どうしてこうなった。   作:Layvn

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しまったちょっと遅れてしまいました。
ではでは続きです、どぞー。


第3話

―ほしをみるひと視点―

 

 

 

たった今整備士の橘くんが魅せてくれた輝きを、私はとても尊く眩しいものだと感じた。

 

アラガミの進化の速度はとてつもなく速い。次々に新種が発見されているのが現状なのだ。その都度我々も対応し、応用し貪欲に進化していかねばならない。

 

その進化を、私は今2つの意味でまざまざと魅せ付けられたのだ。観測者を名乗るものにとってこれほど素晴らしいことはない。

 

橘くんは文字通り問題と向き合い、己の実力以上を発揮して見事この窮地を脱したのだ。あのときの光景はエンジニアとして素晴らしいものを見させてもらった。

 

若いとはそれだけで力があり、未完成だからこそ次々と我々の想像を超える何かを作り出せる。そして我武者羅に取り組むその姿はキラキラと輝きを放つ宝石のようだ。そんな些細な瞬間にすら人類としての希望を感じさせられる。

 

 

 

そしてもう1つの進化。つい先ほど目の当たりにしたそれをもう一度見ようと保管されている場所に足を運び、そして今眺めている。

 

前例が無いわけではない。通常神機はより強化に適するアラガミの細胞を使い、その姿を変え強化していく。

もちろん偏食因子にも関わってくるので、どの細胞が適しているのかを見極めないといけない。研究班・技術班それぞれが結託し、調査・精査を繰り返し膨大な挑戦と失敗の果てにようやく新しい装備が完成するのだ。

 

 

しかしながら、神機は人間用にチューニングしたアラガミ、つまりは彼らもまた生きているのだ。だからこそ信じられないようなことが起こる。彼やソーマがそうだったように、リンドウ君も該当するのだが、このカノンくんの神機も通常の段階を吹き飛ばしている。

 

 

 

まるで最初からそうであったかのような造詣に昇華された翼を模したような3対になった流線型のシールドに、それの内側に付属する噴射口。小型のアラガミなど一撃で粉砕してしまうかのような大型の経口。砲身に備えられたレーザーサイトらしきもの。

 

そしてそのカラーリングまでもが、まるで蒼穹を映しているかのような澄んだ蒼。ところどころに見える神機のコア付近の金属部分がより周囲にあるその色を引き立たせる。

 

 

 

何もかもが出来すぎている。そう思わずにはいられないようなことだ。

 

新型の彼が配属され、特異点が見つかり、星のオワリを間近で見ることとなり、長年の友人が死に、さらに先の任務で死んだと思われていたリンドウくんが復帰し。

 

いや、思い返せばヨハンと出会ったときからそうだったかもしれない。

 

 

「もしかしたらキミ(・・)もまた、この星の観測者(スターゲイザー)に何かを魅せてくれるのかい?」

 

 

 

思わずそう尋ねずにはいられなかった。何やら彼もしくは彼女からもまた、この極東でとてつもないことをしてくれそうな予感がするのだ。

 

いや、正確に言えば彼女らか・・・そう呟いて、私は自室に戻るべく安置室を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

―打ちひしがれた何かサイド―

 

 

 

誰にも聞こえないことをいいことに一人すすり泣くことに成功したオレは、随分と精神状態を持ち直したといっても過言ではない。

 

過ぎたことは忘れてしまえ。人は忘れる生き物なのだ。そういや人じゃない可能性が凄まじいけど。

 

嗚呼、最初はすぐに出たかったカプセル的な何かと培養液がオレの心をこんなにも癒してくれるなんて。オレの帰る場所はここにあったんだね。もう何も怖くない。

 

などとアホな思考を巡らせていると、オレの部屋(仮)に進入する人影発見。またあのハイテンションガールかなどと恐れ慄いていると、見えてきたのはおっさん手前の・・・や、おっさんだな。

 

なんというか、これぞ研究者といった風貌だ。髪はぼうぼうでメガネ超似合ってるけどそもそも目が開いてるかどうかすらわかんない糸目。よれよれの白衣。漫画とかゲームでしかみたことないってなレベルだ。

 

何やらしげしげとオレを嘗め回すかのように見ているが、断言しておこう。

 

 

 

このオレにそんな趣味は無いのだ、と。

 

 

 

しかも何やら身の危険を感じるような視線を送ってくるなこのおっさん。アカン、さっきのトラウマがががががががが

 

よし慌てるな素数を数えるんだ。孤独な数字たちがオレにきっと力をくれる!

 

 

 

てかなんぞブツブツ言ってるなこいつ。スターゲイザーとかそれなんて厨二?テラワロ・・・ん??

 

 

 

そういやなんかこのお方に見覚えがあるんだが・・・てかスターゲイザーって言ったかこいつ。スピ○ツじゃなくてか。

 

 

 

そういやさっきのツナギの子もやっぱりもしかしてもしかするのかっ

 

 

 

 

 

や、ちょっと待て。

 

 

 

 

 

どうやらオレは人間でないのが確定してしまったかもしれないことを今になって気がついた。気がついたがそれ以上に重要なことがある。

 

 

 

おいサカキ!黒幕っぽいネーミングしてるけど実はいいやつのお前ならきっと教えてくれるんだろう!?

 

 

 

 

 

オ レ の 持 ち 主 は 誰 じ ゃ い !!!

 

 

 

え、彼女???

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのときのことを思い返せば、やはり今も変わらずあの御姿がオレの頭を過ぎるのだ。某掲示板で有名なあのAAのポーズを、脳内で自然と取っていたのは火を見るより明らかだった。

 

 

 

 

 

どうしてこうなったかは知らんが、今回はこう言わせてもらおう。

 

 

 

 

 

―答え:コロンビア―




はい、主人公はとうとう自分が何であるかを気づきました。
ちなみに本作は現在がプロローグ編で、あと2話ほどで第1部に突入します。

若干シリアルな感じになるかもしれなくもないかもしれません(曖昧

骨子はあるんだけど血肉がついてないのが現状なんですがね、えぇ。
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