目が覚めたら勇者に憑依していた 作:yuuyyuyuyuyuyu
そしてごめんなさい!
今回はあまりにも進捗が遅いので、
現行で書けている分を前編とさせて頂きたいと思います!
ちょっとこの先をどうするか悩んでまして・・・。
本当に申し訳ねえ
というわけで今回もゆっくりみていってね!
「大丈夫、きっと怒ったりしないよ」
そう言ってリズさんが私の頭を撫でる。
温泉から上がった私はリニャが眠るのを待った。
限界だった
リニャが隣で眠った事を確認した私は、右腕で剣を持とうとした時に痛みを覚えたこと、
リズさんに魔法が使えなくなってしまったことを、そしてもしそれが
リズさんは、そんな情けない私の話をしっかりと聞いてくれた。
そのうえで私の事を嫌ったり、邪険にしたりしないで優しくしてくれた。
私はそれが嬉しくて、嬉しくって。
でも・・・、
本当はすべて話してしまいたかった。
自分が本当の、本物の
勇者の皮を被っただけの凡人だってことも、
この世界の住人じゃないってことも、
ぜんぶぜんぶ、話してしまいたかった。
話して楽になりたかった。
出来なかった。
この話をしたら、リズさんも、もしかしたら
それ以上に、一度優しくされてから突き放されてしまったら。
そうなったら、
こんどこそわたしはこわれてしまう
だから、私は自分を守るように、
リズさんに話をするときも、自分が
苦しかった、リズさんに嘘をついているみたいで、隠し事をするのはとても辛かった。
この時の私は一体どんな顔をしていたんだろう。
後ろめたさからかその時のリズさんの顔を私はよく見ていなかった。
頭を撫でていたリズさんの手が止まる。
不意にリズさんの手が私の顔を包み、顔をあげさせられる。
「それに、たとえそいつらが許さなくたってあなたのことは私が守ってあげる」
不敵にそう笑って私を見る。
突然のことに一瞬呆けてしまった私をリズさんはベッドに運び、
倒れこむようにベッドに入り込んだ。
「もう今日は夜も遅いから、ゆっくり休みましょう?大丈夫私が付いてるから」
何度も背中をさすりながら、リニャが起きないよう小さな声で囁くように子守唄を歌うリズさん。
落ち着いていて澄んだ声で紡がれる唄を聞いているうちに、いつしか私の意識は落ちていった。
翌朝、私はリニャに起こされるまで、ぐっすりと眠っていた。
今日はリズさんがこの前の森へ調査へ行く日らしく、起きた時にはすでに森へ発った後だった。
私達が襲われてから何度も村の人たちで調査をしているみたいだけど、
特に異常は見つかっていないらしい。
何もありませんように
朝食を食べ終え、心の中でリズさんの無事を祈っていると、リニャが部屋に顔を出す。
「今日、お出かけする?」
控えめに聞いてくるリニャを見て、私は何とも言えない気分になる。
リニャは本当によく気が利く子だと思う。
朝からリズさんがいなかった事に私は少なからず動揺していたらしい。
リニャがこうして気を使ってくれる時は、たいてい私が後ろ向きになっている事が多い。
私は昨日の事を思い出す。
昨日はすっかり日が暮れるまでお昼寝をしてしまった。リニャは本当はもっといろんなことがしたかったんだと思う。目が覚めた時に少し残念そうにしていたのを覚えている。
リニャにはもっと笑顔でいて欲しい。
「うん、リニャと出かけたい。いいかな?」
「っ!うん!えへへ、じゃあ準備してくるね!」
ぱあっと花が咲いたように明るくなった顔を見て、私も嬉しくなる。
リニャが出てから、少し経って何やら部屋の外が騒がしくなり、部屋の扉が開かれる。
「ベルちゃん?」
部屋に入ってきたのは以前や遊ぶ約束をしていたクレーヴェルちゃんだった。
「ん、約束。遊びに、きた、よ?」
ベルちゃんは私のそばまで寄ってくるものの、距離感を掴み兼ねたているのか、その場でオロオロとしていた。
「ベルちゃん、おいで」
「っ!」
表情事態に変化はあまりなかったけれど、ベルちゃんの纏う雰囲気が少し明るくなったのが分かった。
ベルは一気に私の方に近づいてきて、私に抱き付いてくる。
「今日は、何する、の?」
ベルが上目遣いで私の方を窺ってくる。
その瞳には、期待が籠っているように見えた。
「今日は、リニャと一緒に村を見て回るんだ」
その言葉に、一気に落胆したことが伺える。
「えっと、ベルも一緒にいく?」
「・・・」
何となく、すぐに返事をしてくれるかなと思って言ってみたんだけど、
ベルの反応は芳しくなかった。
「いやだった?」
続く私の問いかけにはすぐさま首を横に振って否定してくれた。
だけどそれなら何でだろう?
考えてもわからないので、私はベルが話してくれるのを待つことにした。
「やくそく」
「約束?」
反芻するように言葉を口にした私に、ベルちゃんがコクコクと何度も頭を振った。
「つばさと、あそびたい、けど、リニャも一緒、約束、使いたくない」
約束を使うっていう表現に若干の疑問を感じつつ、私は思ったことをそのまま言葉にする。
「じゃあ、また約束しよう、今日も遊んで、次もまた遊ぶ約束したらいい」
「いいの?」
「うん」
「二人だけで、遊んで、くれる?」
「いいよ」
私がベルちゃんの疑問に答えていくたびに彼女の纏う空気が晴れやかかで明るいものになっていく事に、微笑ましさを感じる。
「じゃあ、今日も一緒にお出かけしよっか」
今度はベルちゃんが嬉しそうに首を縦に振って即答してくれた。
私がベルちゃんとそうして会話を楽しんでいる間に、
リニャも準備が整ったようで、部屋に顔を出す。
「二人とも~準備出来たから行こ~」
「じゃあ行こっか」
「楽しみ」
「ふふっ、そうだね」
「二人ともはやく~」
にっこりと笑うベルちゃんの手を握って、私もまた笑みを返した。