鬨とは勝った時にあげる大声(勝ち鬨)や、士気をあげる際に大勢であげる声の事
次の日の朝、先生は準備を万端にした3人の前に悠然と現れた
「おはよう。アンタークチサイト、フォスフォフィライト、アズライト。
…皆、気を付けて励むように」
「「「はい!先生!」」」
「じゃあ、二人とは一旦、別行動ね
何かあっても、駆けつけられる距離には居るようにするから、安心して」
アズライトはしっかりとその深い青の髪で左のアイリスクォーツの瞳を隠して二人に微笑む
「いや、普通に冬の日常業務をしてくれ…」
「大丈夫だって!アンタークちんと一緒だし!」
「ふふふ。そう?
まぁ、頑張りましょうね!
えいえいおー!」
アズライトは、杖を持っていない右手を天高く突き上げる。
その様子を呆れたようにアンタークは見つめ、フォスはきょとんとした顔をしている
「?あらあら
こういう時は、一緒にやるのよ?ほら
えいえいおー。ってね?
はい、えいえいおー!」
アズライトは、有無を言わさない勢いで二人に迫りながら言う
「「…えいえいおー?」」
その勢いに負け、二人は同じように繰り返した
「ふふふ。じゃあ、正午頃に一旦合流しましょう
フォス、良い素材が見付かると
また後でね。」
ーーーサクサクサクサク
軽やかな音と共にアズライトは流氷割りへ向かっていった
「ねぇ、アンタークちん、今の…何か変じゃ無かった?」
「…さぁな。」
「いやいやいやいや…」
「…まぁ、あいつが変のはいつもの事だろ
そんな事より、さっさと済ますぞ
あいつが手伝ってはくれるが、冬の日常業務は多い
それに昨日の雪が、学校の屋根にまだ多く残っている」
二人は緒の浜に、足早に向かっていく
「ーーーそれに…」
どんどん雪をかき分け進むアンタークにずるずると体を引きずるように進むせいで中々進まず離されていくフォス
「ーーー待ってよぉーアンタークぅ…
うっ。全然、っ!進まない、っんだ!
けど!…もうっ!
…聞こえないのぉ…!」
フォスの顔に影が出来、フォスは顔をあげるとアンタークは坂の上の方から見下ろしている
その目はーーー諦めるのか?…と語りかけるようで…
「くっそー!絶対に、っ!諦めないからなー!」
フォスは、自分の足で立ち上がり、ゆっくりと、しかし、しっかりと前に進む
ーーーーーーー
アズライトは、流氷割りをほとんど一刻もかからずにあらかた終わらせ、学校の屋根に積もった雪を降ろしていた
「ーーーふぅ
これで、積もった雪は大体降ろせたかな
あとは、先生に報告して二人と合流…っと」
ぼんやりと空を見ると雲がいつもより早く流れていっている気がする
「…何かしら?
インクルージョン達が騒がしい…」
鐘の上の方に飛び移り、海の方を眺める
ーーーーーーーーチカチカッ
何か眩い光が緒の浜で反射した
良く見ると緒の浜の方角では一部雲がなく日が射している所がある
「!いけない!」
アズライトは、おもいっきり鐘を三度打った後、緒の浜に全速力で向かう
ーーー絶対に、間に合ってみせる
どこかで懐かしい声が響いた…気がした