目が覚めたら勇者に憑依していた   作:yuuyyuyuyuyuyu

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一か月経つの早くね?
どのくらいの需要があるかはわからないが、今回はおねロリでいこうと思うんだ。
最近クレーヴェルちゃんがあまりにも不憫な役回りしてねって思ったんだ。
だから誰が何と言おうと今回はおねロリ回です!!

今回もゆっくりみていってね!


光は脆く、闇は深く

明くる朝、

 

昨日は随分と色々あって疲れたな。

 

あれから、私が勇者として活動していた時に出会い、

再会の約束をしたエジーちゃんが村に住むことが決まった。

あの時は彼女(ソフィアさん)の名前に気を取られ過ぎていて思い出せなかったけど、一日経って落ち着いた今、ぼんやりとだけどエジーちゃんと話した夜の事を思い出せていた。あの時私がエジーちゃんとどんな話をしていたかまでは思い出せなかったけれど、最後に再会の約束をしたことだけはなんとか思い出せた。

 

エジーちゃんはリズさんがしばらく面倒を見ると言っていて、二人は何か話があるのか今日は挨拶だけで別れることになった。エジーちゃんが握っていた左手に少し寂しさを覚えながらも、

明日からまたいくらでも会えるようになったんだからと意識を切り替える。

 

今日はリニャもナタリーさんの手伝いで朝早く出かけてしまったので、家には私一人。リニャに私も手伝いがしたいと言ってみたけど、まだ調子も戻っていないからダメと言われてしまった。

リニャは私を家に置いていくのも心配だって言っていたけれど、流石に大丈夫・・・だと思う。

 

今日は何をしようか、日ごろお世話になっているお礼に少しでも何か役に立ちたい。部屋の中の掃除くらいなら、一人でもある程度はこなせる・・・かな?

 

そう思い立って箒を取りに行こうと立ち上がった時、玄関の戸が叩かれる音がした。

 

「いま、でます」

 

私はそのまま足の向きを変え、玄関の戸を開く。

 

「すみ、ません・・・いま、わたし、しか・・・ベルちゃん?」

「つばさおねーちゃん、あそぼ?」

 

玄関の先にはベルちゃんが可愛らしく上目遣いでこちらを見て立っていた。

 

どうしよっか、そういえば、なんだかんだでベルちゃんとはちゃんと遊べていなかった気がする。

 

「ダメ?」

「あっ、ごめん、ううん、いいよ」

「やった」

 

小さくガッツポーズをとるベルちゃんに、私も微笑ましい気持ちになる。

ベルちゃんに連れられて、やってきたのは、周りの家よりも一際大きなお屋敷だった。

 

 

「ここ、ヴェルのいえ」

「そう、だったんだ」

 

ここ、ベルちゃんのおうちだったんだ。周りにある建物で同じくらいの大きさのものといったら、リズさんの住んでいる屋敷と、集会所として扱われているらしい教会くらいしかない。

 

今からここに行くんだよね・・・。

 

私がベルちゃんの家の大きさに圧倒されて気後れしていると、

ベルちゃんが不思議そうな表情で顔を覗いてくる。

 

「どうしたの?はやくきて」

「あっ、うん」

 

ベルちゃんに手を引かれて、私は緊張しつつも正門をくぐった。

 

「おかえりなさいませお嬢様」

「ただいま」

 

屋敷に入るとまるでベルちゃんが帰ってくるのを見計らっていたかのように、

たくさんのメイドさんや執事さんに出迎えられる。

その光景に呆気にとられる私。

執事さんやメイドさん、それも本物なんてファンタジーやメルヘンの話だと思ってた。

こんな大きな屋敷に、たくさんのメイドさんたちがいるなんて、もしかしてベルちゃんってすごくいいところのお嬢様だったりするのかな。

 

「そちらの方がお嬢様にお話しいただいた、つばさ様でございますね」

「うん、つばさおねーちゃんだよ」

 

私がそんな風に目の前の状況に思考を巡らせているうちに、

メイドさんの一人がベルちゃんに話しかける。

ベルちゃんがメイドさんに言葉を返すと、握っていた手を離して今度は腕に抱き付いてくる。

ベルちゃんと話していたメイドさんがこちらに向き直り、再びカーツィを用いて挨拶される。

 

「ようこそお越しくださいました。つばさ様本日はごゆっくりお過ごしください」

「え、あっはい。えっとお招きいただきありがとうございます・・・」

 

メイドさんの言葉に続いて後ろに控えているメイドさん、執事さん達も再び頭を下げる。

その光景に圧倒されつつ、慌てて私もそれに倣いお辞儀で応える。

 

これで合ってるのかな。

どうしよう、お屋敷の礼儀作法なんてわかんないよ・・・。

 

「つばさ様、どうかそう構えず気を楽にしてください。つばさ様はお嬢様のご友人、ならばと我々使用人一同少々気合を入れるぎてしまったのです。申し訳ありません」

 

そんな私の心情を察したのかメイドさんがどこか気恥しそうな様子で話してくれた。

少々とは・・・、とつい言ってしまいそうになるも口を噤む。

それよりも屋敷の人たちがベルちゃんをとても大切にしている気持ちが伝わってきて、

なんだか嬉しくなってしまう。

 

「ちっ、ちょっとびっくりしただけなので、大丈夫です。それに、その・・・いいと思います、

そういうの。ちょっとだけベルちゃんが羨ましいくらい、です」

「・・・ありがとうございます」

私がそう伝えるとメイドさんは朗らかにほほ笑むと、

ベルちゃんの部屋まで案内してくれた。

 

 

 

「それでは何か御用がありましたら外に控えておりますので申し付けください」

「ありがとう、ございます」

「ではごゆっくり」

 

メイドさんはそう言って部屋から出ていった。

名前聞きそびれちゃった、外に控えてるって言ってたし後で聞いてみよう。

 

それにしてもここがベルちゃんの部屋・・・。

広い。

キングサイズのベッドだろうか大人が二人寝そべっても余裕のありそうなベッドがとてもこぢんまりとして見えるほどに、ベルちゃんの部屋は広かった。

 

 

部屋に入るなりベルちゃんは私をベッドに連れて座らせる。

 

「な、なにして、遊ぼっか」

 

私の問いかけにベルちゃんは応えず、そのまま隣に腰かけ、私の手を握る。

ベルちゃんはそのまま俯いて何もしゃべらない。

しばしの間、二人の間には沈黙が流れる。

 

こんな時、何を話せばいいのか、私はわからなかった。ただじっと何をするでもなくベルちゃんの様子を見ている事しか出来なかった。

そうやって何もできずにいる私を他所に、ベルちゃんがぽつりと話始める。

 

「わたし、つばさおねーちゃんがすき、だいすき」

「うん」

 

ベルちゃんの言葉に素っ気無く返してしまう私。言葉通りに受け取るのならば、私は喜ぶことが出来たのだろう。ただ、その声はどこか悲しそうで、本当に言葉通りの意味なのか、何か別の意図があるのか、私より一回り小さいはずのベルちゃんが発した言葉に私は混乱していた。

 

「だけどね、ときどき、つばさおねーちゃんのことがきらいになっちゃうの」

「・・・」

 

私はいよいよ俯いたままのベルちゃんが今、何を考えているのかわからなくなった。

それでもベルちゃんはそんな私を置いて話を続ける。

 

「つばさおねーちゃんはとってもやさしくて、いっしょにいるとむねがポカポカするの」

「でも、つばさおねーちゃんがつらそうなとき、いつもがまんしちゃうの」

 

「・・・!」

 

ドクンと心臓が跳ねる。私は何も言えないまま、ベルちゃんの言葉を否定することも出来ず、

ベルちゃんを止める事も出来ず、ただ続く言葉に耳を向ける。

 

「がまんしてるつばさおねーちゃんのことみるとね、ぎゅってむねがくるしくなるの。あたまのなかがつらそうなつばさおねーちゃんでいっぱいになって、でもわたしがまだちいさいから、つばさおねーちゃんはたよってくれなくって。そうおもうとまた胸がきゅってなってあたまのなかがモヤモヤでいっぱいになって、だから・・・っ。だからね、つばさおねーちゃん」

 

ベルちゃんが顔を上げてこちらを見る。年相応の笑みを湛えたその顔はとても可愛らしく、

それでいてどこか妖しく揺らめく瞳に私は目を奪われる。

 

「つらいときは、がまんしないで?もっとわたしをたよるって・・・約束して、ね?」

「・・・っ」

 

あぁ・・・、ダメだ。ベルちゃんはまだ小さい子供なんだよ、

それなのにお姉さんの私が弱ったところを見せるなんて、出来ない。そう言ってしまえばいいはずなのに、思う様に口が動かない。ベルちゃんの握る手に力が入る。顔が近づく、ベルちゃんの目が私を見据えている。出来ないって言わなきゃ・・・。

 

「ねぇ、約束、約束して」

 

どんどんベルちゃんが近づいてくる。身体は、動かない。ベルちゃんの瞳から目が離せない。迫りくるベルちゃんを前に、これ以上正常な思考を保つことも難しくなってきた。頷いてしまおうか、ここで頷いてしまえばきっと楽になる。だから・・・。

 

不意に扉を叩く小気味の良軽い音が部屋の中に響く。

その瞬間、私はベルちゃんの瞳から意識を外すことが出来た。

 

「お茶とお菓子をお持ちいたしました」

「ん、はいっていいよ」

 

先ほどのメイドさんの声に、ベルちゃんが反応する。

 

メイドさんはお茶とお菓子を置くと、私たちの邪魔にならない様にと、

足早に部屋を出てしまったけれど、私は安心していた。

ベルちゃんの雰囲気がさっきまでとは違い、普段のベルちゃんに戻ったようだったからだ。

 

 

「そういえば、ベルちゃんの、お母さん、とお父さんは?」

 

ふと、ベルちゃんと屋敷を案内してもらっている時に浮かんだ事を声に出してしまった。

 

「ママとパパは、ぼうけんしてる」

「ぼうけん?」

 

うん、とあまり興味のなさそうな様子で答えるベルちゃん。

あんまり聞いてはいけないことを聞いてしまったかもしれない。慌てて私は口を開く。

 

「そ、そっか、寂し、かったら、いつでも言ってね」

「・・・さみしいっていったら、そばにいてくれる?」

「うん、ベルちゃんが、寂しい時、はいつでも、そばにいるよ」

「約束?」

「約束」

 

ぎゅっとベルちゃんが抱き付いてくる。

 

やっぱり、寂しいのかな。

 

寂しいよね、家族と一緒にいられないのは

 

ベルちゃんのまだ小さな体を私はぎゅっと抱きしめた

 

ベルちゃんが寂しい思いをしなくてすむように

 

私が涙を流しているのを気付かれない様に

 

 

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