トレセン学園って普通の学校じゃなかったんですか!?   作:普通のモブ娘

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問題児とスピカ

◆◆◆

 

 

「2+4は?」

 

「6!」

 

「13+3」

 

「…………16!」

 

「12+17」

 

「………………ッッ!」

 

「おい!2桁にしたくらいで躓くんじゃない!」

 

「だってぇ!」

 

 今トレーナーとやっているのは以前言っていた私の弱点を克服するトレーニング。周りからは奇妙な目で見られているけど仕方ない。テイオーにやられっぱなしなのも嫌だし……とか言ってたらこっちに来てるのはテイオーじゃないですか!

 

「算数しながら筋トレしてる……どゆこと?」

 

「あっ!テイオー!次は絶対勝つからね!」

 

「う、うん」

 

 あれ……なんか今のやり取り熱血漫画の一場面みたいじゃなかった?嘘っ!?私、トレーナーの策略通りにスポ根ウマ娘になり始めてる!?

 

 うぅ、これがトレーナー式筋トレ地獄の成果だというの……最早これは一種の洗脳なのではないだろうかとトワイライトアサヒちゃんは疑いをかけそうだよ……。

 

「……落ち込んでないかなってちょっと様子見に来たんだけど全然平気そうだね」

 

「あー、別によく考えたら非公式戦だったら別に(退学かどうかに)影響ないじゃん?だからいいかなって。もちろん負けたのが気にならないわけじゃないけどね!」

 

「実際の(トゥインクルシリーズの)成績自体が良ければいいってこと?確かにそうだけど……アサヒって意外とリアル思考なんだ」

 

 そりゃリアル思考にもなるよ……こっちは退学かかってるんだからね!模擬レースで負けたくらいで退学が近付いたら流石の私も猛抗議ですよ!

 

「……ていうか、こういうのって勝った側が慰めに来るのダメなやつじゃない?私は気にしないけど」

 

「そうかもだけど……結構悔しそうにしてたからさ。それにアサヒがトレーナーにレースはダメって言われてるって知らなかったんだもん。ボクが無理矢理誘っちゃったところあるし……」

 

 耳をしょんぼり垂れさせてなんだか反省してる感じのテイオー……全く可愛い後輩ですなぁ!生意気言ってもそうやってすぐ反省出来るところがお姉さん大好きなんだよ!

 

「気にしてないって。まぁ、トレーナーには怒られたけどね」

 

「う、ゴメン……」

 

 うーん……いつまでもションボリテイオーなのも困っちゃうなぁ。

 

「あ、そうだ。良かったら今度のデビュー戦見に来てよ」

 

「え?」

 

「ふっふっふ……テイオーと戦った時の私はまだ全力では無かったのだ。デビュー戦で真の力を貴様に見せてやるから、しかと目に焼き付けておくが良いぞ?」

 

「……あははっ!なにそれー?……うん、じゃあ見させてもらおうかな!」

 

 おーおー、やっぱりウマ娘って笑ってるのが1番なんだよね!テイオーが落ち込んでるのは似合わないよ。

 

「ありがとねアサヒ!じゃ、ボクちょっとスピカのみんなにダンス教えに行かないとだから!」

 

「うん、またねー……ダンス?」

 

 ……だんすをおしえにいく??

 

「ほら、スピカのみんなウイニングライブ散々だったでしょ?そしたらカイチョーがウイニングライブを疎かにする者は学園の恥だーって」

 

「ト、トレーナー……?」

 

「…………行ってこい」

 

 おーい!!完全に忘れてたよね!?いや、私も忘れてたけど!そういえばありましたねぇ!ライブ!!ぜんっぜんライブの練習してないじゃん!!ダンスって1週間かそこらで覚えられるものかな!?私、ルドルフに怒られたくないんだけど!!

 

「テ、テイオーさん」

 

「ん?どしたの?」

 

「私も連れてって♡」

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

「あーーー!テイオーー!?……と、この前テイオーに負けてた先輩!?」

 

 ちょっ!なんという覚え方をしてるんだ!

 

「テイオーは俺が呼んだんだが……な、なんでアサヒがいるんだ……?」

 

「やーやー!スピカのトレーナーさん、私もダンスの練習交ぜてよ!」

 

「そ、それは構わないが……」

 

 ひゃっほい!これで学園の恥だなんて言われなくて済むぞー!ただでさえ退学になりかけてるのにライブで棒立ちしたら何言われるかわかったもんじゃないって話よ!

 

「あー、とりあえずだな。自己紹介お願いしていいか?初対面のウマ娘もいるだろ?」

 

 そういえば見たことない顔が1人いるね。流石に長いこと学園にいるだけあって大体顔はみんな見た事あったつもりだったけど……あ、あの子が転入生ってやつなのかな。

 

「どもども!君がウワサの転入生だね?私はトワイライトアサヒ!まだデビューもしてない新人なんで優しくしてねー!」

 

「よ、よろしくお願いします!スペシャルウィークです!」

 

「スペは日本一のウマ娘になるのが夢なんだろ?だったら絶対アサヒも大きな壁になるだろうな」

 

 日本一のウマ娘!でっかい夢をお持ちなのね!スペシャルウィークって名前もいいね。そう!なんと言ってもスペシャルだからね、なんだか日本一にだってなれそうな気がするよ。

 

「日本一!凄いね!夢は大きければ大きいほど叶え甲斐があるってもんだよね!応援するよ!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 うーん、溢れるいい子オーラ……これは只者じゃないねぇ。

 

「でかい壁って言ってもよ、先輩ってそんなにはえーのか?模擬レース見た感じそうでもなかったような……」

 

「ちょっと!先輩に失礼でしょ!……まぁアタシも気になってたけど」

 

 えーと、あの子がウオッカで、その隣の子がダイワスカーレットだったかな。そういえばあの時のレース、スピカの人達みんないたっけ。ばっちり負けたところ見られてるんじゃん……悲しい。

 

「パイセンは相当はえーぞ?本気出しゃうちらなんて秒でごぼう抜きされるだろうな」

 

「……そうね。あの時のレースは以前の私みたいにとても走りづらそうにみえたから……本気を出せば凄いのかも」

 

 んで、ゴルシにスズカ。スズカはエアグルーヴの友達だからちょこちょこ話したことはある。ホントにちょっとだけだけど。

 

「ごぼう抜き……じゃああの時は本気出してなかったんスね!弱く見せかけて本番で一気に度肝抜くってことか……ちょっとカッケーかも」

 

「ゴルシ先輩がそこまで言うなんて相当なのね……」

 

「アサヒさん凄いんですね!」

 

 うぅ……普通に負けたなんて言えない!みんなの純粋な瞳が胸に刺さるよ……。

 

「ちょっとー!自己紹介もいいけどさー、早くダンスの練習しようよ!その為に来たんだよ?」

 

「そうだな!よし、今日はテイオーにダンスの指導をしてもらうから、お前らしっかりやるんだぞ!」

 

「おーーーーー!」

 

「みっちりスパルタでやるから覚悟してよね!」

 

「えぇーーーーーー!?」

 

 青春だなぁ……私はチームに入ってるわけじゃないからこういうのは新鮮だよ。よし!練習なんて好きじゃないけど、みんなでやるダンスだったら楽しくできそうだよね!頑張ろう!

 

 あ、スパルタは勘弁してください!

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 チーム・スピカ……いい雰囲気だったな。

 

「お、昨日はどうだったんだ」

 

「みっちり詰め込まれたよ……完全に知らない踊りってわけじゃなかったから言うほどボロボロじゃなかったけどね。そうえば今更だけどトレーニングの途中に行って良かったんだ?」

 

「俺らのトレーニングの趣旨はなんだったか覚えてるか?」

 

「えーと確か、複数の事を同時にしたり出来るようにするのと、意識の切り替えをスムーズに出来るようにって話だったよね。身体は無意識に動かしつつ頭は別のことにあてて……みたいな」

 

「そうだ。そう考えると今までのトレーニングと歌いながら踊ることは共通してるだろう?」

 

 確かに……でも明らかに歌って踊るよりおかしなトレーニングさせられてたけどね!計算問題解きながら筋トレとか、ランニングマシーンに乗りながら全く違う操作性のゲームを2つ交互にやるとか、結構めちゃくちゃだと思うんだけど!

 

「ま、成果はデビュー戦でわかるさ。よし、今日のメニューを始めるぞ!」

 

「あいあいさー」

 

 テイオーに実力を見せるって約束しちゃったし、昨日の帰りにスピカのみんなも見に来るって言ってたし、流石の私も真面目にやりますか!なんだかんだ負けるの嫌だって気持ちも湧いてきてるから!

 

 次回!最強アサヒのメイクデビュー!なんてね!

 

 




みんなどんだけアサヒに勝って欲しかったんや……

でも受け入れてくれ!1回本番前に負かしとかないとアサヒは真面目にやらなそうだなとか思ったりなんかしてないんだからね!勘違いしないでよね!
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