第一層ボスが撃破されて10日経つ今日。俺達は第二層のボス部屋前に集結していた。
二階層では強化詐欺なんかのトラブルはあったものの、二層が解放されて僅か10日でここまでたどり着くことができた。要因としては、βの時に比べ攻略に参加するプレイヤーの平均レベルが大きく上昇しているなどさまざまなことがあげらる。
だが、それは今一先ず置いておくとして...........
「エギルよかったのか?俺達をパーティに加えるために2人にボス戦辞退してもらって............」
ボス戦はパーティーを束ねたレイドで挑むのが基本だ。レイド上限は8パーティーでパーティーの最大人数が6人なのでボスのレイドに参加できる人数の総数は48人だ。今回は前回のボス戦でディアベルの失墜と同時に二つの勢力ができ、それぞれが3パーティーを作り、そこに《レジェンド・ブレイズ》と言う新勢力でこの時点で7パーティーだ。俺達はいつも通り四人出来たはいいもののエギルのパーティーの事も考えると9パーティーとなってしまう。そこでエギルは自身のパーティーから二人に抜けてもらって俺達四人を取り込んでくれたのだが.........
「気にするな。俺達はアンタらの4人実力をよく知っているからな。ボス戦にアンタらの力は必要不可欠だ。どうしても気になるってんならあの二人の分も頑張ってくれ」
「恩に着るよ。そういうことならしっかり抜けてもらった人の分も働かせてもらう」
レイルがエギルに感謝を述べると、抜けてもらった二人のプレイヤーの所にも挨拶に行く。その二人も気さくに頼んだぞと言ってくれるのだからエギルのパーティーメンバーはいい人ばかりだ。これは下手なことができないと気を引き締める。
「なぁ、キリト。あの《レジェンド・ブレイズ》とやらが件の?」
「あぁ、そうだ」
よく強化された装備を着込む彼らに視線を向け俺とキリトは小声で話す。彼等がなんだと言うと強化詐欺をしていた鍛冶師の仲間だそうだ。恐らくはその儲けで装備を整えているのではないかと聞く。
「今更になるが大丈夫なのか?攻略に参加させて?」
今更感があるがそれでも問わずにはいられなかった
「正直思う所がない訳じゃないさ..........でも.........」
「すまん.......下手には手を出せない、か」
「あぁ............」
事の顛末はキリトから聞かされている。そして、黒幕がいることも聞いた。そのせいで下手に突っついていいものかと言った感じだ
色々と気になることはありつつも、ボス戦の段取りは二分した勢力の内、リンドと言うプレイヤーがレイドリーダーを務めることになり、彼が主体の最終確認が行われた。俺達のパーティーは一体湧くボスの取り巻きの対処。本来は《レジェンド・ブレイズ》と2パーティーで対応するはずだったのだが、彼らがボスと戦わせろと声を上げたせいで可能な限り俺達1パーティーで対処することになった。
確認はアルゴの配布するガイドブックに沿い進められ、それで会議が終わるかと思っていたのだが──
「ちょお待ってんか!」
大人しくしていた二分された派閥のもう一つを率いるプレイヤー........キバオウがここにきて声を上げる
「さっきからリンドはんは例の《攻略本》に頼り切りやないか。少なくともこの場には2人自分の眼ェで見たやつがおるやないか。そいつらから話聞かんでどうするねん」
おい..........
「そうやろ!黒の坊主と紺色の坊主!なんぞ一言しゃべってくれへんか!」
いや、確かにそうだが何のつもりだと勘ぐってしまう。彼はβ否定派だと思っていたのだが........
「まず最初に俺達が前提としてβの時のボスしか知らない。最悪何もかもが変わっている可能性も否定はできない」
キリトが俺達が話すうえでの大前提を話す。キリトの言う通り何が変わるかわからない以上すべてが変わっている可能性だってあり得る。
「でも、迷宮区の敵のモーションに変化はなかった。だからボスもその延長線上のソードスキルを使うと思う。さっきも話に上がったように、《モーションを見たら回避》だけど肝心なのは一度くらった時の対処だ。デバフを二重掛けされるのは絶対に避けてくれ」
βテスターであるキリトが絶対に避けろと言う意味を分からないほど愚鈍な者はいない。βの時は二度目を喰らったプレイヤーのほとんどは............
「俺もキリトが言ったことが特に重要だと思う。二度目だけは絶対に喰らわないように冷静に対処してほしい。そしてキリトが言ったようにボスの変更だが..........当然考えればいくらでも可能性はある。でも、考えすぎてもかえっていいとは言えない。だから、兎に角常に慎重に戦闘を進めることを徹底すれば変更があってもこの布陣なら損害ゼロで攻略できる相手だと思う」
俺とキリトがそれぞれの言いたいことを言い切ると、レイドリーダーであるリンドは、キリトが言った「二発目の回避」と俺が言った「慎重さ」を徹底するようレイドメンバーに伝えると───
「第二層ボス........倒すぞ!!」
そうしてボス部屋の扉は開かれ、デスゲームと化したSAOで二度目のボス戦が始まるのであった
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「フッ、シッ!ハァッ!!」
レイルは担当の取り巻きである《ナト・ザ・カーネルトーラス》..........通称ナト大佐相手に一気に肉薄しソードスキルなしの5連撃を瞬く間に叩き込む。
すると、拳を振り下ろしてくるのをレイルはひらりと舞うように躱して.............
「はあああぁぁぁ!!」
地面に拳が突き刺さった瞬間ミトの大鎌が閃き、大きくダメージを与える。
今回レイルたちH隊は新たな主武装を手に入れたレイルとミトが主な火力となって敵を削っていく。元々高い火力だったミトはともかく、手数に高まった攻撃力を持つレイルは特に強い存在感を放っている。
だが、油断はできない
「っ、来るぞ!!」
レイルがハンマーを振り上げることを確認すると、直ぐにパーティー全員が大きく距離を取る。すると振り下ろされたハンマーは稲妻を纏っており、地面に突き刺さるとそれは拡散する。
デバフ付きの厄介な技ではあるが、全員しっかり対処できたのを確認すると
「全力攻撃一本!!」
キリトの指示にそれぞれの武器に設定された最大威力のソードスキルを叩き込む。
「ここまではまだ順調だが...........」
「あぁ、三本目は《ナミング》の連発が.........それに未知のパターンがある可能性もあるしな」
エギルの仲間は壁役が多いのだが、今回は二人が抜けたことでレイルが敵のヘイトを集め攻撃と回避を繰り返し、偶の攻撃をエギルともう一人の彼の仲間が防ぐと言った形で戦闘を進めている。レイルはこの中ではアスナに次ぐAGIの持ち主であり、武器の特殊効果により今ではアスナと同等かやや上回っている。しかも今は火力もそこそこあるので敵も無視できず、攪乱にもってこいな存在だ。そして、大佐の攻撃はハンマーや拳みたいな攻撃は往々にして大振りみたいなものが多く、回避は正直コボルドよりも簡単だ。
ナト大佐との戦闘中、脇目で本隊であるリンド、キバオウ隊の面々の様子を確認すると
「回避!回避ィィ!!!!」
若干裏返った声が上がる。
視線の先の筋骨隆々の巨躯を持つボスの名前は《バラン・ザ・ジェネラルトーラス》.........通称バラン将軍。バラン将軍はナト大佐の二倍の体躯を誇る。コボルド王で二メートル数十センチといったそこそこな巨体だが、バラン将軍は五メートルを上回るのだから本能的恐怖を覚えざる負えない。
当然ながらバラン将軍がもつ黄金のハンマーもその体躯に見合うもので頭の部分は大樽のようだ。そしていま、回避指示が出た通り、将軍が両手で振り上げたハンマーには稲妻が纏われている。つまり...........
「ヴゥオオオオオオルヴァァァルァアアアア!!!!」
ナト大佐の二倍増しの咆哮と共に、ボスは轟然とハンマーを振り抜き叩き付ける。衝撃波が離れたレイルたちにまで届き、それを追いかける様にスパークの渦が巻き起こる。効果範囲は部下のスキルよりも倍広い。これがバラン将軍のユニーク技、《ナミング・デトネーション》。
プレモーションこそわかりやすいがそれでも二人が安全圏への離脱に失敗し、黄色いスパークがその者の脚を絡め捕る様に、そして最終的には縄で縛りつける様に全身を駆け巡りプレイヤーを硬直させる。
数多あるデバフでも最もポピュラーであり、それゆえに喰らう回数も多く、しかしながら決して軽視ができない効果を持つ《
1秒......2秒..........3秒がカウントされる寸前。そのうちの一人が片手用ショートスピアが滑り落ちる。スタン中に確率で発生する付随効果《ファンブル》。その一人はしゃがんで武器を拾おうとするが.......
「ば..........!」
レイルは叫びそうになるのをこらえる。武器を落とした際には焦らず周囲の状況確認をしてからでないといけない。何故なら追撃が来るかもしれないからである。そしてそれは現在の状況の事で、レイルは反射的に叫びそうになるが、叫んでもH隊の面々が混乱しかねないと我慢する。そして、視線を一度そのプレイヤーの方から切ったレイルは回避しながらスキルなしの連続攻撃を加えている間に将軍は再び、ハンマーを振り下ろす。
ズガアァァン!!と2度目の《デトネーション》が武器を拾いあげた瞬間に襲い、今度は経ったまま硬直していた一回目とは違いその場に倒れ込む。これこそキリトとレイルが恐れる《ナミング》の真の恐ろしさ。2回立て続けに食らってしまうとより深刻なデバフである《
スタンとは異なり麻痺は数秒で直りはしない。最も弱い麻痺でも自然治癒は10分はかかる。勿論、戦闘中に寝そべってるわけにはいかない為回復アイテムなどを使うわけだが、麻痺中は利き手を少しずつしか動かせないので回復アイテムを使うのも一苦労だ。
しかも部屋の壁際には7~8人の《二重ナミング》を喰らった面々がいる。
「本隊の方はジリ貧クサいな..........」
「あぁ、でも、もうすこし戦えば時期慣れるはずだ。今の所はβの時と変更がないし、なんとか」
余裕をもって回避と攻撃を繰り返すレイルの言葉にキリトはこれならばと返す。レイル自身も確かにそうだと考えていたが............
「でも、キリト君。これ以上麻痺した人が増えると安全に一時撤退が撤退ができなくなるんじゃないかしら」
「「..........!」」
確かにアスナの指摘通りだ。俺達はどこかわかっているからこその油断みたいなものがあった。だからその指摘に体を強張らせる。
撤退はある意味では通常の戦闘以上に連携を求められる。何人ものプレイヤーが麻痺になり、そんな彼らを抱えて移動することになったとして、果たして安全に撤退が可能だろうか?
「..........正直惜しくはあるが引き時かもしれないな」
「レイルの言う通り惜しくはあるが...........命あっての物種、か」
ナト大佐の3連撃技を軽やかに躱しながらレイルとキリトはこれ以上の戦闘は望ましくないのではと考え始める。
「キリト。こっちは5人でも今のところ回る。大声で此処から提案しても混乱を招きかねないからリンドに提案してきてくれ」
「大丈夫なんだな?」
レイルの提案にキリトは問題ないのか問う。だが.........
「誰に聞いてるんだ?」
レイルは不敵な笑みで問い返す。
「そうだな...........俺は行ってくるから任せたぞ」
キリトもそれに笑みを返す。恐らくこの場の誰よりもレイルの強さを知っているのはキリトだ。とは言え、最近はその相棒が鎌使いの彼女にとられ気味な気がしなくもないが............今それは置いておくとして、キリトは直ぐにリンドの下に向かう。
「さて..........キリトがいない間もこれまでと変わらず慎重に行くぞ!」
レイルが攻撃をしてタゲを取りつつ大佐を攪乱し、アスナとミトが隙をつき攻撃、そしてエギルと彼の仲間であるもう一人がレイルの補助として攻撃を防ぐ。
即席のパーティーでありながら非常にうまく機能している。正直この分なら大佐はH隊のこの面子で十二分に抑え込める。だが、思い出すのは第一層の変更されたことによる不測の事態。
「でも、不思議ね」
考察をしながら攻撃を回避すると不意に隣に同じく回避して敵の行動を警戒するミトから声をかけられる。まるで俺が思い悩んでいるのを見透かしたようなタイミングで声をかけてきたことに少し戸惑うが努めて冷静に問う。
「何がだ?ミト」
「だって、一層のボスは
「...................」
言われてみればおかしな話だ。一層のボスが
(.........まさか、な?ボスが2体いるなんてあり得るわけ............)
レイルが考えた最悪の展開。それは、現在出現しているボスを追い詰めたらこの階層本来のボスとでもいうのか、新たなボスモンスターがポップすることだ。とは言え、いくら何でもそれはと考え一先ず眼前の敵に集中する。
すると、キリトが戻ってきてキリトから後もう1人麻痺するものが現れたら撤退すると伝えられる。確かに現状ではボスは5段あるHPバーのうち現状は3段目の半分。つまりはもうボスの体力は半分まで来ているのだ。ここでおめおめと撤退するのは惜しいというのは分かる。
「なら大佐をさっさと片すぞ!」
「そうだな!」
確認を済ませると直ぐに突進で襲い掛かる大佐。突進は基本回避がセオリーだ。だが、レイルなら別だ...........レイルは攻撃を読み切り自ら突進に向かって踏み込み最小限の回避からすれ違いざまにソードスキルによる痛烈なカウンターを叩き込む。
「フッ!今だッ!!」
カウンターは決まれば高確率で隙を作れる。敵の行動を瞬時に先読みし、稲妻の如く鋭い動きを可能とするレイルの高い動体視力に敏捷性があって可能な芸当。
「ハァッ!!」
「フンッ!!」
それに合わせる様に、キリトにミトが左右からそれぞれ攻撃を加え、怯んだところにアスナとエギルが畳みかける。
そして、敵もその猛攻にたまらず頭の周囲を黄色い光をひらめかせながらふらつき始める。敵のお株を奪うスタン状態だ。
「チャンス!全員、全力攻撃二本!!」
「おっしゃあ!!!」
キリトの指示が響くが全員がそれを聞くまでもなく、その瞬間を逃さまいと先よりも更に攻勢に出る。大佐のHPは気持ちい程に削れていき、遂に残り半分のイエローゾーンにまで追い詰める。
それと同じくして、レイルたちH隊の反対側で、プレイヤーたちが一斉に叫び声をあげた。
何かあったのかとびくりとするが、視線を向ければ向こうも最後のHPバーが黄色くなっており、壁際にいた麻痺になった者も5人にまで減っていた。
「本隊の方も順調みたいだな..........今回はβの時と変更はなさそうだ」
「かもしれないがまだ終わってないぞキリト」
キリトが言う様に武装の変更や分かりやすい部分に今回は何ら変化が起きていない。だからこそ変更がないという判断も頷ける。だが、まだミトが気が付いたことに懸念がない訳ではない。ただ、流石に一つの階層に二体もボスが現れるというのは..........終盤辺りならともかくまだ二層という序盤で流石に............
ごごぉん!
突如御轟音が鳴り俺達は弾かれた方向、コロシアムの中央にむく。しかし、そこにな何もなくただ牛のレリーフが刻まれた青黒い石材が同心円状に敷き詰められているだけ.............
───いや、違う。動いているのだ。三重の円を描く敷石がが少しずつスピードを変えながら反時計回りにスライドしている。見る間に石たちは床面からせり上がりステージを作り上げる。
すると空間が揺らぐ。それは巨大オブジェクトが湧く前兆で........
(おい..........まじかよッ!?)
レイルが考えていた想定外であってほしいと願った事象が今、現実のものになろうとしている。
空間の揺らぎはやがて影に..........そして影はたちまち実体を持ち、丸太のような二本の脚が重い衝撃と共にフロアを踏みしめる。腰回りを黒光りするチェーンメイルで覆っているがやはり上半身は裸。頭部は牛だが角が何と六本もあり、その真ん中には白金の装身具...........即ち王冠が輝いている
そう、
六段あるHPバー上部にある彼の者の名は───
《アステリオス・ザ・トーラスキング》
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レイルは後悔した。
二体目の出現はありえないと勝手に決めつけていた。可能性は確かにあった。希望的観測でそれを為いものと考えていた自分に嫌悪する。だが、今は可及的速やかに───
「俺が大佐の攻撃をすべて潰す。全員攻撃に専念しろ!」
今は兎に角大佐を倒さなくてはいけない。本隊は将軍との戦闘で反対側の部屋の最奥で戦っている。そのため撤退しようにも部屋の中央に現れたアステリオス王の攻撃圏を突破しなくてはならない。H隊が撤退する分には問題ない。だが、H隊が撤退で来たところで本隊は全滅だ。それはデースゲームをクリアするという大願の終わりを意味する。
つまり速攻で大佐を倒し、本隊の.........攻略メンバー全員の撤退の援護に回らなくてはいけない
(大佐の攻撃パターンに変化はない........なら行動は全部読みきれる)
レイルは一気に
トーラス族には共通の弱点がある。わずかな例外を除き、角の間である額がそれだ。そこを叩けば確実にディレイする訳ではないからレイルもここまで積極的に狙ってきたわけではないが状況が状況だ。多少強引でもゴリ押すべきだ。
「フンッ!」
跳躍からの勢いのまま《バーチカル》を額に叩き込む。そして、大佐の行動は阻害され俺の着地と同時にキリト達の猛攻で一気にHPを削り取りついに大佐のHPは赤くなる。だが、直ぐに大佐は怒り狂う様に咆哮すると《ナミング》の予備動作を見せる。
「シィッ!!」
レイルは再び跳躍と同時に《ホリゾンタル》を発動させる。狙いは額ではなく、大佐のハンマーだ。出始めのソードスキルはタイミングは非常にシビアだがソードスキルで相殺できる。レイルはそれもここまでの迷宮区ですでに練習済みだ。
がきゅいいいん!!
脳天まで痺れるような音と衝撃と共に剣とハンマーが衝突、こちらも弾かれたが狙い通りハンマーも大きく上にはね上げることに成功する。
だが、足りない。このまま他の面々が攻撃を加えても僅かにHPが残る。だから───
「ッ!!」
ソードスキルにソードスキルをつなげることは通常は不可能だ。だが、武器のカテゴリが違うなら話は別だ。これまで何度か投剣スキルで実証済みだ。レイルはホリゾンタルの時点ですでに左手に短剣を持ち、プレモーションを起こせる腕の位置に調整済みだった。空中でスキルを起こし、三本をすべて額に叩き込む。
三本は悉く、大佐の弱点である額に突き刺さるとHPが僅か一ドットになる所で───
「キリト!!」
「オオォォッ!」
キリトが横から俺を置き去りにするように駆け抜け、アニール・ブレードを振り抜くと大佐は爆散する。
レイルは着地と同時に新たに表れたアステリオス王の動向を確認する。本隊の方は最奥で将軍と交戦中でアステリオス王の方もそちらへと移動を開始し始めるところだった。幸いなのは麻痺をした五名がタゲられていないことだ。
「行くわよレイル!」
直ぐに隣に並び立ったのはキリトでもアスナでもなくミトだった。ミトはゲーマーとしても人としても根っこからして非常に賢い。だからこそ生存の可能性がどれ程の物なのかをよく理解しているし、それ故に恐怖を感じやすい..........レイルは第一層のホルンカでMPKされかけた時に感じた。
そして、今も同じだ。強気な声掛けに反し、僅かにだが鎌を持つ手が震えている。だから───
(...........違う。何で俺はミトに来てほしくないと思った?)
違う。彼女が恐怖しているからじゃない............俺が、何故か生還できるかもわからない場所に来てほしくないと思ってしまっている。理由の分からないこの感情に酷く違和感を覚える。
「ミトは..........」
逃げろ。その一言を俺は言いかけた。だが、彼女の紅い瞳が強い光を放った。まるで、俺の言わんことを読んだように...........いや、実際に読まれてしまったのだろう。その目には怒りでも哀しみでもなく、ちょっとの呆れた感じとそれ以上の純粋な何かを感じた。
「ほら........行くわよ?」
まるでどこかで見た構図だった。
ミトが俺に手を差し伸べるその構図はまるであの時の───
「............わかった」
俺が手を取ると彼女は満足そうに笑うと強く引っ張る。それに引っ張られる形で一歩踏み出せば後は自分で駆けだせる。
俺が決意を決めるとキリトもまた似たり寄ったりの様だった。そこから俺とキリトはエギルや彼女たちを見て...........
「俺達は右側から回り込んで将軍を倒す。その前に王が攻撃してきたらそっちを限界までプルして時間を稼ぐ」
モンスターの反応圏、いわゆるアグロレンジは通常は目に見えない。だが、目には見えずとも戦いなれれば体感でどの程度なのかは自ずと掴めるようになる。根拠のない勘に従い、右側から大きく回り込みアステリオス王を追い越すと本隊の戦場へ到達する。
将軍の方のHPバーを確認すると既に赤くなっているが、大佐の時と同じ
俺はそう呼んだと同時に、キリト達後続を突き放すようにAGIに物を言わせて加速する。すれ違いざまにリンドやキバオウが驚いた顔をしていた気がするが関係ない。
トップスピードで将軍の前に躍り出た俺は全力で勢いのまま地面を蹴り上がる。狙うは勿論弱点である額。しかし大佐の二倍近くある将軍は助走があっても唯の跳躍ではレイルとて僅かに届かない。
「せ.........ラアアァァッ!!」
空中で姿勢を完璧に制御し、ジャンプの頂点で《ソニックリープ》を発動させ飛翔するかの如く、見えざる手に押され加速する。
この一撃によりボスは体を大きく後傾させる。レイド全体は当然支持するまでもなく最後のチャンスと理解し、色とりどりのソードスキルが炸裂し将軍の残り少ないHPを削っていくが───
「またかよッ!」
だが、先程と同じく僅かにたらず1~2ドット程HPが残る。投剣ではなくソニックリープを選んだのもこれを考慮していたからなのだがもう一押し足りないようだ。先程と今回は少し違い、勢いをよくつけたソニックリープで体制は崩れ気味で且つ短剣を左手に持っていないので投剣スキルは起動できない。だから左拳を握りシステムアシストが働くのを感じると同時に振り抜く。
「ラアッ!!」
体術スキル基本技《閃打》。多少の姿勢の乱れでも発動できるこの技を将軍に放ち、遂に将軍は派手にエフェクトをまき散らし爆散する。
LAボーナス表示のウインドウを構わず、突き破る様に着地した俺は振り返ってすぐに壁際まで退避するよう叫ぼうとした俺は息を呑んだ。
つい最近.........この階層着てばかりのミトとの新たな鎌を求めたクエストの時の蜘蛛のモーションと同じ。力を溜めているのがよくわかるそのモーションは.........胸を大樽の如く膨らませるそれは間違いなく〝ブレス〟の前兆だ。
そしてその射線上にはこちらを見ているミトが............
「ミト!右へ全力で飛べ!!」
此処でとるべき行動は自身の射線からの離脱だ。でも俺は叫びながら全力の踏み込みで.........それこそ将軍の隙を作るときのそれ以上の全力で──
次の瞬間には視界は白く塗りつぶされた
単純な威力で言えば炎のブレスが一番高い。だが、雷もだからと言って侮れない。確かに炎に比べれば威力は劣る。だが、異様に速い上に高確率でスタンする。最悪なのはそのうえより厄介なデバフが...........
「何で来たの?」
俺はブレスの瞬間、他に目もくれずミトに向かって駆け出しそのまま飛びのこうとしたが間に合わずに喰らいミトと折り重なるように倒れ込んでいた。
自分だけなら確実に回避できた自信があるし、ミトもレイルなら見てからでも回避できると分かる。にもかかわらず合理的な判断もかなぐり捨てたレイルの行動に疑問を持った。
「...........体が動いちまったんだよ」
そして、そのミトの問いに俺はそう答えるほかなかった。俺自身がどうしてと聞きたいくらいなのだ。俺はHPバーを見るとやはりデバフアイコンが明滅していた。さんざん気を使っていた《
「ミト......そっちが飲め」
手探りでどうにかミトにPOTを差し出す。それにミトは呆れた笑みを浮かべる
「馬鹿ね........レイルが飲みなさいよ」
「俺はいい...........ミトは............」
ミトは生きろ...........
その言葉を発しようとした直後だった。不意に頭上に光るものを感じ視線を動かすと、まるで流星の様に円弧を描き空中をかける何かが目に入る。
そしてそれは王の額に直撃し、甲高い金属音を響かせボスががぐらりと体勢を崩した。
その瞬間にレイルは自身がよく扱う投剣スキルだとようやく理解したが、不可解な事もあった。ブーメランの要領で投げれば確かに自分の下へと帰っていくが、ソードスキルでそのような現象を起こすものはない筈だ。
──いや、一つだけ可能性はある。まさか...........
そんな風に考えていると.........
「すまねぇ!俺としたことが竦んじまった!」
そう言って後方から逞しい腕が伸びてきたと思うと、それはエギルの腕だった。エギルは俺とミトを抱えて離脱を開始する。流石は両手斧使いな事だけはあり俺たち二人を移動できているがキリト達はと思い首をひねると、それぞれ別々にだが助けられているのを確認できる。
移動する最中に、投剣スキルを使ったものを探すと出口から10メートル程に一人のプレイヤーの姿を確認する。その手を見ればある武器があり、先の攻撃を可能にした理由を理解する。そう言えばキリトもこのボス戦前にある一人のプレイヤーにアレを譲ったと言っていた。
「よう、ルー坊。元気してたカ?」
その場に聞こえるはずのない声に驚くと同時に視線を向ければ、虚空を捻じ曲げる様に小柄なプレイヤーが姿を現した。
「何でアルゴがここに...........」
「それは後でいいダロ?ほれ、ミーちゃんもこれ飲んどきナ」
そう言うと何故かここに現れたアルゴに俺達は口にPOTを押し込まれる形で飲み始める。
因みにこれは後で聞いた話だが、ボス攻略を辞退してもらったエギルの仲間に助けてもらいつつ、あので口近くにいるプレイヤーと共にここまで来たらしい。
「さてルー坊。問題ダ。ボスのブレスのタイミングはズバリ?」
「.............目が光る、か?」
思えばあの蜘蛛の時も不穏な感じがしたといった勘の他に、怪しく目が光ったからすぐに対応ができた。同じ階層である事も考えれば可能性があるとすればそれだ。
「正解ダ。特別にこのPOT代はタダにしとくヨ」
そんなやり取りをしていると、麻痺のデバフアイコンが消えたことを確認する。耐性があるおかげかミトより回復が早かったのですぐさま自分の剣とミトの鎌を回収し退避する。アルゴの方はキバオウとリンドの方で何やら話しているようでエギルはまたほかのメンバーの救出に向かっていた。
「ありがとうレイル..........一つ聞いてもいい?」
「どういたしまして。それで何だ?」
「さっき何を言おうとしてたの?」
「..........さぁな。それよりどうやらこのまま戦闘続行みたいだぞ」
はぐらかしながら視線をキバオウらの方に向けると戦闘続行を決断したようでその指示を全体にしている。アルゴと来たプレイヤーが時間稼ぎをしつつ立て直しを図っているようだ。
「はぐらかさないで...........なんて言おうとしたの?」
少し怒っているのか視線が鋭いミトに少し竦むが今は........
「..........そのことは兎に角後だ。
「...........わかった」
納得いかないようだが俺やミトも手分けして麻痺をした者を慎重に下がらせ立て直しを援護していく。
因みに
え?忍〇ま〇太郎知らない?..........なら少し詳しく話すと薄いリング状の金属の円盤の外側が刃になっていてそれを人差し指で回転させて投げるのが一般的チャクラムと言うものだ。ただ、彼が使っているのは少し本来のそれとは異なり、輪の一部に革が巻かれておりグリップがあってそこを握って投げることも、ナックル武器の様に攻撃するのも可能としている。そして、俺が使う投げナイフなんかとは違うのが手元に戻ってくることにある。ただ、チャクラムを扱うには投剣スキルの他に体術スキルもなくてはいけないので非常にピーキーな武器である。
「よし........攻撃始めるぞ!A隊D隊前進!!」
レイドリーダーを務めるリンドの号令によりタゲをチャクラム使いから自身らに戻したところで漸くレイドの立て直しができたと思うと、キリトとアスナはチャクラム使いの方に向かっていた。俺とミトは直接的なかかわりがない為エギル達と合流した。
「エギル助かった」
「礼はいいさ..........二人ともいけるか?」
死を前にしたからかエギルの俺達に対する気遣いだろう。本当にかっこいい大人だと思いつつ、俺ははっきりとそれにこたえる。
「俺は勿論。ミトは.........」
「私も行けるわ」
「フッ..........流石と言うべきだな」
ミトも気合が入ってるのはいいのだが、若干どこか俺に対する視線が厳しいのは気のせいでしょうか?
現在はリンドの指揮の元、キバオウらの派閥とリンドの派閥.........そして、アスナが被害に遭ったという件の詐欺師の仲間たち《レジェンド・ブレイズ》の面々が善戦している。特に、レジェンド・ブレイズの面々は装備がかなり整っている影響か中々スタン等をしないので猛攻しているのだが、キリトから話を聞いているだけに思う所はある。
なので...........
「.........なぁ、ミト。チャンスがあったら少し狙ってみないか?」
「............何を.......って聞かなくてもわかったわ。いいわ、私も取ってみたかったのよね」
機嫌が悪そうに見えたが切り替えたのかはたまた後でと言うことで納得してくれたのかはわからないが不敵な笑みを浮かべて鎌を構え直すミトにこちらも笑みを浮かべ愛剣を握り直す。
キリト達が戻り、何度か交代しつつローテを回して新たに表れたボス、アステリオス王のHPを順調に削っていく。ブレスはチャクラム使いの彼がつぶしてくれているため俺達はボスに集中し程度事が出来た。
そして順調に事が進み、遂に──
「E隊後退準備!H隊前進準備!」
ボスのHPが書くなったところで俺達にローテが回ってくる。こちらはHP全快で、狙っていたチャンス到来と言う奴だった。
「よし!行くぞッ!」
俺の合図とともに、H隊の面々は走り出す。
初手に俺とキリトが単発技で注意を引くと、そこに振り下ろされる攻撃をエギルともう一人が防ぎ間髪入れずにミトとアスナが攻撃を加える。ボスが巨体な分、同時アタックできるパーティーが増えるというメリットのおかげで六本あったHPバーも今や残り一本で赤くなるとこまで来ているのだ。
「ヴォロロルヴァラアア────ッ!!!」
一際恐ろし気な方向を響かせ、大量の空気を吸い込むような動作を見せる。口元には今にも解き放たれそうな白雷が何よりもその動作がなんの前兆かを示している。だが──
キィィイインン──!!
甲高い金属音と共に王がのけ反る。チャクラムによる弱点攻撃によるディレイだ。彼がいなければ恐らくは自分自身がやることになっていただろうから攻撃に専念できるので本当にありがたい。
キリトとアスナがそれぞれ単発スキルを入れてHPが程よく削れたのを見計らって...........
「(!ここだ......ッ!)ミト!行くぞ!!」
「了解!!」
俺とミトはここぞとばかりにキリトらを置き去りにすように駆けだす。キリト達も狙っていたようだが、こちらのほうが速く動きを見せたことに面を喰らった顔をしていた。確かにもう少し待った方がいいのだろうが、ミトと俺ならやれる自信があった。
だが、すぐに《デトネーション》が来る。最も、それも当然読んだ上での行動だ。
「シィッ!!」
読んでいるからこそ俺は将軍と同じことをするまでだ。AGIを全快で、まるで風になったかのように駆け抜け、飛翔する。そしてすかさず《ソニックリープ》によってさらに加速して、アステリオス王の王冠.......額の弱点に剣を振り下ろす。
「うぉらッ!!」
発動する前にソードスキルを受けた王はデトネーションの発動を中断する。そして続けざまにレイルは空中で姿勢制御し、体を捻り右足を勢いよく水平回し蹴りを放つ。体術スキル《水月》だ。
「ミト!決めろッ!!」
弱点に立て続けの攻撃アステリオス王は大きく仰け反り体勢を崩す。HPは恐らく残り多くて1割弱と言ったところだろうか。そこまで削れば彼女の火力をもってすれば確実に倒せる。
「はあああああぁぁぁ───ッ!!!」
仰け反ったアステリオス王の頭上に飛び出たのはレイルと同時に駆け出したミトだ。武器のスペックに特殊効果で強化されたステイタス。それによる彼女の火力は二階層では..........いや、現プレイヤー中トップと言って差し支えない火力を誇る彼女の鎌が今、鮮やかなライトエフェクトを放ち振り下ろされる。
巨大な王冠ごと王の頭はざっくりと切り裂かれ、コロシアム全体に響き渡る大音響で王は爆散するのであった。
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ボス戦が終わった後、正直かなりの修羅場が発生した。
キリトから聞いていた強化詐欺の件で、救援に来たチャクラム使い..........名はネズオ、正しくはネズハ。もっとも本当はナタクと言うらしいが..........
とまぁ、それは置いておくとして、その件で攻略に参加していたプレイヤーとの衝突が起きた。確かに彼がやったことは到底許されるべきではないだろう。この命がかかった状態でその命を預ける武装を不当な手段で奪い取るのは殺人行為と言ってもいい。
だから、あわやネズハと言うプレイヤーを吊し上げんと言う空気になるが、彼の仲間はどうやらただ彼にすべて押し付けて見捨てるような最低な連中ではなく、その空気の中で前に出て自らが彼にその詐欺をやらせていたと言い、結果的に被害者たちに損害分のコルと迷惑料もあわせて支払うと約束し、誰かが処刑されるという事態は防がれた。
他にも上げるべき点は色々あったりするのだが.............
「なぁ、ミトさん?なんでそうも不機嫌なのでしょうか?」
戦闘終了後、俺達四人組は三階層に向かう階段の途中でミトはキリトとアスナに先に行って少し待っていてくれと言うと、俺の前に仁王立ちして正座をするように言われた。
聞いといてあれではあるが、本当はミトが何に怒っているかはわかっている。
「レイル.........貴方、自分が死んででも私を逃がせればいいって思ってたでしょう?」
「.........はい」
POTを自分ではなく彼女に優先して飲まそうとしたことがどうやら琴線に触れてしまった。戦闘中にはぐらかしてしまった事も怒らせている要因だろう
「私は別にレイルに死んででも助けられたいなんて思ってない」
睨みつける様な眼差しだがどこか寂しそうでもあるミトの視線にバツが悪くなる
「それは............悪かったって思ってる」
こればかりは本音だ。本当に悪かったとは思っている。勝手に命を賭けて守られてもそれを背負わされる方の身になればいい思いはしないのは分かっている。それでもあの瞬間.........いや、アステリオス王が現れた時からそうまでして動こうとしてしまった自分が自分でも理解できない。
「............だから私は強くなるわ。貴方がそうまでして守りたいと思われないように............キリトと同じように隣で戦えるんだと証明してあげる」
「いや、別にミトが弱いとかそう言うわけじゃ............」
ミトは強い。キリトにだって劣らない実力だ。そう、何度も言うが本当にミトは強い。正直、デュエルも負けるとは思いたくはないが、勝てるかどうかもわからない。
「..........ならどうして?どうしてそうまでしようとしたの?」
「.........俺もわからない。ミトには.........何でか死んでほしくないって思った」
「.........そう」
沈黙が辛い...........俯き加減で分かりにくいがどこかミトの顔が赤い気がする。また何か彼女を怒らせることを言ってしまっただろうか?
「............はぁ~..........もう、やめよやめ。説教なんてキャラじゃないし、それにまだ言ってないこともあるしね」
そう、ため息とともに口を開いたミトに立てと指示されたので俺は立ち上がる
「.........私を助けようとしてくれてありがとう」
「へ?」
どこか呆れたような感じで、苦笑みたいだが微笑みながらお礼を言われたことに驚く
「.......何よ。私がお礼を言うのがそんなに変?その気持ちは確かに感謝してる..........でも、もう絶対にしないで..........お願いだから.............」
どこか怯えた風に言うミトに漸く自分がしたことの酷さを本当の意味で理解した。彼女とて普通の女の子なのだ。いくらプレイヤーが死ぬときもモンスターが爆散するようなゲーム的演出でも〝死〟と言うものに他ならない。そんなものを身近な誰かがそうなると考えれば怖くて当然だ.........それこそ自分だって同じなのだから。
「.........嫌な想いさせて本当にすまなかった。もう、しない...........でも、同じ状況でも俺はミトを見捨てるような真似だけはしないし、出来ない。それだけは譲れない.........だから、俺も強くなるよ。手伝ってくれるか?」
強くなるしかないのだ...........この
「...........うん、わかった。私も強くなりたいから手伝う.............でも、罰として三階層に行ったらまた奢りなさい。良いわね?」
「わかった。上手いところでも行こう.......あっ、でも三階層ってアレがあるぞ?」
「あっ.............そうなると街にはいかないかもね..........まぁ、でも必ず奢りなさいよ?絶対だからね?」
「わかってる。流石に反省してるから忘れはしないさ」
「ふーん.........反省してるんだ」
「おい......まるで同じこと何度もやるやつみたいだなと言わんばかりな目だな」
「そう思ってるもの。違うの?」
「..............さて、キリト達待たせてるし行くぞ」
「はぁ~............わかったわよ」
否定できず、誤魔化した俺に呆れてため息をつくミト。だが、これ以上はお互い不毛だと感じたのかいつも通り笑みを浮かべて階段を上っていく。
そんな彼の剣と彼女の鎌にはめ込まれた宝玉彼らに共鳴するように輝いているのであった
これにてプログレッシブ第一巻終了です。ボス戦となるとやっぱり長くなりますね..........
さて、今回は前回から少し更新が開いてしまいました。ダイパリメイクやら少々風邪をこじらせたりしてしまい遅くなってすいません!季節の変わり目と言うことで体調には気を遣わなくてはいけませんね。この作品を読んでくれている方も体調にはお気をつけてください。
では今回もここまで読んでくださりありがとうございます!コメント、お気に入り登録、評価をしてくださりありがとうございます!