―とある組織の管制管理帳票《ミッションレポート》―
1500:その一報が入ったのは今から20分ほど前。調査を行っていた部隊が、空母跡で謎のアラガミの襲撃にあったと報告が飛び込んだ。
部隊メンバーのうちブレンダンがカノンを庇い負傷、シュン・ジーナ両名が隙をつき2人を離脱させ自分たちも離脱したとのことだ。
奇跡的に部隊の誰もかけなかったが、今後脅威に成り得る報告にアナグラは緊迫した空気が漂っていた。
1547:アナグラに帰還した調査部隊の4人であったが、負傷したバスターブレード神機の使い手ブレンダン=バーデルはすぐに治療室へ移送された。
また戦闘中に神機が破損した台場カノンは大きな負傷こそ無いものの、神機の修復とメンタル面でのケアが必要な状態ですぐには部隊復帰が難しい状態となっていた。
アナグラきっての最高戦力部隊は数時間前に出現したツクヨミの迎撃に向かっており、新人は別任務中である。
謎のアラガミについては、現状遭遇した部隊の彼らに聞きだすしか無いようだ。
1600:目立った負傷の無い調査部隊の2名、小川シュンとジーナ=ディキンソンより未確認アラガミについて報告が始まった。
外見上は青いハンニバルということで、当初カリギュラかと予想されたが全くの別種だったとのことだった。
完全な4足歩行に、一際大きな翼。刀身の如く頭の部分に据えられた巨大なブレード状の角は、そこいらにあった鉄屑を触れた瞬間に粒子化させるというとんでもない運動量の高速振動が確認されたという。
確認された新種のアラガミは、予想をはるかに超える力を備えていると考えられる。
今後の対策に追われるのは間違いないだろう。
1723:神機整備班橘リッカからの報告によると、破損した台場カノンの神機に異常なオラクル数値が確認されたとのことだった。
これも新種による影響なのだろうか。詳細な調査を整備班に任せることにした。
もしかすると新種に対し何らかの対策が見出せるかもと薄い希望を抱きながら、今後の調査報告を待つこととする。
~部隊統括・雨宮ツバキのレポートより抜粋~
―??サイド―
気がついたらなんだか緑色した液体の中にいた。不思議なことにその液体の中では呼吸ができるなんていうとんでも仕様だ。
この何もなかった平々凡々な25年間の人生で初めて体験する未知の事態に、もう枯れ果てたと思っていたワクワクが押し寄せてきた。
しかもこれはカプセルっぽいのに入れられてるじゃないか!
オレの期待はとどまるところを知らないくらいに上がっていた。
初めて彼女が出来たときでもこんな気持ちにはならなかったのに。
いや嘘です、すんごい嬉しかったわ。
しかしこの状況である。
冷静に分析するのはラノベなどでは主人公のテンプレでしかない。
ないのだが、己がその立場になったとあれば、もう随分昔に眠っていた中学二年生のあの厨二病(トキメキ)が蘇ってくるようである。ひとまず目に付くのは見たことのない巨大機材に、何やらガションガションとアームのようなものが動いている。どこかの工場、ないし研究所なのだろうか。今自分がいる空間に人の姿は認識できないが、それも時間の問題だろう。前述のとおりこの風景に見覚えは一切ない。
ないのだが、何かこう、見たことがあるような。そうまるでデジャビュのような感覚に陥るのだ。
すなわち 主 人 公 設 定 であるのではなかろうかと。
創作物、つまるところ漫画や小説、あるいはゲームなどといった主人公の設定にありがちで、使い古されていながらもその度に新しい感動をくれるあれである。特に昨今は小説からアニメになるものが多かったりするので、何かの拍子でそんな世界に紛れ込む異世界物ないし憑依・転生ものと考えると何も問題はなかった(厨二脳)
つまらないサラリーマン生活から一変、殺伐あるいは王道のような展開がオレに待っているとは。
無神論者寄りの考え方をしていたオレの世界観を変えてくれる、正に世界が変わる出来事が起こったのだ。これでワクワクしないなんて嘘だろう。
だが重要なのは今からだ。オレの現在の立ち位置を見るに何か暗い過去が存在するのではなかろうか。
ショッ○ーに捕まって改造人間?はたまた超人フラグ?強化人間が一番無難なのだろうか。ホムンクルスなら頑丈なのがいい(謙虚)
つまるところ今のオレに記憶の付け加えやら何やらが無いので、期待するしかないわけである。
するとぼやけていた視界に第一村人(整備士)のような人影が!いよいよオレの物語が始まるのか。期待せざるを得んな・・・。
などと、心の中でキメ顔とキメ角度をひたすら考えていたオレは。
液体が抜かれた瞬間己の体が全く動かないことにようやく気づくのであった。
えっ
どうしてこうなった。
はい、主人公は転生した理由も憑依した経緯もわかりません。(今のところ)
名前はまだ内緒です。
こんな感じで短め&テンポよくを心がけて進んでいきますのでご意見・ご感想あればお気軽にどうぞ。
筆者は心から喜びます。