この聖なる刃に祝福を   作:仮面大佐

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タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル!前回、冬将軍を退けたカズマ達に、一撃瞬殺熊を倒した零士達!着実に実力をつけてきてるね!だけど、借金は返済し終えたとは言え、零士達は宿に泊まって、カズマとアクアは馬小屋だ。早く、安定した住居を手に入れて欲しいね。それと、零士の頭に過ぎる謎の記憶も徐々に活性化してきてるね………。」


第13話 獲得する、屋敷

 俺はとある悩みを抱えていた。

 それは、以前からの謎の記憶がここ最近、更に鮮明化し始めている事だ。

 そしてとある事に気づいた。それは、2人の女の子の内の1人が、リナにそっくりなのだ。

 そして俺は目を覚ました。

 

零士「あれは一体なんなんだ?」

 

 謎の記憶は俺が仮面ライダーセイバーになってから見るようになった。

 まさか、神山飛羽真みたいに何かを忘れているのでは?

 しかし、俺は日本からの転生者。この世界の記憶なんてない筈だ。

 だが、もしかしたら、可能性としてあるのは、この世界の誰かが俺に転生して、そこから俺としてこの世界に来た可能性。

 もしくは、この世界の誰かの魂が俺の中に入っている可能性。

 前者の可能性は大いにあるが、後者は微妙な所だ。

 

零士「まぁ、考えても仕方ないか。」

 

 俺は、冴えてしまった頭を落ち着ける為に、水を飲んで、日課の一つであるアクセル外周マラソンを開始する。

 

 朝

 

 俺はマラソンで謎の記憶について忘れた所で、カズマ達と合流する。

 その時にアクアとリナの2人に少し変な事を言われた。

 

アクア「ねぇ、あなた、なんか別の存在があなたの魂に感じるんだけど。」

リナ「なんでだろ?なんかだんだん君が死んじゃった幼馴染の雰囲気に似てる気がする。」

 

 なんて言われたが、その時は気のせいだろと言ったが、もし、俺の魂にリナの死んだ幼馴染の魂が入っているのか?

 そうだとしたら、一体何を意味するのか?

 分からない。

 それに、ここ最近、意識が少し飛ぶようになってきている。

 その話は一旦終わりにして、俺はリナと一緒にクエストに出かけた。

 

零士「なぁ、君の死んじゃった幼馴染って一体誰なんだ?」

リナ「あぁ、ジュンって言ってね。結構、剣の腕も高くて、本も大好きで結構私ともう1人の幼馴染にも、オリジナルの話をしてくれたんだ。」

零士「もう1人?」

リナ「あぁ、レイナって言ってね、その子、ジュンとも仲が良かったんだけど……。レイナは、ある時を境にして居なくなっちゃって、ジュンもクエストに出かけて、モンスターに倒されちゃって死んじゃったんだ。」

零士「なんか、ごめん。」

リナ「いいのよ。それに、いい加減に諦めをつけないといけないしね。」

零士「諦め?」

リナ「あぁ、なんでもない。」(賢人さんにも言われたけど、私って零士の事好きなのかな?)

 

 リナが何かを考え込んでいたが、すぐに明るい表情を見せた。だが、少し陰りがあるような気がする。

 その後、少し話しながらも、クエストをこなしてアクセルへ戻ろうとすると、カズマからガトライクフォンに連絡が入った。

 

零士「どうしたカズマ?」

リナ「本当にその魔道具、凄いわよね。アクセルにいるカズマの声がここまで届くんだから。」

零士「本当か!?すぐに戻る!」

リナ「どうしたの?」

零士「喜べ!俺達の家が手に入りそうだ!」

リナ「え!?」

 

 カズマから聞いた内容とはこうだ。

 ウィズ魔道具店で、幽霊屋敷の依頼がウィズに入ったが、諸事情でウィズは行けずに、その時にいたアクアが引き受けた事で屋敷が手に入りそうとの事だ。

 そこで俺達は衝撃的な事実を知る。

 それは、ウィズがリッチーで、魔王軍幹部の1人だそうだ。

 だが、魔王軍幹部と言っても、なんちゃって魔王軍幹部らしく、人間には危害を加えないと言う事だ。

 人間に危害を加えない事、これまで世話になった事から俺達はウィズを信じる事にした。

 俺は宿から荷物を纏めて、カズマ達と合流し、件の屋敷の前に到着した。

 

カズマ「ここか。」

アクア「悪くない、えぇ、悪くないわ!この私が住むのに相応しい屋敷じゃない!」

めぐみん「本当は貴族の隠れ別荘だったみたいです。」

カイト「そうらしいな。」

ダクネス「しかし、除霊の報酬としてここに住んでいいとは。」

カリン「随分太っ腹な大家さんね。」

カズマ「なんでも、ウィズは聡明な魔法使いで、この手の案件が持ち込まれるそうだ。」

零士「ウィズってただのダメ店主って訳じゃ無いんだなぁ。」

リナ「それ、本人の前で言ったら、ウィズさん、泣いちゃうからね。」

 

 本当にウィズには感謝しないとな。

 

アクア「これで冬の問題は解決ね!災い転じて福となるとはこの事ね!流石私!」

カズマ「でも、大家さんが言うには祓っても祓ってもまた新たな霊が湧くらしい。」

アクア「任せてよ!私はアークプリーストにして女神!謂わば対アンデットのエキスパートよ!」

 

 そう言って、アクアは屋敷に両手を向けて何やら手を動かし始めた。

 

「「「「「「「おぉぉぉ。」」」」」」」

アクア「見える。見えるわ。この屋敷には貴族が遊び半分に手を出したメイドの子供、その子供が幽閉されてたみたいね。……。」

「「「「「「「……………。」」」」」」」

 

 なんか、インチキ霊媒師が言いそうな事を言い出したアクアに当初は期待を込めた目で見ていたが、次第に全員ジト目になった。

 その変な事を言っているアクアを俺達は放っておいて、屋敷へと入る。その時に俺とカズマはとある事を呟いた。

 

カズマ「……なんでそんな余計な事まで分かるんだって突っ込みたいんだが。」

零士「……俺もだよ。」

 

 俺達は屋敷へと入り、部屋の割り当てと埃が被っていた部屋を掃除した。

 

めぐみん「ふぅ〜。こんなもんですかね。」

リナ「そうね。皆、お疲れ様。」

ダクネス「部屋の割り当ても決めたしな。」

カリン「後は夜を待つだけね。」

カイト「ノーザンベースへの通路も新たに設置出来たしな。」

零士「これでわざわざ外へ行かなくてもノーザンベースへ行けるな。」

カズマ「流石に埃っぽいな……。」

 

 カズマが窓を開けた途端に言葉を止める。

 何事かと見てみれば、アクアがまだ、外にいて未だに鑑定を行っていた。

 

アクア「名前はアンナ・フィランテ・エステロイド。好きな物はぬいぐるみや人形、冒険者達の冒険話……!でも安心して、悪い霊ではないから。おっと……、子供ながらに大人びた事が好きみたいね。……。」

「「………………。」」

 

 俺とカズマは何も見なかった事にして窓を閉めた。

 

零士「じゃあ、これから自由時間だ。」

カズマ「悪霊が出たら、すぐに報告する事!」

「「解散!!」」

「「「「「………。」」」」」

 

 俺は割り当てられた部屋へと向かい、俺は火炎剣烈火を立て掛けて、ライドブックホンダナーに俺が所持しているワンダーライドブックを装填した。

 さて、これで俺も安定して寝る事が出来るな。

 悪霊が出るって言われたけど、こっちには自称とはいえ、女神がいる。どうにかなんだろ。

 そう思っていた、その時。

 

アクア「あぁァァァ!!ァァァ!!」

零士「!?何だ!?」

カズマ「おい零士、アクアの叫び声が聞こえたよな!?」

零士「あぁ!アクアの部屋に行くぞ!」

 

 俺とカズマはアクアの部屋に向かって、状況を確認する。

 

零士「おいアクア!大丈夫か!?」

カズマ「何があった!?」

 

 そこには地べたに座っていたアクアがいた。

 クソ!やられたか!?

 アクアが振り返ると酒瓶を持って泣いていた。

 

アクア「カズマ〜。零士〜。」

「「……………おい。」」

 

 ………まさか。

 

アクア「これは大事に取っておいた高いお酒なのよ。お風呂から上がったらちびちび飲もうと大事にしてたの!それが!お風呂から上がったら、見ての通り空だったのよ!」

カズマ「そうか。おやすみ。また明日な。」

零士「静かに眠れよ。」

 

 俺達は下らない理由で泣いていたアクアを見てすぐさま、自分の部屋へと戻ろうとすると。

 

アクア「これは悪霊の仕業よ!ちょっと私、屋敷に見える霊をしばいてくるわ!おらーー!!出てこいやー!!」

 

 そう言って飛び出していった。

 他の面子が何事かと廊下に出てきたが、問題はないと言って戻らせて俺達も、その時にそれぞれの聖剣をカリンに預けて部屋に戻った。

 その後、アクアのターンアンデットの発動の声が周囲に響いていた。時折、花鳥風月と言う宴会芸スキルを使った声も聞こえたが。

 

深夜

 

 俺は唐突に目が覚めた。理由はトイレに行きたくなったからだ。

 その時、トサッと何かが落ちる音がした。

 少し怖くなって音の鳴った方を見ると、そこには謎の人形があった。

 

零士(コワッ!!えっ?あんな人形この部屋に置いてないよね!?て言うか体が動かないんだけど!?)

 

 俺は恐怖かまたは金縛りにあったかのように身体が動かなくなった。

 暫くカサカサと言う何が動いているような音がしたと思ったら、ベットに何かが乗っかった様な音がして音がしなくなった。

 目を開けてはいけない。でも、このままではトイレに行けない。意を決して目を開けるとそこには、大量の人形がまるで俺を取り囲む様に置いてあった。

 

零士「あぁぁ!!ギャアアアァァァ!!」

 

 俺は腹の底から声を出して、部屋の外に出た!

 

零士「アクア、アクアさーん!!助けてェェェェッ!!なにこれ、めっちゃ怖い!!」

 

 俺は俺と同じく人形に追われていたカズマと合流してアクアの部屋へと飛び込んだ!

 

零士「アクア!アクア!」

カズマ「助けて!」

 

 そこには赤い目と青い目をした幽霊が!

 

零士、カズマ「ヒャアァァァァァ!!!」

めぐみん、リナ「キャァァァァァ!!」

 

 お互いに叫んだ所で、その赤い目と青い目をした幽霊かと思われた人はめぐみんとリナだった。

 

零士「お、驚かせないでくれ。」

カズマ「危うく漏らす所だったぞ。」

リナ「それはこっちのセリフよ!」

めぐみん「そもそもなんで2人はアクアの部屋に飛び込んだんですか?アクアが戻ってきたかと思ったのに。」

零士「そもそも思ったのだが、何で2人ともアクアの部屋にいたんだ?」

リナ、めぐみん「!!!!」

 

 なんか、2人が震えた。

 

めぐみん「その、人形があちこちにいて、アクアに身の安全を守ってもらおうと思いまして。」

リナ「あと、一緒に……トイレにと思って。」

 

 そう言うことか。

 

カズマ「アクアなら除霊に向かってる筈だぞ。」

めぐみん「そうですね。なら、ダクネスも一緒にいる筈ですね。」

零士「そう言えば、カイトとカリンはどうしたんだ?」

リナ「カリンは今なら聖剣を調整し終えて寝てると思うし、カイトは一度寝るとなかなか起きないのよ。」

 

 なるほどな。つまりここに来ることは不可能ということだな。

 あ、そんな事言ってたら、トイレに行きたくなった。そもそも、廊下にはまだ大量の人形がいた筈。

 仕方ない。ベランダからどうにかしよう。

 カズマも同じ思考に至った様だ。

 

零士「なぁ、リナ、めぐみん。ちょっとだけ目を閉じて耳を塞いでくれ。」

カズマ「ちょっと失礼してベランダから……。」

 

 その時、俺はリナにカズマはめぐみんに服の裾を掴まれた。

 

零士「すみません、手を離して下さい。」

カズマ「さもないと俺達のズボンとこの部屋の絨毯が大変な事になる。」

めぐみん「行かせませんよ、何二人だけでスッキリしようとしてるんですか。」

リナ「私達仲間じゃない。トイレだろうとどこだろうと。」

めぐみん、リナ「逝く時は一緒です(よ)。」

 

 そう言って二人は微笑を浮かべた。

 

カズマ「ええい放せ!こんな時だけ仲間の絆を主張するな!」

零士「ごめんなさい!もう限界なんです!」

カズマ「めぐみん、そこに空いた酒瓶があるからな!」

めぐみん「今、とんでもない事を口走りましたよね!その空いた酒瓶で私に何をしろと!?」

リナ「させないわよ!このまま漏らすくらいなら道連れを作るし、二人が用を足してる所を、後ろから揺らしてやるく……ら……い……は……。」

 

 リナのあまりにも漢らしい言葉が、だんだんと尻窄みになっていった。

 訝しんだ俺らは嫌な予感がしつつも、ベランダの方を見るとそこには……。

 大量の人形がこちらを見ていた……。

 

「「「「ああああああああ!」」」」

 

 俺とリナとカズマとめぐみんは同時に叫び、二手に別れて部屋から飛び出し、駆け出した。

 俺とリナは、少し遠い所にあったトイレへと駆け込んだ。

 流石に両方とも限界に近かったからな。

 

リナ「ちょっと、零士?居るよね?」

零士「居ますよ。」

リナ「本当に居るよね?」

零士「本当に居ますって。」

リナ「本当の本当に居るよね?」

零士「居ますって!離れないから早く用を済ましてくれ!!」

 

 不味い!万事休す!!

 

リナ「あの、悪いんだけど、なんか歌、歌ってくんない?」

零士「何が悲しくて、トイレの前で歌わなきゃなんないですか!?」

 

 嫌な予感。

 廊下の片方を見るとそこには、人形がいた。

 

零士「ヒィィィィ!ごめん、リナさん!急いでください!!」

リナ「どうしたのよ!?零士がピンチなのは分かってるから!!」

零士「確かに、君と俺の膀胱もピンチだけど、人形達が近づいてるだよ!!」

リナ「急かされたら出る物も出ないわよ!!」

 

 不味い!!こうなったら変態扱いされるのも覚悟の上だ!!

 

零士「もう待てない!!」

 

 俺はドアをこじ開けた。

 

リナ「キャァァァァ!!」

零士「ごめんなさい!立て込まらせて!」

 

 俺はトイレに入って即座にドアを閉めた。

 リナが大声を出さない様に口を塞ぐ。

 何かが、ドアにぶつかる音がした。しばらくすると、どこかへと消えていった。

 

零士「ふぅ〜〜。助かった。」

リナ「助かったじゃないわよ!状況が状況とは言え、入ってくるなんて!!」

零士「本当にごめんって!!」

 

 途端にリナに殴られる。

 俺は頭を守る様に腕を動かしていたが、なんか柔らかい物に触れた。

 嫌な予感がして、見ると、手はリナの胸に触れていた。

 

リナ「…………!!!」

零士「ごめんなさい!!」

 

 リナは顔を赤くさせて、俺は殴られる事を覚悟して謝った。

 だが、リナの口から出たのは意外な一言だ。

 

リナ「………朝、なんか奢ってよね。」

零士「え?」

リナ「だから、奢ってって言ってるでしょ!!」

零士「はい!承知しました!!」

リナ「分かったなら良いわよ。状況が状況だった訳だし。」

零士「あの、トイレは済みましたか?」

リナ「うん。だから、早く済ませてよ。」

零士「おう。」

リナ「じゃあ、外に出てるから。」

 

リナside

 

 私は外に出て、悶絶した。

 

リナ(アァァァァァ!!れ、零士に、胸を触られた!!)

 

 私は、賢人さんに言われてから妙に意識しだして、そして、胸を触られた事が、さらに意識せざるを得ない状況になってしまった。

 

リナ(私、零士の事が本当に好きなのかも。)

 

 私は零士に助けられて、その後も零士の人の良さや、少し抜けてる所を見ていく内に少しずつ惚れて来ているかもしれない。

 

リナ(でも、まだ、零士が私の事を好きなのか分からないから、まだ考えておこう。)

 

 私はもう少し、時間を置く事にした。

 

零士side

 

 俺も用を済まして、外に出た。

 あのラッキースケベみたいなハプニングがあったことから、気まずくなる。

 

零士「本当にごめん。」

リナ「分かってるわよ。わざとじゃないって。さあ、カズマ達と合流しよ。」

零士「そうだな。」

 

 俺は、最近、リナを意識しだした様な気がするのはなんでだろうか?

 美人だから?さっきのハプニングがあったからか?

 まぁ、向こうはそんな事ないだろうからこれを考えるのはやめる。

 カズマ達の元に向かうと、ドアの前に大量の人形と共に倒れてるアクアとそれを呆然と見るカズマとめぐみん、戸惑っているダクネスがいた。

 

 

 俺は約束通りに、リナに食事を奢って、その後屋敷にて衝撃の事実を知る。

 それは、この屋敷に悪霊が住み着いていた原因が、アクアが墓地に結界を張った事が原因でこの空き屋敷に悪霊が住み着いたと言う。

 つまり、俺達は盛大なマッチポンプを行っていたと言う事だ。

 ギルドから出た臨時報酬もカズマの判断で受け取らなかった。

 その後、カズマとアクアは大家さんに謝罪したが、屋敷に住んで良いと言われたらしい。

 なんて懐の深い大家さんだ。

 その後、ウィズがやってきて、カズマと少し話をして帰った。

 俺達はこの世界で安定した家を手に入れた。ここから更に俺達は頑張っていかねば。

 




今回はここまでです。
リナと零士もお互いの事を意識し始めましたね。
これからどうなるのか。

賢者の孫とリバイスの小説で、原作キャラは変身させるべきか。

  • 変身させる。
  • 変身させない。
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