目が覚めたら勇者に憑依していた   作:yuuyyuyuyuyuyu

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一年以上前から放置されていた内容に若干の肉付けをしつつ完成させました!
まさかの作者が設定忘れないようにする回だったのでかなり怪しい
というわけで今話は読み飛ばしていただいても問題ないです!!
というわけで下記前書きはその頃に書いていたものです!
たぶん時系列若干戻ってると思います「光は脆く」と「絶望のその先」の間だと思ってください!

というわけで今話は リズ&エジー回です。別に百合百合はしません。
じゃあ何で書くのって?作者が設定忘れないようにですね・・・はい。
作者の設定資料ガバガバなんでね、
頭の中にあるうちに書き起こさないと割と飛びます。ごめんね。
まぁちょっとね、この辺で一旦つばさちゃんの容体について触れとこうかと思った
次第であります。

今回もゆっくりみていってね!



【幕間】騎士と生贄

リズにとって目の前にいる少女

エジー・コンティノアールは、勇者時代のつばさを知る貴重な情報源だ。出来うる限りの情報を彼女から引き出さなければと、彼女から話があると言われるまで思っていた。

彼女からの申し出は簡単で、リズの家に厄介になるかわりに、つばさの事を知っている限り話す、ということだった。私は彼女からの申し出にすぐさま首を縦に振った。

それから昨日は既に日も暮れていたので、話は翌朝からということになり。

 

「・・・で、つばさの事教えてくれるのよね」

「もちろん、といっても私もあまり深くは知らない。ただ、現状のつばさの事を正しく知っているべき人間が多いに越したことはない、ということさ」

 

私は無言で話を促す。

 

「うん、ではとりあえず、過去のつばさの話は置いておいて、早速今のつばさだが、その話の前にそこにある剣について、君はどれほど知っているかな」

 

そう言って彼女が指さしたのは、翔剣『ウェルテクス』。つばさの様子がおかしくなったのはこの剣に触れた後だとリニャに聞いた私が預かったものだった。

 

「言わずと知れた名匠トールキンが打った、所有者は剣を持っていることを忘れてしまうほど軽いと謂われるほどに軽く、切れ味は岩すら紙のように切れる。トールキンが打った世界最高の3本の剣の中でも最強と謳われている剣かしら」

「うんうん、それで実際触ってみてどう思った?」

「それは・・・」

 

エジーの言葉に私はウェルテクスに触れたまま言い淀む。

 

確かにウェルテクスは他にある同程度の長さの剣と比べれば明らかに軽い。リズ自身がある程度軽量化に比重を置いた剣を使っているからということもあるが、本当にこの重さの剣で魔物や岩などが切れるのかと疑問を抱くほどではあったのだ。しかし、ウェルテクスの謳い文句にあるほど驚異的な軽さがあるかと言われればそれは否、というのがリズのウェルテクスを運んだ時の感想だった

 

リズの何とも言えない表情から考えていることを察したのか、エジーは薄く口角を上げるとリズにこう告げる。

 

「両手に魔力を流してもう一度持ってみるといい」

「魔力を?」

 

戸惑いながらもリズはエジーの言葉に従い両の手に魔力を流し再びウェルテクスを持ち上げる。

 

「っ!?」

 

あまりの驚きに、リズはウェルテクスを手から放しかけ、慌てて両手で剣を持った。

 

「軽かったかい?」

「え・・・えぇ、とても」

 

そう、リズはウェルテクスを初めて持った時とのあまりの軽さに、否一度ウェルテクスを生身の状態で持ったことがあったからこそ、元の状態と今の状態の落差に驚いたのだ。

 

「これは・・・魔剣?トールキンは魔剣を打つことが出来るという事なの?」

 

魔剣、読んで字のごとく、剣に魔力を込めるだけで特別な力を発現させる代物。

いつからあるのか、どのようにして生まれたのか、世界に二つとして同じ魔剣はないと言われており、魔剣によって能力が発現する条件も様々、さらに能力自体もピンキリ、なのでたとえ魔剣を見つけても、魔剣であることに気付かずに市場に流したり、その場で放棄してしまったり、魔剣であることに気付けてもあまりにもピーキーな性能だと、魔剣を研究している機関に売り裁きそのお金で武器や防具を新調する方がましということもある。おそらくそうして魔剣だと気付かれなかったり研究機関に送られたりするものが9割を占めていることだろう。強い魔剣は使い手と共に名が通るのがこの世の常といってもいいが、往々にしてそういった者は極少数しかいないことがその希少性を如実に表していると言える。

 

リズの疑問にエジーは困ったような顔で応える

 

「半分正解、といったところかな、私もあまり詳しくは知らないんだけどね。飛翔石という水晶がある。透き通った綺麗なみ空色の水晶で、これは魔力を通す事でその重量を0にすることが出来る代物なんだ、そしてその分加工難度も途方もないほどに高いそうでね、武具や防具はおろか装飾品にすることすら限られた鍛冶師にしか叶わないそうだ」

「そんなものをトールキンは剣に加工したというわけか、それにしても・・・いまだに信じられないわ、剣の重さを感じないなんて。握っていることを忘れてしまいそうよ」

「ふふ、たしかに。でもウェルテクスが数ある剣の中から最強の名を手にした理由が重量が感じられなくなるだけなんておかしいと思わないかい?

ところでリズの得意とする魔法を教えてくれないかい」

「風魔法ね・・・まさか」

「流石、気付いたみたいだね、試してみるかい?」

 

促されるままに私はウェルテクスに風の魔力を流す

 

結果は一目瞭然

 

ウェルテクスの刃の周囲に淡い新緑の光が灯る、これは―――――

私は魔力を流すのを止めエジーに向き直る

 

「これは、恐ろしい力ね・・・」

私の言葉にエジーは安心したかのように顔を緩ませ一息ついた。

「ふぅ、――――よかった、この剣に備わる異常性に気付ける実力者が彼女の近くにいてくれて

 

もうわかっているかもしれないけど、ウェルテクスは使い手の魔力に応じて可変する魔剣でもあるんだ、そしてその能力は」

「術者の能力をはるかに凌駕する、といったところかしら。風の魔力を流した時に感じたあの感覚、もし無造作にあの力を放てば街一つくらい余裕で更地に変えられるでしょうね」

「・・・流石にそこまでの威力が出るのは使用者の能力にもよると思うかな、とはいえ使い手の能力を超えた力をもたらすことは確かだね」

 

一つここまでエジーと会話した中で沸いた疑問を問うことにする。

 

「でもおかしいんじゃない?ウェルテクスは魔力を流せば重さを感じることなく持てるのだったらつばさが剣を落とした理由がないと思うのだけど」

私の質問に得心したように彼女は頷くと口を開く

「そうなんだ、ここで彼女の現在の異様な状況と結びつくことになる、本来であれば魔力を流すことでウェルテクスは何の労力も無く持つことが出来る。今まであの剣を使って戦っていたつばさがそれを知らないわけがない。でも彼女は剣を持てなかった。そして私がここに辿り着くのに苦心した理由がそこにはある。私はつばさの魔力を辿ってこの地にやってきた、だけどそれは道半ばまでのこと、ある時期からつばさの魔力を知覚することが難しくなったからね。最初はつばさ自ら周囲から自分の出自を隠すため魔力を抑えているのかと思ったんだ、だけど彼女に会ってそれが間違いであったことを確信したよ」

「・・・っまさか!!いや―――でも、そんあことがあり得るの?」

エジーが話した内容から私が得た答えは到底信じられるものではなかった。

 

魔力は生命力との結びつきが多からず存在していて、魔力は基本的に消耗することはあっても消失することは滅多にない。それこそ禁術に指定されているような大魔術やそれに準ずる行為でもなければ無いと言えるわ。一つ例外があるとすればそれは生命力が消耗した時なんだけど・・・ただ、これもほとんど無いといってもいいはず、理由としては老衰や病気などに掛かっても使用できる魔力が減るだけで、最大魔力量が減るということは無いから。

それが失われることがあるとすれば魔力が霧散した時、

 

 

それが意味するのは「死」

 

 

「私も最初は驚いたよ、でも彼女の特異な体質と出自、それから扱う魔力を考えるとあながちあり得ないことでもないのかもしれない」

「そんな―――つばさは!つばさはこのままで大丈夫なの!?」

「手は既に打ってある、私が初めてつばさに会った時にね。私の魔力を彼女に繋いでいるから今すぐどうこうなることはないよ」

「そう、なの・・・ありがとう」

「礼を言われるようなことじゃないよ、とはいえ私だけでは何かあった時つばさの安全を保障しかねる、だからリズにも魔力を繋いでほしいと思っているんだ。もちろんつばさにもちゃんと説明してからね、どうかな」

「えぇ、もちろんつばさのためなら何でもするわ」

「よかった、それじゃあ―――」

 

かつて村の生贄だった少女と異端騎士の話し合いは

彼女たちが日が暮れたことに気付くまで行われた




久しぶりの連投ながら、この作品を覚えている人ってもういないのではと思っている
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