この聖なる刃に祝福を   作:仮面大佐

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60話 邂逅する、隣国の王子

翌日、俺達は城の前に居た。

 その城は、ベルゼルグの城よりも大きく、豪華だ。

 俺達がその城を見ていると、アクアにめぐみんが物騒な事を言い出し、ダクネスが2人を牽制する。

 と、そこに件の王子が現れた。

 

???「まったく、これだからベルゼルグの田舎者は……。城の前で騒がしいぞ、礼儀というものを弁えろ。」

 

 俺の目から見た感じ、アイリスとは同い年だろうな。

 アイリスが目の前に出てきて、挨拶する。

 

アイリス「あなたがエルロードの第一王子、レヴィ様ですか?私はベルゼルグの第一王女、アイリスと申します。あなたにお会いする為にやって参りました。本日はあなたのお顔が見られて嬉しいです。」

 

 屈託のない笑みを浮かべたアイリスは、優雅さと愛らしさを併せ持った完璧な礼をする。

 と言うかあの王子、レヴィって言うのか?

 恐らく愛称だから、本当の名前があるのだろう。

 だが、件の王子は、小馬鹿にする様な笑みを浮かべた。

 

レヴィ「お前が俺の許嫁か?ベルゼルグの一族は女子供に至るまで武闘派だと聞いていたが弱そうだな。もっと強そうで凛々しい姿を想像していたのに拍子抜けだ。」

アイリス「えっ?あ、その……。すいません…。」

レヴィ「それにその護衛の少なさはなんだ?ベルゼルグにはそこまで金が無いのか?筋肉だけではなく、もう少し金を稼ぐ頭も鍛えた方がいいぞ!」

 

 家臣達も同調するかの様に笑った。

 あれ?同盟国の割には、随分と見下されているような気がする。

 レヴィ王子と家臣団は俺たちにも見下す様な視線を向けてきた。

 だが、家臣団は俺、めぐみん、アクアを見て、ハッとした様に目を見開いた。

 

レヴィ「その護衛にしてもパッとしないな。どいつもこいつもまだ若いし、装備も高そうには見えない。よくここまで無事で来れたものだな。」

 

 レヴィ王子は家臣達の様子が変わった事に気付かないようで、揶揄ってきた。

 だが、家臣達は笑わない事を不思議に思った王子が後ろを振り向くと。

 

めぐみん「その喧嘩、買おうじゃないか。」

 

 と、うちの爆裂娘に火が付いた。

 暫くして、家臣達は王子を諫めていた。

 

家臣「違うのです!レヴィ王子はそちらの国に詳しくなく、紅魔族の存在を知らなかったのです!本気で喧嘩を売ろうとバカにしていたわけではなくて……!」

家臣「王子、ちゃんと相手を見てください!アレは紅魔族です、魔王ですら一目置いている厄介な連中です。あの連中にはシャレが通じないので迂闊な発言は止めてください!」

レヴィ「わ、分かった、悪かった!俺が悪かったから魔法を唱えるのは止めろ!」

 

 と、流石にレヴィ王子も謝った。

 まあ、駆け引きのつもりでも、めぐみんを怒らせたのは不味かった。

 

めぐみん「今回は見逃しますが、次はありませんよ?」

家臣「分かっておりますめぐみん殿、今後この様な事が起こらないように致しますので!」

 

 流石にヒヤヒヤした。

 こんな所で爆裂魔法を撃ってしまったら、取り返しがつかない。

 リナ、カイト、カリン、ユーリも同じ様で、安堵のため息をついていた。

 

アクア「よく分からないけど、ちゃんとごめんなさいが言えるのは良い事ね。パッとしないって言われた時は聖なるグーを食らわせてあげようかと思ったけど私も許してあげるわね。」

 

 おい、そんな余計な事を言うんじゃない!

 王子が胡乱な視線を向けた。

 

レヴィ「貴様、プリースト風情がこの俺に…。」

家臣「王子、王子、アレはアクシズ教徒です。しかもあの青髪にあの格好、相当に熱心な信者ですよ!安楽少女より厄介で、アンデッドよりもしぶといと言われるあのアクシズ教徒です!」

 

 家臣の警告に、王子が怯える。

 アクアが吠えているが、自業自得だと俺は思うけどな。

 王子と家臣がヒソヒソ話しているのを見て、どうしようかと困り果てていると。

 

???「一体何を騒いでいるのですか?」

家臣「宰相殿!いや、これは……。」

 

 どうやら、宰相の様だな。

 カズマから聞いた話によると、この国を牛耳っているそうだ。

 

アイリス「初めまして。私はベルゼルグの第一王女、アイリスと申します。お目にかかれて光栄です。」

ラグクラフト「これはこれは、噂に聞くベルゼルグの一族とは思えないほど可愛らしいお姫様だ。私は宰相を務めているラグクラフトと申します、よろしくお願い致します。」

 

 凄いな。あれだけの騒ぎをあっという間に収めてしまった。

 その後、俺達は城の中へ。

 アクアがラグクラフトの背中をペタペタ触り、ユーリが俺に話しかけてきた。

 

ユーリ「なあ零士?」

零士「どうした?」

ユーリ「いや。あの男、どうも怪しくないか?」

零士「そうかな?……少し気になる。」

ユーリ「あぁ。何も起こらなければいいのだろうが。」

 

 ユーリが気になるなんて、何かあるな。あの宰相は。

 俺達は宰相と歓談していたが、アイリスの声が会場に響き渡る。

 理由は、支援金の事に関してだそうで、宰相に断られ続けている。

 

零士「大丈夫か?」

カイト「財政が苦しいと聞こえたけど、街を見る限り、そんな風には見えないな。」

リナ「そうよね。」

カリン「なんで断るのかしら?」

ユーリ「何かありそうだな。」

 

 その後、アイリスとカズマが交渉するも、断られて、支援を頂くまで来る事になった。

 ちなみに、めぐみんとアクア、ダクネス、俺、リナ、カイト、カリン、ユーリは連れてくるなと言ったそうだ。

 連れてくるなと言われた以上、付いて行くのは不可能だろう。

 そう言う事で、俺達はカズマとアイリスの交渉を待つ事にした。

 結果を聞く度に、どんどんと取り戻していくのに少し引いた。

 最初こそ、アイリスの剣技とカズマのイカサマギャンブルをしていたが、次第にカズマのイカサマギャンブルだけになった。

 

零士「………俺達って、いる?」

リナ「………いらないかも……。」

カイト「俺達って、護衛で来たんだよな……。」

カリン「交渉もアイリスとカズマだけでやっているからねぇ。」

ユーリ「あの宰相。やはり怪しいな。」

 

 その後、どういう訳か捕まったカズマ達をアイリスと共に迎えに行った。

 

零士「お前ら何をしたんだ?」

リナ「爆裂魔法を使ったのね……。」

ユーリ「何をしている?」

ダクネス「ア、アイリス様……?その、カズマと共に勝手な行動を起こした事は謝ります。ですがこれも全ては良かれと思った事で……。」

アイリス「……けない……。」

カイト「アイリス?」

カリン「どうしたの?」

 

 と、アイリスがポツリと何かを言った。

 カイトとカリンの問いかけに対して。

 

アイリス「……情けない。」

 

 まずい。アイリスの機嫌を損ねたか?

 ダクネスがアイリスの前に跪き頭を下げた。

 

ダクネス「申し訳ありませんアイリス様、この度の失態は私の不徳の致すところ。どうか……。」

アイリス「私は自分が情けないです。交渉では殆ど何も出来ないまま、大半をお兄様に任せ……。そして、本来の仕事である追加の支援も断られ、部屋に籠って落ち込んでいました。私はまだ、何もしていないのにです。」

 

 そんな事ないですアイリス様。

 それを言うなら、俺達も宰相の調査だけで、特に何もしてません。

 そんな事を思う俺の内心をよそにアイリスは頭を振って。

 

アイリス「私がメソメソと落ち込んでいる間、ララティーナやお兄様、零士お兄様達は体を張ってくれました。本来、それは私がやる事であるのに。」

 

 アイリス。一国の王女がそんな事を言っちゃダメだと思う。

 そうして、どういう訳か、王城に乗り込む事になってしまった。

 本当、どうしてこうなった。

 俺は、アイリスが自分のスキルで城門を斬り裂くのを見てそう思った。

 

零士「……なあ。これヤバくね?」

リナ「……そうね。」

ユーリ「だが、これも悪くないな!」

カイト「それだけはやめて。」

カリン「もう。どうしようかしら?」

 

 俺達は謁見の間に着いたが、周囲にはアイリスに倒された騎士や兵士達が悶絶していた。

 

レヴィ「ここここ、こんな事をして、ど、どうなるか分かっているんだろうな!?」

 

 流石の王子様も怯えていた。

 王子様が騒いでいると。

 

アイリス「レヴィ王子。」

 

 アイリスの声で王子が静かになり、宰相もジリジリと後ずさっていた。

 

アイリス「私はあなたと会談がしたかっただけです。手荒な真似をしたのは謝りますが、王子が常々仰る通り、私の国は野蛮なのです。不調法な田舎者のやる事ですから、どうか大目に見て頂けませんか?」

レヴィ「なっ……、そんなバカな言い分が……!」

めぐみん「そんな言い分が通らないのなら、我が爆裂魔法とアイリスの剣、そして仮面ライダーがこの国を滅ぼす事になる。」

零士「おい!バカな事言うな!」

ユーリ「それは流石に頂けないな。」

リナ「とにかく!めぐみんを取り押さえて!」

 

 俺達はめぐみんを取り押さえて、アイリスの言葉を続けさせる。

 

レヴィ「では一体どんな要求をするつもりだ?どうせ追加の支援金の話だろうが、俺はたとえ脅されようとも……!」

アイリス「これは、元はベルゼルグという私の国がまだ成り立ったばかりでお金がない頃、王族がよく行っていた事なのですが……。この国において、最も大きな被害を与え、最も強大なモンスターを教えて下さい。このベルゼルグ・スタイリッシュ・ソード・アイリスが、必ず退治してみせます。」

 

 ベルゼルグの王女は、そう言って、ニコリと微笑んだ。




今回はここまでです。
ボルケーノバイスタンプで、五十嵐一輝が負傷してしまった……。
大丈夫ですかね……。

賢者の孫とリバイスの小説で、原作キャラは変身させるべきか。

  • 変身させる。
  • 変身させない。
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