某DMMORPGを全力で楽しむスレPart.67   作:美味しいラムネ

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今回は掲示板無いので初投稿です

前回の次回予告の続きです

モモンガさんは原作よりもかなり強化されています。それこそ上の中に食い込めるポテンシャルを持つぐらいには
オリ魔法、スキル多めです

今回は、ギルマスは常にすくつのギルマスを指す主語です。


ex.模擬戦

「では………」

 

 

 

「「始めようか」」

 

 

カウントがゼロになり、戦闘開始を知らせる電子音が鳴り響く。

それと同時に、モモンガが何かを投げた様な気がした。

 

「まずは小手調べだ!《次元封鎖》」

 

ギルマスの腕輪が輝くと、その体はパワードスーツに覆われる。

また、それと同時に、右手の指輪の内の一つに込められた魔法で転移を封じる。

 

魔法詠唱者相手に転移を封じなかったら、永遠と終わりのない追いかけっこをすることになる。対策するのは当たり前だ。

 

既に魔法行使の準備を完了させたモモンガ目掛けて、覆われると同時に両腕に現れた重機関銃の銃口を向け、弾丸を放つ。

 

「魔法詠唱者相手に遠距離戦か、舐められたものだな!《陽熱の外套》《万雷の撃滅》《魔法詠唱者の祝福》」

 

発射された弾丸はその大半が防御魔法で防がれ、反撃として雷が、紅蓮の火球が、核の光が、そして極寒の吹雪が叩きつけられる。

通常、魔法詠唱者は一度相手と距離を置いてから立ち止まって魔法を乱射することが多い。

飛行に代表されるような移動系魔法を使いながら魔法を使おうとすると、体と脳の理解に乖離が生じ、足が絡まるような感覚とともに、うまく魔法を使えなくなるからだ。

 

だがここはさすが最上位ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』のギルドマスターといったところか。

モモンガは、こちらから飛行で逃げつつ、防御魔法、そして攻撃魔法を同時行使。また攻撃魔法のインターバル中には強化魔法を使うと一切の隙がない。

 

ギルマスは、銃を撃ち、武装に込められた魔法を放ちながら妙な違和感を覚える。

モモンガの、凡百の魔法詠唱者とは一線を画した速度の魔法詠唱能力は確かに凄い。

しかし、いや、だからこそ違和感を感じた。

幾万もの魔法を行使する間、所々に妙な空白があるのだ。

 

相対する相手が一般的な魔法詠唱者であったのであれば、詠唱に失敗したのか、などと考えるが、モモンガに限ってそれはない。

無詠唱化によって何かを準備しているのか?などと考えるが、答えは分からない。

 

相手が放ってきた竜巻を、同じく武装に込められた竜巻の魔法でいなしつつ、手榴弾を投げてみるが、モモンガの防御魔法で無効化される。

 

(流石に、モモンガ相手に遠距離戦は無謀だったわね。ある程度リズムは掴めてきたし…第二形態、行きますか。)

 

「ふふ、どうした?ずっとパワードスーツに閉じこもって。怖気付いたか?」

 

雷で構成された槍を発射しつつ、モモンガは挑発する。

それを聞いたギルマスは、フルフェイスマスクの中でニヤリと笑い、その言葉に答える。

 

「いや、まさか。…じゃあ、そろそろギア上げて行くわよ。『フルバースト』」

 

ギルマスは、パワードスーツが持つ特殊能力を発動する。

込められた魔法、武装、予備武装含めた全ての武器の全開放。

 

それは無限にも思える不死者の王の弾幕に穴を開ける。

 

何かが破裂する音がした。

それはギルマスが地を蹴る音。

一歩目を蹴り出す。地面が、巨人に殴られたかのように放射状に割れる。

邪魔なパワードスーツを脱ぎ捨て、戦士の装いとなったギルマスが、地を駆ける。

 

一メートル、また一メートルとモモンガへ接近する。

近づけば近づくほど、弾幕は濃く、そして苛烈になっていく。

 

それらを掻い潜り、自分に直撃するものだけを的確に弾き、壊して、前へ駆け抜ける。

そして、残り数十メートルとなったタイミングで、弾幕が突如止む。

 

「いやはや…流石、上位ランカーと言ったところか。…では、こちらも仕込んでいた仕掛けを起動するとしよう。第一層開放《上位魔法封印》」

 

モモンガの背後の空間が揺らぎ、それと同時に幾百もの魔法陣が展開される。

 

あぁ、やられた。

先程から感じていた違和感の正体に気づいた。

魔法詠唱の間に生じていた妙な空白。その間にモモンガはこの魔法を用意していたのだ。

 

《上位魔法封印》。その魔法が持つ能力は単純である。

魔法をストックしておいて、好きなタイミングで放てるというもの。そのストック可能な時間は、使用者の魔力量によって異なるが、モモンガであればおそらく数分は持つ。

そして、それを何重にも重ねがけしたもの。それが今解き放たれたというわけだ。

 

先程とは比べ物にならない量の魔法が発動される。

今までで戦ってきたどんな魔法詠唱者よりも、重く、鋭く、そして隙がない。

 

これを突破する方法は、幾つもあるが─それらの全ては、この戦いで晒していい手札ではない。

では今ある手札でどうするか。一瞬にも満たない刹那の間に思考する。

 

 

「──ほう。この弾幕でも未だ直撃はゼロ、か。ではもう二段階上げていくぞ? 第二層、第三層開放 」

 

クソッタレが!やっぱり三重化していたか!

心の中で悪態を吐く。

位階魔法は、それがどんな魔法であれ、スキルによって二重化、三重化出来る。であれば、この魔法も三重化されていない道理はない。

一瞬にして、視界が光で覆われる。

 

そんな絶望的な状況で、ギルマスは笑っていた。

 

「ふふ…少し焦りすぎたわね。モモンガ。《大災厄》」

 

ギルマスを中心に、全てを破壊する大魔術が発動する。

それは、ワールドの名を持つ職業の切り札。自身の魔力の6割と引き換えに、圧倒的暴虐を撒き散らす。

 

それは周囲の魔法を吹き飛ばす。

仮にこれを行使したのが、大厄災の魔と呼ばれる異形の様な、純粋な魔法術師であれば、モモンガの防御魔法を貫通してダメージを与えることも出来ただろうが、数レベルしか魔法職をとっていないギルマスでは、僅かに弾幕を吹き飛ばすことしかできない。

 

だが、それで十分だ。

吹き飛ばされた弾幕を背後に、再びギルマスは加速する。

 

不死者の王は、もうすぐそこだ。

 

 

ピンチな状況のはずなのに、モモンガは内心ほくそ笑む。

あぁ、バカが罠にかかってくれた、と。

 

「起動《浮遊大機雷》」

 

自身の周囲数十メートルに所狭しと配置しておいた機雷が、次々に起爆する。

無属性のダメージを与える爆発がギルマスの命を刈り取ろうとする。

 

ここでモモンガはふと不思議に思う。ギルマスは、アレでも上位ランカーだ。

無用心に突っ込んでくる事なんてあるだろうか、と。

 

何故ギルマスが無用心にも突撃してきたか。

答えは簡単だ。

その程度の魔法は、避けるにも値しないからだ。

 

「この、化け物がっー!」

 

いかなる手段によってか、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「《加速》《上位全能力強化》『気装脚』『武神超越』」

 

あえて今まで使ってこなかった強化魔法、スキルを使い、光となりて、不死者の胸を貫かんと迫る。

 

(避ける──不可能。魔法による迎撃──間に合わない。で、あれば!)

 

「《魔法二重化・第十位階死者召喚》出てこい、死の騎兵ッ!」

 

地面から這い出てきた、その目に赤い光を煌々と灯す二対の騎兵が、主人の元へ敵対者をいかせまいと槍を突き出す。

 

「あぁ、…遅い。」

 

モモンガの目には追いきれなかった。

ただわかるのは、一瞬の間に、騎兵が粉々に砕かれ、その手に持っていた槍が、こちらへ投擲されているということだ。

 

「ま、《魔法盾》ッ!」

 

魔力で構成された盾で辛うじて防ぐが、その一撃を喰らっただけで、盾は儚くも砕け散った。

 

「じゃぁ、吹き飛びなさい。」

 

「チッ!《魔法三重最強化・骸骨壁》《魔法三重最強化・魔法結界》《魔法三重最強化・魔法盾》《光輝緑の体》」

 

なんのスキルも伴わない、ただ純粋に百年の間に研ぎ澄まされた拳は、あらゆる壁を紙切れの様に破り、あまりにも大きすぎるダメージは、無効化魔法さえ貫通して、モモンガの胸目掛けて炸裂する。

骨が軋む音がする。

ただの一撃、ただの一撃であるというのに、その拳のなんと重いことか!

 

モモンガの体は地面に叩きつけられ、深さ数十メートルにも及ぶクレーターが出来上がる。

モモンガは、ギルマスの一撃の重さに驚くが、同時にギルマスは、モモンガのその戦闘技術に驚いていた。

 

ギルマスの拳が当たる寸前、モモンガは…自らの肋骨を使い、衝撃を幾分か外に逃していたのだ。

肋骨、そのアーチ状の構造が、衝撃を外に逃し、またその軽い骨の体が、勢いを殺していたのだ。

それは狙ったものではないだろう。おそらく無意識のうちに行われた反射的な動作。

 

しかしそれは、ギルマスが百年の間に極めようとした技術に似ていたこともあり、内心で嘆息する。

決めた。ここまで奴がやれるというのであれば…手加減はもうやめにしよう。

 

「『陽熱爆発』」

 

モモンガを地面に叩きつけたギルマスは、そのままの勢いで地面を殴る。

すると、モモンガが叩きつけられた地点と殴りつけた地点が地割れで繋がり、そこから間欠泉の様に溶岩が噴き出す。

 

そのままモモンガの体は天高くかち上げられる。

そこ目掛けてギルマスは腕から闘気の渦を放ち、さらに高くモモンガを吹き飛ばす。

 

モモンガの脳裏にこんな言葉がよぎる。

「即死コンボ」

 

(まずい、これは不味いぞ…!)

モモンガは思考する。

 

今晒していい手札の中で、この状況を打破するものはあるのか、と。

全ての手札で見れば、幾つか策は思いつく。

サービス終了近くで挑んだ長編シナリオ。世界級を入手するその旅の中で手に入れた、エクリプスの追加スキル四つ。それと元々持っていたThe goal of all life is death。

自身が二つ所有する世界級。アンデットの副官による超上級アンデットの召喚。課金アイテムによる超位魔法の即時発動。

 

それらの全てを頭の中で検証し、破棄していく。

世界級は、世界級を持つ相手には通用しない。The goal of all life is deathは出が遅すぎる。課金アイテム、それにアンデットの副官は論外。

では追加スキルはどうだ。

4つのうち一つは防御魔法だが、それは世界防御にも匹敵する能力を持つので出来れば晒したくはない。

残り三つのうち二つは攻撃系だが、どれもThe goal of all life is deathの補助的側面を持つため今は使えない。

消去法的に、どの手段を取るかが決まる。

最後の一個のスキル。超強化された破滅の王三体の同時召喚。召喚後29秒で消える上に、クールタイムは24時間というそれを使うことに決める。

 

これらの思考が完了するまでにかかった時間はコンマ一秒にも満たない。

しかしその間に、ギルマスは次の行動へシフトしていた。

 

その右手に持つのは片手剣。

六色のオーラを纏うそれを逆手で構えて、モモンガよりもさらに上空から突撃してくる。

 

それを迎え撃つはエクリプスの固有スキル。

 

「『あらゆる栄華の目指すところは滅亡である』」

 

モモンガの体から黒い霧が溢れる。

それと同時に、錆びついた王冠を被った死神が三体、ギルマスの命を刈り取ろうと鎌を振るう。

 

「…『天 下 無 双』」

 

ギルマスが、一体目の破滅の王が振り上げた鎌を切り落とし、返す一撃で背後から横一文字に切り捨てようとした破滅の王を真っ二つにした。モモンガの動体視力で追いきれたのはそこまでだった。

次の瞬間には、破滅の王は、2体が倒され、一体が瀕死。

 

瀕死の一体が、体を崩壊させながらも、命をかけた最後の一撃を放つが、それはあまりにも遅すぎた。

瞬間、破滅の王の体が内部から爆散し、臓物を撒き散らす。

 

血が舞う。

 

どこか凄絶な美しさを感じさせる血のカーテンの間で、モモンガとギルマスの視線が交錯した。

先手を取ったのは、モモンガだった。

頭から落下しながら、ギルマスに、自身が出せる魔法の中で、瞬間火力が最大なものを発動する。

 

「《魔法三重最強化・現断》ッ!」

 

次の瞬間、モモンガは奇妙なものを見た。

放ったはずの魔法が、ギルマスの体を、通り抜けた様に見えたのだ。

魔法が当たる寸前、ギルマスの体が急激に脱力し、そのまま魔法の勢いを後ろへと受け流す。

 

強力な一撃を受けるときは、防御を固めるが道理。

しかし、ギルマスは究極の脱力により衝撃を外に逃したのだ。

それはまさしく、別世界において消力と呼ばれる技。中国拳法の極地と呼べるその技を、その身一つで再現して見せたのだ。

それはプレイヤーの力ではなく、百年の間の武の研鑽。

斬撃も、太くすればそれすなわち打撃。で、あるのならば、防げぬ道理はない!

 

とはいえ、現断という魔法には、滅茶苦茶に空間を切り裂き、繋ぎ合わせる、というフレーバーテキストがある。

それが現実となった世界においては、受け流す技で、その威力を減衰したとしても、人智を超えた現象の力までは防げず、幾ばくかのダメージは負ってしまう。

 

だが、それは本来受けるはずだったダメージと比べば、圧倒的な差がある。

 

「じゃあ、反撃させて貰うわよ…!」

 

ギルマスはモモンガの体に剣を叩きつける。

骨の折れる嫌な音と共に、モモンガの体が地面に叩きつけられる。

 

逃げようとするモモンガの右腕に剣が投擲され、拘束無効が発動までするコンマ一秒の間、地面に縫い留められる。

その一瞬にも満たない時間の間には、ギルマスは既にモモンガの目の前に迫っていた。

 

体に拳が叩きつけられる。

一発、一発と体に拳がめり込む。

 

モモンガもただ受けていたわけではない。

黒曜石の剣を呼び寄せ盾にし、雷を降り注がせ、荒れ狂う大波を呼び、降り注ぐ鉄の雨を呼んだ。

しかしそれら全ては無駄な抵抗に終わる。

剣は砕け、雷は逸らされ、大波は咆哮に散らされる。

 

モモンガは、人間なら必ず行う、「呼吸」に動作の隙に抜け出そうと画作するが、そもそもその隙が生まれない。

無呼吸。一切の呼吸をせずに行われる乱打。

人は息を吸うタイミングで、全力の力を出すことは出来ない。で、あればそもそも呼吸をしなければ常に全力の攻撃を出すことができるのは道理…!

 

このままでは、魔法職の貧弱なHPは確実に削り取られてしまう。

だがしかし、モモンガの顔に焦りはなかった。

 

「起動…《結界破壊》!」

 

戦闘開始時に投げておいたアイテム「魔封じの水晶」

そこに込められていた魔法を、このタイミングで使用する。

 

それは、次元封鎖を破り、転移を可能にするもの。

試合開始後すぐに打っても構わなかったが、それでは恐らくすぐに貼り直されてしまうだろう

だからこそ、この転移でなければ抜け出せないタイミングまで切り札をとっておいたのだ。

 

「《上位転移》ッ!」

 

ギルマスが結界を貼り直すまでの間に上空数キロまで転移する。

額を、流れないはずの汗が流れた気がした。

 

病的なまでの慎重さを持って、何十重にも防御魔法を重ねる。

だが、数秒経ってもギルマスはやってこない。

 

一体何がおきてるのか。

次の瞬間、地上から放たれた極太のビームによってその思考はかき消された。

モモンガの張った結界により、その威力はかき消されたが、ほんの数枚を残して、結界は全て砕けてしまった。

 

そして次の瞬間──目の前まで迫っていたギルマスが、モモンガの顔面を殴り飛ばす。

結界がなければここで終わっていただろう。しかし、数枚の結界が威力を減衰したおかげで、モモンガのHPは未だ残っている。

 

「《魔法二重最強化・心臓掌握》」

 

少しでも相手の能力を暴いてやろうと、得意とする即死魔法を放つが、付随するデバフごと無効化される。

 

そして、ギルマスは三度地面に叩きつけられたモモンガ目掛けて、再び剣を握り直し、─今度は先程の片手剣と違い、クレイモアと呼ばれるタイプの両手剣だ─最後の一撃を喰らわせる。

 

「『スラッシュ』『頂点の一撃』──武技『斬撃』」

 

ギルマスが()()()()()唯一使える武技と共に、究極の一撃が叩き込まれる。

 

「《魔法三重最強化・朱の新星》ッ!」

 

極大の火球と、至高の斬撃が交差する。

 

最後に立っていたのはギルマスだった。

 

 

 

試合終了を告げる電子音が鳴り響く。

 

「いい戦いだったわよ。モモンガ。」

 

「いや、ほんと凄いですね、──さんは。」

 

修復された体でモモンガは立ち上がり、ギルマスと握手を交わす。

第一回の模擬戦は、ギルマスの勝利で終わった。




幾つかの魔法に強化パッチが入っていますがそれはモモンガさんが強化されたからということで


感想、評価、誤字報告などありがとうございます!励みになります!

この作品はあと10話以内に一旦完結するが、そのあとどうするか

  • 綺麗に完結しましょうや
  • 続き書きましょう(一応ネタはある)
  • 敵対ルートあくしろよ
  • ちくわ大明神
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