目が覚めたら勇者に憑依していた   作:yuuyyuyuyuyuyu

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友人からランキングに乗ってると言われて
ランキング機能を初めて使いました
びっくり


今回もゆっくりみていってね!


目が覚めたら、そこは楽園だったかもしれない

目が覚めたら、可愛いらしい女の子の顔が目の前にあった。

 

朱色のふわっとしたくせっけが小動物を思い起こさせるような可愛らしい少女。

 

リニャちゃん。

 

私はリニャちゃんに抱き付かれるようにして眠っていたようで、

腰にリニャちゃんの手が回っている。

 

どうしようか・・・

 

目が覚めたのだし、ナタリーさんたちが起きているのなら、お礼を言いに行かなければと思う反面、このままリニャちゃんが起きてくるまで腕の中でゆっくりしていたいと思う自分がいる。

出会ってまだ一日とちょっとしか経ってないのに、

不思議と彼女の腕の中にいると落ち着くから・・・。

リニャの温かさに触れていると、自然と心が落ち着いて張っていた気持ちもゆっくりと解けていくのを感じる。

 

もう少しだけ・・・いいかな

 

結局、欲に負けた私は、リニャが起きるまでの間彼女の寝顔を眺めていることにした。

何時ぶりだろうか、こんなに心が休まる時が来るのは。

 

こっちの世界に来てから、こんな風な気持ちになる余裕なんて、つい先日までの私には無かった。

 

やっぱり、生き物でも人でも、殺すのは怖かった。

今だって、その時の事を思い出すと、手が震えてくる。

こっちの世界から見れば、私はきっと情けなくて、弱いやつなんだと思う。

 

でも、こればっかりは、

殺すことにだけは慣れなかった、慣れたくなかった。

だって、殺すことになれたら、私が(つばさ)じゃなくなってしまいそうだったから。

 

だけど、殺さなかったら、私が殺される。だから、殺さなくちゃいけない。

誰かを、何かを殺すたび、私の中の何かがなくなっていくみたいで、怖かった。

 

この世界は、私が生きてきた世界とは何もかもがまるで違っていて、それがこんなにも辛いことなんだって、自分が周りと違うことが、周りに合わせられない自分が怖かった。

 

戦いが終わった後、血まみれになった自分の手が、

自分の物じゃないように思えてしょうがなかった。

 

何度洗っても手に着いた血が取れない気がして

いっそこの手を切り落としてしまおうと思ったこともあった。

 

大丈夫、私はまだ壊れてない、まだ大丈夫。

 

そう自分に言い聞かせていたころには、もうとっくに壊れていたんだと思う。

 

いつからか、眠れなくなった。

戦いどおしで身体は疲れ果てていたのに、夜になっても目は冴えたままだった。

何もしていないと一人の夜は怖いから、眠るためにも私は剣の練習をしていた。

気付けば夜が明けていて、夜通し練習していた身体は、朝が来た事を感じると、糸が切れたように力が抜けた。

 

それでも眠ることは出来なかった。

 

 

 

「んぅ、つ、ばさ?おはよ~」

 

リニャの声が聞こえて、我に返る。

 

リニャは寝ぼけ眼で私を見ると、途端に真剣な顔つきになって、腕の力を強めた。

 

「リ、リニャ」

「大丈夫、大丈夫だよ、つばさはここにいていいんだよ」

「っぁ・・・」

 

そう言ってリニャは私の頬を撫でる。

 

「ほん、と・・・?」

「うん!」

 

おどおどする私に、リニャは笑顔で答えてくれる。

私はそのことがどうしようもないくらい、嬉しくて。

同時に、こんなにも私に優しくしてくれるリニャが、迷惑していないか、不安でしょうがなかった。

 

ここから離れたくない、

 

リニャに捨てられたくない、

 

もしリニャに捨てられたら・・・、

 

心臓が早鐘を打って、呼吸が不規則になっていく。

 

「リニャ、何かしてほしいことない?私、何でもする、から・・・だからっ!」

 

焦った私からそんな言葉が口をついて出た。

 

「つばさ!」

 

ピシャリとリニャの鋭い声が私の耳を打つ。さっきまでの優しい表情が一変して、リニャは今にも泣きそうな顔で、怒りに震えていた。

 

「そんなこと、軽々しく口にしちゃダメだよ、つばさは女の子なんだよ?なのに・・・

もっと、自分をだいじにしてよぉ・・・」

 

最後の方の言葉は、弱弱しく震えていた。

泣きそうになるリニャを前に、私はどうしたらいいかわからなくて、リニャが私にしてくれた時のように、手を背中に回し、ぎゅっと身体を抱き寄せる。

 

「ごめん、なさい」

「ぁ、えへへ。いいよ、でも今度あんなこと言ったらもっと怒るからね!」

 

私が謝ると、リニャは、パッと顔を明るくして、許してくれた。

 

「でもそうだなぁ、何でもしてくれるって言うんなら・・・、これかも一緒にいたい、かな?」

「ぇ?いいの?」

「なんでも聞いてくれるんでしょ?」

「そうだけど・・・」

「それより、そろそろ朝ごはんだよ!いこ?」

 

リニャのお願いに困惑していると私をよそに、、

そう言いながら、リニャはベッドから身を起こすと、私の手を取って今日の朝食を見に、ナタリーさんのいる台所に向かった。

 

 

 

 

朝食を食べ終えた私は、今日もリニャと一緒。

少し嬉しいなと思いつつ、今日は村の外を案内してくれるというので、それに従った。

 

村の外となると、魔物とかがうろついて危なくないのか聞いてみたら、近くにある森の奥に行かなければ、滅多に村の近くにはこないらしい。

何でも村には元冒険者や旅人が多く住んでいて、

彼らの魔力や、闘気を怖がって、村には近寄ってこないらしい。

村の周りは豊かな自然に囲まれていて、色んな動物たちも暮らしているらしい。

私に見せたい景色もあるとリニャが言っていたので、私は、それを楽しみにしつつ、

着いていった。

 

 

 

 

 

 

想定外のことが起きた。

リニャは何とか村の方に逃がすことに成功したからいいとして・・・

 

こいつ、明らかにやばい。

 

目の前にいる、狼人間のような魔物から微かにだけど、魔王の残り香みたいなのを感じる。

せっかく魔王を倒したのに、まだ私を戦わせるのか・・・。

とにかく今は一人で戦わなくちゃいけない、

 

怖いけど、やるしかない。

 

 

 

 

魔法が出ない・・・

 

おかしい、なんで?

 

痛い・・・

 

痛い痛い痛い!

 

うで、うで、が・・・っ!

 

っ!殺される!

 

逃げなきゃ・・・、

 

死にたくない、

 

今から、村に逃げれば、

 

逃がしたリニャから事情を聞いたであろう元冒険者の人たちが助けてくれるかもしれない。

 

でも、もしその人達が負けてしまったら、あの村は、リニャはどうなる?

 

この魔物、かなり強い。

 

そもそも、森の中で激しく、戦っていたから、村がどっちかわからない。

 

腕から流れでる血が止まらない。

 

このままじゃ、長くはもたない・・・、

 

とにかく、逃げなきゃ、殺される。

 

あいつは、私を追いかけてきてる。

 

走れ、早く、もっと動け、

 

足場の悪い場所を走り続けてきた足が震えだす、

 

何度も打ち付けられた体中が痛む、

 

あいつに蹴り上げられた腹部が悲鳴を上げている。

 

だけど、止まるわけにはいかない。

 

立ち止まったら、あいつに殺されてしまう。

 

怖い、

 

痛い、

 

誰か・・・、

 

誰か、

 

 

 

 

 

助けて

 

 

 

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