目が覚めたら勇者に憑依していた 作:yuuyyuyuyuyuyu
つい先日まで1月の気分だったんですけど・・・(汗)
引っ越しとかまぁいろいろありまして、なんだかんだ忙しくしていたら気付けばもう3月これはいかんと急ぎ書き始めて投稿という形に出来たのですが。
如何せん設定やらなにやら頭から抜け落ちている部分も多く、
今回割と雑というかザルというか、
その辺り目を瞑っていただけるとというかまぁ、
全体的に今まで以上に温かい目で見ていただけると助かります!!
長々と書いてしまいましたが、
今回もゆっくりみていってね!
つばさおねーさんのところに遊びに来た。
おねーさんはリニャおねーちゃんと二人でお出かけするらしい。
リニャおねーちゃんはおねーさんがやってきてから毎日一緒にいる。
ずるい・・・
おねーさんと一緒にいる時のリニャおねーちゃんの顔はいつも笑顔だ。
ずるいずるいずるい!
わたしもおねーさんと一緒にいたい、昨日だって一昨日だってずっと、ずーっと我慢してきたよ。おねーさんにめいわく掛けちゃいけないからって思って、
・・・だから
ちょっとぐらい、わがままいってもいいよねってそう思ってたのに。
目の前に広がる光景を見るクレーヴェルの眉間にはしわが寄っていた。
というのも、目の前の少女が現れてから、つばさの様子がおかしくなったからであった。
また、邪魔された
震えるつばさに対して懸命に話しかける少女を見て、
そんな負の感情がクレーヴェルの頭の中を渦巻くなか、
その原因となった件の少女がつばさの前に現れたのは、ほんの少し前の事。
天気がいいからと三人で青空の下、
丘の上に立つ大きな木の陰でお昼ご飯を食べようと話していた時だった。
三人が話しながら丘を上っていると、木の下に誰かが座っているのが見えた。
三人がそのまま近づいてくと、少女もこちらに気付いたのか、こちらに振り向いて三人を、
いや・・・歩いていた三人のうちの一人、つばさの事を見て口を開いた。
「随分と探すのに苦労したけど、うん。良い眺めだ。いいところを見つけたんだねぇ・・・
ソフィア」
少女の言葉に三者三葉の反応を示す中、つばさの表情は硬く強張り青ざめていた。
一方で少女はというと、
彼女を見つけた翌日、
少女の心は不安でいっぱいだった。
彼女は自分の事を覚えてくれているだろうか。
あの時の彼女は明らかに異常で、それでもなお表面的には何の問題も無いように見えていたのが、今思えばどれだけ気味の悪い状況だったのかがわかる。
少女と話をしていた時の彼女も半ば朦朧とした意識の中にいた可能性が高い。
そう考えると、少女は彼女と会うのを少しだけ躊躇ってしまう。
もし自分の事を覚えていなかったら、
彼女に何て声を掛ければいいのだろう、
彼女が自分と会うことを望んでいなかったら・・・。
それでも会いたい、彼女とまた話がしたい。
出来ることならば彼女を支えてあげたい。
様々な考えが頭を擡げ、気が付けば少女は一際目立つ大きな木の下までやってきていた。
そこからの眺めと言えばそれはもう、
これが夕暮れ時であったならと思わずにはいられないような素晴らしいものだった。
ここで少し落ち着こう。
丘上からの景色を見ているうちに冷静になった少女は、
ぐちゃぐちゃになった頭の中を整理することにし、その場に座り込んだ。
そうしていくばくか時間が経った頃、こちらの方へとやってくる声が聞こえてきた。
そのうち二つは知らない女の声で、随分と楽しそうに弾んだ様子の声色で、
最後の一つは・・・
少女は思わず声のした方へと振り返ってしまった。
そこにはあの時少女を
彼女の姿をその目に映した瞬間、それまで頭を擡げていた様々な感情や思考は遥か彼方。
その時の少女の胸中にあったのはその身に抱えきれないほどの喜びだった。
だからつい、うっかりと思ったことがそのまま、口をついて出てしまった。
今の彼女の状態に、気付かぬままに。その言葉がどれだけの意味を持つのか知らぬままに。
少女の言葉を聞いた彼女の顔がどんどん青ざめ血の気が引いていく。
彼女の表情の移り変わりを見た少女は、すぐさま自分の発した言葉を思い返し、
以前彼女から聞いた言葉を思い出した。
このままではまずい、そう考えた少女は、両脇の二人が動き出すよりも早く、彼女に駆け寄った。
今、このまま私が彼女の元を離されてしまえば今後彼女の側にいることに支障が出てしまうかもしれない。それは・・・それだけは看過出来ない。どれだけ私より彼女といた時間が長くても、いくら彼女と交わした言葉が私より多くても、たとえ私よりも彼女らを信頼していたとしても、
彼女の異常に気付いていない彼女たちには任せることは出来ない。
私は・・・私にはわかる
私だけは
そして今、私は・・・
「やく、そ・・く・・・?」
「うん、約束、もう一度会えたら、君の本当の名前教えてくれるって約束」
「わ、たしのなま、え・・・」
「覚えてない・・・か」
「ぁ・・・」
「そんな顔しないで、いいんだ、君が覚えていなくても、私が覚えているから、
だからどうかな・・・もし君が、私の事を少しでも信じてくれる、
もしくは何か思うところがあるのなら、約束を果たしてはくれないかな。
私は君の本当の名前を知りたいんだ、あの時の紛い物の名前じゃない、本当の君の名前を」
「・・・つばさ、わ、たしのなまえは・・みよく、つばさ・・・です」
・・・私は
思わず握っていた手に力が入る。
あの時と同じ、時折どもりながら答える姿に、私は懐かしさを覚え頬が緩む。
でも、きっとこれは本当の君の姿じゃないんだろう?
私の軽率な発言のせいで君に嫌な事を思い出させてしまったみたいだから。
君に再び光が灯るように、これからは私が支え続けるよ。
ふと目線の先に金色の線がこちらに向かってやってきているのが見えた。
どうやら迎えが来たみたいだね。
私は両脇の二人が私達の間に割り込んできそうな気配を感じ、自ら繋いでいた手を離す。
その時君が見せた名残惜しそうな表情に、随分弱くなってしまったんだなぁと思う。
でもそれでいいんだよ。君はもう十分頑張ったんだから、後の事は全部私に任せてくれればいい。
もう頑張らなくていいんだよ・・・つばさ