新世紀エヴァンゲリオンZ   作:カチドキホッパー

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3話 雨、諦めた命の向こう側

第11使徒襲来。

 細菌型の使徒で、ネルフのスーパーコンピューター、マギのハッキングを狙うも紙一重の差で赤城博士に阻まれる。

 この3行の説明で終わるほど何もなかった。

 いや、正確にはさまざまな努力や対策が身を結んだのだがエヴァが出撃していない以上多く語ることがないのだ。

 

 第10使徒の襲来から1ヶ月経った。

 その間に第11使徒を倒し、残る使徒はあと7体となった。

 大破したエヴァの修理も終わり、いつ使徒が来てもいいとおもっていた。

 そんな時だった。

 第12使徒レリエル襲来。

 初号機が使徒の影、いや本体に飲み込まれて3時間が経過した。

 

「N2爆雷108機の爆破でシンジを救い出す⁈

 バカ言ってんじゃないわよ!

 あいつを殺すって言ってんの、わかってんでしょうね⁈」

 

 アスカの怒声が使徒対策の本部で響く。

 赤木リツコ博士の提唱による作戦、高火力爆弾により使徒の内部にあるない宇宙を満たし、使徒殲滅と同時に初号機を回収。

 ここに、パイロットの生死は計算に入れられていない。

 

「何度も言わせないで、アスカ。

 この戦いではエヴァが最重要なの、バックアップたるパイロットはいくらでもあるのよ。

 彼だけじゃなく、あなたもね。」

 

 提唱者は声を荒げるパイロットに冷たい視線を送り、作戦を詰め始める。

 アスカは、いや、レイもミサトも誰1人納得がいっていない作戦だが、どうやって突破口を開こうか誰も思いつかないのだ。

 まだ作戦は司令まで上がっていない。

 だが、状況的に承認される可能性は高い。

 シンジの死までのカウントダウンは残り八時間。

 エヴァの内部電源が切れるまでが勝負なのだ。

 

 

 そんな頃シンジは

 

「はぁ、真っ白な景色変わんないなぁ。」

 

 電源を少しでも伸ばすために抗わないで待っていた。

 最初こそパニックでどうしようか慌てふためいたが、どうしようもないことに気づき大人しくしている。

 きっとみんなが助けてくれるさ。

 そう信じて疑わない。

 外ではエヴァだけを救い出す作戦しか考えられていない。

 気づけばどれだけ経ったんだろう。

 LCLが濁り出した。

 寒い、寒い。

 死ぬんだろうか…生きたい、生きたい!

 

『ンジ……シン………シンジ!』

 

 頭の中に鳴り響く声にハッとするシンジ。

 この声は…

 

「ゼットさん!」

『シンジの生きる力が減少して私の声が届かなくなった時は冷や汗が出たでござるよ。

 こいつはウルトラ厄介な使徒でございますなぁ。』

 

「ゼットさん、僕はもう無理です。

 相棒失格ですよ…」

 

 また死の淵に立たされてネガティブモードに入るシンジ。

 

『そうだな、俺の本来の相棒のハルキと比べたらダメダメですぞ。』

 

「ハルキ…さん?」

 

 シンジがようやく顔を上げる。

 

『そうだ。

 ハルキはなんの才能もなかった。

 だけど持ち前のど根性だけでどんな困難も振り払い、ついに世界を救った相棒だ!

 シンジ、私は君にもハルキと同じかそれ以上になれると信じている。

 君は誰より優しい男だ。

 誰かのために戦える、ウルトラ強い男だ。』

 

 Zの言葉に涙が止まらないシンジ。

 そして涙を流し切ったあと

 

「ゼットさん、僕に力を貸してくれますか?」

 

『あぁ、待ってたでございますよ!

 さぁ、この逆境を跳ね返す、変幻自在の光を見せてやろう!』

 

 ウルトラマンZ!ガンマフューチャー

 

「変幻自在、神秘の光。」

 

 ゼットの言葉で生きる力を取り戻したシンジ。

 キーをセットし銃身を開いて空に掲げる。

 

 ブートアップ!ガンマ!

 

『ご唱和ください我の名を!ウルトラマンゼェーット!』

 

「ウルトラマン、ゼェーット!」

 

 赤と紫のゼットが空間を超能力で切り裂いていく。

 朝の光に包まれていた世界はすっかり星の煌めく夜になっていた。

 初号機を抱えて外に出てきたZは、辺りを覆う爆弾に驚く。

 

『なんだこの爆弾の数…

 シンジを殺す気か⁈』

 

 ゼットの超能力で爆弾を影の中に移動、自分たちの出てきた空間を塞ぎ、

 

『ガンマイリュージョン』

 

 赤い巨人、紫の巨人、青い巨人を呼び出し4身一体の光線を放ち内部爆発を起こさせ、第12使徒を打ち破ったのだった。

 

 

 

「シンジまた入院ね」

 

 今回は珍しくアスカがつきっきりで看病してくれていた。

 ミサトに聞くと、リツコが提案した爆発案に最も食ってかかっていたのがアスカなんだとか。

 アスカには感謝しても仕切れない、おまけに看病もしてくれるなんて

 

「ほんとアスカは優しいよなぁ」

 

 どうやら思っていたことが口に出ていたらしい。

 顔を真っ赤にしたアスカが背を背けるが、体を僕の方に預けてくる。

 

「あのね、シンジ。

 私、あんたを守るわ。

 あの巨人にだって譲らない、あんたの隣にいるのは私だもの!」

 

 

 同時刻、司令室

 

「赤木くん、パイロットの人命を無視した作戦を押し通そうとしたというのは本当かね?」

 

 いつも仏頂面、何人殺したかわからない雰囲気を放つ碇ゲンドウ。

 彼が今、明らかな怒りをこちらに向けている。

 

「本当ですわ。

 この戦いに勝つためにはエヴァが最重要。

 司令もそれはお分かりのはずです!」

 

 リツコのいうことも一理ある。

 あるが…

 はぁ、っとゲンドウはため息をついた。

 

「赤木くん、大人の果たすべき責任が何かわかるかね?

 子供たちに明るい未来を用意することだ。

 我々だけでは勝てないこの戦いに、子どもたちを巻き込んでいるということを思い出したまえ。

 子どもたちに戦えないわたしたちのケツを拭かせているのだよ。

 最優先すべきはパイロットの命、次にエヴァだ。

 履き違えるな、赤木博士。

 話は以上だ、出ていきたまえ。」

 

 リツコは浮かぶ涙をみせぬよう足早に司令室を去ろうとするが

 

「あぁ、待ちたまえ赤木くん。

 君に開発関係を一任して苦労をかけているのは私だ。

 君には本当に頭が上がらない。

 ほんとうにありがとう。

 だが、もう少し子供たちを、パイロットとしてではなく人として見てあげてほしい。

 引き止めてしまってすまない。」

 

 ゲンドウの優しい言葉に司令室を出てから涙が止まらないリツコだった。

 

 

「またウルトラマンZに救われたな、碇」

 

「あぁ、残り6体の使徒と戦うにあたって、同じような危険な目にあう可能性もある。

 一刻も早く、ダミープラグを完成させねばな」

 

 

 

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