この聖なる刃に祝福を   作:仮面大佐

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今回は、ユーリとタッセルの話です。


第5集 ル・グラン、シューペルマルシェ。

 ある日のワンダーワールドの、とある家では。

 

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール。僕はタッセル。ユーリが復活してしばらく経った今日この頃、ユーリはちゃんと馴染めているのかなぁ?さあ、最近のユーリに注目してみよう!」

ユーリ「呼んだか?」

 

 タッセルが、ナレーション風に話していると、中にユーリが入ってくる。

 

タッセル「あっ、いきなり来た。うん、呼んだ………ような物………かな。」

ユーリ「何だ?一緒に踊りたいのか?」

タッセル「いや、一言も言ってないけど?」

ユーリ「今日は天気が良いなぁ!」

 

 タッセルが呆然とする中、ユーリはタッセルとは反対側の方に行く。

 

タッセル「ユーリ、この世界には慣れたかい?」

ユーリ「まあ、そうだな。今は、零士やカズマ達の協力もあって、知識を身につけている。」

タッセル「そっか!あの2人って、妙な所で知識があるからね!」

ユーリ「とある場所にハマっていてな。そこは知識の宝庫だ。」

タッセル「ほう………!そこで知識を得ているんだね。それは、どこなんだい?」

ユーリ「大きめのスーパーだ。」

タッセル「大きめのスーパー………?」

ユーリ「ああ、大きめのスーパーにハマっている。」

タッセル「…………。」

 

 ユーリの発言に、タッセルは戸惑う。

 ちなみに、大きめのスーパーとは、スーパーの店長を勤めた事がある転生者が作った物だ。

 正式名称は、カ●ミで、零士曰く、『まんまじゃねぇか!』らしい。

 

タッセル「良いよね………。色々あるし、便利だし。」

ユーリ「お前の格好はそれで良いのか?」

タッセル「え?格好?」

 

 ユーリの指摘に、タッセルは服を摘みながら首を傾げる。

 

ユーリ「色々文化を知った上で思ったんだが、お前の格好、変じゃないか?」

タッセル「うう〜ん。おかしいかどうかを判断するのは、個人のセンスだから。」

ユーリ「まあ、ワンダーワールドの住人だと思えば、許せるな。」

タッセル「そうでしょ!?そう言ってくれると思ってた!」

ユーリ「よし、衣装を変えよう!」

タッセル「え?」

ユーリ「試しに。俺の力で変えてみせよう。」

タッセル「………じゃ、じゃあ、お願いしちゃおうかな?」

ユーリ「じゃあ、変えてみよう。光あれ!」

 

 そうして、タッセルの衣装変えが始まる。

 ユーリの光あれによって、タッセルの衣装が変わる。

 その姿は、南国の女性の衣装だった。

 

ユーリ「……………どう?」

タッセル「うう〜ん。南国女子じゃない。」

ユーリ「よく似合ってるよ。」

タッセル「そうかなぁ………?」

ユーリ「これで、いつものをやってみろ。冒頭の奴、得意だろ?」

タッセル「ま、まあ、得意だけど………。」

ユーリ「じゃあ、やってみろ。」

タッセル「うん、分かった。やってみる。」

 

 そして、ナレーションが始まる。

 タッセルは、ビーチにおいてある椅子に座っていた。

 

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール。僕はタッセル。ああ〜、良い日差し!折角だから体をこんがり焼けようと思って、日焼けクリームを塗ったら、ヌルヌルになっちゃって、大失敗!さあ、最近のユーリに注目してみよう!」

 

 しばらくの沈黙。

 ユーリが口を開く。

 

ユーリ「…………どう?」

タッセル「良いかも。」

ユーリ「だろ?しっくり来るもんな。」

タッセル「これからは、これで行ってみようと思うよ。」

ユーリ「ダメだ。他のも試すべきだ。」

タッセル「…………やっぱり、そうかな?」

ユーリ「ああ。俺に任せろ。一番似合うのにしてやる。」

タッセル「最初からそうしてよ。」

ユーリ「光あれ!」

 

 ユーリの声と共に、タッセルの服装が変わる。

 その姿は、シャツの上にセーターを着て、ズボンを着用した姿だった。

 

ユーリ「…………どう?」

タッセル「日曜のお父さんじゃない。」

ユーリ「どうだ?」

タッセル「うう〜ん。清潔感はあるかもね。」

ユーリ「だろ?これでちょっとやってみ?」

 

 そして、ナレーションが始まる。

 タッセルは、ソファに座っていた。

 

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール。僕はタッセル。今日は休みだから、少しのんびりと過ごそうかな。よし、折角だから、釜で何か作ろうかな。おっと、その前に庭の芝刈りもしないと!いけない、いけない!さあ、最近のユーリに注目してみよう!」

 

 しばらくの沈黙。

 タッセルが口を開く。

 ユーリは、いつの間にか椅子に座っていた。

 

タッセル「………終わったんだけど?」

ユーリ「内容が変わったな。」

タッセル「………うん、さっきの服もあったし、この服をモチーフにして………。」

ユーリ「服によって変えるのか?」

タッセル「うん、そういうお約束で行こうかなって。」

ユーリ「………で、どう?」

タッセル「う〜ん………。これも良いんだけど、首から上が浮くなぁって思うんだけど。」

ユーリ「ああ………。じゃあ、首から上に合わせようか?」

タッセル「良い?」

ユーリ「ああ。光あれ!」

 

 ユーリの声と共に、タッセルの服装が変わる。

 その服装は、まごう事なきサッカーのサポーターのそれだった。

 

タッセル「………これ、首から上に合わせたの?」

ユーリ「そうだね。」

タッセル「何か、大きい大会の期間中の飲み屋の変な親父じゃない。」

ユーリ「良いだろ、格好いいよ。

タッセル「格好いいのかなぁ………?」

ユーリ「ああ、カッコいいよ。ちょっとやってみ?その格好でやるとどうなるのか。」

タッセル「そ、そうだね………。」

 

 3度目のナレーションが始まった。

 ちなみに、ユーリが見ていた雑誌の一つに掲載されていた服装になっている。

 

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール。僕はタッセル。この間、この格好で外を歩いていたら、スースーしちゃったよ!通りすがりの子供達から、『おじさん、変な人だね!』って言われちゃった!笑っちゃうよねぇ!さあ、最近のユーリに注目してみよう!」

 

 三度の沈黙。

 ユーリが不満顔で口を開く。

 

ユーリ「………俺の話をしろよ。」

タッセル「………そうだよね、やっぱりその方がいいよね。」

ユーリ「衣装は、今までで一番良いな。」

タッセル「あっ、本当?」

ユーリ「それで行けよ、これから。」

タッセル「そ、そうだね。これから、これで行こうかな?」

ユーリ「俺もやってみるよ。」

タッセル「…………え?」

 

 ユーリの発言に、戸惑うタッセル。

 ユーリは口を開く。

 

ユーリ「冒頭の奴。」

タッセル「あ、やってみたいの?」

ユーリ「ああ、自分で俺の話をするよ。そこからオープニングテーマが始まれば良いんだろ?」

タッセル「まあ、そうだね。」

ユーリ「だったら出来るな。よし、参加しよう。2人でやろう。」

タッセル「えっ、2人でやるんだ。」

ユーリ「…………嫌なのか?」

タッセル「いや、嫌じゃないよ!よし、やってみよう!」

 

 そうして、2人のナレーションが始まる。

 

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール。僕はタッセル。」

ユーリ「こんにちは、俺はユーリ。最近、大きめのスーパーに行くのにハマってます。大きめのスーパーって、迷路みたいで、何か楽しいんだよな。」

タッセル「分かる、分かる。」

ユーリ「この間、迷っちゃったもん。」

タッセル「…………分かる、分かる。あるよね。」

ユーリ「………うん。」

 

 そうして、オープニングテーマが流れる。

 だが、タッセルが強制的に止める。

 

タッセル「待って、待って!何か、これじゃダメな気がする!」

ユーリ「………やっぱり、笑顔が必要か。」

タッセル「それはそうなんだけど、もっとオープニングに繋がる煽りが必要だと思う!これだと、2人のおじさんが喋ってるだけだから!」

ユーリ「うう〜ん。専門的な事は分からないな。」

タッセル「うう〜ん………。何か、勿体つけたり、振り返ったり。」

ユーリ「お前がそこまで言うのなら、やってみるよ。」

タッセル「ああ……ありがとう。」

 

 そうして、ナレーションが再び始まる。

 ユーリは、サングラスをしながら語っていく。

 

ユーリ「正しそうに見えるが、間違っている推論は、パラドックスを生みます。皆さんの身近な所にも実はパラドックスが生まれ、皆さんを不思議な世界へ誘っています。私も、吸い込まれるように大きめのスーパーに入り、2時間くらい迷ってしまいました。パラドックスは皆さんのすぐそばに、そして、大きめのスーパーはあなたのすぐそばに………あるのです。」

 

 再び、オープニングテーマが流れる。

 だが、またもやタッセルが強制的に止める。

 

タッセル「待って、待って!まだいけない!オープニング感は出たけど、何か違う!何か、内容が今ひとつピンと来なかった!結局、笑顔もないから。」

ユーリ「…………そうかぁ………。じゃあ、少し雰囲気を変えてみる?」

タッセル「お願い。」

 

 ユーリによる3度目のナレーションが始まる。

 

ユーリ「物語というのは、人々が交差し合い、様々な人間関係が展開されていく物です。そして、それが予期せぬ出来事を生む。まあ、これを所謂群像劇と言いますが、予期せぬ出来事といえば、私も意外な所で迷ってしまったんです。どこだったんでしょうか?そう、大きめのスーパーです。」

 

 3度目のオープニングが流れ出す。

 だが、1度目2度目よりも早く、タッセルが強制的に止める。

 

タッセル「待って待って、待って!あんまり変わってないかも。」

ユーリ「ダメかなぁ?」

タッセル「そうかも。」

ユーリ「そうかぁ………。」

タッセル「うう〜ん。」

 

 2人は、沈黙する。

 4度目のオープニングテーマが流れるが、タッセルはすぐに止める。

 

タッセル「え!?何で!?何で今入ったの!?」

ユーリ「今かなあって思って。」

タッセル「ええっ?今、だったのかなぁ……?」

ユーリ「もっと………アレかな?ニュアンスの問題かな?」

タッセル「ニュアンス?」

ユーリ「大きめのスーパーの。」

タッセル「あっ、そっち?うう〜ん………そう、かもね。」

ユーリ「フランス語で、大きめのスーパーって、なんて言うの?」

タッセル「えっ?フランス語で?うう〜ん。Un grand supermarché.」

 

 タッセルがそう言うと、5度目のオープニングが始まる。

 タッセルはすぐに止める。

 

タッセル「違う!違う!違う!今でもいけない!だんだん意味が分からなくなってきてるから!」

ユーリ「じゃあ、この翻訳機に、さっきのフランス語を言ってみて。」

タッセル「どっから持ってきたの、それ?」

ユーリ「カズマと零士に作ってもらった。」

 

 タッセルは、翻訳機を作った零士とカズマに呆れつつ、フランス語を言う。

 

タッセル「Un grand supermarché.」

翻訳機『大きめのスーパー。』

 

 6度目のオープニングが流れ出す。

 だが、またもやタッセルがすぐに止める。

 

タッセル「ダメ!ダメ!ダメ!オープニングで遊んでるみたいになるから!大きめのスーパーの話ばっかしてるし!」

ユーリ「そうだな。ていうかタッセル。大きめのスーパーの話はしない方が良いんじゃないか?」

タッセル「うう〜ん。やっぱり、そうかな?」

ユーリ「だって、関係無いんだし。」

タッセル「うん、賛成。」

ユーリ「後、服も最初の方が一番良いよ。」

タッセル「やっぱり、そうかなぁ………?」

ユーリ「うん。何でその格好をしてるんだ?いつまで浮かれているんだ?首から上が合ってないし。」

タッセル「ええっ、やっぱり、合ってないよね?」

ユーリ「元に戻してやる。光あれ!」

 

 ユーリの光あれと共に、タッセルの服装が、最初の奴に戻った。

 

ユーリ「やっぱり、これだろう?最高だろう?」

タッセル「う、うん、最高。」

ユーリ「じゃあ、また来るよ。オープニング、頑張れよ。」

 

 ユーリはそう言い残して、タッセルの家から立ち去っていく。

 

タッセル「僕が迷った気分………あの場所に。そう、Un grand supermarché.」

翻訳機『大きめのスーパー。』

 

 タッセルの家のテーブルに残された翻訳機だけが、そう答える。




今回はここまでです。
短編活動萬画集も、次回で終わりです。
キャラ紹介のところに、イメージCVを載せておきます。

 次回予告

リア「さあ、いよいよ、さいしゅっ!さいしゅうちゅうだ!よし!」
エーリカ「最終集よ、リア。」
シエロ「大丈夫ですか?」
リア「ちょっと噛んだだけだよ。」
アイリス「これまでの短編にも、ハプニングがたくさんあったみたいですよ。」
ミツルギ「という事で。」

 別冊 この聖なる刃に祝福を
 短編活動萬画集
 最終集 2022年、全部見せます!NG大賞。

賢者の孫とリバイスの小説を、賢者の孫寄りにするべきか。

  • 変えるべき
  • そのままで
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