遂に裁判の日が来た。この世界の裁判は、意外と単純で、検察官が集めた証拠を提示し、弁護人が反論して、それを見て裁判官が判断を下すと言うものだ。
被告人の知人が弁護人を引き受ける物だが、俺達の弁護人が不安だった。約2名が。
めぐみん「任せて下さい!紅魔族は知力が高いのです!あんな検察官に負けませんよ!」
アクア「私、一度、『異議あり!』ってやってみたかったのよ!」
不安だ。特にアクアが。
ダクネス「どうしようも無くなったら私がなんとかする。だから心配しなくていい。」
リナ「そうよ!零士を助ける!!」
カイト「いや、カズマもな。」
カリン「だから、大船に乗った気でいなさい!」
残りの人達は本当に頼もしい。
でも、いくら無罪を証明出来ているとは言え、相手は領主だ。油断は出来ない。
そして裁判が始まる。
裁判長「静粛に!これより国家転覆罪に問われている被告人サトウカズマと神崎零士の裁判を開始する!告発人アレクセイ・バーネス・アルダープ!」
あの太ったおっさんがアルダープって領主か。
いかにも悪徳領主だと言う感じがする。
第一印象はとても良くない。
裁判長「それでは検察官は前に嘘を見抜く魔道具があるので、分かる様に正直に話す事。」
セナさんが前へ出る。
セナ「それでは、起訴状を読み上げます。被告人サトウカズマと神崎零士はデストロイヤー襲来時に他の冒険者と共に討伐し、その時に巨大な剣士で破片を領主館に命中させて、これを大破させました。これはアルダープ氏の命を狙った事から被告人達に国家転覆罪を求めます。」
アクア「異議あり!」
アクアがいきなり叫ぶ。ちょっと待て。そんなゲームじゃ無いんだよ!
裁判長「弁護人はまだ発言出来ませんよ。発言したいなら許可を貰うように。まぁ、初めてですし大目に見ます。では発言をどうぞ。」
アクア「いえ、異議ありって言ってみたかっただけです。」
ふざけんな!!後で絶対制裁だな。
裁判長「弁護人は弁護の発言をするように!」
ごめんなさい!うちの駄女神が!
アクアは満足したかのように引っ込んだ。もう余計な事をするんじゃねえぞ。
セナ「………私からは以上です。」
セナが若干戸惑ってるよ。
裁判長「では被告人及び弁護人の発言を許可します。」
さて、ヘマをしなければ大丈夫。多分。
零士「まず第一としてキングオブアーサー、つまり巨大な剣士は、デストロイヤー迎撃の際にしか使っておらず、その後はキングオブアーサーを使っていません!そもそも、領主を殺す気は全く無いです!」
カズマ「俺も領主を殺す気はゼロです!」
鳴らない。事実だしな。それにしてもセナさんの配慮か、簡単に反論出来る。
裁判長「被告人の発言は以上ですね。それでは、検察官。証拠の提示を。」
セナ「はい。彼等がテロリストもしくは魔王軍関係者である事を証明する為に証人を連れてきました。それではこちらに。」
クリス「あはは……。なんか呼ばれちゃった。」
そう言って出てきたのはクリスだ。
と言う事はカズマ関連か。
セナ「クリスさん。貴方はサトウカズマに公衆の面前でスティールで下着を剥ぎ取られた。そうですね?」
クリス「はい。……といってもスティールはランダムで、幸運値によって奪うものも変わってきますので、カズマ君の場合は事故です。」
アルダープ「………本当に証拠になるのか?」
セナ「下着が取られたと言う事実を確認出来たので。」
意外と図太いな。セナさん。
2人目はミツルギだ。取り巻きもいるよ。と言う事は俺関連か。
セナ「ミツルギさん。貴方は被告人神崎零士に負けて、賠償金を払わされたと。」
クレメオ「そうなんですよ!あいつはあのデザストって奴を知っていたんです!」
フィオ「あいつは魔王軍関係者です!」
おい。デザストは俺、関係無いぞ。
ミツルギ「2人の言う事は最もですが、確かにデザストとの勝負は僕が持ち掛けた物ですし、彼はデザストを知っていただけだそうで、しかも檻を壊したのは僕なので、彼は悪くありません。」
ミツルギ、助かる。取り巻き2人もおとなしくなった。しかし、デザストの存在はどう効くのか。
アルダープが睨みつけてきたが、セナさんは気にしないでいた。
セナ「このように被告人サトウカズマが下着を剥ぎ取ったり、神崎零士が、賠償金を支払わせた事から、人間的にどうかと思い、2人には告発人に少なからず恨みがあります。この事から領主の命を狙ったのかと思われます。」
セナさん、後半は本当に適当ですね。
その後も証拠は出されていったものの、大半が取り調べ時に言った事なので問題ない。
強いて言えば、アクアがまた変な事を言いそうになり、退場させかけられた。
後でプロレス技だな。
セナ「では、被告人達はサトウカズマがドレインタッチを使っていた事を目撃していた冒険者がいました。何故貴方がリッチーのスキルを使えるのか聞きましょうか?」
なんで!?
セナさんはばつが悪そうな顔をしていた。
検察官の面目を守るためか。
その時、アルダープが一気に発言し出した。
アルダープ「そら見たことか!そいつらは片方がアンデットのスキルを使えたのは魔王軍関係者でもう片方はそれを隠蔽していた!やはりこいつらは魔王軍関係者だ!即刻死刑にしろ!!」
言ったな。ならこっちも反論だ!
カズマ「違う!俺達は魔王軍関係者でも無ければテロリストでもない!」
零士「そうだ!領主の屋敷に破片が飛んだのは偶然だ!」
魔道具は鳴らない。セナさんはこれを狙ってたのか。これで無実が証明出来た。
裁判長「魔道具が鳴らないことを見ると、被告人達の言葉は真実であり、検察官の証拠は不十分。よって被告人達は無罪に……。」
アルダープ「いや、そいつらは魔王軍関係者だ。即刻死刑だ。」
裁判長「しかし、怪我人及び死亡者が出てないのにも関わらず、死刑は言い過ぎかと。」
アルダープ「ワシに恥をかかせたいのか?」
裁判長「……被告人サトウカズマ、神崎零士。貴方達の行ってきた行為は領主の命を狙った物。よって被告人達を死刑にする。」
……はい!?
いきなり意見を変えるなんてどう言う事だ!
身分を盾にゴリ押しかよ!!
これだから中世の異世界は!!
零士「どう言う事だ!?」
カズマ「俺達は無実だろ!!」
リナ「どうして死刑なの!?」
カイト「それはいくらなんでも無いだろ!!」
カリン「横暴よ!横暴!!」
めぐみん「そうですよ!2人はそんな度胸はありません!本当のテロリストがどう言うものか私が示してむぐぐ!!」
めぐみんが取り押さえられた。
アクア「そうよ!誰かが絶対に悪魔を使役しているわ!!間違いない!この世界に一千万の信者を持つ女神アクアが言うんだから間違いないわ!」
チーン。
魔道具が鳴った事で信じてもらえずに取り押さえられた。
しかしこのままでは俺達は死ぬ!!
その時、ダクネスが動いた。
ダクネス「裁判長、待って欲しい。」
ペンダントを取り出していたが、それを見たあらゆる人が驚いていた。あのアルダープでさえもだ。
裁判長「それはダスティネス家の家紋!」
ルナ「ダスティネス家って。」
ウィズ「王都にある大貴族ですよ!」
荒くれ者「あの嬢ちゃん、何か隠してるなと思ったら。」
ダクネスが俺達の前に出る。
カズマ「折角黙ってたのに。」
零士「そうだぞ。」
ダクネス「このままではお前達は死ぬんだぞ。」
「「………。」」
ダクネス「この裁判は保留にして欲しい。その間にこの2人に身の潔白を証明させて、屋敷も弁償させる。」
裁判長「しかし、いくら貴方様の頼みでも。」
ダクネス「領主アルダープ。貴方には借りを作ることになる。私に出来る事ならなんでもしよう。だから、判決を待って欲しい。」
アルダープは驚いたのか目を見開いていた。
裁判長が口を開く。
裁判長「分かりました。……貴方には免じてその2人の判決は保留とする。」
こうして俺達はダクネスの介入により、助かったが、その後、屋敷のあらゆる物が差し押さえにあって、借金生活がまた始まった。
今回はここまでです。
リバイスもジャンヌが出てきて、バリットレックスが出ますね。
賢者の孫とリバイスの小説で、原作キャラは変身させるべきか。
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変身させる。
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変身させない。