トレセン学園って普通の学校じゃなかったんですか!? 作:普通のモブ娘
おだてられると調子に乗るタイプなんです。感想、返してないけどちゃんと読んでるんだからね!勘違いしないでよね!
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皆さんこんにちは。いつの間にか退学の危機に直面していて、知らない間にトゥインクルシリーズに出ることが決定していました。トワイライトアサヒでございます。
どゆこと???色々と説明されたけどアサヒよくわかんにゃい!
トゥインクルシリーズについてはよく知ってる。よくテレビで見るやつだ。ルドルフもそれに出て大変世間を賑わせていたし、個人的なお祝いパーティもした。つまり私もテレビデビューしないといけない……ってコト!?
まぁ要は部活に入って良い結果を残して、退学を帳消しにしろってことだよね……それなんてアニメですか?まさか現実でそんなことになろうとは流石の私もビックリだよ。
でもなんで陸上競技なんだ……別にサッカーとかバスケとかやりたいわけじゃないけど、せめて入る部活は選ばせてあげようっていう姿勢くらい見せてくれても良くない?
しかも理事長いわく
「申し訳ないがトレーナーは自分で見つけ出して欲しい! 退学になりかけているところをレースで取り返すという言わば救済措置なのに、何から何までこちらで用意しては他の生徒に贔屓だと言われかねん!」
ということで指導してくれるヒトも自分で探さないといけないらしい。でもこれについては心配いらないの!心当たりはもうついてるからね!
「頼もーーー!!!」
「……何か用かしら?」
そう!このお方こそ我が盟友ルドルフのトレーナー、そしてトレセン学園最強のチーム・リギル(なんかカッコイイ)のトレーナーなのである!ここに入れば勝つる!第3部完!
「弟子にしてもらいに来ました!!」
……?
なんかめっちゃザワついてる。あーしまったな。流石に練習中に乗り込むのは迷惑だったかも。トレーニングしてたウマ娘達も手を止めちゃってるし、リギルのトレーナー(おハナさんってルドルフが呼んでた)も怪訝な顔をしてる……これ第一印象ミスっちゃったかも!
「一応聞くけどなんの弟子かしら?」
「トゥインクルシリーズの!です!」
なんかもっとザワザワし始めた!?やばい!そうだ、よく考えたらテレビに出るくらい有名な競技なんだから、こんなトーシロがいきなりプロのところに来たら舐めてると思われちゃう!?
「……なるほど。ついに貴方がね……でも非常に残念だけどお断りさせてもらうわ。ただでさえルドルフやブライアンもいるのに成り行きで貴方まで取ったら流石に周りに文句言われるもの」
「……つまり定員オーバー的な?」
「まぁそう捉えてもらって構わないわ」
しょ、しょんなぁぁぁぁぁぁ!!!!??
◆◆◆
ぬぐぐ……まさか定員数なんてものがあったとは……まぁ最強チームだもんね?そりゃいっぱい入部希望者来まくるわなって……。
どうしよ。もう知ってるヒトおらんて……ただでさえ良い結果が残せるかわからないのにレースに出ることなく退学なんてバッドエンドすぎるよ!
「おーー?アサヒパイセンじゃん!どうしたんだよこんなとこで」
「あ、ゴルシ」
なんか変な乗り物に乗って現れたのはゴールドシップ。放課後によく一緒に遊ぶ仲だ。あ、そういえばゴルシも何かのチーム入ってなかったっけ?
「実はさ、私レースに出なきゃいけなくなったんだけどトレーナーがいなくてさ。1人だけ心当たりあったけど玉砕しちゃって……」
「えぇー!?パイセンついにレース出んのかよ!わかった!そういうことなら任せとけ!うちのトレーナー紹介してやるよ!」
「ホント!?やっぱり持つべきものはゴルシだよ!」
やったぁ!紹介してくれるってことは定員数もオッケーだろうし、これでバッドエンド回避だね!
「って……なんでジリジリ近寄ってくるのかな?」
「誰かを連れてくる時はこうしなきゃならねぇってアタシのシックスセンスが言ってんだ……パイセンはその第1号だぜぇーー!!」
「ぬわーーーーー!?」
や、やられる!ぐっ!ここは逃げるんだよォーー!!
「あっ!待て!逃がさねぇぞ……って、ちぇ……パイセンにゃ追いつけねぇか。んー、やっぱもう1人2人くらいはいねぇとパイセン捕まえんのはキツイなー。まずはどっかから後輩とっ捕まえて人数揃えねぇとな」
はぁ……はぁ……っ!
……なんで私逃げたんだろ。
「はぁ……もう疲れちゃったし、今日は諦めて帰ろ。よく考えたらいつまでに見つけろとか言われてないし」
◆◆◆
理事長室での絶叫から1週間ほど経った頃、アサヒはトレーナー探しを完全に放棄していた。
知ってるトレーナーがリギルにしかいなかったため、諦めきれずにいたアサヒは、遠目から練習風景を観察していた。そもそもトレーニングってどんなことするのかと気になったというのもある。そしてそれがトレーナー探しを放棄した原因でもある。
結論から言うともうとんでもなく厳しかった。生き物のやるトレーニングじゃねぇよ……と膝が震えた。なんだあのバカでかいタイヤ……ウマ娘の身体能力がヒトとは次元が違うことはわかっていたがそれでも戦慄した。
ガクガク震えていると、通りがかった男に足を触られたが即座に蹴り飛ばし「こ、こんなところにいられるか!!私は帰らせてもらう!!」と倒れた男が何かを言う前に走り去っていったのだった。
そして、そんな件のトレーナー達はとあるバーで飲んでいた。
「あの足に蹴られてよく無事だったわね……」
「ま、いいトモ触らせてもらった代償ってやつだ。それに蹴られるのは慣れてるしな」
リギルのトレーナー東条ハナとゴルシの所属しているスピカのトレーナーである。ちなみに足を触ってきたトレーナーがゴルシの紹介しようとしたトレーナーだとアサヒは微塵も思っていない。
「タフねホント。それにしても、学園中で話題になってるわね。彼女のこと」
「そりゃ中等部の頃の模擬レース、あれを知らない中央のトレーナーはいないからな。ビデオがトレーナー間で出回ってるくらいだ」
「あの子、誰が担当するのかしら」
「俺が!……と言いたいところだが、彼女はチームというより、専属のトレーナーがいた方が力を発揮できる気がするんだよな」
「それには同感ね。大体、あれほどクセのある子を見ながら他の子もなんて頭がパンクしちゃうもの」
「違いない」
こうして夜は更けていく……
結局、退学告知されてから1ヶ月、退学になると言われる前と同じように遊び呆けていたアサヒは理事長室に連行され、説教された後に、中央に所属しているトレーナーの最低限の情報(名前やトレーナーとしての実績程度のもの)と顔写真が貼られたプロフィールの一覧をその場で渡され、泣きながらトレーナーを決めたのだった。
流石に甘やかしすぎでは?とはたづなの談である。
ウマ娘のアニメ見たのすげー前だから口調に不安が残る……あと話進んでなくてワロタね。まぁ気長にやり申す。