ウマ娘になりました。全距離芝ダート重賞目指して頑張ります   作:ウマ娘に転生しててぇてぇを見守り隊

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無敗三冠阻止

クラシック三冠。

 

それは幾多の馬…ウマ娘が挑戦し阻まれてきた歴史。

 

史上初のセントライト。

近代競馬初のシンザン。

伝説を作ったミスターシービー。

絶対の皇帝、シンボリルドルフ。

 

 

たったの4頭…4人しかいない。

前年度のトウカイテイオーでさえ、骨折で二冠止まり。

 

個人的意見だけど…

皐月賞は早熟な子が取る。速いではなく『早いウマ娘』。

日本ダービーはそのまんま運。これは早熟なウマ娘と徐々に本格化していくウマ娘がその年によって違うからだと思う。

そして菊花賞…ここに限っては超長距離に対応出来る適性距離の問題だ。

 

その全ての困難を備えたウマ娘だけが、クラシック三冠にたどり着ける。

 

そういう意味では、マイルからクラシック距離までのトリプルティアラの方が門は広いと思う。初戦の桜花賞も晩成のウマ娘でもスタミナが持ちやすい短めだし。

 

 

まぁそんなことはともかく…クラシック三冠はただでさえ難しいのは達成者が4人しかいないことで容易く理解出来るはず。そのうえで、無敗の三冠はさらに難しい。これまでシンボリルドルフ以外に出来なかった無敗の三冠に手をかけたウマ娘がいた。

 

 

ミホノブルボン。

 

 

決して良家の血筋という訳では無い彼女。

そんな彼女はスパルタ調教を受けて無敗のまま皐月賞、日本ダービーを制し、この菊の舞台へやってきた。

 

 

『最も強いウマ娘が勝つという菊花賞。雲ひとつない快晴の下、我こそはと意気込む18人のウマ娘たちが集結しました』

 

『ターフは快晴に見守られて良馬場の発表です』

 

『圧倒的な1番人気を誇ります、4枠7番はミホノブルボン。言わずと知れた人気と無敗の三冠をかけて菊花賞へ挑みます』

 

『2番人気はこの子、4枠8番ライスシャワー。ダービー、京都新聞杯、セントライト記念といずれもミホノブルボンについで2着。好走が期待出来ます』

 

『3番人気はマチカネタンホイザ。前走は神戸新聞杯で2着入線で1着となっています』

 

『そして色々な意味で注目されているハッピーシュガー。4番人気です。前走での降着処分に抗議の電話が殺到するほどに、コアなファンの多いこの子も必見です』

 

『さぁ、長旅の京都芝3,000。大外にハッピーシュガーが入って体勢整いました…今スタートしました。ライスシャワー、マチカネタンホイザ、出遅れたか』

 

『これは…キョウエイボーガン、先頭!ミホノブルボンが2番手です』

 

『ミホノブルボン、かかってしまっているか!?』

 

『ミホノブルボンがハナを許したのは朝日杯以来ですから、ペースが狂ってしまっているかもしれません』

 

 

 

 

 

―――いいか?展開としてはキョウエイボーガンは前走でバ群に埋もれて負けていることから逃げ…大逃げを打つ可能性がある。そうなったら…

 

「ブルボンさんはかかる可能性が高い…流石マスター」

 

―――そうなったら1番気をつけないといけないのはミホノブルボンよりも……

 

「ライスシャワーさんとタンホイザさん…」

 

―――マチカネタンホイザは前走でお前のマークを受けているから中団よりも先行寄りの好位置に付けたがるだろう。そうなれば…

 

「後ろについてかからせる」

 

 

 

 

『1,000メートルを通過して、ハナに立っているのは大逃げのキョウエイボーガン。それを追うようにミホノブルボン。2番人気のライスシャワー、3番人気のマチカネタンホイザは先行集団。マチカネタンホイザをきっかりマークする位置にハッピーシュガー』

 

『マチカネタンホイザ、少しペースを上げたか?かかってしまっているのか』

 

 

 

 

 

 

―――マチカネタンホイザがかかった時にまだ残り1,500m以上残っているなら、そこからライスシャワーの後ろについて影を消しつつ風避けにしろ。ここまで来たらあとはライスシャワーとの一騎打ちだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの子が…ターフの支配者の最後の弟子か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『第4コーナーを回ってミホノブルボン先頭!逃げ切れるか!』

 

『マチカネタンホイザ、ミホノブルボンに食らいつく!』

 

『その後ろからライスシャワー!ライスシャワーが伸びる!残り300メートル程か!?リードは3バ身からどんどん詰まる!』

 

『マチカネタンホイザ、失速!』

 

『1着を争うのはやはりこの2人だ!』

 

『残り200メートル!』

 

『ライスシャワー並んで…躱した!』

 

『ミホノブルボンは絶望的か!三冠の夢のためにここから差し返すか!?』

 

『しかしライスシャワー!差を広げて…いや、ここでハッピーシュガーだ!』

 

 

「……っ!」

 

 

 

『ライスシャワーの影からハッピーシュガー飛び出して今1着でゴール!』

 

『ハッピーシュガー!1着!審議ランプも点灯していない!初勝利をクラシックGI最後の一冠で飾った!2着はライスシャワー!3着にミホノブルボン!』

 

『観客席の落胆の声が響きます!』

 

『今年も三冠バの誕生はありませんでした!』

 

 

 

 

 

「最初は使う気は無かったんだが…お前は私と…いや、俺の支配と相性が良すぎた……だからこそ、お前はこの走りを自分のものにしないと…な」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の競バファンの多くは元々は私に悪感情を持っていなかった。

私に悪感情を持っていたのは多くの他のウマ娘たち…条件戦ウマ娘やGIに出走出来ないレベルのウマ娘たち。

 

だけど、菊花賞を経て日本のファンでさえも敵に回った。

 

もちろん昔ながらのファンやコアなファンや穏健な方々はそうでもなかったけど、流動層等は完全に悪者扱いであった。

 

 

「これって…」

「すみません…私のせいですね」

「そ、そんなことないよ!ブルボンさんのせいなんかじゃ…!」

 

私とライスシャワーとミホノブルボンのウイニングライブの会場は京都競バ場に詰めかけた人の数に対して明らかに少な過ぎた。ガラガラと言ってもいいくらい空いていた。だけど、それはいわゆる『無敗の三冠』に踊らされた流れのファンがあっさり消えただけの話。だからこそ今残ってくれてるファンのみんなに精一杯踊ろうとライスシャワーとミホノブルボンに語った。

 

 

 

 

そして、私とマスターは日本を発った。

 

 

 

 

11戦1勝。

収得賞金、1億2,350万円。

主な勝ちレース、菊花賞(GI)。

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