第12話 遭遇する、冬将軍。
魔王軍幹部ベルディアを撃破して2ヶ月が経過したある冬。
外壁の修理は着実に進み、もうじき完了との事だ。
ミツルギは、『エクストリームラビット』、『銀河特急の夜』の2つのワンダーライドブックを受け取り、月光剣萬月と魔剣グラムを携えて、武者修行の旅に出た。強くなって、俺と戦う為に。
門矢士との邂逅もあったり、ソードオブロゴスの隊服を受け取ったりしていたが借金の完済に向けて俺達はあちこちを駆けずり回っていた。
カズマ達はジャイアントトードやコボルトにゴブリン等を担当して、俺達は厄介な部類に入るモンスターの討伐に当たった。
例えば、一撃熊。
こいつは、冒険者の頭を一撃で吹き飛ばす事からそう名付けられた。
見た目通りやばくて強そうだったが、カイトの闇黒剣月闇と俺の火炎剣烈火の一閃をくらって沈んだ。
例えば、ジャイアントアースウォーム。
こいつは、名前の通り、でかいミミズで、肉食性で、人がたびたび食べられるらしい。
こいつはカリンの音銃剣錫音で誘い出して、こいつの胴体を撃ち抜いた。
例えば、白狼の群れ。
こいつらは、群れをなして襲ってくる。牧場でたびたび被害が出ているそうだ。
こいつらは、リナの雷鳴剣黄雷からの雷撃で一気に倒した。
このように、色々なところを駆けずり回ってなんとか借金の完済を完了した。それからたびたびワンダーワールドの侵食が起こっているので、それの対処も行った。
返済が完了した俺達は、まるで屍のようにテーブルに突っ伏していた。
一応、借金の完済お疲れ様パーティーと称して盛大に飲んで楽しんだ。
しかし、楽しいばかりじゃないのが現実であって。現在、カズマは血反吐を吐くかのように叫んだ。
カズマ「…………金が欲しい!!」
そう、俺たちの懐はとても生活するには苦しい物だ。
季節は冬。そのため、外には雪が降っている。
こんな寒い季節にクエストに出る冒険者はゼロだ。
ベルディア討伐に関わった冒険者は、全員軒並み報酬が支払われているので、懐があったかい。
その結果、クエストには問題は無い。しかし冬場のクエストは辛いので、遠慮したいのが本音である。
今あるクエストで、お手頃なのが雪精の討伐である。
雪精とは、冬場に宙を漂っている存在で、低レベル冒険者でも楽に倒せる。
1匹倒すたびに冬が半日縮まるという謎な生態がある。
しかし、そんな楽なのにも関わらず、高額報酬だと言う。
絶対裏があるだろ。そう思って受けていないのだが、こうなっては背に腹は変えられないという事でカズマのパーティは受ける事にした。
俺たちのパーティは、ちょうど雪精のクエストに向かったカズマ達に程よく近い「一撃瞬殺熊」の討伐クエストに向かう事にして、向かった。
一撃瞬殺熊。
文字通り一撃熊の上位互換で、必殺の一撃が雷属性を帯びていて、くらうと同時に感電してしまうらしい。
最近どういう訳か出没する様になったらしい。
報酬は、破格の50万エリスという。
感電するリスクを避けて戦闘する事になった。
零士「感電したら、速攻で死ぬだろうからな。気をつけていこう。」
カイト「でも、リナは大丈夫じゃないのか?雷の剣士だし。」
カリン「そうね。」
リナ「私でも一撃瞬殺熊は、雷鳴剣黄雷の力でも厳しいかもしれないわよ。」
ちなみに俺達の装備は、ソードオブロゴスの冬用の隊服は意外と保温性があり、俺とカイトとリナは隊服で受ける事になった。カリンは、ソフィアから温かい外套を借りて行う事にした。
移動手段は、俺がリナを乗せてディアゴスピーディーで、俺が運転を教えたカイトはカリンを乗せてライドガトライカーで向かった。
零士「………あれが一撃瞬殺熊か。」
カイト「本当に居たよ。」
カリン「さて、どうする?」
リナ「もう変身しちゃう?」
零士「そうだな。あれは本当にヤバそうだしなぁ。」
そう言って、俺たちは仮面ライダーへと変身して、一撃瞬殺熊に立ち向かった。
結果としては、なんとかの勝利だ。
戦闘は、触れたらヤバいという事で、ヒットアンドアウェイの戦法を取る事にした。
剣で斬りつけたら、下がって他の奴に変わってもらうという戦法と、遠距離攻撃が出来るやつは遠距離攻撃をするという戦法を取って、弱った所をそれぞれの必殺技で仕留めた。
零士「…………死ぬかと思ったぜ。」
カイト「結構ギリギリだったな。」
カリン「もうごめんよ。」
リナ「まぁ、これで50万エリス獲得よね。」
俺達はカズマ達と合流しようと決めたら、急にカイトが苦しみ出した。
カイト「………ウッ!」
零士「どうした!?」
リナ「カイト!?」
カリン「どうしたのよ!?」
カイト「………闇黒剣月闇が未来を見せてきた。」
零士「え!?」
闇黒剣月闇が!?
だとしたらヤバいかも。
カイト「……このままじゃカズマが死ぬ!」
零士「……不味いかもな!」
俺たちはカズマ達の元へと急行した。
カズマside
俺は雪精討伐を行なっていたが、アクアを見て言うべきことは言っておくべきだと思い、言っておく。
カズマ「………お前、その格好はどうにかならんのか?」
俺は、冬に使うコートを着て捕虫網といくつかの小さい瓶を抱えた、冬場、セミ採りに行くバカな子供の様なアクアの格好に、呆れて言った。
アクア「はあー?あんたバカなの?」
この野郎。
アクア「これで雪精を捕まえて、この小瓶の中に入れておくの!で、そのまま飲み物と一緒に箱にでも入れておけば、いつでもキンキンのネロイドが飲めるって考えよ!つまり、冷蔵庫を作ろうって訳!どう?頭いいでしょう!」
なんかオチが読めそうだが、本人が勝手にやる事なので好きにやらせておこう。
で…………。
カズマ「お前、鎧はどうした?」
ダクネス「修理中だ。」
アクアに続き、うちのパーティーの土の剣士ダクネスが、鎧も着けずに私服姿で、土豪剣激土だけを携えていた。
カズマ「ダクネスはそんな格好で本当に寒くないのか?」
ダクネス「……問題ない。ちょっと寒いが……我慢大会みたいな物と……思えば。」
どうやら頭の温かい変態は、基本体温も高めらしいな。
めぐみんはいつもの服ではなく、首から太腿まで覆える黒のインナーを着用しており、足には黒のブーツ、白のケープを纏っている。
手にも白色のグローブに、頭は猫みたいな意匠のフードを被っている。
一見すると寒そうだが。
カズマ「めぐみんは寒くないのか?この中でも1番薄着だろ。」
めぐみん「大丈夫ですよ。私は基本体温は高めでインナーも保温性が高いので。」
カズマ「そうか。」
雪精討伐に動こう。ちなみに俺はソードオブロゴスの隊服のまま来ている。
カズマ「これで5匹目だ!こらっ!待てェェ!」
雪精は攻撃こそしないが、小さくちょこまかと動くので中々仕留められない。
俺は中々仕留められないので時間がかかる。
アクア「………よっと!」
ダクネス「くらえ!」
アクアは虫取り網で背後から雪精を捕まえていた。
結構捕まえたようで、既に6匹確保していた。
アクア「ふふん!大量!大量!」
カズマ(虫取り網の方が良いのだろうか?)
ダクネスは土豪剣激土で雪精を仕留めていた。
ただ土豪剣激土を使うのではなく、ジャッ君と土豆の木のワンダーライドブックをシンガンリーダーで読み取って、蔦を出して一気に倒してている。
零士のアドバイスで、ダクネスは不器用だがただ振り下ろすだけではなく、ワンダーライドブックの力で補う事だそうだ。
ダクネス「ふむ。このジャッ君と土豆の木は使いやすいな。」
零士曰く、ワンダーライドブックには相性があり、ダクネスの玄武神話はジャッ君と土豆の木とは相性が良いようだ。
見ているだけじゃなくて俺もどうにかしないとな。そうだ!
『ピーターファン!』『ふむふむ』
『習得一閃!』
俺はピーターファンタジスタを水勢剣流水に読み取って、水の斬撃波を周囲に出して雪精を一掃した。
俺はいつの間にか30匹を撃破しており、合計で35匹もの雪精を討伐していた。
カズマ「ふぅ、こんな所かな。」
めぐみん「カズマ。」
カズマ「なんだ?」
めぐみん「ちょっと爆裂魔法を撃っていいでしょうか?試したい事があるので。」
カズマ「いいけど。」
めぐみんは爆裂魔法の準備をし始めた。だが、いつも通りなんだが、少し違うような気がする。
めぐみん「穿て!エクスプロージョン!」
カズマ「!?」
爆裂魔法の爆発は小規模で、その代わりに強烈な熱風が巻き上がった。
その結果、周囲はあっという間に蒸発し、雪精もあっという間に消えた。
カズマ「めぐみん?何したんだ?」
めぐみん「あぁ、風双剣翠風の風を操る力を応用して、爆裂魔法の威力を最小限に抑えて、熱風だけを周囲にばら撒く物です。」
なるほどな。それなら、近くに仲間がいても、少し暑い熱風がくるだけで大丈夫だもんな。
めぐみん「………しかし、こういうのは私の趣味ではありませんね。迫力に欠けますし、カッコいい詠唱があまり出来ませんでした。」
ほとんど、後半部分の物が気に入らない理由なのでは?
やはり雪精討伐、楽すぎる。なんか怪しい。
カズマ「………なんで誰もやらないんだろ?」
そんな事を呟くと、ダクネスが何かに気づき、
ダクネス「出たぞ!」
カズマ「!?」
ダクネスの視線の先には、冷気が立ち込めていてよく見えないが、なんか鎧武者のようなやつがいて、日本刀を構えていた。
カズマ「なんだあれ!?」
ダクネス「ワクワク!」
カズマ「え?」
なんでダクネスが喜んでるんだ?めぐみんは険しい顔で見ている。
一体あそこに何がいるんだ?
アクア「ねぇ、カズマ。」
カズマ「何だ?」
アクア「貴方も日本に住んでいたなら何度か天気予報で聞いた事があるでしょう。」
カズマ「天気予報?」
こんな時に何言ってんだ。
アクア「雪精の主にして、この世界の、冬の風物詩、冬将軍の到来よ!」
カズマ「はい?」
アクアがそう言った瞬間、冷気が晴れてそいつの全体図が顕になった。
そいつは本当に鎧武者だった。
なんか、怒ってるように見えるが。
ダクネス「冬将軍!……国から懸賞金が掛けられている特別指定モンスター!」
カズマ「はぁ!!」
大体わかったぞ。なんで雪精討伐がこんなに楽なのに高額報酬が掛かっているのか。
なんで誰も受けないのか。
なんでダクネスが喜んでいたのか。
全部こいつのせいか!
ダクネス「きっと将軍の地位を利用して私を手込めにするだろう……。できる限りは抵抗するが、力及ばず、組み伏せられて……。」
カズマ「バカー!この世界は!人もモンスターも食べ物もみんな揃って大馬鹿だァァァ!!」
俺のこの叫びは俺にとって少しスッキリした。
そんな中、冬将軍は駆け出してダクネスに襲っており、ダクネスは、土豪剣激土で受け止めていた。
もし、以前使っていた剣を使おう物なら、あっさり斬られそうだが。
カズマ「こいつヤバい!」
アクア「まあ、冬将軍も雪精なんですけどね。」
カズマ「はい!?」
アクア曰く、精霊は人が思った姿になる。
だが、こんな冬にクエストに出るのは、余程の物好きか、チート持ちの日本人くらいしかいないそうだ。
つまり。
カズマ「こいつは日本から来た誰かが、冬と言えば冬将軍のノリで連想したから生まれたのか!?なんて傍迷惑なんだ!!」
正直言って冬将軍を生み出した奴がこの場にいたなら、ぶん殴ってやりたい。
ダクネスから一旦離れた冬将軍を見据えて、流石に変身せざるを得ないと判断して変身する。
『ライオン戦記!』『大剣豪浦島二郎!』『天空のペガサス!』
『玄武神話!』
『猿飛忍者伝!』
『流水抜刀!』
『玄武神話!』『一刀両断!』
『猿飛忍者伝!』『双刀分断!』
「「「変身!」」」
『聖なるライオンペガサス!増冊!浦島二郎!』
『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』
『風双剣翠風!』
俺は、ブレイズペガサスライオン浦島二郎に、ダクネスはバスターにめぐみんは剣斬に変身して戦う。
ダクネスが冬将軍の刀を受け止めて、その隙に俺とめぐみんが斬りかかる戦法を取った。
だが、冬将軍は、変身している俺達をあっさりと吹き飛ばした。
ダクネス「なら……。」
めぐみん「ワンダーライドブックを変えるまでですよ!」
『大横綱金三郎!』
『爆走うさぎとかめ!』
『大横綱金三郎!』『一刀両断!』
『爆走うさぎとかめ!』『双刀分断!』
『土豪剣激土!』
『風双剣翠風!』
ダクネスは玄武金三郎に、めぐみんは忍者うさかめへと変身する。
玄武金三郎のパワーに忍者うさかめの俊敏性に流石の冬将軍も戸惑っていた。
俺は隙をついて大剣豪浦島二郎を抜き、ピーターファンタジスタを取り出す。
その時、零士に言われた事が脳裏によぎる。
零士『俺達、ソードライバーを使って変身する仮面ライダーには、ワンダーコンボという、ただの3冊変身よりも強い形態がある。でも、長時間の戦闘は、最初の頃は出来ない。だから、ワンダーコンボに成り立ては、短期決戦で決めて、徐々に慣らしていこう。』
ワンダーコンボ。
零士曰く、通常の3冊変身とは違い、それぞれの基本形態に用いるワンダーライドブックと相性のいいワンダーライドブックを使い変身するらしい。だが、通常の3冊変身よりも負担は強く、初期は長期戦に持ち込まれると、辛い。
だが、俺は今まさにワンダーコンボへの変身を行おうとしている。俺は覚悟は決まっている。だからこそやってやる!
『ピーターファンタジスタ!』
俺はピーターファンタジスタを装填して、水勢剣流水を抜刀する!
『流水抜刀!』
『蒼き野獣の鬣が空に靡く!ファンタスティックライオン!』
『流水三冊!紺碧の剣が牙を剥き、銀河を制す!』
俺はワンダーコンボであるファンタスティックライオンに変身したが、ベルディア戦の時とは途方にもならない力がみなぎってくる!
カズマ「行くぜ!」
俺は冬将軍と相対する。
俺はペガサスライオン浦島二郎では苦戦した冬将軍を追い詰めつつあった。
俺はライオン戦記ワンダーライドブックをタップした。
『ライオン戦記!』
俺は冬将軍に突っ込み、体をゲル化して冬将軍に内部からダメージを与える。
俺は必殺技を発動する為、水勢剣流水をソードライバーに納刀する。そしてナガレトリガーを引いて抜刀する!
『必殺読破!』
『流水抜刀!』
『ペガサス!ライオン!ピーターファン!』
『三冊斬り!』
『ウォ・ウォ・ウォ・ウォーター!』
カズマ「ハイドロ・ボルテックス!」
水勢剣流水から、水を飛ばして渦を作り、冬将軍を閉じ込める。だが、冬将軍はその渦を凍らせた。だけど、それが狙いだ!
カズマ「これでお前は、そう簡単には動けないよな!」
凍らされても操作する能力はあるので、凍った渦ごと冬将軍を浮かばせる。
危険を感じたのか、なんとか日本刀を構えて防御の姿勢を取った。
そして俺は冬将軍を斬り裂く。
剣と刀がぶつかる音がして、周囲は静寂に包まれた。
その時、上空から冬将軍の刀身のみが降ってきた。
カズマ(しまった!刀しか斬れなかったのか!)
反撃に備えて構える。
だが、冬将軍は攻撃する素振りを見せずに、刀をしまうと、懐から扇子らしき物を取り出して、自分を扇ぎ出した。
まるで、『よく拙者の刀を斬ったな!実に天晴れである!』と言わんがばかりの態度を取る。
その後、冬将軍は背中を向けて、森へと去っていった。
カズマ「助かったのか………?」
めぐみん「おそらく。」
ダクネス「凄いぞカズマ!あの冬将軍の刀を斬ってしまうとは!」
アクア「何よ……。やるじゃない。」
その後、闇黒剣月闇の未来予知を見たという零士達が、ディアゴスピーディーとライドガトライカーに乗って現れた。
事の成り行きを話し終えると、零士から褒められた。そう言えば、隙あらば、リベラシオンで特訓していた事を伝えると、さらに褒められた。
俺達もライドガトライカーを俺とアクアが出して、めぐみんとダクネスを乗せてアクセルへと帰った。
雪精討伐……クリア!
一撃瞬殺熊討伐……クリア!
零士side
俺達のパーティはかなり有名になった。
短期間で数多くの高難易度のクエストをクリアした俺とリナとカイトとカリンのパーティ。
冬将軍と遭遇しつつも、退け、雪精討伐を行えたカズマとアクアとめぐみんとダクネスのパーティ。
今や俺達はアクセルで注目されているパーティとなっている。
アクアは冬将軍に気づかれない様に数匹の雪精を連れてきていて、夏にかき氷屋を開いたり、暑い夜に一緒に寝る等と語っていたが、そもそもの話、夏まで雪精が存在を保てるのかという疑問を感じた。
アクア「ねぇ、なんか頼まない?」
リナ「そうね。物凄く疲れた。」
カイト「なんとか、俺達、この冬は乗り切れそうだな。」
零士「そうだな。」
カズマはワンダーコンボを使いこなしていた。俺もいずれワンダーコンボを使いこなして見せないとな。
今回はここまでです。
デッドマンのバイスタンプも出てきましたね。
賢者の孫とリバイスの小説で、原作キャラは変身させるべきか。
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変身させる。
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変身させない。