某DMMORPGを全力で楽しむスレPart.67 作:美味しいラムネ
プロローグ
──2138年某日、ナザリック大墳墓第九層にて
「いやぁ、この半年で少し下がっちゃった順位も、色々してるうちに何故か、最盛期の9位突破して7位になりましたね。まさかギルドのすぐそばの沼地にワールドアイテムが入手できる長編イベントのキーNPCがいたとか誰も想像しませんよ!」
黒曜石でできた重厚な作りの円卓を囲んで、数人の異形がユグドラシル最後の日を送っていた。
DMMORPG『ユグドラシル』。
仮想世界に五感を──嗅覚や味覚は制限されているが──投入することで、仮想の世界を直接体感することができるデバイスを使用して遊ぶ、体感型ゲーム全体の中でも当時トップの人気、そして自由度、データ量を誇ったそれも、12年の歴史に幕を閉じようとしていた。
『なんでも自由だからっていいもんじゃねえぞ』『世界一不親切な運営』『一歩間違えばクソゲーオブザイヤー行きだぞ』『せめてチュートリアルぐらい用意しろや!』『せめてポーションの素材ぐらい教えてくれ』『どうしてMMOで鯖単位で進行不能バグが発生するんですか!?』などプレイヤーから様々な文句を言われながらも、同時に『文字通りなんでもできる最高のゲーム』『パンツから宇宙世紀までなんでも作れるいい意味で変態ゲー』『理想の銀髪貧乳ロリ吸血鬼を作れる最高のゲーム』『知ってるか?このゲーム、文字通りビルドは無限通りなんだぜ!』『無限に遊べる神ゲー』などと当時としても──いや、現在においても最高峰の自由度は、様々なメディアにおいて評価されていた。
しかし現実はショッギョ・ムッジョ。盛者必衰の理をなんとやら。
そんな大人気だったユグドラシルも、2136/12/29 00:00を持ってサービスを終了する。
そしてユグドラシルの中でも10本の指に入る強豪ギルド、『アインズ・ウール・ゴウン』、別名「異形種動物園」と一部板では呼ばれてるそこにも、平等に最後の時が訪れようとしていた。
「いやぁ、お陰で暫くぶりに盛り上がりましたねぇ。一万発の花火は壮観でした。………これも全部、モモンガさんや、残っていた人たちがナザリックを守ってくれたお陰ですよ。本当に。ありがとうございます。」
黒くどろどろとした塊─ヘロヘロが、どこにあるのかわからない頭を下げる。
「いやぁ、やめてくださいよ、そんな。水臭いですよ。ペロロンさんや茶釜さんだったり、タブラさん、るしふぁーさんなんかはしょっちゅうinしてくれてましたし、ヘロヘロさんも週に何回かはinしてたじゃないですか!」
悍ましい骸骨の魔法使い─モモンガが、ヘロヘロに語りかける。
「でもほぼ寝落ちかけでまともに狩すらできなかっスヤァ………」
「ちょ、ヘロヘロさぁん!?ヘロヘロさぁん!?そこで寝落ちですか、そこで寝落ちするんですか!?不味いですよ、サーバーダウンのタイミングで寝落ちは不味いですよ!寝るな、寝たら死ぬぞ!」
「ここで寝落ちして頭が吹き飛んだら異世界転移できないかなぁ…スヤァ…」
「ヘロヘロさぁん!?衛生兵、衛生兵ーっ!」
「モモンガさんwww
このやりとりを見ながら腹を抱えて爆笑しているのは武人建御雷、そしてそれを見てほんわかしているのは死獣天朱雀だ。
「ナノマシン切れといえば、ペロロンチーノさんとぶくぶく茶釜さんも数時間前にナノマシン切れで落ちてしまったな…儂のような老人ならまだしも、若い二人が落ちるとは、いったい何時間ぶっ続けでログインしていたのか…」
「うーん。私がログインしてた時点で既に3時間は経過していたみたいですよ。」
他愛のない会話、しかし次の瞬間悲劇は起きる。
「モモンガさんがログインした時で!?そりゃ落ちますよ!?まぁ、俺はちゃんとナノマシン調節してるからあと40分はもちm───武人建御雷がログアウトしました───
「ちょ、建御雷さーーーん!?!?」
「はは、儂のような老人よりも先に落ちたか。鍛錬がたりないn─────死獣天朱雀がログアウトしました─────
「うそでしょ、嘘ですよね!?どっちもナノマシン切れで落ちましたよ!?そんな偶然あります!?」
「テラワロス」
「やっぱヘロヘロさん起きてるでしょ!?」
運命の悪戯か、最後まで仕事や眠気、ナノマシン切れにも負けずinしていた二人がナノマシン切れで落ちてしまったのだ。
モモンガは、急いでコンソールを操作して外部アプリに接続する。
サービスが開始されて数ヶ月間はこの機能はなかったのだが、とある男のありえない量の出資により、外部のアプリへゲーム内から接続が可能になったのだ。その当時からやっていたわけではないから詳しく知ってるわけではないんだけどな、とモモンガは独り言ちる。
「……うわぁ、建御雷さんめっちゃ悔しがってますね。そして弍式炎雷さんが煽り散らかすと…。とりあえず『喧嘩はやめてくださいね』、と。」
もし仮に、ユグドラシルに表情反映システムが導入されていたら、きっとモモンガの頬は緩んでいたことだろう。
リアル忙しい皆が、結局は最終日まで一緒にいてくれた。…厳密にいうと過半数が様々な原因で文字通り最後まで耐えることは出来なかったのだが、それでも嬉しいのだ。
「…と、サ終まであと20分ですか。本当にいろいろあったなぁ…」
『最終日に他ギルドのやつが襲撃かけてきたりな』『あのパンツ組やっぱ頭おかしいですよ…』『そういえば今ギルドの外ではワールドエネミーが暴れてるらしいですよ』『やっぱクソ運営じゃないか!』『あとはるし★ふぁーさんがラグナロクしたり』『ラグナロクするとかいうパワーワード』
外部アプリから次々にチャットが飛んでくる。
誰かは知らないが、この外部のグループチャットアプリと繋げれるようにしてくれた出資者には感謝しかない。これがなければきっと最後の瞬間までほぼ全員と繋がるのは物理的に不可能だっただろうから。モモンガはそう思った。
「さて、最後の瞬間は玉座の間で迎えますか!」
「いいですnスヤァ………」
「もうそれわざとやってますよね!?」
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この後も、アルベドの設定を巡って一悶着あったり、製作者直々にモモンガの嫁認定されたりと、墓守たちは盛り上がった。
本来の歴史はもうどこにもなく、モモンガは最後まで幸せな時を送った。
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「ヘロヘロさん、るし★ふぁーさんどこ行ったかわかります?」
ナザリック大墳墓の最奥、玉座の間。
未だ外部の人間の侵入を一度も許していない秘中の秘。そこに黒色の塊と骸骨が並んでいた。
「…『また同じ星空の下で会おう!』って言ってどこかへと消えていきましたね。」
『さっき始まりの街で目撃されたらしいぞ』『まwじwかw』『うぇーいモモンガさんみってるー!今俺は始まりの街で大乱闘してまーす!』
『まぁ彼らしくていいんじゃないんですか?』『モモンガさん、リチャージ終わった!あと一分でログインできます!姉貴も来るぞ!』
「マジですか…え、ペロロンさんログイン出来るんですか!?急いで、あと…30秒!?不味い、時間が!皆さん、あれで締めますよ!」
「あ、やばいこれガチで寝そう」
「嘘でしょ、嘘でしょ!?耐えて、耐えてください!じ、じゃぁ行きますよ!
「『アインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ!』」
そして、世界は次へと進む。
「あれ…?ログアウト処理されない?外部との接続も遮断された?」
「アァネムイ…トケル…カラダガトケル…スヤァ…」
「ちょ、ヘロヘロさぁん!?溶けてます体溶けて…溶けて!?え、感触が!?匂いも!?あ、急に落ち着きました。」
「モモンガ様、どうなさったのですか!?」
「うぉぉ!アルベドが喋ったぁ!?そんなAI組み込んでたっけ!?」
「トケル…トケル…」
「え、ちょ、ん゛っ!事態の、事態の解決を待って!一旦落ち着いて!」
本来の歴史とは圧倒的に乖離した状態で始まる彼らの物語。
例えば、とある悪魔が正史に置いて行う作戦のせいで悪魔に死亡フラグが乱立していたり、翼人が先に現地入りしていたり、とある白金が超狂化されたせいで埴輪に死亡フラグが立っていたりするが、一体彼らの未来はどうなるのか。
まぁ、そんな未来のことを予想するよりも先に、モモンガは───
「ちょ、ヘロヘロさん、溶け合ってる!ソリュシャンと溶け合ってる!あぁもうあああ!精神が沈静化されるぅ!」
このカオスをなんとかしなければならないのだが。
ちょうどその時、この世界線の鍵となる者たちは何をしていたのかというと─
同時刻、スレイン法国にて──
「と、いうことで今集まってもらった皆さんには、今から鬼ごっこをしてもらいます!」
「何故!?」
遊んでいた。
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原作からの変更点(ナザリック)
ギルドの最終順位29→7(最終日更新分)
ワールドアイテム所持数 11→12
最終日にログインした人 2→いっぱい
次回、本編始動。『ニアミス』デュエルスタンバイ!
ここから先のイメージ
ある程度通常ルートを書く
↓
このストーリーじゃ絶対にありえない『仮に原作通りに進んでしまったら』で起きる敵対ルートでの戦闘を1、2話だけおまけで書く(例:漆黒聖典&巫女姫vsシャルティア、アルティメット・イビルアイvsヤルダバオト、撲殺聖女vsヤルダバオト、異常強化白金&王国組vsアルベド&偽アインズ とか)
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続きを書く
がイメージですね。通常ルートでは原作とは圧倒的に乖離したとんでもストーリが展開されます。八本指は壊滅仕掛けだし、ゼロとデイバーノックは六腕入りする前に法国に吸収されてるし、王国あたりがそのまま進むわけないんですよね、初見さん。
この作品はあと10話以内に一旦完結するが、そのあとどうするか
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綺麗に完結しましょうや
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続き書きましょう(一応ネタはある)
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敵対ルートあくしろよ
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ちくわ大明神