トレセン学園って普通の学校じゃなかったんですか!?   作:普通のモブ娘

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週1投稿もすっかりなれたもんだ。
ちゃんとモチベが維持できてるのは見てくれてるみんなのおかげだゾ!
でもこれ短編のつもりだからさ。もうそろそろ……ね




トワイライトアサヒ

◇◇◇

 

 

 これは昔の記憶。

 

「あ、危なかった……!」

 

「負けちゃったぁー!先生やっぱり速いね!」

 

 幼きトワイライトアサヒと走っているのは小学校の担任の先生。

学生時代はトレセン学園に在籍しており、重賞レースで勝利したこともある優秀なウマ娘である。

 

「アサヒちゃんはきっとトレセン学園で凄いウマ娘になれるわねぇ」

 

 アサヒは昔から速かった。地域の子どもたち(ウマ娘も含む)が参加する徒競走ではいつも1番だったし、こうして先生と走る時もハンデなしの本気勝負である。

大人の意地かプライドか、先生が負けたことは1度もないが、大人に本気を出させている時点でその才能が伺える。

 

「え?私、マミちゃんと同じ中学校いこうかなって思ってたんだけど」

 

「えぇ!?アサヒちゃんトレセン学園行かないの!?」

 

 驚愕であった。走るのが好きで、嫌な顔ひとつもせず楽しそうにこうして自分とも走って、そんなのトレセン学園に入るとしか思えないだろう。

確かにクラブ活動なんかで何かを練習とか特訓めいたものは好きじゃないことは知っていたけど、まさかのまさかだった。

 ちなみに、マミちゃんとは同じクラスの友達でウマ娘ではない普通のヒトである。

 

「マミちゃんにも驚かれたんだけど行った方がいいの?」

 

「貴方ほどのウマ娘ならトレセン学園一択よ!」

 

「そうなんだー!じゃあトレセン学園じゃなきゃダメなんだね!頑張らないと!」

 

 こうしてアサヒの進路は決定したのである。

 

「お、思ったより随分あっさりね?」

 

 なんのドラマもなく、なんの面白味もなく、()()()()()()()()()()()()という1つの大きな勘違いを抱え、翌年トワイライトアサヒは学園の門戸を叩くことになる。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 トワイライトアサヒとはトレセン学園においてどういう立ち位置にいるのか。

 

 学園のトレーナーから見た彼女は端的に言えば『問題児』であった。

溢れんばかりの才能で中央の理事から高く評価されている栄誉あるウマ娘   理事から直接スカウトを受けたという噂も立っていた   そんな彼女はいつまで経ってもレースに出走しない。

 

 選抜レースどころか走っているところもまともに見たことのないトレーナー達は最初こそ理事に直接スカウトを受けたという彼女……つまりは成功をほぼ約束されたウマ娘のトレーナーになろうと声をかけ続けた。それは同時期に入学したシンボリルドルフと人気を二分する程であったが、彼女の返答は常にNOであった。

 

 いつまでも首を縦に振らないウマ娘にいつまでも構っていられるほどトレーナーも暇ではない。徐々に声をかける人間はいなくなり、理事からスカウトを受けたという話も、所詮は噂だったかと殆どのトレーナーが目を向けなくなっていった。

 

 それからしばらく時が経ち、アサヒの話など一欠片もなくなったある日のこと。

 

 見事シンボリルドルフを獲得し、破竹の勢いでその強さを見せつけていたチームリギル……そのトレーナーである東条ハナが普段からは考えられない様子で同じビデオを繰り返し見ている姿が目撃された。

 

 シンボリルドルフとトワイライトアサヒの模擬レースである。

 

 このビデオは学園の関係者達を大いに驚愕させた。

結果として勝利したのはルドルフだったが、その差は2バ身。なんのトレーニングも積んでいないウマ娘がである。噂は本当だったのだとトレーナーは否が応でも思い知らされたのだ。

 

 しかし、彼女は走らない。まさに宝の持ち腐れとしか言いようのないそのウマ娘を、学園関係者達は問題児として扱うようになった。

 

 なお、そう扱われるようになるにつれて本当に問題行動が多くなり始めたのは、そのような雰囲気を機敏に感じ取ったからかもしれないとは駿川たづなの談である。

 

 

 

 

 

 一方、ウマ娘から見た彼女はどうなのか。

 

 第一線で活躍しているウマ娘達からすれば、これもまた『問題児』だろう。

学園のトレーナー達のように走れば凄いのだろうから走ればいいのにとヤキモキしているし、勝負してみたいと思う好戦的なウマ娘もいる。

 

 しかし、第一線で活躍しているスターウマ娘など全体で見れば僅か数%であり、殆どのウマ娘からの評価は違った。

 

 トワイライトアサヒは『不発弾』

 

 いつ爆発するかわからない爆弾。メイクデビューを過ぎたウマ娘達から恐れられる時限式の爆弾。それがアサヒである。

 

「なんで!なんでよりによってアタシが走るときにデビューするのよッ!」

 

 既にジュニア級など通り越しているアサヒの走るデビュー戦は必然的に未勝利戦となる。つまりアサヒ以外はメイクデビューで敗れたウマ娘が出走するのだ。

ここで負ければもう終わり……なんてことはないが、十分追い詰められた立場にいるウマ娘達は気が気ではない。

 

 トレーナー達はルドルフとのレース模様を意図的に隠しているが、人の口には戸が立てられないとは言ったもので、どこかからあの皇帝と互角だという噂は流れてくる。

なにより、同じ場所で寝泊まりしているのだ。そんな噂がなくとも彼女の力の片鱗は身近に感じられる。

 

 遅刻しそうになった時、女帝に追いかけられている時、そんなバ鹿みたいなシチュエーションでも十分に速いのだ。そもそも生徒会が彼女を捕まえるのに苦労している段階で察せない方がおかしいのである。

 

 そんな彼女がたまたま自分と同じタイミングでたまたま同じレースに出走?勘弁してほしいと思うのも無理はない。

 

「やる気がないならずっと走らないでいいじゃない!それを気まぐれみたいに……!アナタがいなきゃアタシが勝ってたのに!」

 

 一度負けたウマ娘のメンタルは非常に脆い。このレースに出るウマ娘はなにせスタートから躓いてしまっているのだ。

 

 だから祈っていた。どうかやる気にならないでくれと。

 

 だから願っていた。だから触れないようにしていた。せめて、自分とは関係ないレースでデビューしてほしいと。

 

 トウカイテイオーに負けた?それがなんの慰めになるのだろうか。だから実は大したことないんだと思えるほど、現実を直視できないわけじゃない。

 

 次があるから大丈夫?最初の村に魔王が直々にやってきて、それで心が折れないようになんてそんなの無茶に決まってるのだ。

 

「負けない……!アナタより何百倍も努力してきたんだ!少し前まで遊び惚けてた奴になんて負けてたまるもんか!」

 

 それでも己を奮い立たせる。負けることを許容できるほどスポーツマンとして腐っているつもりはないのだから。

 

 

 

 

 

 そして   

 

『1番人気トワイライトアサヒ!これは圧倒的!圧倒的です!完全な独走状態!』

 

『か、勝ったのはトワイライトアサヒ!他を全く寄せ付けず、大差でゴール!全てをなぎ倒し、悠々とデビューを果たしましたッ!』

 

    魔王はすべてを蹂躙した。




別に魔王にするつもりはなかったんだけど、やっぱ周りから見たらこんなかなって
あ、あとなんかレース端折った感じになってるけど、次回でちゃんとアサヒ側でレース書きます。

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