目が覚めたら勇者に憑依していた   作:yuuyyuyuyuyuyu

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めっちゃぎりぎり投稿

今回もゆっくりみていってね!


目が覚めたら、服を脱がされていた

目が覚めたら、裸だった。

そして、女の子が私の体をタオルで拭いていた。

 

とりあえず、落ち着こう。

 

私は、近くにあった毛布を掴んで、女の子に話しかけることにした。といってもこっちに来てから会話らしい会話をほとんどしてこなかった私が久方ぶりに人に話しかけるとなると、緊張するわけで。結局私は、女の子に身体を拭かれることになった。

 

さすがに、下着に手を掛けられたところで止めたけど。

 

あのまま寝てたらお嫁にいけなくなるところだった。

 

女の子はリニャって言うらしい。私の身体を拭き終わったタオルを洗いながら、私とリニャは軽く自己紹介をした。名前を聞かれたとき、一瞬どっちの名前を言おうか迷った。

 

きっとここで勇者(ソフィアさん)の名前を出せば、村でちょっとした騒ぎになることは間違いないだろう、勇者(ソフィアさん)の名声は私が思っている以上に人々に影響を与えていて。

私にはそれがたまらなく怖くて、

勇者(ソフィア)として振舞わなければならないのが苦しくて、

勇者(ソフィア)のようにはなれないことが辛くて、

周りにそれを知られるのが恐ろしくて、

あの三人のように失望されるのが怖くて、

その名前から逃げたくて・・・

 

ごめんなさい、ソフィアさん。私には勇者(ソフィアさん)として生きていくのは荷が重かったみたいです。ごめんなさい、許してほしいとは思いません。恨んでもらって構わないです。本当にごめんなさい

 

でも、もう限界なんです。

 

結局、勇者(ソフィアさん)の名前に耐え切れなくなった私は、気付けば元の名前を答えていた。

私が名前を伝えると、リニャはにっこり笑ってくれた。

 

タオルを洗い終えたリニャが私の手を引いて、家へ戻る。

それからベッドに腰かけて、リニャから、村の話やリニャのお父さんお母さんの話を聞いた。

その時わかったことだけど、リニャは結構、人との距離が近い、となりに座って来たかと思ったら、そのまま手も握ってきたものだからびっくりした。

だけど、リニャがそういう子で良かったって思っている自分がいる。

リニャの手から伝わる温かさが、今の私にはどうしようもなく心地よいもので、私からそれを手放そうとは思わなかった。

控えめに握り返すとリニャは顔をパッと明るくさせて私を見る。

それが少し気恥しくて、私は顔を逸らす。

それを見てリニャは楽しそうに笑った。

 

頭ではわかってる。これ以上リニャに甘えてはいけないって

このままリニャに甘えてしまったら、たぶん、私は離れられなくなってしまう。

こっちに来てから初めての温かい感情に、私の荒んだココロが満たされていく。

だからこそ、これ以上はだめだ、

 

これは毒だ、一度知れば着実に私の心を蝕む甘い毒の蜜。

 

早く、

 

一刻もはやくリニャと彼女の両親に礼を言ってこの場を去らなくては・・・

 

そう思いながらも、私はリニャから与えられるそれから離れられない。

 

もしかすると、もうすでに・・・

 

私はそれ以上考えるのをやめた。

 

 

もういい

この先どうなっても

 

だから、今はこの太陽のような温かさに身を委ねよう。

 

 

ナタリーさんからお昼ご飯に呼ばれるまで、

となりで楽しそうに話すリニャの肩に身を預けていた。

 

お昼を食べてから、私は二人に何かできることはないか聞いてみたら、ナタリーさんからリニャの相手をしてあげてと言われたので、昼食後はリニャさんに村を案内してもらった。

道中村の人たちが気さくに挨拶してくれて、私も自然に挨拶を返せたと思う。

 

夕暮れ時になって、リニャがそろそろ晩御飯の時間だから帰ろうと私の手を引く。

家に戻ると、すでにナタリーさんが晩御飯の仕度を終えていて、リカルドさんも帰ってきていた。

晩御飯を食べている間はリニャが今日あったことを話したりして、リカルドさんとナタリーさんがそれを楽しそうに聞いていた。

今度はちゃんと泣かずにご飯を食べることが出来た。

 

村には温泉が湧いているらしく、晩御飯を食べ終えた私は、ナタリーさんとリニャに連れられ、

温泉へと向かった。

旅をしていたころは、他三人にどうしているのか聞けず、よくて近くの水場で水浴びをするくらいしかしていなかった私は、久しぶりの温かい湯にまた涙が溢れそうになるのを我慢する。

リニャが私の背中を流すと言って強引に私を引っ張っていく。そのままリニャに頭と背中を洗ってもらった。優しい手つきで、まるでマッサージを受けているみたいに、気持ちよかった。お礼にと、私もリニャの体を洗いたいと申し出ると、リニャは笑顔で受け入れてくれた。

 

こうしていると、弟たちの体を洗ってあげていたころを思い出す。

まだ小さかった弟たち、あの子たちの元気な姿が目に浮かぶ。

もうあそこには帰れないんだ。

弟たちの成長をこの目で見ることは叶わない、わかってはいたけれど、その事実に心がざわつく。

 

「大丈夫?」

 

手が止まっていたのか、私のことを心配そうにリニャが見ていた。私がリニャと目を合わせると、リニャはそのまま私の頭を撫でる。

 

あぁ、どうして。どうしてそんなに優しくするの・・・

 

震える身体を抑え、湧き上がる熱い情動も抑えて止まっていた手を動かす。

リニャもそれ以上は何も言ってこず黙って私に背中を預けている。

 

私はそれに感謝して、手を動かし続ける

 

今は誰にも顔を見られたくなかった、きっとひどい顔をしていただろうから

 

 

背中を洗い終えた私に、リニャは「前は洗ってくれないの?」って言ってきたけど、流石にそれは恥ずかしいと、逃げるように湯に浸かった。少しして、身体を洗い終えたリニャがナタリーさんと一緒にやってきた。リニャはそのまま私の隣にやってきて、身体を引っ付けてくる。腕に柔らかい膨らみが当たって、顔が熱くなる。ナタリーさんはそんな私達のことを楽しそうに眺めていた。

 

温泉から上がった私達は、家へと戻り、夜も更けてきたので眠ることにした。

私が初めに眠っていたベッドは、普段リニャが眠っている場所らしく、それを聞いた私は床で寝ると言ったが、それを聞いた二人は顔をしかめてそれはダメだと言われた。

結局私は、リニャと一緒にベッドで寝ることになった。幸いベッドは私達が二人で並んでも窮屈にならないほど大きく、私はリニャに迷惑をかけないように少し離れてベッドの隅に移動する。

そんな私の考えを知ってか知らずか、リニャは、隅にいた私を中央に引き寄せて、

その温かい手で私を包んだ。

あまりに唐突なことに一瞬抵抗しようとしたが、私の体はその考えを否定するように、柔らかいぬくもりを感じさせるリニャの体に身を預け瞼を閉じた。

 

その日から私は夜が怖くなくなった

 

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