ボス戦当日。俺達の役目はやはり取り巻きの排除。まぁ、そっちの方が安全だと言えばそうだがやはり.........
「ボスと戦いたいなぁ.........」
「だよなぁ~」
「ねぇ~あのハラハラするのがいいのに~」
三人の重度のゲームオタクたちはボス戦は一種の楽しみなのだ。レイルとて不安は色々あっても心の中では少しの期待があるわけで...........
「三人とも...........」
そして一般人と言う言い方はおかしいがアスナはそんなボヤキに呆れていた。命がかかっているのに何を、と言った感じだろうか?
今は迷宮区に向かって移動中だ。まるで遠足みたいだがこの先に待つのは命がけの戦いだ。とは言えその雰囲気はまだないのだが........
「まぁ、冗談は置いておいて基本は俺とキリトが攻撃を対処してミトとアスナは攻撃..........いいな?」
俺とキリトは一番オードソックス且つ扱いやすい片手剣士だ。その分相手攻撃のパリィは二人よりもやりやすいし、何よりアスナの弱点を正確につけるであろう剣捌きにミトの攻撃力を生かすのはそれが一番いい。
「わかってるわ」
軽く雑談を交えながら作戦を練っていると気がつけば迷宮区に辿り着いていた
ボス部屋の大きな扉の前───
その広間にはいよいよと気構えるプレイヤーが綺麗に並んでいた。
「俺から言えることは唯一つだ..........勝とうぜ!」
暫く歩き、迷宮区を上り遂にボス部屋前に辿り着くとそこで装備の確認や準備を整え、隊列を組み一番前でディアベルがみなを鼓舞する。漸くだ.........
少し前に何かキバオウがキリトに声をかけていたがキリトが大したことないと言うし、キリトの表情を窺った感じ本当に大したことはなさそうなので意識をこれからの戦闘に集中させる。
「頼むぞ相棒」
「そっちこそな相棒」
いつも通りキリトと拳を合わせる。今までならキリトとのコンビで完結するが今回は──
「私達を忘れないでよね」
「二人とも馬鹿なことしないでよね?」
ミトとアスナがいる。始まった当初は考えもしなかったが二人以上で組んでのボス戦は初めてだ。少し緊張すると同時にボス戦らしくて楽しみでもある。どうやらキリトも同じようで笑っている。
ディアベルが大きな石門を開ける。大きな音同時に空き始め、俺達はそのままなだれ込むようにボス部屋に入ると..................
「グルルルラアアァァ!!!!」
大きな雄叫びと衝撃音と同時に玉座からボスは現れる。ボス部屋も暗かったのが一気に明るくなる
外見は以前と同じ...........
ボスの名も同じ...........
彼の獣の王の名は───
《イルファング・ザ・コボルドロード》
*****************
ディアベルの号令と共に戦いの火蓋は切って落とされた。
本隊がボスと交戦している中、俺達は──
「フッ!」
キリトが攻撃を正面から受け止める。
相手は取り巻きの《ルインコボルド・センチネル》。長柄斧を振るうそいつらはここまでに迷宮区などでてきたコボルドとは違い重装備を身に着けている。そのため当然防御力も高ければボス戦使用にAIも高いレベルのもが使われている。
が───
「ハァッ!」
キリトが受け止め、俺がソードスキルなしの連撃で関節部を正確に斬撃を叩き込んでダメージを稼ぎつつ体勢を崩す。そしてすぐさま俺とキリトは離脱し..........
「スイッチ!!」
「ヤアァ!!」
左右にはけるとアスナの凄まじい速さの《リニアー》が正確に喉元を貫く。あいも変わらずその技の鋭さと速さには感服する。これで初心者と言うのだから余計に、だ
基本は最初の予定通りキリトと俺が攻撃処理、アスナとミトの攻撃だ。今のは俺とキリトが二人で当たっていたが、例えば──
「............ッ!!」
俺が二体目に鋭く踏み込むと、相手の振り下ろされた長柄斧を受け流すように、剣の側面に滑らせ地面に叩きつけて......
「おまけだ!」
足の投げナイフのホルスターから引き抜いた一本を正確に頭の鎧の隙間に投げ入れ、大きくノックバックさせる。そのまま俺はバックステップで距離を取り............
「スイッチ!」
「イヤアアアァッ!!」
続いて斬り込んできたのは鎌を扱うミト。流石の威力でざっくりっとセンチネルを切り裂く。
このように安定してその上、高ペースを維持して湧きつぶしができている。経験者と手練れと組んでいるから非常にやりやすい。
「ちょっと引くくらい器用ねレイル」
「言い方は気になるが誉め言葉として受け取っておく。そっちも相変わらず恐ろしい一撃だな」
軽口をたたき合えるくらいには余裕もあり、俺とミトは不敵な笑み浮かべていると次のセンチネルがポップする。
「次いくぞ!」
「おう!」
キリトが新たなセンチネルに向かっていくのに追走する。ちらりとボス本体を見たが向こうも特別消耗せずに安定してやり合えている。ディアベルの指揮も十全に機能している。どうかこのまま.............
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ミトは器用にさばき続けるキリトとレイルを見て嘗ての記憶を思い出す
それはテスト終了日の事だった。
終了日ミトはさらに先へ行くため迷宮区最奥のボスに挑んでいた。だが、ボス部屋までに共に来たプレイヤーの多くはやられ、時間はわずか。少ない人数で戦っていたのだが──
(間に合わないッ........もっと!もっとッ!)
ミトは何度も何度も食らいつくがどうしてもまだ足りない..........
そんな時だった
「オオォッ!!」
黒い剣士が横をすさまじ勢いで駆け抜けるとソードスキルを叩き込んでボスのHPを削る。よほどいいところにあったのかダメージ量が大きい。
だが、黒い剣士はスキル後の硬直で動けず、先に硬直が解けたモンスターが攻撃を仕掛けようとするが───
ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ!
三本の短剣がライトエフェクトともに空を翔けボスの顔面に直撃するとミトの横を今度は静かに、されど風の様に疾く、濃紺の夜空を思わせる色彩のコートを靡かせ駆け抜ける
「フッ!!!」
鋭い気合の籠った声と共にその剣士は水平四連撃技《ホリゾンタル・スクエア》をボスの弱点部分を正確にたたき、大きくHPゲージを削り取る。
正確無慈悲にされど舞うように美しかったその剣技にミトは視線を奪われた。こんな綺麗なソードスキルを使うことができるプレイヤーがいるのかと。
その剣士の動作はシステムアシストによる補正と自身の運動能力による補正で一切の無駄はなく、そしてまた加速されたその剣戟は最善を突き詰めた機能美を感じさせるものだった。
そして二人の剣士はそのまま巧みな連携で物の数秒で突破すると、こちらに目もくれず駆け抜けていこうとする..............
だが──
「...........アンタも行くだろ?」
少し遅れてきた濃紺の.........夜空の彼は数歩行った後で急に止まるとこちらに駆け寄り手を伸ばす
その時、私は───
「ミト!!」
「え?」
正面にはセンチネルが振り上げた長柄斧があった。あろうことか私は戦闘中にほかごとを考えて、攻撃を受けようとしている。
この世界では痛みはない.........でも、HPの損耗は正真正銘命が削れることと同義。普段こそ怯みはしないがボス戦と言う、デスゲームの極限状態をさらに極めたような状態のせいか恐怖で体が硬直する。
(ま、拙い.......直撃する!!)
瞳を瞑り、衝撃に備える。
だが──
「ッ!!.......オラアァッ!!」
ミトとの間に滑るように前方にいたレイルが割って入り込む。振り下ろされた攻撃はレイルが器用に剣の腹でうまく滑らせギリギリの所へそらすと、多少無理な体勢からだが《スラント》を発動させて右下から左上へ斜めに切り上げる。強引な割込みでミトの体は後ろに倒れ込んでしまったが、そんな窮屈な状態からソードスキルを発動させ首を切り払うレイルの様子にミトは呆然と見ていることしかできなかった。
「ったく.........ぼーっとしてるなよ?ほら」
いつかのように手を差し伸べるレイル。その姿はあの時と違う。
けど..........
「ん?」
私が何も言わないのに怪訝な表情を浮かべるそれは──
「.......ありがとう。助かったわ」
最初からどこかこの人なんだろうと思っていた
雰囲気が、話す所作が、何よりも綺麗な剣技が
そして今、この手の感触................
あの時の確かな温もりだ。
向こうはきっと覚えてもいない.........と言ってもあの時のアバターは今の姿からかけ離れたものだ。仕方がない。けど、少し悔しくもある
何故ならそれはまるで私程度じゃ視界にも入らないと言われてる気分だ
「頼りにしてんだ........頼むぞミト」
!.............狡い。なんでそう言うこと言うかなぁ........
「任せなさい。全部私がばっさりやってやるわ!」
私はきっと笑ってる。それでいい..........笑って隣に立てることが嬉しい。このポジションは彼のポジションだ。童顔で弱々し顔立ちだが、まるでそうとは思えないほどの実力を持った彼の相棒である剣士..........
けど...........その彼に負けたくない。隣の彼においていかれたくない。
「そう来ないとな。行くぞ!!」
「うん!!」
私は走る。彼の隣に並び続けるため──
*********************
途中からはキリトとアスナ、俺とミトに分かれてセンチネルの処理にあたっていた。ミトが少し集中を欠いた時はヒヤッとしたが今は問題ないようだ。
ボスのHPバーは四段階ある。それが今四段階目の赤ゲージにさし変わり、パターン変更で今まで使っていた斧と盾を投げ捨て背中に吊った
(は?アレは
「ミト!キリト達と合流しろ!」
「えっ!?ちょ、ちょっと.........!?」
恐らく囲まれている状態で放たれるのは重範囲技《旋車》。正直これはもう今からじゃ止められない。それよりも拙いのは──
(ディアベルが決めに行きやがった!!一人前に出たら追撃がッ........!)
包囲された状態から決めに走り寄っていくディアベル
そして遂に──
「なッ!?う、うわああぁぁぁぁ!?」
範囲攻撃で囲んでいた攻撃部隊とタンク隊が弾き飛ばされスタンする。ディアベルはスタンこそしなかったが追撃を仕掛けられる
「グアァッ!?」
カタナ単発スキル《浮舟》。高く切り上げるそれでディアベルは空中に上げられる。これ以上ディアベルがソードスキルを喰らえばまず間違いなく死ぬ。
(一か八かだッ!!)
俺はようやく射程距離に入ったのを確認すると《ソニックリープ》を発動させる
(間に合えッ!!)
《ソニックリープ》は自身の踏み込みも加えれば射程は優に十メートルに届く。そしてそれは空中に跳躍することでもだ
加速した体で空中を飛び、攻撃を受け身動きが取れないディアベルを左腕で抱きかかえる。だが、まだ危機は去っていない。
(掴んだ!このままギリギリまでスキルを伸ばして..........)
スキル発動を保持しつつ、予想通り放たれたボスの《緋扇》。これは3連撃技だ。初撃にこちらのスキルを合わせても次でやられる。だから.........
(頼むっ.....上手くいけよッ!)
スキルが失敗しないギリギリのラインで体を捻り、初撃を俺の体の一部がギリ掠めるかどうかの位置に調整する。もろに喰らえばソードスキルの保持は出来なくなる。
すると体の極々近くをボスの凶刃が掠める。
(ック!..........掠っただけで2割持ってかれたけど、これでッ!)
何とか直撃を回避、スキルもまだ保持出来てる.........2撃目直ぐに迫る。ここで──
「うおっ.......ラアァッ!」
保持していたスキルをギリギリの所で野太刀に合わせて直撃を回避.........だが、また──
(ヤバい......これでもに2割持ってかれるのかよッ!?)
残りHPの総量は約4割.........半分を下回った。レイルは端から三連撃目は回避は想定していない。と言うのも約八割強あったHPで何とか残り五割程度で最後の攻撃を迎えれば五分五分だが耐えきれると考えていた。だが、想定よりも威力が高く非常に拙い状況だ。連続攻撃は最後の一撃が一番威力が高い。最悪このままでは俺は死ぬ...........
一瞬の思考の合間、ふと視線にキリトやミト、アスナが強張った顔が映った
(チィ........アイツ等に変なトラウマ植え付けさせて..........たまるかよッ!!)
知り合いが目の前で死ぬという状況を見て彼、彼女らが傷つくのは嫌だった。
技後硬直で短剣の投擲による妨害は不可能だ。でも──
(間に合えぇぇぇ!!!)
技後硬直が解けた瞬間の入力でどうにか急所をそらしダメージを限界まで抑え込む。これ以外もう何もできることはないし、これで何とかしのぎ切るしかない。
体を力ませ続け、もう僅かで刃がと言う所で──
(動いた..........ガァッ!?)
体はギリギリで逸らした、けど急所こそ防いでも──
「「レイル!!!!!」」
キリトともう1人.......ミトか?自身を呼ぶ叫び声が聞こえる..........そのまま吹き飛ばされる中、HPバーの減少を見る。冷酷なほどに急速に削れていく。もう既に残り1割弱..........
(こりゃ地面直撃で死ぬな.............)
だが──
「おおおぉぉぉ!!!」
「え?」
左に抱えていたディアベルが大声を上げたかと思うと俺を空中で地面に叩きつけられないよう態勢を変え始めて────
「.........嘘だろ?俺生きてるし..........」
ディアベルを下敷きに何とか生還した。HPは最終的に1ドットまでになってるが生きてる.........
「助けられて...........見殺しになんかできないさ」
「あっ悪い..........大丈夫かそっちは?」
「何とかね........」
ディアベルもHPは残り1割とギリギリだが何とか生きていてくれたらしい。これで死なれても後味が最悪だ。
「...........すまなかった。俺が不用意に────」
此処で俺は気が付いた。昨夜はキバオウがキリトの剣の取引を持ち掛けていたが、恐らくそれはディアベルが象徴になるために、キバオウを使っていたのだ。つまりは本来のキリトの剣を狙っていた人物はディアベルだったのだ。あながち推測自体は外れていなかったと言所か...........
でも..........
「その事も含め生きて帰ったら聞く。それよりタンクと攻撃部隊を下げさせろ。囲むとまた範囲攻撃されるから、攻撃隊でヒット&アウェイでちまちま削るぞ。回復が済むまでは.............」
死線をボスに戻すとキリトとアスナそしてミトがボスを抑えていた。
こちらを気にしてるようで、俺は手を振り無事を示す
「あの3人なら後30秒は確実に持つ.........その間に士気を立て直せ。お前にはそれができるだろ?ディアベル」
「..........全く、君〝達〟は強いな..........」
在りし日の黒と夜の剣士たちの圧倒的な実力を思い出しディアベルは呟く
「ん?どうかしたか?」
「いや、何でもない。作戦は分かった。君も回復するんだぞ?」
「あぁ、俺も回復したらキリトの方に行く。カタナスキルの説明はできるな?」
「わかってる。頼むよレイルさん」
その背中を見届けると俺はポーチのポーションを取り出し一気に煽る。
遅々とした回復を見ながらキリト達を見る。よく防いでいるがかなり危険な状態だ。キリト達が被弾する姿を思い浮かべると嫌な汗が噴き出る。
(くそ.......頼むっ.........早く回復してくれッ!)
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「ミト!キリト達と合流しろ!」
「えっ!?ちょ、ちょっと.........!?」
ミトはいきなり有無も言わせない指示に驚き振り向くと、すでに走り始めてしまったレイスの背........そして──
(嘘!?アレは
瞬間レイルがそれを察知して助けに行ったのだと理解すると同時にキリトの叫び声が聞こえる。
「全力で後ろに飛べえぇぇ!!!!!」
キリトの方に一瞬目を向け戻すと、すでにディアベルは宙に吹き飛ばされていた。体にはダメージエフェクトがある。次のソードスキルを喰らったら........
その時だった.........下から翡翠のライトエフェクトを輝かせ上空へと駆ける一人の剣士が目に入った
(まさか助ける気!?そんな事したら!?)
見た様子、恐らく《ソニックリープ》の加速で直撃前に助け出すつもりだろうが、そんな事をすれば代わりに直撃することになるのはレイルだ。いくらHPが八割強あってもボスの攻撃を正面から耐えられるとは思えない。
だが..........
(嘘........あの状態から体を捻って最小限にダメージを抑えた!?)
ソードスキルは既定のモーションから外れると失敗する。その為、レイルがスキルを維持しつつ体を捻るというそれは凄まじいい程の制御能力だ。そして2撃目も防ぎ、これならばと思ったのも束の間
(ダメ........3連撃目が!)
直ぐに迫る3連撃目..........直撃すればレイルは..........
(いや..........いや..........いやだ!やめてッ!?)
モンスターにはたまた神様に懇願する。目の前で仲間が.......レイルが死ぬ光景が脳裏をよぎる............嫌だ、そんなもの幻想だ!見たくない!
「「レイル!!!!」」
キリトと同時に彼の名前を叫ぶ。
アスナも顔を蒼白させ最悪を想像する。
だが..........
僅かに体がそれたのが見えた。急所は外れた。そして、ディアベルが動き、レイルのクッションになり.........
(.......ぁあ.........生きてる..........)
2本の足で立っている彼の姿が見えた。本当によかった...........
安心からへたり込みそうなのを耐えると.......ボスを見据える。レイルならきっと........
「ミト!レイドが立ち直るまで支えるぞ!」
前方にてキリトがアスナと並びたちボスに向かおうとしている。
「えぇ!わかったわ!!」
3人で駆けていく。視界の端で手を振って無事を示すのを見て本当に良かったと思うが、今はボスだ。立て直すまでは私達が...........
「手順はセンチネルと同じ!俺が防ぐから二人は攻撃頼む!」
「「了解!!」」
キリトが先陣を切り走る。それに気が付いたボスはキリトを睨みつけるとソードスキルを発動させる。キリトも同じくソードスキルを発動し迎撃を選択
「ハアアッ!!」
ボスの膂力の高さから、ソードスキル同士のぶつかり合いでも激しくキリトが後ろへ押し込まれる。だが、ボスとて全く体勢を崩さずといううのは無理で、僅かに体勢を崩した
「スイッチ!!」
キリトの掛け声に疾風の如く、アスナが駆け抜ける。が、僅かに速く行動を起こしたのはボスだ
「アスナ!!」
ミトの叫びに反応するように、アスナは体勢を低くし、寸前のところで攻撃を回避。少し前まで初心者だったのに流れるような所作は目を見張る
そしてアスナはそのまま踏み込み........
「イヤアァァッ!!」
恐ろしく鋭く空気を裂いて放たれるアスナの《リニアー》が直撃し、ボスはノックバックする。本当にアスナの呑み込みの速さには驚かされる。
「アスナに負けてられないな」
アスナとの対戦ゲームは負けなしの私だ。そう簡単に、この
吹き飛ばされたが、果敢にボスはまた野太刀を振り上げる。キリトが初撃と同様に防ぐ。そして今度はミトの番だ
「ハアアァァっ!!」
大きく振りかぶり振り下ろすとボスはたまらず押し負ける。ミトの鎌による攻撃力はキリトは勿論アスナの比なんかじゃない。
そこから作業のようにキリトが防ぎ、アスナとミトが間髪入れず攻撃を叩き込むのを繰り返す
だが、慣れてきたからこそより慎重にすべきだった
キリトが連続して攻撃をいなすと、ボスがスキルを発動させる。スキルに対してスキルで対抗すべく、キリトもソードスキルで応戦。
しかし.........
「しまッ!?」
読み違えて発動したスキルは空を切り、ボスの野太刀が禍々しく輝きキリトに────
「オオォォォ!!!」
新たな乱入者が、その攻撃を上へと逸らした。
「ったく、無事かねキリト君?」
「遅いんだよ[[rb:相棒> レイル]]」
回復を済ませたレイルがキリトの直撃を防いのだ。
「主役は遅れてやって来るんだぜ?...........それに俺だけじゃないぜ」
すると後ろから........
「「うおぉぉぉぉ!!!」」
数人プレイヤーが声を上げて攻勢に出る。
「悪いな。アンタらダメージディーラーにタンクの真似事させて。回復が済むまで俺達で支える」
そのプレイヤーの内の一人、エギルがキリト達に声をかけると自身も攻めにでる。
「アンタ.........」
「さて、キリトとミトにアスナは回復しておいてくれ。俺も行ってくる」
レイルは左手に三本の投剣様の短剣を持つと駆けだそうとしたところで.......
「レイル!」
「ん?どうしたミト?」
何故呼び止めたのか.........分からない.........
だから、思いついた言葉は───
「死なないでね」
「りょーかい」
笑いかけるとすぐにレイルは駆けだした
「全員囲まずに攻撃と退避を繰り返して!範囲技をうたせるな!!」
レイルが三本のナイフを投擲し、ボスの行動を阻害。そしてエギル率いるタンク隊に指示を出し、ボスを抑え込む。後方ではディアベルが声を上げ、他の面子の動きを指示している。
ボスはヒット&アウェイでちまちまと削られるのを忌々し気にしながら防御姿勢で攻撃を防ぎ続ける。
だが────
「ッ!下がれッ!!」
だが、即席の連携の為何人かが同時に攻撃に出て囲んでしまい範囲技を放たれる。レイルもたまらず間合いから弾かれるが、レイルと数人は指示が間に合いスタンを回避する。
だが、上空に飛んだボスは勢いをつけ攻撃しようとしてくる
これを防ぐには助走がないとさすがに《ソニックリープ》も届かない。なら...........
「キリト!!」
「了解!」
キリトが回復を済ませてるのは視界上のパーティーメンバーのHPゲージで分かっている。そして、ベータの時にやったアレも名前を呼ぶだけで察してくた様でこちらに走り寄ってくる
レイルは剣を地面に突き刺し、両手を組んで腰を落とす。キリトはそのレイルの両手に勢いをそのままに足を掛けて...........
「ぶっ飛べぇぇぇぇぇ!!!!」
レイルが腹から気合を入れて声を上げながら、全力でキリトを上空へと投げる
何度かやったお遊びの一つである投げ飛ばし。これでキリトとダイブアタックとか言って落下エネルギーを利用したり、上空の敵に向けたりしてふざけて遊んでいたのがまさかここで生きるとは........
キリトは《ソニックリープ》で空中にて迎撃成功させると綺麗に着地し........
「レイル最後の攻撃頼む!!」
「了解!!」
俺はキリトの着地と同時に駆けだすと俺は剣を口に咥え、両手で残りの短剣全てを投擲。野太刀をもったボスの腕にそれらは叩き込まれ発動しようとしていたスキルが停止し、ただの振り下ろしになる。それを確実にキリトが防ぐ。
「ウオォォォッ!!」
俺は投げ切ってすぐに利き手に剣を装備し、駆け抜けたその勢いのままに単発突き技《レイジスパイク》で姿勢を崩す
そしてすぐさまキリトもソードスキルを使い垂直に切り払う。
「はああぁぁぁ!!」
さらに追撃に俺もソードスキルで水平に切り払い、そして───
「「オオォォォォ!!!」」
キリトの垂直二連撃技《バーチカル・アーク》、俺の水平二連撃技《ホリゾンタル・アーク》が寸分のずれもなく同時にボスの巨体を交差し、炸裂する
そして、遂に────
パリィィィィィン!!!!
普通のモンスターとは違い、大音響のガラスの破砕音と共にボスは散る
「「「や............やったあああぁぁぁ!!!」」」
主が居なくなったボス部屋に、初の攻略達成に喚起するプレイヤーの方向が鳴り響く
この日遂に、SAO最初のボスが討ち取られるのであった
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疲労から俺達は崩れる様にその場に座り込む
「お疲れさんキリト」
「そっちこそレイル」
労いの言葉をかけ合い拳をぶつける二人。レイルに関しては本気で死ぬかと思っていたのでこの瞬間を迎えられ心底安堵していた。
「見事な剣技とガッツだぜ!コングラチュレーション!この勝利はアンタら二人のもんだぜ」
するとエギルがニカッといい笑顔で俺たち二人に手を差し伸べる。
「エギルもありがとう。途中支えてくれて助かった」
「そっちこそナイスガッツだったぜ」
俺とキリトはその手を握って立ち上がる。因みにラストアタックは同時判定だったのか、キリトにも俺にもボーナスがあった。
無事、攻略完了。死者1人出さず完璧な滑り出しを.........
とはならず...........
「何でや!!!!!」
すると後方からキバオウの大声が響き、その場の空気がぴしゃりと静まる。
「何で..........何でお前らはボスの攻撃知ってて隠しとったんや!!!!」
「え?」
キバオウの叫びに俺とキリトは呆然とした
「あの攻撃教えておけばディアベルはんが危険な目にあうことなかったやろうが!」
正直、都合がよすぎると言える発言だ
だが、その叫びはすぐさま波及していき、攻略メンバー全員が俺とキリトを見る目が悪いものへとなっていく。
「おい!ちょっと待てよ!!あの兄ちゃんは命がけでディアベルを助けてただろ!?そんな言い方........」
エギルが説得しようと前に出たが、冷静さを欠いたキバオウは.......
「そんなもん演技に決まっとるやろ!!どうせ、レドロップ狙っても不自然に思われへんようにな!!!」
何の根拠もない主張。言いがかりもいいところだ。だが、一部のプレイヤーたちもそれに便乗していく姿を、気の強いアスナは反論しかける。冷静なミトでさえ言い返そうとし始めている。
(拙い.......ここでアスナとミトが言い返すのは悪手だ!こうなったら........)
俺が悪く言われる分にはいい。だが、ミトやアスナに被害が及ぶのは容認できない。キリトも似たように考えたのか視線が交わる。俺達はヘイトを集めて有耶無耶にしようと声を上げようとした次の瞬間────
「やめるんだ!!キバオウさん!!!!!!!」
誰よりも大きな声で仲裁したのはディアベル本人だった。
「やめてくれ.........本当に悪いのは俺なんだ..........」
そして静まると今度はどこか懇願するような声でキバオウを諫める
「な、なに言うってんねん.......アイツ等は薄汚い........」
「違うんだキバオウさん。彼等は薄汚いテスターなんかじゃない。彼等は真っ当にゲームをしていた.........そして純粋に強かった。キバオウさんに話した事は全部嘘だったんだ........」
それからディアベルはすべてを話した。キリトの剣の事やその目的を...........
ディアベルは俺やキリトを姑息な手を使い、ベータ時代レアアイテムを取りまくったマナーが最悪なプレイヤーと嘘を吹き込み、剣の取引をするよう頼んだ。そんな事をこの場の全員に打ち明けた。彼のとった行動は倫理的に考えればいいものではない。たとえその思想がよくても手段のせいで褒められない
「─────と、言うわけなんだ。だからレイルさんやキリトさんを責めないで欲しい。特にこんな俺を命がけで助けてくれたレイルさんを悪く言うのは........皆も本当に迷惑をかけてすまなかった」
「そんな..........なんで...........なんでや.........っ.......」
キバオウは本当に心の底からディアベルを尊敬していたからこそ、呻く様に蹲る。だが、彼の功績はこのボス戦を問うして偉大で大々的に責めるものは誰一人出ない
なんて事はなく..........
「「ふざけないでっ!!!」」
ミトとアスナの声が重なる。
「レイルは本当にっ.........本当に死にかけたのよ!?何よソレ!?みんなの為に?その皆にレイルが入ってないじゃない!!それに............っ....そんなの許せないわよ!!レイルはずっとボスの変更がないかって気を揉んで.........ボスの情報がないかってクエストを睡眠時間削ってまで必死にやって...........犠牲が出ないよう情報収集しまくってたのよ!!」
「そうよ!!レイル君は死にかけてるし、キリト君だって貴方達がやってたことは彼を殺しかねないことだったのよ!!そんな.......そんな.....っ.........反省ぶったて人が死にかけてるのに、そんなの許せるわけないじゃない!!」
「「二人とも......」」
瞳に涙をためて声を上げる二人に俺とキリトはどこか心が温かくなるのを感じた。こうして本気で心配して怒ってくれる人がいるなんて..........そう思うと胸にこみあげてくるものがある
「..........すまなかった。俺はとんでもないことをしでかした。でも、もしも────」
2人の本気の怒りに事の重大さを改めて痛感したディアベル。
ディアベルのこの様子は恐らく死んで詫びようとか言い始めそうだ。でも........
「二人ともありがとう。だから落ち着いて」
「あぁ、これ以上は責めないでくれ」
俺とキリトは二人を宥める。そして今度はディアベルに向き直る
「まぁ........アレだ。自分から突っ込んだわけだし、死んだわけじゃないからあんま気にしなくていいからな?だから変なことは考えないでくれよ?」
「あぁ、別に俺も怒っちゃいないしな。だからまぁアレだ..........もし引け目感じてるならこれからも頼むよ
俺たち二人じゃ天地をひっくり返してもディアベルの様に他者を明るく引っ張るような役回りは出来やしない。だからこそここで潰れられるのは非常に困る..........てか、この人いないと攻略メンバーのまとめ役出来るのいないでしょ?
「..........君たちは本当に..............本当にすまなかった。でも、すまない。俺がここにいることは出来ない.........こんな俺では皆も背中を預けられないだろうしね」
そう言って振り返ると確かにあまり皆いい目をしてるとはいえない。二人のプレイヤーを.......片や一人は実際に殺しかけたと言いても過言ではない為不信感が強い。
確かにこうなっては厳しいものがある..........なら────
「じゃあ、俺達の仲間に協力してくれないか?」
「協力?」
「あぁ。実は他にも仲間がいて、彼等には鼠が作るガイドブックの手伝いと始まりの街にいるプレイヤーの一部の戦闘指南とかこのゲームでの立ち振る舞いとかを教えてもらってるんだ。だからディアベルに協力してもらえると評判もよくなりそうだし、より充実できると思うんだけどどうだ?」
正直戦闘指南の方はもう少し人手を拡充したい。今回で分かったがやはり攻略メンバーは5人ほど欲しい為、誰か攻略に出れるようにしてその穴埋めを出来る奴が欲しかった。なら、ここは利用するほかない。
「俺なんかでよければ...........」
俺とディアベルは手を取った。まだ、周りの目は厳しいが別にこれを言いふらそうなんてしないだろう。普通に考えてそんなもの非常識だ。
それから俺達は一部のプレイヤーから謝罪を受けた後、二層の主街区までは少しフィールドを歩くのでベータテスターである俺とキリトの二人で行くつもりだったが.........
「なぁ、二人とも帰っててよかったんだぞ?」
「「..........」」
俺の言葉にまるで拗ねたように無視.........キリトの場合も同じように無視。俺とキリトは顔を見合わせどうしたものかと考えていた。
「そのぅ........そろそろ機嫌の悪い理由をお聞かせ願えませんかね?」
キリトがおずおずと下手に出ると二人はギロリと鋭い睨みを利かせる。ぶっちゃけちびりそうなくらい怖かったので俺とキリトは音速で前に向き直る
すると.......
「どうして.......あんな簡単に許したの?」
するとミトがポツリと零した
「「え?」」
「二人とも.........特にレイルなんて実際死にかけてるのに.......何でそんな簡単に許せたわけ?」
「「え?そんな事?」」
俺とキリトからすればそんな事なのだが.......
「「....」」ギロッ
(えぇ.............凄い怒ってらっしゃいますよレイルさんや?)
(どうするべきかなキリトさんや?)
コソコソとまだ引きずってる彼女達に何と言ったものかと話す。
だってそもそもの話..........
「いや、さ?だって俺達死んでないわけだし........」
「死にかけたって言っても自分から死にに行ったみたいだし.......ねぇ?」
そう、死んでないし怒る理由がないのだ。まぁ、死んでたら怒るに怒れないわけだけど
「.......お人好しが過ぎるでしょ君たち二人とも」
「........まぁ、レイルに関しては自業自得だってのはそうだけど」
まだちょっと機嫌悪そうだが、諦めがついたのかそれ以上は何も言わないようだ。
「そ、それにしてもやっぱりレイルは器用だよな~」
「そ、それを言ったらキリトも流石の剣技だったぜ!」
ただ、やはり雰囲気がよくないので俺たち揃って場を和ませようとするが.........
「「煩い。黙れ」」
「「はぃ..........」」
ボスからドロップしたユニークアイテムの黒いコートを着込む少年と濃紺のコートを着込む少年は肩身が狭そうに縮こまる。
この時の二人のコートの色こそ後に2人の二つ名である
〝黒の剣士〟と〝夜の剣士〟の象徴となるのだが........まだまだ先の話である
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「...........アンタも行くだろ?」
ベータテスト終了まで残り僅か
先に行こうとした〝彼〟は何を思ったか手を差し出しにこちらへ戻ってきた
「?」
何も反応しないことに怪訝そうな表情を浮かべる。そこでどうにか言葉を紡ぐ
───どうして戻ってきた?
「どうしてって言われてもなぁ.......」
特に理由はないのか困ったように苦笑している
───先に行きたいのではないのか?
「そりゃ行きたいさ。アイツと組んで先に行くのくそ楽しんだぞ?」
───なら、何故?
「一方的だけど、さ..........俺アンタの戦い方見てたんだよ。そんで好きなんだよ。その思いっきりが言いてい言うのかな...........全力を懸けて楽しんでるって感じがして、さ..........だから、かな?」
向こうは私の事を知っていた。きっとどこかのボス戦で一緒になったことがあるのだろう。
───..............
「何かにとことん真剣に取り組める奴ってかっこいいし尊敬する。だから、さ?そんなところで座ってないで一緒に行くぞ!そんで本番では───」
手を取った彼の手はその当時は小さく感じた。けれど大きくも感じた。優しい温もりを感じた。心地よかった。
仮想世界にそんな情報量はない筈なのに不思議と........
「......ト...........ミト!!」
「ふぇ!?な、なに大声出して!?」
ぼーっといつかの出来事を思い返していると突如大きな声で名前を呼ばれらしくもない声が出てしまった.....
今は丁度二層の主街区に向かう途中のフィールドだ。確かにここに出る程度の敵はレイルは勿論、ミトにとってもどうと言うことはない。だからか、あの日の思い出に浸ってしまっていた
「あ~.........その、な?怒らない.......か?」
まるで照れているのかの様に、耳まで赤くなっているレイルが歯切れの悪い口ぶりで尋ねる
「は?」
意味の分からない問に先程の事もあって恥ずかしさから強めに聞き返す。
「..............手............」
先程よりも赤くなっているレイルがそれだけ呟く。何が何だかわからない。
「手?手がどうしたっ.............て.............」
視線を下げ手を見下ろすと───
「え.............?」
何故か私はレイルの手を握りしめていた。
目の前にはハラスメント警告が出てないから彼からではなく自分から............
「っっっ~~~~~!?!?」
ミトも瞬時に顔に熱が集まるのがわかる。きっとレイルと同じく赤くなっているのだろう。
だが、それ以上に彼の方が赤く、そっぽを向いているのにそれがよくわかるほどだった。普段、どこかふてぶてしくすらある彼の初心な感じのギャップがどこか可愛らしくて..............
「す、直ぐ離すわっ!」
余計なことを考え更に恥ずかしくなると同時に、直ぐにまだつないだままだと気づき手を離す
今思えばアスナとキリトはどこに行ったのだろう?
ミトのその疑問の答えはいたって簡単でミトが手を急に取って立ち止まってしまったため、レイルは何かあるのかと思い二人を先に行かせてたからである。
「あ~.............なに?なんか不安があるなら聞くけど?」
「えっ?あ~............うん、特に何があるとかじゃないんだけどね............気にしないで。忘れてくれればいいから」
「そうか?.......まぁ、
(凄い照れてる癖に恰好......つけ..........アレ?)
ミトはからかってやろうと思ったもののレイルの妙な言い回しに疑問を持つ
「え?
「ん?もしかしてミトは気が付いてなかったのか?ほら、ベータテスト最終日ギリギリで次の階層に行こうと俺が手を引いたじゃん..........まぁ、あの時はプレイヤーネームも言わなければアバターいじってたからわからなかったかもだけどさ」
「えぇ!?レイル気が付いてたの!?」
「え?そりゃ流石に珍しい鎌使いで、その上何度か動きを見たら気が付くのも当然だろ?」
確信を持ったのはホルンカの時だ。元々鎌使いなんて珍しいとは思っていたが、共闘してまじかで動きの癖なんかとかを見ればわかるものだ。
「いや........それは、そう.........だけど..........で、でも何で言わなかったの?」
そう、そこである。ミトはこれでかなり気にしていたことだけに、そんな素振りがなかったように思えるレイルに疑問を持つのは当然だった。
「ん~そっちが何にも言わなかったし別にいいかなぁ~って..........それにあの厳つめなアバターとミトの容姿が結びつかなくて話題に上げずらかったし...........なんか拙かったか?」
確かにあの時のキャラメイクは性別は勿論、かなり私とは違う。私は気に入ってたけど、アスナも最初はなんか怯えてたし.............変、だっただろうか?
「いや、拙いことはないけど.........えぇ~私ずっと気が付かれてないのかって結構気にしてたのに」
「そうなのか?てか気にする事か?」
「レイルは気にしないわけ?」
「だってミトはミトだろ?あの時と今なんて別に容姿くらいしか変化ないし」
ミトはミトだ。そりゃ、正直に言えば「あの時の人だ!」と直感で理解した時「嘘やろ?」とか思わなかったかと言えば嘘になる。あの厳ついアバターが実はこんな美少女ならなおさらだ。かなり正直に言えば今のミトは................いや、これ以上はよそう。何考えてるかバレたら怖い
でも、まぁ兎に角結局のところ根本がミトならそこはあまり気にしてない。ともに戦う仲間として今もあの時も〝いいな〟と思ったのだからそれでいい。
(とは言え恥ずかしいし、言わないけど)
そうぼんやり考えているとミトが口を開く
「容姿くらいって...........アスナほどじゃないけど私もそこそこ見た目いいと思うんだけど?」
少しムカッとした。容姿くらいと言う言葉はいただけない。一度いきなり美少女とレイルの口からきいたが............それでも、今の姿とあの時と比べて容姿くらいと言われるのは乙女的に許容できない。
「いや、うん。ミトは美人なのは当たり前だろ?てか、アスナとそう変わらないだろ?」
「えっ!?.......あ........えっと.......そ、その...........」
異性にそんなこと言われなれていないせいでどうしてもうまく反応が............
「何だ?照れてるのかミト?」
ニヤニヤと笑うレイル。
それを見てミトの中で確かに何かが「ブチ」っと切れる音が聞こえた
こっちは結構気にしていたのだ。それこそらしくもなくアスナ以外の相手にかなり気を使っていたというのにこの男は..............
「.........主街区についたらアルゴ呼んでレイルが私をナンパしてきたって情報を大々的に流してもらうよう頼もうかしら」
「んなッ!?待って!ちょっ、いや待ってください!?俺を社会的に殺す気か!?」
ミトの反撃は想像を超えてきた。しかもアルゴなら笑ってやりかねん.........そんな事でもされたら本気で死ぬ!主にアスナに殺されて.......
面白いくらいの慌てように満足しながら、そんなレイルを見てミトは心の底からとびきりの笑顔を湛え───
「そんなの知らないわ.......ふふっ.......ばか♪」
「っ..........」
何故かとてもうれしそうに笑うミト。レイルは不覚にも少し見惚れてしまう。とても........とても綺麗な笑顔で自分が慌てていたことが嘘のように消えて...........
「っ.............ちょ!悪かった!揶揄って悪かったからそれは勘弁してくれって!!」
少しの間呆気にとられたが、これ以上は色々と拙いと..........或いは誤魔化す様に先の事を辞めてもらえるように頼み込む。
「つーん、だ♪」
普段とは違った風にまたミトは笑うと先に歩いていく。そんな彼女にどうにか辞めてもらえるように頼みながら隣を歩く。
そうやって戯れながら、歩いていく二人の表情はまるで
純粋にただ、日々を楽しむ少年少女の笑顔だった
星なき夜のアリアに相当する第一層攻略終了です。次はプログレッシブ路線で行くかは未定です。まぁ、キズメルの話とか好きなのである程度プログレッシブは書くかもしれないです。
さて、当初はアスナメインヒロインで行く予定でしたが...........
うん、ミトがメインヒロインだ。コメントでもありましたがやっぱり、ただのクラスメイトとかにはクールな感じだけど気を許した相手には笑顔で接する所とか滅茶苦茶可愛くないですか!?色々とはかどるんですよやっぱり!
と言うことで、オリ主メインヒロインはミトで行きます。キリトに関してはアスナですね。やっぱ、キリアスは崩せないですね。多分アスナをヒロインにしようとしてたのにどこか違和感があったのはこれですね。キリアスがしっくりきすぎなんですよね~
では今回もここまで読んでくださりありがとうございます。今回は長くなりましたが楽しんでもらえたら幸いです。また、コメント、お気に入り登録、評価をしてくださりありがとうございます!