王女アイリスから手紙が来た後、即座に準備を開始しようとしたのだが、ダクネスが止めにかかった。
ダクネス「……なあカズマ、零士。今からでも遅くない、この話は断ろう!な?相手は国のトップなのだぞ?会食と言っても、お前達が期待しているようなものではない。きっと堅苦しいものになる!な?皆もこの話は気にしないでおこう!」
いつになく必死なダクネスが、こうして、定期的に説得を試みていた。
カズマが絨毯に座り込んだままポツリと呟く。
カズマ「……お前、俺達が王女様に、何か無礼を働くかと思ってるだろ。」
零士「十中八九そうでしょうね。」
ダクネス「そ、そんな事はない……ですよ?」
目が泳いでるぞ。
カズマ「俺の目をちゃんと見て言ってみろ。俺達が何かやらかして、ダスティネス家の名に泥を塗るとか、そんな心配してんだろ。」
アクア「そうなの!?ダクネス酷い!私だって礼儀作法ぐらい知ってるんだからね!」
めぐみん「まったく心外です!ダクネス、もう少し仲間を信頼して下さい!」
零士「大丈夫。これでも必要最低限の礼儀作法は前の国で習ったつもりだから。」
リナ「そうよ、ダクネス。信頼して欲しいな。」
カリン「私は大丈夫よ!ダクネスの足を引っ張ったりはしないから!」
カイト「王女か。遂に会えるんだな。」
ユーリ「問題無い。俺は無礼はしない。」
ダクネス「お前達を理解しているから、不安になっているのだが。ユーリは知らないが。」
普段強気のダクネスが泣きそうになっている。
零士「なあ。タキシードとか買っておく必要があるよな。女性陣のドレスも仕立てて貰おう。」
リナ「良いね!私もちゃんとしたドレスを着るのは初めてだからなぁ。」
カリン「大人っぽくなれる奴が良いわね!」
カイト「俺も良いやつを仕入れたいな。」
ユーリ「俺は零士とカイトのタキシードと同じ奴でいいぞ。」
カズマ、アクア、めぐみんの組と俺、リナ、カリン、カイト、ユーリの組で盛り上がっていた。
どうやら全員、辞退する気は無いらしい。
そんな俺達を見て、ダクネスがいよいよ泣きそうになる。
ダクネス「お、お前ら……、相手は一国の王女様だからな?場合によっては本当に首が飛ぶぞ。」
カズマ「やっぱタキシードってのもありきたりだよな。よし。ここは王女様に強烈な印象を与える為にも、KIMONOとHAKAMAでも仕立ててもらって……。」
零士「良いな!それ!」
ダクネス「頼む!何でもする!私に出来る事ならなんでもするから、聞いた事もない奇抜な格好をするのはやめてくれ!」
その後、ダクネスがカズマのメイドになったり俺達が考えた日本での便利グッズがウィズの店で馬鹿売れしたり、カズマのファンタスティックライオンを構成するワンダーライドブックとキングオブアーサーを使ってキングライオン大戦記を作成したりと色々あったが、暫くして、王女様との食事会の日になった。
ダクネス「良いか?無礼を働くなよ。」
ユーリ「俺を誰だと思っている?いざという時は止めるさ。」
そうして、俺達は正装に着替えて、晩餐会用の広間へと向かった。ちなみに、ダクネスは土豪剣激土は背負っておらず、俺達はそれぞれの聖剣を帯剣している。ユーリは聖剣サイコウドライバーとして光剛剣最光を携帯しているが。
そこには2人の護衛を連れたお姫様がいた。
ダクネス「お待たせいたしましたアイリス様。こちらが我が友人であり冒険仲間でもあります、サトウカズマと神崎零士とその一行です。さあ、皆。こちらのお方がこの国の第一王女、アイリス様です。失礼のないご挨拶を。」
そう言って、アクアとめぐみんが何かをしそうになって、ダクネスに取り押さえられた。
俺とカズマが見惚れていると。
クレア「下賤の者ども。王族をあまりその様な目で不躾に見るのもではありません。本来ならば身分の違いから同じテーブルで食事をする事も、直接姿を見る事も叶わないのです。頭を低く下げ、目線を合わせずに。それよりも、早く挨拶と冒険譚を。……こう仰せだ。」
………下賤の者扱いですよ。
少しイラッと来たが、落ち着け。
相手は王族だ。本来、会えるはずが無いのだ。見下されても仕方はない。
多少、ギスギスしたが、食事会が始まった。
話した事は、俺達が如何にして魔王軍幹部を倒したのか、その他諸々などを話した。
その後、ミツルギの話も入った。
クレア「まさか、あの魔剣の勇者、ミツルギ殿にまで勝つとは……。無礼だとは思いますが、零士殿の冒険者カードを拝見させてはもらえないでしょうか。」
零士「分かりました。どうぞ。」
クレア「失礼……。何!?エレメンタルソードマスターだと!?」
王女様も驚いた様な表情になっている。
零士「はい。」
クレア「まさか。本当に存在するとは。どうされました?」
王女様がクレアとかいう護衛に何かを話しかけている。少し言いづらい様な表情になっていたけれど。
クレア「アイリス様が、……イケメンのミツルギ様がそこまでパッとしないあなたに負けるなんて有り得ない。王族である私に嘘をついているのではないのですか?ミツルギ様は首都でも知れ渡っていますが、駆け出しの街の幾らエレメンタルソードマスターと言っても負けるのは信じられません。彼はイケメンですし。……と、仰せだ。……私もそう思います、彼はイケメンですし。」
カズマ「おいお前ら流石に零士に言い過ぎじゃねえの?」
零士「あんたら、心外ですよ。」
と、いつもの調子で突っ込んでしまった。
クレアが激昂しだした。
クレア「無礼者!貴様ら、王族に向かって何だその口は!」
クレアが抜刀したので、俺も遠慮なく火炎剣烈火を抜刀する。
だが、ダクネスが止めに入る。
ダクネス「申し訳ない、私の仲間が無礼な事を!何分、素直な男なので、私に免じ、どうかご容赦を!この者達が華々しい戦果を挙げているのは事実ですし、会食を求めたアイリス様が、罰してしまうのは……!」
クレア「アイリス様はこう仰せだ。ダスティネスの名に免じて不問とする。ですが気分を害しました。冒険譚の褒美はちゃんと取らせます。そこの嘘つき男はそれを持って立ち去るがいい、と。」
俺、嘘つき呼ばわりですよ。事実なのに。
まあ、俺も気分が悪くなったので、さっさと退散するか。
ユーリ「なるほどな。様々な功績を持つこの男を嘘つき呼ばわりか。王女に謝罪を申し出る。」
クレア「貴様!王族に、一庶民に謝罪させよなどと……!」
アイリス「……謝りません。そもそも、その様な力を持っているのにも関わらず、駆け出しの街にいるとは、その男は口だけの嘘ッ!?」
ユーリが物凄い勢いでひっ叩いた。
クレア「貴様!」
アイリス「あっ!ダッ、ダメ……!」
切羽詰まった王女の声。
その静止の声も届かずに、クレアの剣がユーリへと……。
クレア「!?」
ユーリ「どうした?大した事ないな。」
ユーリは光剛剣最光で受け止めていた。
ユーリ「失礼した。しかし、この男は精一杯戦いあれだけの功績を残した。その男に対しての物言いではないな。あいつがその魔剣使いにどのようにして勝利したのかを説明する責任もない。それが出来なかったからと言っても、罵倒される謂れはないな。」
ユーリも諭すような静かな声で言った。
他の面子も驚いた様な表情をしており、ダクネスは、俺に申し訳ない様な表情を浮かべる。
零士「……分かりました。仲間に庇って貰っておいて、教えない訳にはいかないな。……嫌味白スーツ。相手しろ。」
クレア「誰が嫌味白スーツだ!!」
俺とクレアはお互いの剣を向ける。
アイリス「もういい、もういいから!クレア、私はもういいから!」
アイリス様が悲痛な声を挙げるが、そっちが喧嘩を売ってきたのだ。
ユーリ「零士。……今のお前の腕で、あいつを倒せ。」
零士「………言われなくても。」
そうして俺とクレアの決闘が始まり、俺は最小限の動きで躱して、クレアの剣を吹き飛ばし、喉元に火炎剣烈火を置いた。
クレア「な!?」
零士「俺の勝ちだ。」
その後。
クレア「その……。こんな事になってしまい申し訳ありません……。」
零士「いえ。こちらも説明不足でした。」
カズマ「ミツルギに勝ったと言っても、デザストとの勝負にあいつが負けて零士が勝っただけだからな。」
クレア「そうですか……。なら、お互いに非があるという事ですね。それにしても、流石の剣技ですね。」
ユーリ「そういう事だな。」
両方が謝るという形で決着した。
王女が何かを言いたそうな顔をしていて、もう1人の従者が声をかける。
レイン「大丈夫ですよ、アイリス様。零士殿もあまり気にしてなさそうですし。」
アイリス「あの、嘘つきだと言ってすいません。これからも冒険譚を話してくれませんか?」
零士「喜んで。」
こうして、波乱の食事会が終わりを告げた。
クレア「本日はありがとうございました。またいずれ会えると良いですね。」
ダクネス「はい。それでは……。」
アイリス「待って!」
アイリス様が俺とカズマの手を掴んで……。
えっ。
レイン「テレポート!」
「「「「「「「えっ。」」」」」」」
俺とカズマも王城へと来ていた。
「「アイリス様!?」」
アイリス「もっと、もっとお話を聞きたいです。ダメですか……?」
王女様、結構傍若無人ですね。
今回はここまでです。
ちなみに、本来は、テレポートは4人までですが、カズマの強運により、問題は起こらなかった。
次回、1人、オリキャラが出ます。
賢者の孫とリバイスの小説で、原作キャラは変身させるべきか。
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変身させる。
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変身させない。