目が覚めたら勇者に憑依していた 作:yuuyyuyuyuyuyu
遅くなりましたが明けましておめでとうございます!!
お久しぶりです!かなりの間が空いてしまって申し訳ない!
今回は後編じゃないです。すまねぇ・・・
ただ後編に関りのある話でもあるのでぜひ読んでいただけたら嬉しいです!
後編は・・・もうしばしお待ちを!毎回こんなんですみません!!
こうピンと閃いたから早めに形にしておきたくて(汗)
というわけで風呂入ってきます(唐突)
というわけで、今回もゆっくりみていってね!
そう遠くない未来
生まれたばかりの少女は
死ぬ事が決まっていた
少女にとって死の運命に抗う事は些末な問題だった
ただその少女は運命に抗うには少し賢すぎたらしい
運の悪いことに、生まれて間もない少女は
自分の行動がその後、どういう結果に繋がるのか悟ってしまった
少女はすぐに死の運命に抗うことを諦めた
せめて残された余生を楽しく生きられるようにと
しかし、少女にとってはそれすらも過ぎた願いだったのか
彼らは少女が運命に抗うことを恐れ、少女から自由を奪うことにした
少女に抗う意志は無かった
すでに一度、生を諦めた身
この先にどんな破滅が待っていようと
少女にとってどうでもいいことであった
そうして暗く無機質で熱を感じない世界に一人残された少女は
暗く閉ざされ光差さない石のなか、
まるで初めから誰もいなかったかの様に静かで無機質な室の中で
息を殺し、
心を殺し、
自分を殺し、
ただ運命を待ち続けていた
月日が経ち、少女は自分の運命の日が近づいてくることを肌身に感じ、少女の心は再び動き出す。
悲しみか、恐怖か、怒りか、憎しみか、喜びか、
はたまた無か。
自分の心の棚を丁寧に整理しながら、その時を待つことにした少女は、
己の中に今まで感じたことのないナニカを感じた。
時間はまだある
少女は退屈凌ぎに己の内から溢れ出るソレで時間を潰すことにした。
それから少し時が進み、
とうとう少女が自分の運命を目の前に認識した時
暗く無機質で何もない世界に、一筋の光が入り込んだ
「あの・・・だいじょうぶ、ですか?」
天から注がれた音に反応し、少女は空を見上げる。
そこにあったのはいつも見慣れた薄暗い灰色の天井ではなく、
淡い光に身を映した黒髪の蒼い瞳がこちらを不安げに覗いていた。
「もう・・・だいじょうぶ、です。あなたは、きっと・・たすかる。ので」
光はそう言って少女の頭をそっと撫でると踵を返して世界から出ていった。
残された少女は再び暗い世界に取り残される。
だがそこには確かに、彼女の残した光が灯っていた
次の日、少女は運命の楔から解き放なたれた
少女は光に会いに行った
一言お礼を言いたかった、
というわけではなかった。
もちろんお礼も伝える予定だったが、それ以上に少女はその光に強く惹かれ、
光の事が知りたくなったからだった。
少女が光を見つけたのは、夜も耽り、人々が皆寝静まった後のことだった。
昼間、あれだけ輝いていた彼女とはまるで別人のようだった。
光は鳴りを潜め、月明りに照らされた彼女の周りには殊更深い暗闇が広がっている様だった。
その様子を見て、少女はさらに光に興味を持った。
少女は一人空を見上げる光に近寄り声を掛けた。
光は少女に気付くと、柔らかで温かい光に身を包み少女を振り返った。
少女は夜も遅いから明日、光と話がしたいと願い出た。
少女の言葉に光は首を横に振って応える。
聞くと、明日にはここを発ち別の場所へと行ってしまうらしかった。
少女は悲しんだが、
日が昇るまでなら話し出来るよと申し訳なさそうな顔をした光が提案してきた、
少女はその言葉に喜び光の隣に腰を据えた。
光と話しているうちに少女はいくつか気が付いたことと気になったことがあった。
光には火と氷と水の供がいたが、どこか距離を掴み兼ねているように見えた。
会話の途中光は何度も「大丈夫」と口にしていたが、少女にはそれが呪いの言葉のように思えた。
光は村の人々にその光を灯してくれた
その度、少しづつ彼女の纏う光が薄くなっていっているような気がした。
彼女は多くの人に光を灯すことが出来る。
ただ、もし・・・彼女の光が失われたら、いったい誰が彼女に光を灯すのだろうか。
彼女の供である三人は少女から見ればあまりにも関係が希薄に写り、光を支えるどころか、
彼女を囲う巨大な壁のように見えた。
しばらく喋っているうちに、光が突拍子も無いことを話しだした。
曰く、自分は本物の光ではないこと、
曰く、本物の光は既にこの世におらず、代替えとして、その体に魂だけを入れられたこと。
曰く、供の三人が本物と旧知の仲であり、あまりいい感情を持ってもらえていないであろうこと。
曰く、本当は戦うのがとても怖いということ
曰く、それでも彼女たちの為にも一日も早く魔王を倒したいということ
そんな話を寂しそうに、辛そうに、苦しそうに話してくれた。
きっと彼女も疲れていたのだろう。
本来なら絶対に誰にも話せないような話を。
おそらくは、私と再び会うことはないだろうと思ってしてくれたに違いなかった。
少女は彼女の言葉を信じた。
その上で、少女は彼女に同行したいと願い出た。幸い自分には彼女に着いていく事の出来る力が備わっていた。少女は彼女の支えになりたいと、一心に願った。
少女の願いは聞き届けられなかった。
この先は本当に危ない戦いが待ち受けているから、
自分のせいでまた誰かが傷つくのが嫌だから・・・と。
泣きそうな顔でそう断りを入れる彼女に、少女は折れるほか無かった。
間もなく夜が明ける。
最後に
少女は彼女の本当の名を聞くことにした。
その問いに彼女は・・・
「わたしのやくめがおわって、もういちど・・・あえたら、もういっかい、きいて・・ほしい」
その言葉を残し、光は次の場所へと旅立った。
それから一月ほど過ぎ、勇者一行が魔王を討伐したという報せが世界中に広まった。
少女はその報せを聞く前に、故郷の村を離れていた。
日に日に弱くなっていく光の痕跡を追って、愛しき彼女に会いに行くために。
少女の追っていた光は、最後には泡沫の夢のように弾けて消えてしまったけれど。
少女は間に合った
「やっと・・・見つけた」