ようこそ希望が溢れる教室へ   作:第三希望

6 / 7
書き貯めしようと思ったんですが、短いんで出します。次こそ書き貯めしたいと思います。

6話目は他のキャラの視点がかなり切り替わり、読みにくいと思います。7話目からはこのような書き方は絶対に致しません。

私の無知が招いた結果。楽しみに読んで頂く読者の皆様に大変なご迷惑を掛けてしまいました。申し訳ございませんでした。


勉強会

――――私、姫野ユキは絶望していた。

 

 次の日の朝、一之瀬は昨日の放課後のようにクラスメイト全員に提案を持ちかける。

 

「皆、聞いて!昨日考えたんだけど、このクラスに役割を作らない?」

 

「役割って?」

 

「うん!この学校、学級委員みたいなのがないでしょ?だから、私たちで作るの!」

 

 そういうと、クラスメイトは楽しそうに盛り上がる。

 

 クラスの学級委員長は当然のように一之瀬を指名するクラスメイト達。

 

 クラス内での役割なんて、別になくても困らないでしょと私が言える訳もなく。めんどくさいから余ったのでいいや。そんな甘い考えが私の首を絞める事になる。

 

 

 

「じゃあ、余った掃除当番を狛枝くんと姫野さんにお願いするね?」

 

「まかせてよ一之瀬さん、こう見えても掃除は得意なんだ」

 

 

 え?やだ...マジで言ってんの??私こいつと二人っきりで毎日放課後、仲良く掃除しなきゃいけないの?

 

 アイツを見るとニコニコと私に手を振る狛枝。なんでアイツも余ってんのよ!昨日の積極性をどこに置いてきた!?

 

「大丈夫だよ、狛枝くんと姫野さん、私も学級委員長として掃除当番手伝うからね」

 

 一之瀬がそう言うとクラスメイトのほとんどが「俺も手伝う!」「私も私も!」と手を上げ始める。一之瀬が助かるよと楽しそうに笑う中、私は思う。これだけの人間が掃除を立候補するなら、

 

 

「私、別にいらないじゃん」

 

―――

狛枝Side

 

―――放課後、掃除の時間がやってきた。あれから結局僕と姫野さんは掃除当番に決まったけど、毎日3人順番にクラスメイトが掃除を手伝ってくれるようだ。今日の掃除当番は僕、姫野さん、一之瀬さん、白波さん、別府くんの5人だ。

 

 2人だけで掃除は大変だと思ってたけど、5人もいればすぐに終わる。一之瀬さんが僕たちに気を使ってくれたのだろう。

 

「よし、今日の掃除終わり!」

 

 一之瀬さんの号令を合図に僕たちは箒やちりとりをロッカーに直すと解散する。

 

 姫野さん以外の僕たちはこの後、図書館で勉強会をする予定だ。他のメンバーは神崎くんが先行して始めている。

 

 あまりにも人数が多かったから、昼と放課後に勉強会を分けていた。昼は7人、放課後は8人だ。

 

 一之瀬さん達と図書館に向かうため、教室を出る。僕は一之瀬さん達に先に行くように言うと、姫野さんが一人で下校するみたいだから声を掛けてみた。

 

「姫野さんもよかったら、勉強会に参加してみない?」

 

 僕がそう話掛けると彼女は振り向く。そんな露骨に嫌な顔しなくてもいいのに...

 

――――

姫野Side

 

 最悪だ。ようやく此奴から解放されたと思えば...

 

「あー悪い、私この後友達と用事があるから」

 

「え?姫野さん友達いたんだ」

 

「殴られたいの?」

 

「やだな、冗談だよ」

 

 冗談に聞こえないから質が悪い。確かにこの後遊ぶ予定何てない。クラス全員が勉強会に参加するなら足並みは揃える。けど、今回は自由参加だ行く必要なんてどこにもない。私は勉強はできるほうだ。

 

「でも、少しだけ残念かな。君は僕と同じで友達なんていないと思ってたからさ」

 

 やっぱマジで思ってやがったこいつ...と思った矢先に狛枝の発言に引っ掛かる。

 

「一之瀬さん達はあんたにとって友達でしょ?」

 

「とんでもないよ!だって友達って、対等な関係の事を友達って言うんでしょ?ぼくみたいなどうしようもない人間が一之瀬さんや他のBクラスのみんなと対等な訳ないでしょ?」

 

「でも、姫野さんはそのBクラスの中でも孤立している。もちろん一之瀬さんは定期的に君が孤立しないように立ち回っているよね?だからこそ、君という素晴らしい人が僕のような惨めな傍観者を決め込むのは実に悲しいことだよ」

 

 大きなお世話だ、そう思った。こいつの今の発言を我らが学級委員長が聞いていたならば、一体どんな顔をするのか少し気になったが、考えるまでもなく悲しむだろう。

 

「大きなお世話よ」

 

「でも」

 

「あ~頭痛くなってきた...今日はダルイから、やっぱ寮で休むわ」

 

 姫野さんはそういうと急ぎ足で僕の下から去っていく。

 

「つれないね」

 

――――

 

 これ以上はウザがられると思ったので、僕も一之瀬さん達を追って図書館に行くことにした。

 

 図書館に入ると意外に中は他のクラスや先輩方がグループを作り僕たちと同じように勉強会を開いていて混雑していた。この様子を見ると如何にテストが重要だという事が誰にでもわかる。

 

「あ!こま...」

 

 一之瀬さんが僕を見つけて声を掛けようとしてくれたが、ここが図書館だという事に気付くと、口元に人差し指を当てながら「シ~~~」と僕にやっている。声を出しかけたのは君だよね?

 

「おまたせ、少し待たせちゃったみたいだね」

 

「ううん、今来たところだよ」

 

「なに、カップルみたいなやり取りしてんだこま..えだ...」

 

 柴田くんが僕に大声を出しかけると一之瀬さんは再び人差し指を口に当てる。心なしか白波さんも僕の事を睨んでいるように見える。

 

 僕が席に着こうと一之瀬さんの隣が空いていたので座ろうとすると白波さんが間に入ってきた。

 

「一之瀬さん!ここがわからないから教えてください」

 

「どこがわからないのかな?千尋ちゃん」

 

 一之瀬さんは白波さんの教科書をのぞき込むとやり方を丁寧に教えている。

 

 「あ、そっか」

 

 僕が思ったのは、僕が一之瀬さんの隣に座るのは効率が悪い。教える側が固まるよりばらけた方が、漫勉なく教えることが出来るからだ。

 

 席順とメンバーはこんな感じだ。

 

 

一之瀬・白波・狛枝・柴田・神崎・二宮

網倉・・小橋・南方・別府・米津

 

 こう並ぶことで、一之瀬さんは網倉さん、白波さん、小橋さんを教えることが出来る。僕は、南方さん、柴田くん、別府くんを教えて。神崎君は、米津くんと二宮さんを担当する。

 

 これなら、一之瀬さんも僕も神崎君も苦手分野があっても教える側同士でサポートできる。

 

 「狛枝くん数学の問題で分からない所があるんだけどいいかな?」

 

 南方さんに質問を受けたので、僕なりに教えてみる。南方さんは水泳の時間で運動神経が良い事は分かったけど、勉強の方は少し苦手みたいだね。だけど基礎ができているようだからやり方さえ教えてあげれば、一人でも解けるようになれたみたいだ。

 

「千尋ちゃん理解できた?」

 

「はい、ありがとうございます一之瀬さん」

 

「流石だね一之瀬さん」

 

―――

一之瀬Side

 

 狛枝くんがいつものように私を誉めてくれるのでありがとうと返す。横の千尋ちゃんの顔が見えるが少し不機嫌そうだ。私はふと思った。

 

 そういえばさっきも私と狛枝くんが隣同士に座ろうとしたら慌てて間に入ってきた。いつも狛枝君が私を教室で誉めるたびに千尋ちゃんは少し悲しそうな顔をすることがよくある。この前の誕生日会も慌てた様子で参加するって自分で言ってたことを推測すると...

 

 

 千尋ちゃんは狛枝くんが好き!

 

 そうとは知らずにごめんね千尋ちゃん...

 

「ねえ、狛枝くん」

 

 私はすぐに行動を起こした。

 

「千尋ちゃんにも勉強教えてあげてほしいな」

 

「え!?ちょっ一之瀬さん!?」

 

「え?別に構わないけど...一之瀬さんなら」

 

「私はちょっと疲れちゃったから二人が限界かな!?」

 

「ええ!?――――わ、わたし...そんなにバカでしたか...?」

 

 千尋ちゃんの目元にうっすらと涙が溜まって見える。違うよ千尋ちゃん!?

 

「違う違う!狛枝くんは私より教えるの上手だから千尋ちゃんも狛枝くんに習った方がいいと思ったんだ!だって狛枝くん今回の小テストクラスで1位だったんだよ」

 

「いや、僕なんて...自分が大した人間じゃないってことぐらい自分が誰よりも...」

 

「狛枝くんは黙ってて!!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 凄い気迫だったから思わず黙ってしまった。

 

「頑張ってね千尋ちゃん」

 

 一之瀬さんはどこか優しい目で私に言うと、網倉さん達の勉強に集中する。私は一体何を頑張ればいいんでしょうか...

 

「どこがわからないの?」

 

「どこも解らなくありません!」

 

 白波さんはそっぽを向いてしまった。僕何か彼女を怒らせるような事したかな?

 

―――

白波Side

 

 突然だが、私白波千尋は一之瀬さんが大好きです。友達としてもちろん好きなのですが、私は恋愛対象としてみています。そして私は狛枝くんが嫌いです。

 

 教室でいつも一之瀬さんと一緒にいて、頼られて、誕生日まで祝ってもらって、一目を気にせずに一之瀬さんの事をア...愛しているなんて言えるこの男が嫌いです!!

 

 実際には、「僕は君の才能を...心の底から愛してるんだよ一之瀬さぁん...」だ。だが、この少女の目には狛枝凪斗が一之瀬帆波に対して愛の告白をしているように見えている。

 

 じゃあ、なんで誕生日を祝ったって?そんなの男子の部屋に一之瀬さん一人で行かせる訳にはいかないじゃないですか!?ですが、私一人増えた所で危険な事には変わりありません。なので、網倉さんにも同行してもらいました。

 

 とはいえ、一之瀬さんは何故か私を狛枝くんに押し付けた。そんなに私の頭は悪いのでしょうか...いえ、このまま拗ねていても何も始まりません。次の中間テストでいい点数を取って一之瀬さんに認めてもらいましょう!なので、とても癪ですが、大人しく狛枝くんに教えてもらいます...

 

「こ、狛枝くん...ここが、わ、わからないんですが...」

 

「うん、そこはね?」

 

 中間テストで良い点数が取れたら私、一之瀬さんに告白するんだ!!

 

 私は希望を胸に抱いて、狛枝くんに勉強を教えてもらう事にした。後で気づいたことですが、狛枝くんは意外に面倒見がいいです。

 

 

 




CHAPTER2は暴力事件までです。次回はいよいよ他クラスとの接触!お楽しみに

誤字の報告ありがとうございます!毎回本当に申し訳ございません!!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。