この聖なる刃に祝福を   作:仮面大佐

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第11章
63話 束の間の、平和


とある日、ベルゼルグ王城内の和室にて。

 

アクア「あははははは!あはははははは!ねえカズマ、見なさいな!ほらほら、商店街のチラシでへんてこ悪魔の仮面を作ったわよ!」

カズマ「ぶはははははは!なにこれすげえ、チラシ製とは思えない出来じゃねーか!お前はこういう事やらせるとほんと凄いな!」

 

 カズマとアクアが酔っ払っていた。

 その様子はまさに、めんどくさい酔っ払いのおじさんおばさんの様だ。

 

零士「………何してんだお前ら。」

リナ「酒は飲んでも飲まれるなって言うけど、どう考えても飲まれてるわね。」

カイト「大丈夫か?」

カリン「アンタ達、調子に乗りすぎよ。」

ユーリ「まあ、宴会を楽しもう。」

 

 何故、宴会になっているのか。それは俺達がベルゼルグに帰ってきた頃に遡る。

 アイリスがドラゴンスレイヤーの称号を得て戻ってきた事に激震が走った。

 

ノエル「お帰りなさい。よく戻ってきてくれましたね。お疲れ様です。」

クレア「よくやってくれたカズマ殿、私はあなたを誤解していた様だ!今回の成果は私が予想していた以上のものだ!」

 

 感極まったクレアが結構な本音をぶちまけて、アイリスに締め上げられている。

 その後、クレアが報酬として、宴会が始まったのだが、クレアは早々に酔い潰れてダウンした。

 カズマと話していると、アイリスが寄ってきて話しかけてきた。

 

アイリス「お兄様方は、この宴が終わったらどうするのですか?もうアクセルの街に帰ってしまうのですか?」

零士「そうだな。結構旅してたよな?」

カズマ「あぁ。たまにはゆっくり休もうかと思ってるよ。」

 

 俺達は最前線の砦に向かったと思ったら、アイリスの護衛まで入ったので、たまにはゆっくりしたい。

 

アイリス「……ゆっくりするだけなら、ここでも出来るのではないですか?お部屋はたくさん空いていますし、急いで帰る必要もないのでは?」

カズマ「……まあ、アイリスがそう言うのなら、もうちょっとここに滞在してもいいんだけど。」

アイリス「出来れば……、出来れば、皆と一緒に暮らしたいなぁ……。」

 

 皆の許可を得て、泊まることにした。

 しばらくして、俺、リナ、カイト、カリン、ユーリは大臣に呼ばれた。

 

零士「どうしました?」

ノエル「いえ、あなた方の活躍は凄まじいと評判でしてね。」

零士「そうなんですか?」

ノエル「ええ。それと、あなたとお茶会でもしようかと。」

零士「良いですけど……。」

リナ「何故突然?」

 

 俺達はお茶会を始めた。

 少しの間は些細な会話をしていたが、ユーリが尋ねたい事があるそうで、話し始めた。

 

ユーリ「大臣。あなたは全知全能の書の一部を持っているな。」

零士「え?」

ノエル「気づいてしまいましたか。では、本題に入りましょう。」

カイト「本題?」

ノエル「えぇ。私の一族は代々、全知全能の書の一部を引き継いでいるのです。」

 

 そんな事を話し始めた。

 やはり、ノエルはイザクみたいな奴なのか?

 だが、ノエルの言葉からは、あまり野心みたいなのは感じられない。

 

ユーリ「そうか。なら、この世界の均衡を守る使命はあると?」

ノエル「はい。その為に魔王軍と戦うこの国を支えているのです。」

零士「なら良いんじゃないか?」

ユーリ「……そうだな。」

 

 あまりユーリは信頼してなさそうだ。

 まあ、俺も少し警戒心が湧いたもんな。

 

ノエル「それでは、私の話を聞いてくれてありがとうございます。」

 

 そう言ってお茶会はお開きになった。

 何か企んでいないといいけどな。

 俺達は自由行動になって、ユーリは単独で、カイトとカリンのコンビ、俺とリナのコンビで行動する事にした。

 

リナ「零士はさ。あの大臣どう思う?」

零士「少し怪しいけど、いい人だとは思う。警戒はするけどな。」

リナ「そう……。ねえ、夕食を食べ終わって風呂に入った後、部屋に行っても良いかな?」

零士「良いけど……。」

リナ「ありがとう。じゃあ、また後で。」

 

 その後、夕食を食べ終えた後、風呂に入って部屋に戻って暫くすると、リナが入ってきた。

 そして、ベッドに座った。

 

リナ「さて、私、少し話があるの。」

零士「ジュン関係か?」

リナ「うん。だからさ、少しジュンと変わってくれない?」

零士「あぁ。」

 

 俺はジュンと人格を入れ替えて、リナと会話させて、俺はしばらく考えていた。

 あのノエルが何か企んでいる気配はあまりしなかったが、警戒はしておくことにする。

 長時間考えていたせいか、あまり会話は聞こえなかった。

 

リナside

 

 私はジュンの人格に変わった零士と話していた。

 内容は、零士に対する想いをどうやったら打ち明けられるかという事だ。

 

リナ「ジュン?私、どうやって零士に想いを伝えれば良いんだろ?」

ジュン「そうだな。零士は結構鈍感だから、もうちょいアプローチを増やしたらどうだ?」

リナ「それはしたよ。私の初めてのキスを彼にあげたからね。」

ジュン「そ、そうか。なら、もう告白しても良いんじゃないのか?」

リナ「それはもうしたけど、零士の返事待ちって感じかな。」

ジュン「そう言ってると、零士は多分気づかないんじゃないか?」

リナ「でも、彼はそれなりに動揺してたわよ。」

ジュン「まあ、もうちょいアプローチを増やした方が良いんじゃないか?」

リナ「……まあ、頑張るけど。」

 

 ジュンとの会話を終えて、零士の人格に戻った。

 

零士「ジュンと話は出来たか?」

リナ「うん。ありがとうね。」

零士「あぁ。じゃあ、寝ようか。」

リナ「うん。おやすみ。」

 

 流石に私が添い寝する事は慣れたのか、気にしなくなっていた。

 私は良い加減に覚悟を決めた方がいいかも。

 段々、この気持ちが膨らんでいって、抑えきれなくなってきた。

 最近は、零士の事を考えていない時間が無いくらいだ。

 覚悟を決めつつ、私は寝た。

 

零士side

 

 そんなこんなで、暫くすると、ダクネスから帰るぞと言われた。

 

ダクネス「帰るぞ。」

カズマ「断る。」

 

 俺達は既に準備を終えているが、カズマが拒絶した。

 カズマの予想通りの反応に俺達は溜息をついた。

 

ダクネス「なあカズマ、ここ2週間ほどの城の暮らしは楽しかっただろう?十分に歓待を受けただろう?」

 

 ダクネスはそう言ってカズマに手紙を渡した。

 その内容は、基本的にカズマへのファンレターだった。

 それを読んで、カズマは帰る気になったそうだな。

 何か怪しいが。

 俺はダクネスと喧嘩するめぐみんを眺めているカズマを見ながらそう思った。

 

アクア「決めたわ。ねえカズマ、零士、私は決めたわよ!」

零士「俺まで?」

アクア「私達の当初の目的を思い出して?そう、私達の望みは悪しき魔王とメギドを倒す事。そして世界に平和をもたらす事なの!この子達の手紙で本来やるべき事を思い出したわ!」

カズマ「分かったよアクア。アクセルの街に帰って、基本に立ち返ろう。」

 

 そして、カズマと俺はアイリスが話があるそうで、リナ達は先に帰した。

 ちなみに俺は、アイリスに渡したい物があり、そのついでにカズマを連れ帰る名目で残った。

 

アイリス「お兄様達が部屋に来るのは久しぶりですね。遠慮せずにこちらへどうぞ。」

 

 アイリスはクレアから貰ったお菓子を出してくれた。

 カズマは自分の過去の話をアイリスにしだした。

 俺は暫くして、頃合いを見て、アイリスに話しかけた。

 丁度、俺達が部屋に戻ろうとして、アイリスに止められた時に。

 

零士「アイリス。これを君に渡しておくな。」

アイリス「これは、お兄様達が持ってる魔道具でしたよね。」

 

 俺はガトライクフォンをアイリスに渡した。

 目的は一つだ。

 

零士「アイリス。俺達は聖剣を持った剣士である以上、戻らないといけないんだ。」

アイリス「そんな……!」

零士「だからこそ、それを君に渡す。俺達が離れていても声と姿は届くからな。」

アイリス「え?」

カズマ「まさか、テレビ電話か!?」

アイリス「テレビ電話?」

 

 そう、アイリスが寂しがるのは目に見えているので、ガトライクフォンに搭載したテレビ電話機能を使う事にした。

 アイリスにガトライクフォンの使い方を教えてあげた。

 

零士「寂しくなったらそれでいつでもかけてきて欲しい。……まあ、繋がらない場合はあってもきっと声は届くからな。」

カズマ「零士………。」

アイリス「ありがとうございます……!でも、今夜だけは甘えてもいいですか?」

零士「いいぞ。なあ、カズマ?」

カズマ「あぁ。」

 

 俺達はたった1夜だけでもアイリスに甘えさせて、翌朝、帰る準備が出来た。

 

カズマ「ハァ……。」

零士「大丈夫だ。ガトライクフォンで俺達は繋がれるだろう?」

カズマ「それはそうなんだけどよ。」

クレア「それではカズマ殿、零士殿、魔王討伐を頑張れ。」

レイン「吉報をお待ちしております。」

ノエル「あなた達にご武運を。」

アイリス「お兄様方。またいずれお会いしましょうね。」

カズマ「あぁ……。」

零士「元気でな!」

 

『ブックゲート!』

 

 俺達はブックゲートでアクセルの屋敷へ、大切な仲間の元へと帰った。




今回はここまでです。
零士は、ノエルの野望に関しては、怪しいと思っているが、まだ確信には至っていない。

賢者の孫とリバイスの小説で、原作キャラは変身させるべきか。

  • 変身させる。
  • 変身させない。
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