シンエヴァのネタバレが冒頭からありますので、見ていない方でネタバレオッケー以外の方はやめといた方がいいかもしれません。
「父さん?
なに言ってるんだよ…意味わかんないよ!
だって、え?
父さんは父さんだけど父さんじゃないって…」
父から発せられた意味不明な内容。
そして2回目の人生とは一体
「そこだけ聞けば意味がわからないのも当然だな。
私はな、この碇ゲンドウとしての人生を別の世界で送ったことがある。
その世界にも使徒がやってきて、お前たちにエヴァで戦わせた後、人類補完計画を行う世界だった。
違う点はいくつかあるが、先ず使徒の数がこの世界より少なかった。
そして最も大きな違いは、シンジ。
ウルトラマンZが存在しない世界だったということだ。」
Zさんがいない?
じゃあこの出会いは必然ではなくて本当に偶然ってこと?
「続けるぞ。
その世界では3号機に載ったのはアスカくんだった。
結末は同じだが、その後ゼルエルとの戦いでレイが喰われた。
レイを救い出すために、シンジが初号機と覚醒しゼルエルを倒した。
しかしその力でインパクトのトリガーとなる。
その世界はそのインパクトで半壊状態だった。
そしてそこから14年が過ぎ、世界を元に戻そうと葛城くんたちが我々に反旗を翻し、NERVと戦うことになる。
その時私と冬月はNERVに残りゼーレに代わって人類補完計画を行なっていた。
そして私は神が残した
ネブカドネザルの鍵
を使い、人という器を捨て神に近い存在になった。
この時ネルフ側が使ったのが13号機、あのエヴァだ。
最後の決戦でお前と初号機が葛城くんが命がけで作った新たな槍を使い、新時代を築いた。
そして私はユイと共に死後の世界へ旅立った、はずだった。
その後目覚めたらこの世界の碇ゲンドウとして生きていた。
もともとこの世界で生きていた私に私が溶け込んだ形になるのだろうな。
今のように記憶がはっきり思い出せたり、こうやって家族を愛しく思えるようになったのもラミエルを倒した後くらいか…
その影響で私の魂に刻まれた13号機の力を使えたのだ。
こうして聞くと、まったくお前の父ではないような感じがするかもしれないが、お前が生まれた日のことは今でもはっきり覚えている。
こんなに幸せでいいのかとユイに問いかけたこともな。
さて、話がズレたが本題に入ろう。
シンジが新時代を築くために起こしたインパクトでどうやら人である私と神であろうとする私の魂が二つに分かれたらしい。
私の魂は今ここにあるが、奴の魂はさっき説明した私が生きていた世界で時の狭間に封じられていたらしい。
しかしその封印が解け始めている。
奴は私の魂を求めてこの世界へこようとしている。
奴がこの世界で私を取り込み完全になれば、この世界でインパクトを起こそうとするだろう。
私はゆいと共に逝きたかった。
しかし奴の目的は歪んだ末にインパクトを起こすことにある。
なんとしても止めねばならんがこちらの世界からは奴に手出しができない。
そこでシンジ、お前に頼みたいことはその世界へ行き、もう1人の私を止めてほしいのだ。
本来なら私がいくべきなのだろう、しかし、次元の壁で私は弾かれてしまう。
後をたくせるのはお前だけだ。
頼む、奴を倒すことで救ってやってはくれまいか。」
父から伝えられる真実。
あまりの情報量に酔った頭では耐えられない。
「…ごめん父さん。
今日は帰るよ。」
なんとかその言葉だが伝えると逃げるように家に帰った。
「パパ、頑張ったね。
お久しぶりZ、ごめんけどうちの弟を頼むね。」
『シャニ、いや、今は明だったな。
しかし、シンジが応じてくれるかどうか…』
「大丈夫よ。
シンジくんにはどんな時でも背中を押してくれる人がいるもの。
そうよね、アスカチャン。」
帰宅するシンジ、帰って早々水を煽る。
「…ふぅ。
だめだ、まだ頭がまとまらない。」
そんな時だった、寝ていたアスカが起きてきた。
「おかえりシンジ…未来はもう寝たわよ。」
「寝かしつけありがとう。」
アスカはシンジの顔を見ると眉を顰め、隣に座った。
「その様子だと義父さんから全部聞いたみたいね。
もう1人の碇ゲンドウとその世界について。」
アスカの言葉に思わず振り向くシンジ。
「あんたのいない時にね、こっそり未来の顔を見にきたことがあったの。
その時に全部私に話してくれたわ。
もし何かあった時に一番にそいつに狙われる可能性があるからってね。
なんで言わなかったか?って顔してるわね。
あんたも知ってるでしょ、お義父さんが臆病な人なのわ。
その人が私に頭を下げていうのよ、シンジには私から話す、それが父として、男としての最低限の礼儀だってね。
そこまで言われちゃ、隠すしかないでしょ。」
知らなかった…父さんがそんなことを。
「しばらく向こうの世界に行くんでしょ?
なら、準備ができるまで後2日はかかるらしいから明後日は家族で過ごしなさい!
そんで今夜は、アタシを目一杯甘やかしなさい!」
ほんと、かなわないよなぁ。
そう思い笑みを一つこぼすと、アスカを抱き上げベットへ向かった。
そして翌日、職場はNERV直属のためその司令から呼び出しということで業務変更をしてNERVに向かった。
司令室は通されるとゲンドウがいつものポーズで座っていた。
「よく来たな、シンジ。
昨日は突然すまなかったな。」
「父さん、答えを伝えにきた。
正直話が大き過ぎて、僕も家族を持つ身だから、気軽には戦えない。」
「そうか…」
「でも、父さんの心を救うために戦えっていうのなら、その先に世界を救えっていうのならもう一度戦うよ。
父さんの息子として、家族を守る父親として!」
目を見開くゲンドウ。
そうか、大人になったなシンジ。
「わかった。
本作戦については任務扱いにする。
NERV本部所属作戦部碇シンジ1佐、出立は2日後ヒトフタマルマル。
本部で封印していたスパークレンスを受領し、出立準備を行え。
なお、本作戦について注意事項はただ一つ。
…無事に帰ってこい!」
作戦部部長碇シンジ1佐。
それが本来のシンジのネルフでの役職だ。
普段は補佐の明に全てを任せ、有事の際のみ出動する。
そして自身のロッカーへ向かいミサトと対の青色フライトジャケットを纏う。
病院の方も医者の数が多くNERVとしての仕事があるのも実は了解していたりする。
そして各方面と打ち合わせを終え、いよいよ当日を迎えた。
シンジが呼ばれたのは元初号機の格納庫だった。
仕事着の蒼いフライトジャケットを纏い、その腰にはスパークレンスとキーを携える。
現地にはゲンドウ、リツコがいた。
その2人の間にはエントリープラグとそれに繋がれた多数の機械が見えた。
「移動方法については、このプラグ内であなたの肉体を量子化してかのプラグと指令のキーを縁にして向こうの世界のあなたとシンクロしてあなたを顕現させます。
よろしくて?」
ひとつ頷くシンジ。
「それではシンジ、そしてゼット。
後は任せるぞ。
それと私の伝えた状況だが、もうすでにこの状況がイレギュラーといえる。
必ずしも同じことが起きるというわけではないから、半分しかあてにするなよ?」
「分かりました。
Zさん、またよろしく。」
『おうよ!
今度こそ世界を救うわけだな。
いくぞ相棒!』
そして全システムが起動し眩い光を放った後、その光は天へと登った。
その光を見送ったゲンドウは
「必ず無事に帰ってこいよ。」
さらに祈りを捧げていた。
ということで、冒頭はこれで終わりです。