ続けたことでできたものである
だが、その穴の中にあるものはやはり風化した砂ばかり
沈んだ気持ちで一つ一つ穴を調べ、最後の穴の中を覗いたとき、それを見つけた
「……箱?」
そこにはほとんど風化しているが、まだなんとか原型をとどめている箱のようなにかがあった
これがきっと、私の求めていた物だ
そんななんの根拠もない、願いのような予感を感じた私は、ソウルから取り出したありったけの修理の光粉を穴の底に振りまいた
しかし光粉110個分全て使ったのはやりすぎたのかなかなか修復が終わらず、手持ち無沙汰気味に穴の周りに七色石を置いていたが、光粉の光が消えると同時に私は穴の底に飛び込む
そこにあったのは傷一つなくなり、3つの線を生やした箱だった
線の一つは無数のスイッチをつけた板に繋がり、次の線は丸っこい何かに繋がっている
そして最後の線はどこにも繋がっておらず、なぜかその先端はガーゴイルの灯火槌のように二叉に別れていた
何がなんだかわからない
自慢ではないが私は、用途の分かりにくい物も問題なく扱ってきた
護符は投げつける物、銅貨や金貨は砕く物、干からびた指はしゃぶる物、松脂は武器に塗る物、といった具合にだ
しかしこれは、使い方の見当がまったくつかないのである
武器や防具でないことだけは分かるのだが……
「とりあえず、ソウルに収容してみるか」
使い方が分からないなら、まずはソウルへ入れる
そうすればなんとなく、使い方やその歴史などの情報が浮かんでくるのである
【パーソナルコンピュータ
はるか未来の世にて、人の末裔が作り上げた知の結晶
コードへ雷の力を流すことにより、内包された知を顕にする
だがその知に溺れ、堕落する者もまた数多い
人は知によって人となり、人を超え、また人を失う
灰の人よ、かねて知を恐れたまえ】
なにやら不穏な言葉もあるが、この箱には私の知らない叡智が収められているのだという
ならばその箱を開くことになんの躊躇いがあろうか
もはや沈んだ気持ちなどすべて吹き飛び、高ぶった心のままにソウルから一本の槍を取り出した
竜狩りの剣槍
太陽の光の王グウィン、その長子である無名の王のソウルから錬成した至高の一振り
この箱にどれだけの雷の力を流せばいいのか分からないが、竜狩りの戦神の剣槍から放たれる落雷ならばきっと充分だろう
私は剣槍を大きく天へ掲げる
そして、人の創り上げた叡智の箱へ、神の雷が放たれた
「修理の光粉2000個くれ。ソウルに収容できない分は担いで持っていく」
「えぇ………?」
それから大急ぎで祭祀場へ戻り、グレイラットへ60万ソウルを押し付けつつ限界まで……いや、限界以上に修理の光粉を買い込んだ
彼が、わけがわからないよ、とでも言いたげな表情をしているのは、顔を覆い隠す頭巾越しにもよくわかった
フロムユーザーがコンシューマー移植されたドキドキ文芸部をプレイして書きたくなったお話です
とは言うものの、まだタイトル通りパソコンを発掘しただけですけれども
輪の都と砂漠はそういうものじゃないだろ
というのも分かりますが、ぼやかされてる設定も多いためそこは独自解釈でそうした、ということでお願いします
最後まで頑張って書いていきますので、よければ読んでいただけると嬉しいです